画像認識・画像解析のAIシステム開発会社16選!失敗しない選び方

近年、製造業から小売、医療まで幅広い業界で画像解析技術の活用が進んでいます。不良品検出や人流分析、医療診断支援など、画像AIの応用範囲は急速に広がっています。しかし、「どの企業に依頼すべきか」という選択に悩まれる方も多いはず。この記事では、目的別に厳選した16社を5つのカテゴリーに分けてご紹介します。各社の特徴や強み、おすすめのケースを詳しく解説していますので、最適なパートナー選びにお役立てください。

また、本メディアを運営する合同会社ニューラルオプトは、AIシステム開発を得意としています。

「失敗リスクを最小化する」をコンセプトにすることで、通常の開発会社に比べて以下のメリットがあります。

  • 課題起点で提案するので、「作ったものの効果がなかった」を防げる。
  • 組織が活用するまで支援し、「使いこなせない」を防ぐ。
  • 運用しつつ主体的に改善し、費用対効果を最大化していける。

開発外注による失敗リスクを大幅に抑えられますので、ぜひ弊社の受託開発サービスをご検討ください。

目次

Ⅰ. 研究開発段階から相談できる画像解析会社

研究開発段階から画像解析のプロジェクトを相談できる企業をご紹介します。高度な技術力と研究開発能力を持ち、プロジェクトの初期段階からサポートが可能な企業です。

  • Preferred Networks (PFN)
  • Ridge-i
  • エッジ株式会社(EDGE)
  • ニューラルオプト

Preferred Networks (PFN)

高精度なAI外観検査ソフト Preferred Networks Visual Inspection

項目内容
会社名Preferred Networks
最大の特徴少量データでも高精度な外観検査ソフト「Visual Inspection」
どんなケースにおすすめか高難易度・多品種製造ラインの自動検査
項目評価(5段階)
費用の安さ2
課題解決能力5
技術適合性5
実績の豊富さ5
プロジェクト管理力4

Preferred Networks(PFN)は、深層学習(ディープラーニング)技術を活用した画像解析の分野で高い評価を得ている企業です。同社の「Visual Inspection」は、製造ラインにおける外観検査を自動化するAIソフトウェア。最大の特徴は、わずか「少量の良品データ100枚と不良品データ20枚」という少ないサンプルでも高精度な検査システムを構築できる点にあります。

東レプレシジョンをはじめとする200社以上の導入実績があり、多品種生産ラインでの実用性も証明済み。特に従来の画像処理では対応が難しかった複雑な形状や模様の検査にも優れた性能を発揮します。

また、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で操作できるため、プログラミングスキルがなくても、学習データの準備から運用までを一貫して実施可能。専門知識がなくても使いこなせる設計になっています。費用面ではやや高めですが、高難度の検査課題を抱える製造業にとっては、その投資に見合う価値があるでしょう。

Ridge-i

株式会社Ridge-i (リッジアイ) ディープラーニングのコンサルティング・開発

項目内容
会社名Ridge-i(リッジアイ)
最大の特徴衛星画像解析と産業用画像認識AIの開発に強み
どんなケースにおすすめかインフラ点検・災害モニタリング・製造検査の高度化
項目評価(5段階)
費用の安さ3
課題解決能力5
技術適合性4
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

Ridge-i(リッジアイ)は、東京大学発のスタートアップとして2016年に設立され、衛星画像解析と産業用画像認識AI技術に強みを持つ企業です。特に「Ridge-Eyes」と呼ばれる画像認識プラットフォームを提供しており、インフラ点検、災害監視、製造ラインでの品質検査など、高度な画像解析が必要な分野で実績を重ねています。

同社の最大の特徴は、衛星データや空撮画像を活用した大規模環境モニタリング技術にあります。例えば、JAXAと共同で衛星画像から災害状況を把握するAIシステムを開発したり、道路や橋梁などのインフラ設備の老朽化を自動検出するソリューションを提供したりしています。一般的なカメラ画像だけでなく、赤外線カメラやマルチスペクトル画像など、特殊な画像データの解析にも対応可能。

研究開発段階から導入までをワンストップでサポートする体制が整っており、顧客の課題に合わせた柔軟なカスタマイズも得意としています。独自の「少量学習技術」により、限られたデータでも高精度なAIモデルを構築できるのが強み。特にインフラ点検や製造業の検査工程など、専門性の高い領域での画像解析に適しています。製造業では目視検査の自動化や熟練技術者の知見のデジタル化にも貢献しており、技術継承の課題を抱える企業にもおすすめです。

エッジ株式会社(EDGE)

エッジテクノロジー株式会社|AI・データアナリティクス

項目内容
会社名エッジ株式会社(EDGE)
最大の特徴産業用画像認識AIと3D画像解析の専門技術
どんなケースにおすすめか製造業の品質検査・工場DX・3Dセンシング応用
項目評価(5段階)
費用の安さ3
課題解決能力4
技術適合性5
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

エッジ株式会社(EDGE)は、産業用画像認識AIと3D画像解析技術に特化した企業です。自動車部品や電子部品、食品などの製造業における品質検査の自動化に強みを持ち、特に3D画像解析技術を活用した高精度な検査システムの開発で業界内での評価が高まっています。

同社の最大の特徴は、独自開発した3Dセンシング技術と画像認識AIの組み合わせにより、従来の2D画像では検知が難しかった微細な形状異常や表面の凹凸不良なども高精度に検出できる点です。「EDGE Vision Library」という独自開発のAIライブラリを提供しており、導入企業の技術者でも比較的容易に画像認識システムを構築できる環境を整えています。

エッジコンピューティング技術も強みの一つで、生産ライン上での即時判定が可能なシステム構築を実現。クラウドへのデータ送信が不要なため、リアルタイム性やセキュリティの面でも優位性があります。また「少量データ学習技術」を開発しており、数十枚の画像サンプルからでも高精度なAIモデルの構築が可能。量産前の試作段階でも導入しやすい点も製造業から評価されています。

大手自動車メーカーやディスプレイメーカーでの導入実績があり、工場DXを推進したい製造業に適したソリューションを提供。研究開発段階からの相談に対応し、PoