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生成AIを活用したシステムの開発事例15選!売上向上やスピード導入など

生成AI(人工知能)を活用したシステム開発が、日本企業の業務効率化と競争力向上に大きな成果をもたらしています。総務省の令和7年版情報通信白書によれば、世界の生成AI市場は2023年の205億ドルから2030年には3,561億ドル(AI市場全体の43.1%)まで拡大すると予測されています。

こうした急速な市場拡大を背景に、日本企業における生成AI活用は、もはや「試験的な取り組み」から「競争力維持に不可欠な経営課題」へと移行しつつあります。

出典:令和7年版 情報通信白書 市場概況/総務省/2025年

本記事では、実際に生成AIを導入して具体的な成果を上げた日本企業15社の事例を、4つの効果軸で整理しました。コスト削減から売上向上、スピード重視の導入、セキュリティ強化まで、各企業がどのような課題を解決し、どれほどの効果を実現したのかを詳しく紹介します。これから生成AIの導入を検討している企業にとって、実践的な参考資料となる内容です。

この記事でわかること
  1. 生成AI導入で日本企業が達成している具体的成果 工数削減40-70%、検索時間93%短縮(15分→1分)、開発効率10-30%向上など、15社の実例から4つの効果軸(コスト削減・売上向上・スピード導入・セキュリティ強化)で測定可能な成果が明らかになっています。
  2. 成功事例を自社で再現するための5つの必須条件 経営層の明確なコミット、データ品質の徹底管理、MLOpsによる継続改善、早期ユーザテスト、ガバナンス体制の整備が共通要素。大企業だけでなく中小企業でも段階的に適用可能です。
  3. 導入時に直面する現実的な課題と対処法 PoC段階の効果が本番で50-70%程度になるケースが多く、データ整備に当初見積の1.5-2倍の工数を要する現実があります。希望的観測ではなく保守的な計画で進めることが、長期的な成功の鍵です。
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目次

コスト・工数を大幅削減した事例

この軸では、生成AIによって業務工数の大幅な削減や効率化を実現した企業事例を紹介します。

  • NTTデータがSmartAgentで40-70%の工数削減を実現
  • パナソニック コネクトが日次5,800回の社内AI活用を達成
  • 富士通が3か月で全社員展開し日17万リクエストを処理
  • 日立製作所が議事録・翻訳79.7万件を自動化
  • アサヒビールがナレッジ検索時間を15分から1分に短縮
  • LINEヤフーがCopilot導入で開発時間を10-30%短縮

NTTデータがSmartAgentで営業業務工数を最大7割削減した事例

マーケティング業務を最大6割削減する新たなAIエージェントサービスを提供開始 | NTTデータグループ – NTT DATA GROUP

項目内容
企業名株式会社NTTデータ
業界ITサービス
ビフォー大規模システム開発でテスト・製造工程が人海戦術。営業ドキュメント作成などに多大な工数を要していた
アフター生成AIエージェント「SmartAgent」による複数エージェント連携で、マーケティング業務工数を40-70%削減

NTTデータは、人口減によるIT人材不足と売上1000億円規模の生成AI事業目標を背景に、独自の生成AIエージェント「SmartAgent」を開発しました。

この取り組みの特筆すべき点は、複数のAIエージェントが連携するマルチエージェント構造と、企業内データを活用するRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を組み合わせた点。Task PlanningやAgent Opsなどの独自基盤により、営業ドキュメント作成を自律的に自動化し、実証段階で40-70%という大幅な工数削減を実現しています。

2027年までに生成AI関連売上累計1000億円を計画し、まず営業部門から社内200部署への順次展開を予定。PoCから本格サービス提供まで約12か月という比較的短期間で成果を上げている点も注目されます。

パナソニック コネクトが社内AI活用で月26万回の利用を実現した事例

2025年最新|企業の業務を変えたAI導入事例まとめ – (株)LIFE PEPPER|1000社の海外デジタルマーケティング支援

項目内容
企業名パナソニック コネクト株式会社
業界製造/B2Bソリューション
ビフォー部門横断の問い合わせ対応が属人化し、現場スタッフの時間を圧迫
アフター生成AIアシスタント「ConnectAI」を全社展開、日次平均5,800回・月26万回利用で社内質問の7割を自動処理

パナソニック コネクトは、約2万人の従業員を対象とした社内AI活用で大きな成果を上げています。同社が開発した「ConnectAI」は、部門横断の問い合わせ対応が属人化していた課題を解決するため、社内RAG連携によるファクトベース回答を実現。

導入から3か月という短期間で社内β版から全社展開を完了し、現在では社員の約7割が業務関連質問に活用しています。特に注目すべきは利用頻度の高さで、1日平均5,800回、月間26万回という活発な利用状況が示すように、現場に根付いた実用的なツールとして機能。

2024年からはコンタクトセンターでの音声要約機能や、ファクト検証機能付きバージョンの試験導入など、水平展開も進めており、製造業における生成AI活用のモデルケースとなっています。

富士通が3か月で全社員展開し日17万リクエストを処理した事例

富士通のエンジニアたちが日本マイクロソフトから表彰!対話型AIサービス「Fujitsu Kozuchi Generative AI」開発の想いや裏話を聞きました|富士通 広報note

項目内容
企業名富士通株式会社
業界ITサービス
ビフォー提案書・コード・レポート作成や社内調査に1件あたり数時間から数日を要していた
アフター自社LLM「Fugaku-LLM」と200種業務GPTにより、全社員12.4万人に展開、日次17万回活用で年間92万時間の工数削減

富士通は自社開発のLLM「Fugaku-LLM」を活用し、わずか3か月でPoCから全社本番環境への展開という異例のスピードを実現しました。同社の取り組みで特に印象的なのは、業務別GPTを200種以上も現場がセルフ開発している点。

プロンプトDAOという仕組みにより、現場の従業員自身が機能追加や改良を継続的に行える体制を構築しています。多言語資料や大容量コードのレビューが属人的で遅いという課題に対し、生成AI月間MAU1.1万人、日次17万回という高い活用率を実現。トラスト技術による幻覚検出やURLチェック機能も組み込み、信頼性の確保にも配慮しています。

2025年度からは生成AI関連スキル研修を全社員必修化する予定で、継続的な人材育成にも力を入れる方針です。

日立製作所が議事録・翻訳79.7万件の自動化で月1.5万時間削減した事例

日立グループ ITパフォーマンスレポート2024

項目内容
企業名株式会社日立製作所
業界総合電機/IT
ビフォーグローバル会議の議事録作成・翻訳が月1.5万時間の手作業となり、海外拠点増で多言語コミュニケーション業務が急増
アフター生成AIで79.7万件の自動要約・翻訳を処理、48,000ユーザーが利用し月1.5万時間を削減

日立製作所は、海外拠点増加に伴う多言語コミュニケーション業務の急増という課題に対し、生成AIを活用した自動化で大幅な効率化を実現しました。同社の取り組みで注目すべきは、IT部門が共通基盤を横串で提供し、Zero-Trust環境上でマルチモデルを安全に運用している点。

ERP・CRMへのAPI連携により、既存システムとの統合も図っています。特に「AI壁打ち」という機能では、提案書のドラフトを自動生成し、営業活動の効率化にも貢献。DX人財育成とセットで推進することで、単なるツール導入にとどまらず、組織全体のデジタル変革を実現しています。

ITパフォーマンスを年次レポートで数値公開し、社内LLMコンテストを年2回開催するなど、継続的な改善と社員のスキル向上にも力を注いでいる点が特徴的です。

アサヒビールがナレッジ検索時間を15分から1分に短縮した事例

技術文書を100文字要約、アサヒビールがR&Dプロセスに生成AIを導入した2つの狙い:製造業×生成AI インタビュー(1/2 ページ) – MONOist

項目内容
企業名アサヒビール株式会社
業界飲料
ビフォー製品仕様・社内規程の検索に平均15分/件、検索ヒット率は60%台で情報検索工数が増大
アフター生成AI+ベクトルDBで平均1分/件に短縮、ヒット率90%超を実現し、月4.2万件の検索を処理

アサヒビールは、多品種・多拠点による情報分散とバックオフィスへの問い合わせ集中という課題を、生成AIを活用したナレッジ検索システムで解決しました。同社の導入プロセスで特筆すべきは、わずか4週間のPoCでROIを可視化し、3か月で本番運用を開始したスピード感。

SharePointとCSV管理のFAQをRAG連携させ、R&D部門の横断的なナレッジ共有基盤として機能させています。興味深いのは、検索ログを次期商品開発のアイデアソースとして活用し、マーケティング部門との連携も図っている点。

社内AIリテラシー研修を合わせて実施することで利用率を継続的に向上させ、規程改訂箇所をGPTで自動要約してSlackにプッシュ通知する新機能も検証中です。2025年度中には海外拠点への展開も予定しており、グローバル展開も視野に入れた取り組みとなっています。

LINEヤフーがCopilot導入で開発時間を10-30%短縮した事例

LINEヤフーの全エンジニア約7,000名を対象にAIペアプログラマー「GitHub Copilot for Business」の導入を開始|LINEヤフー株式会社

項目内容
企業名LINEヤフー株式会社
業界インターネットサービス
ビフォー約7,000名の開発者が手動コーディングを実施、サービス数増加と技術負債解消の両立が課題
アフターGitHub Copilot for Businessを全開発者7,000名に導入、1人あたり1-2時間/日削減、コード作成時間10-30%短縮

LINEヤフーは国内最大級のGitHub Copilot全社導入を実現し、開発効率の大幅な向上を達成しました。同社の取り組みで注目すべきは、単なるツール導入にとどまらず、e-ラーニング必修化による著作権リスクの抑制や、全社横断のコーディングガイド刷新など、包括的な体制整備を行った点。

3か月のテスト期間を経て10月に正式導入し、1人あたり1-2時間の日次削減効果を確認しています。音声操作デモの公開によりアクセシビリティの強化も図っており、多様な開発者が利用しやすい環境を整備。

開発効率10-30%向上という具体的な数値成果とともに、エンジニア7,000名という大規模導入の実現により、日本のIT業界における生成AI活用のベンチマークとなる事例といえるでしょう。

ただし、こうした大規模導入事例には「既に高度な開発体制が整っていた」という前提条件があります。実際、当社が支援した中小企業では、コーディング規約が未整備だったため、Copilotの提案コードが品質基準を満たさず、かえってレビュー工数が増えた例もありました。生成AI導入で成果を出すには、「現在の開発プロセスがどの程度標準化されているか」を先に診断すべきです。基盤が整っていない場合は、まず小規模チームでの試行から始め、ノウハウを蓄積してから全社展開する段階的アプローチが現実的です。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

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売上・CXを向上させた事例

この軸では、生成AIによって売上向上や顧客体験(CX)の改善を実現した企業事例を紹介します。

  • KDDIがauサポートボットで完結率を65%から85%に向上
  • サイバーエージェントが極予測AIで広告制作時間を大幅短縮
  • メルカリがAI出品サポートで3タップ30秒の出品を実現
  • 楽天モバイルがAIアシスタント2.0で24時間契約完結とNPS向上

KDDIがauサポートボット完結率を85%に向上させた事例

KDDIとアルティウスリンク、カスタマーサポート領域の新事業プロジェクトを開始 ~応対品質管理業務の約24,000時間削減など、「KDDIお客さまセンター」のDX知見を活用~|2024年|KDDI株式会社

項目内容
企業名KDDI株式会社
業界通信
ビフォーチャットボット完結率65%、応対品質評価は全件の約10%を人手でチェックし年間2.4万時間が発生
アフター生成AIを組み込んだLINE公式「auサポート」ボットで完結率85%を達成、応対品質は全件自動評価に切り替え年間2.4万時間削減

KDDIは、コール数の高止まりと応対品質のばらつきという課題に対し、生成AIを活用したカスタマーサポートの抜本的改革を実現しました。同社の取り組みで特に印象的なのは、音声認識と生成AIを組み合わせて全通話ログの自動品質判定を行い、分析対象100%を実現した点。

従来の10%サンプリングから全件分析への転換により、サービス品質の大幅な向上を図っています。応答テンプレートをAIが動的生成することで運用ルールを大幅に簡素化し、オペレーター工数を月約2千時間削減。Amazon Bedrockを採用したマルチモデル構成により、将来的なモデル切り替えにも対応しています。

さらに、成果モデルを他社BPO向けにSaaS提供する予定で、自社の成功事例を外部展開する新たなビジネスモデルも構築しています。

サイバーエージェントが極予測AIで広告制作期間を大幅短縮した事例

極予測AI、生成AIを活用した商品画像の自動生成機能を開発・運用開始へ | 株式会社サイバーエージェント

項目内容
企業名株式会社サイバーエージェント
業界広告テクノロジー
ビフォー商品画像撮影→効果予測→制作に1-2週間、広告バナー大量制作とABテスト高速化がボトルネック
アフター極予測AI×生成画像により高効果画像を即時生成、制作期間を数時間から数分に短縮

サイバーエージェントは、広告クリエイティブ制作の課題を効果予測と生成技術の組み合わせで解決し、業界に大きなインパクトを与えています。同社独自の「極予測AI」は、広告効果を事前にスコアリングし、その予測結果に基づいて生成AIが高効果な画像を即時生成するワンストップシステム。

従来1-2週間を要していた制作プロセスを10分から数時間に劇的に短縮しました。2024年1月から本格運用を開始し、月数千クリエイティブを生成する規模で稼働。AI Labとの共同研究により継続的な改良を進めており、クリエイターの試作負荷を大幅に軽減しています。

PoCから商用化まで4か月という短期間で実現した点も注目すべきで、効果予測と生成を自動ループさせる技術により、広告業界における生成AI活用の新たな可能性を示した先進事例といえるでしょう。

メルカリがAI出品サポートで3タップ30秒出品を実現した事例

メルカリ、「AI出品サポート」の提供を開始。出品体験をさらに簡単にアップデート | 株式会社メルカリ

項目内容
企業名株式会社メルカリ
業界EC/C2C
ビフォー出品入力に平均3分、検索はキーワード試行錯誤が必要で、初心者の出品UXが煩雑
アフター写真+カテゴリ選択だけで商品情報を自動生成し、3タップ30秒で出品完了、β公開2か月で完了率+12pt

メルカリは、初心者ユーザーの出品体験向上を目指し、独自LLM「eliza」を活用したAI出品サポート機能を開発しました。従来平均3分を要していた出品作業を、写真撮影とカテゴリ選択だけの3タップ30秒で完了できる革新的なUXを実現。β版公開からわずか2か月で出品完了率が12ポイント向上するという具体的な成果を上げています。

同社の取り組みで特筆すべきは、社内AIガバナンス組織を新設し、プロンプトとデータ利用を常時レビューする体制を構築した点。全社員向け生成AI研修も実施し、安全で効果的なAI活用を推進しています。

機能をSDK化して外部パートナーアプリへの提供も予定しており、2025年にはUI自動生成プロジェクト「Aurora」を同一LLMで実装する計画。C2Cプラットフォームにおける生成AI活用のモデルケースとして注目されています。

楽天モバイルがAIアシスタント2.0で24時間契約完結を実現した事例

楽天モバイル、チャット形式のAIサポートサービス「楽天モバイルAIアシスタント2.0」の本格提供を開始 | プレスリリース | 楽天モバイル株式会社

項目内容
企業名楽天モバイル株式会社
業界通信
ビフォーFAQページ多層構造でユーザー離脱率が高く、来店予約・新規契約は別画面への遷移が必要
アフター生成AIチャットで24時間サポート&チャット内で来店予約・新規契約が完結、NPS+3pt・離脱率▲30%見込み

楽天モバイルは、カスタマーサポートとビジネス取引の統合により、顧客体験の革新的な改善を実現しました。従来のFAQページによる多層構造から、ChatGPT-4 Turbo APIを活用した統合チャットUIへの全面移行を3か月で完了。

特に注目すべきは、サポート対応だけでなく来店予約や新規契約までチャット内で完結させた点で、これによりユーザーの離脱率30%減少とNPS3ポイント向上を見込んでいます。ノンログインでも利用可能な設計により、幅広いユーザーがアクセスしやすい環境を提供。

FAQ自動タグ付け機能によりナレッジ蓄積を自走化し、音声ボット「Rakuten Link AI」との機能統合も計画中です。2025年には楽天グループのEC・金融サービスにも同一チャットUIを展開予定で、グループ全体のCX統合を目指す戦略的な取り組みとなっています。

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短期PoCから本番導入まで高速で実現した事例

この軸では、概念実証(PoC)から本番運用まで短期間で実現し、スピード重視の導入を成功させた企業事例を紹介します。

  • NECが国産LLM「cotomi」を開発2週間で6万人展開
  • セブン-イレブンが商品企画サイクルを1/10に短縮
  • 富士通がPoCから全社本番3か月で200種業務GPTを現場が継続改良

NECが国産LLM「cotomi」を2週間で6万人展開した事例

生成AI | NEC

項目内容
企業名日本電気株式会社(NEC)
業界IT/通信
ビフォー部署ごとに散在するQAデータで回答精度・ガバナンスがばらつき、機密情報流出リスクでパブリックLLM使用禁止
アフター国産LLM「cotomi」により6万人が2週間で利用開始、業務特化型LLMで専門QA精度+25%

NECは、機密情報保護とガバナンス要件を満たしながら、異例のスピードで生成AI導入を実現しました。同社が開発した国産LLM「cotomi」は、オンプレミスとクラウドの選択が可能な構成で、AIガバナンス専任組織を併設した安全な運用体制を構築。

わずか2週間という短期間で6万人の従業員が利用開始できたのは、事前の準備とガバナンス体制の整備が功を奏した結果といえます。図表読取からテキスト化するパイプラインを公開し、ユースケース別テンプレート70種を用意することで、現場の迅速な導入を支援。

cotomiをOEM提供して他社導入も支援しており、生成AI LIVE!での安全基準と事例の無償公開など、業界全体への貢献も積極的に行っています。国産LLMの優位性を活かした短期導入モデルとして、多くの企業から注目を集めている事例です。

セブン-イレブンが商品企画期間を1/10に短縮した事例

セブンイレブンAI:セブン-イレブンAIライブラリー:Google Cloud上に構築その実態は?:「AI全社員導入」で話題!でも実際のところどうなの?|セオドア アカデミー

項目内容
企業名株式会社セブン-イレブン・ジャパン
業界小売
ビフォー新商品の企画〜社内決裁に平均10週間、SNS解析とPOS分析が手作業でヒット商品の滞留期間短縮がボトルネック
アフター生成AIがデータ分析〜企画書ドラフトを自動化、最短1週間で意思決定し企画リードタイム90%短縮

セブン-イレブンは、“ヒット賞味期限”が短縮する市場環境に対応するため、生成AIを活用した商品企画プロセスの抜本的改革を実現しました。同社の取り組みで特に注目すべきは、SNS口コミ分析と売上データのリアルタイム分析を生成AIで統合し、市場ニーズを即座に商品企画に反映させる仕組みを構築した点。

部門横断で共通KPI「Time-to-Shelf」を設定し、AI効果を定量的に測定できる体制も整備しています。生成AIプロンプトの標準テンプレート化により品質のばらつきを抑制し、外部クリエイター共創プラットフォームとのAPI連携も実現。

管理職から全従業員への段階的展開により組織全体のデジタル変革を推進し、2025年には気象データ連動レシピ生成AIのPoCも予定するなど、継続的なイノベーションを図っています。

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高セキュリティ/ガバナンスを確保した事例

この軸では、厳格なセキュリティ要件やガバナンス体制を満たしながら生成AIを導入し、安全で効果的な活用を実現した企業事例を紹介します。

  • みずほFGが社内専用「Wiz Chat」にGPT-4 Vision/DALL-E3を安全運用
  • SMBCグループがTeams常駐「SMBC-GAI」で2秒に1回の呼び出しを実現
  • MUFGがOpenAIと覚書締結しChatGPT Enterpriseで部門別GPTsを構築
  • NECがオンプレ/クラウド選択可能なAIガバナンス専任組織併設で全社展開

みずほFGが社内専用「Wiz Chat」でGPT-4 Vision対応を実現した事例

みずほ、生成AIチャットツールに「GPT-4 Turbo with Vision」「DALL-E3」を導入。より一層の業務効率化へ

項目内容
企業名株式会社みずほフィナンシャルグループ
業界銀行・金融
ビフォー行内規程や稟議作成を手作業検索、金融規制・個人情報保護を満たしつつDX推進が急務
アフター社内専用GPT-4+Vision+DALL-E3対応で月数千時間削減、Teams連携でモバイル利用も可能な閉域環境を構築

みずほフィナンシャルグループは、金融機関として最高レベルのセキュリティ要件を満たしながら、最新の生成AI技術を活用した先進的なシステムを構築しました。同社の「Wiz Chat v2」は、GPT-4 VisionとDALL-E3に対応した社内専用環境で、画像入出力も含めた包括的なAI活用を閉域ネットワーク内で実現。

2024年4月に「AIX推進室」を新設し、専門人材を大幅増強することで、技術面だけでなく組織面でも生成AI活用基盤を強化しています。FGと傘下銀行で3万ユーザー超という大規模導入を、初期PoCから正式運用まで10か月で実現した実行力も注目に値します。

Teams連携によりモバイルデバイスからも安全にアクセス可能な設計で、音声入出力やファイル連携機能の順次実装、外部パートナーとの共同検証ライン常設など、継続的な機能拡張も計画しています。

SMBCグループがTeams常駐「SMBC-GAI」で2秒に1回呼び出しを実現した事例

SMBCグループが独自に生み出したAIアシスタント「SMBC-GAI」開発秘話 | DX-link(ディークロスリンク)- 三井住友フィナンシャルグループ

項目内容
企業名三井住友フィナンシャルグループ
業界金融
ビフォー行内検索・翻訳・要約に別々のツール使用、情報漏洩懸念で利用制限があり金融機関として機密保持と監査証跡が必須
アフター2秒に1回呼び出されるAIアシスタント「SMBC-GAI」をMicrosoft Teamsプラグインとして提供、リリース4か月で全行展開

SMBCグループは、金融機関特有の厳格なガバナンス要件を満たしながら、業界トップクラスの利用頻度を実現する生成AIシステムを構築しました。「SMBC-GAI」の最大の特徴は、2秒に1回という驚異的な呼び出し頻度で、これは従業員の日常業務に完全に溶け込んだAIツールとして機能していることを示しています。

Azure OpenAI専用環境とMicrosoft Teamsプラグインの組み合わせにより、既存の業務フローを変更することなく自然にAI機能を提供。参照URL強制表示機能によるファクトチェック機能も組み込み、金融業務で求められる情報の正確性を担保しています。

同社の成功要因として注目すべきは、「開発4か月、ルール整備4か月」のWフェーズ式アプローチで、技術開発と並行してガイドライン・教育体制を先行整備した点。全行共通APIにより他システム連携も可能な拡張性を備えています。

MUFGがOpenAI共同検証でChatGPT Enterpriseを活用した事例

OpenAI社との生成AIを用いた金融業務の高度化・効率化の取り組み開始について

項目内容
企業名三菱UFJフィナンシャル・グループ
業界金融
ビフォー産業調査・手続フロー図解析は人手作業、コード作成外部委託が多く金融特有の日本語非構造データ処理がボトルネック
アフターOpenAIと覚書締結しChatGPT Enterprise採用、Webブラウジング+ADAで分析自動化、部門別GPTsで専門ワークフロー化

MUFGは、OpenAIとの直接的な覚書締結という画期的なアプローチにより、金融業界における生成AI活用の新たなモデルを提示しました。

同社の取り組みで特に注目すべきは、ChatGPT EnterpriseのWebブラウジング機能とAdvanced Data Analysis(ADA)を組み合わせた分析自動化により、従来人手に依存していた産業調査や手続きフロー図解析を効率化した点。

部門別GPTsの構築により、各部門の専門的なワークフローに最適化されたAIアシスタントを提供し、金融業務コードの自動生成PoCも実施しています。社内画像データの抽出・要約を生成AIで実証し、得られた知見をOpenAIにフィードバックしてモデル改善に貢献するという双方向の協力関係も構築。

DX人材育成1,000名プランとの連動により、2026年度には行員向け社内GPTストアの開設も計画しており、包括的なAI活用エコシステムの構築を目指しています。

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生成AIを活用したシステムの成果を最大化するポイント

生成AIシステム開発で大きな成果を上げるためには、技術面だけでなく組織面での取り組みが重要です。成功事例に共通する5つのポイントを整理しました。

経営層コミットを引き出す

生成AI導入の成功には、経営層の強いコミットメントが不可欠です。富士通やみずほFGの事例のように、専任組織の設置や大規模投資を伴う取り組みでは、トップダウンの意思決定と継続的な支援が成果を左右します。経営層のコミットを得るためには、ビジネス目標との明確な関連性を示すことが重要。

単なる技術導入ではなく、競争力向上や収益拡大に直結する戦略的投資として位置づけましょう。また、定期的な進捗報告と成果の可視化により、経営層の関心を維持し続けることも大切です。

情報処理推進機構(IPA)の調査によれば、AI導入状況は企業規模によって顕著な差があり、従業員1000人超の企業では約半数がAIを導入している一方、300人以下の企業では導入率が5%前後まで急減します。特に従業員100人以下の企業では28.4%が「今後も取組む予定はない」と回答しており、経営層の理解不足と意思決定の遅れが導入格差の主因となっています。

この事実は、技術的な準備以前に、経営層が「AIは競争力維持に不可欠な戦略投資である」という認識を持ち、明確なコミットメントを示すことが、プロジェクト成功の大前提であることを示しています。

出典:企業における生成AI活用の格差浮き彫りに -規模別・業種別の利用状況・課題と今後の展望-/情報処理推進機構(IPA)/2024年

経営層への提案で最も重要なのは、「希望的観測ではなく、保守的なROI試算を示すこと」です。当社の経験では、初期のPoC段階で見込んだ削減効果が、本格運用1年目にそのまま出るケースは稀です。むしろ現場の習熟やデータ整備に時間がかかり、初年度は期待値の50〜70%程度になることが多いです。そのため、提案時には「1年目は控えめな効果、2年目以降で本格的な成果」という段階的な計画を示すことで、経営層の信頼を得やすくなります。また、「工数削減」だけでなく「品質向上による顧客満足度の改善」といった定性的な効果も併せて提示することが、長期的な投資判断を引き出すポイントです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

データ品質を磨く

生成AIの性能は、投入するデータの品質に大きく依存します。アサヒビールやパナソニック コネクトの事例では、社内データの整理と品質向上に注力することで、高い検索精度と実用性を実現しています。

データ品質向上には、まず既存データの現状把握から始めましょう。重複データの除去、不正確な情報の修正、フォーマットの統一など、基本的なデータクレンジング作業が必要。また、AIが学習しやすい形式への変換や、適切なタグ付けも重要な作業です。継続的なデータ品質管理体制の構築により、AI の精度向上と安定運用を実現できます。

野村総合研究所の分析によれば、AI開発における最大の障壁はデータ品質の問題であり、「AI白書2023」では半数以上の企業がデータ関連の課題(学習データ不足や整備困難)を理由にAI開発を中止しています。

同研究では、ノイズを含むデータと品質改善したデータを比較した結果、同等の精度を得るために前者は3倍のデータ量が必要になることが実証されました。つまり、「大量のデータを集める」よりも「質の高いデータを整備する」方が、はるかに効率的かつ経済的なのです。このデータセントリックな視点は、生成AI時代においてますます重要性を増しています。

出典:データの質がAI活用に与える劇的な影響とは?/野村総合研究所(NRI)/2023年8月

当社がこれまで関わったプロジェクトでは、データクレンジングに想定以上の工数がかかるケースが大半です。特に「フォーマットが部門ごとに異なる」「過去データに更新履歴がない」といった問題が発覚するのは着手後が多く、初期見積もりの1.5〜2倍の期間を要することも珍しくありません。そのため、PoC前に必ず「データ棚卸し」のフェーズを設け、サンプルデータで実際にクレンジング作業を試すことを推奨します。この段階で工数の現実的な見積もりができ、プロジェクト全体の精度が格段に上がります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

アジャイル×MLOpsを徹底する

生成AI開発では、従来のシステム開発とは異なるアプローチが求められます。サイバーエージェントやメルカリの事例のように、短期間での機能改善とリリースを繰り返すアジャイル開発手法が効果的。MLOps(機械学習の運用)プロセスを組み込むことで、モデルの継続的な学習と改善を実現します。

具体的には、自動テスト、継続的インテグレーション、モデルバージョン管理などの仕組みを整備。ユーザーの利用状況を常時モニタリングし、性能劣化や品質問題を早期に検出する体制も重要です。

PwC Japanの分析では、MLOpsの達成度はレベル0(手動運用)からレベル2以上(完全自動化)まで段階的に評価され、生成AI時代においてはLLMOps(Large Language Model Operations)として、さらに高度な運用体制が求められるようになっています。

これらの研究が示すのは、「一度構築して終わり」ではなく、継続的な改善サイクルを組織に組み込むことこそが、AI活用の成否を分けるという事実です。

出典:MLOps実現に向けて抑えるべきポイント/PwC Japan/2023年

MLOpsと聞くと高度な技術に聞こえますが、実務では「誰が・いつ・何を確認するか」という運用ルールの明文化が最も重要です。当社が支援した案件では、週次で精度指標をダッシュボード化し、閾値を下回った際のエスカレーションフローを事前に決めておくことで、品質劣化を早期に検知できています。特に生成AIは、外部APIの仕様変更やデータの偏りで精度が変動しやすいため、「3ヶ月に1回の再学習」といった定期メンテナンスを最初から計画に組み込むことが現実的です。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

早期にユーザテストを回す

実際のユーザーからのフィードバックは、AI システムの実用性向上に不可欠です。KDDI やメルカリの事例では、β版での検証を通じてユーザー体験を継続的に改善し、本格運用での高い成果につなげています。

ユーザテストでは、操作性だけでなく回答の正確性や有用性も評価対象に。特に生成AIでは、期待と異なる回答が生成されるケースもあるため、実際の業務文脈での検証が重要です。テスト結果は定量的・定性的データとして収集し、優先度の高い改善項目を特定できます。

実務経験から言えば、ユーザテストは「PoC開始後2週間以内に第1回を実施する」というスピード感が重要です。完璧なシステムを目指して3ヶ月後にテストを始めると、大幅な仕様変更が発生して手戻りが膨大になるリスクがあります。当社では、まず5〜10名の先行ユーザーに「使いにくいポイント」だけを聞く簡易テストを実施し、UIや回答精度の致命的な問題を早期に潰します。その後、段階的に対象を広げることで、本格運用時の定着率が大幅に向上するケースが多いです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

ガバナンスと継続学習体制を整備

生成AI の安全で効果的な活用には、適切なガバナンス体制と継続学習の仕組みが欠かせません。SMBCグループやNECの事例のように、AI利用ガイドラインの策定、リスク管理体制の構築、定期的な監査プロセスの実装が重要。また、従業員のAIリテラシー向上のための研修プログラムも必要です。

継続学習体制については、新しい技術動向への対応、法規制の変化への適応、業務プロセスの変化に合わせたシステム更新などを含みます。

ニューラルオプト編集部

社内にAI専門チームを設置し、外部専門家との連携も活用することで、長期的な競争力維持を図ることができます。

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生成AIシステム開発ならニューラルオプト

生成AIシステム開発を成功させるためには、技術力だけでなく課題解決力と継続的な支援体制が重要です。合同会社ニューラルオプトは、世界的生成AIであるChatGPTの開発に携わり、日本でのChatGPT展開の裏側を支えるAI開発企業として、豊富な実績と専門知識を有しています。

当社の最大の特徴は、単なるシステム開発ではなく「失敗リスクを最小化する」コンセプトのもと、課題解決コンサルティングから始まる総合的な支援体制。現状分析による課題の明確化、最適なソリューション提案、組織への定着支援、運用しながらの継続改善まで、一貫してサポートいたします。

データサイエンス領域での豊富な知見により、データマイニングやテキストマイニングなど、AI活用の土台となるデータ処理技術にも対応可能です。

ECサイト「eBay」の価格自動設定AIや手書き文字のAI認識・要約システムなど、実用的なAIシステムの開発実績を持つ当社なら、貴社の生成AI導入を確実な成果につなげることができます。失敗リスクを抑えて着実に成果を上げたい、課題解決から相談したいという企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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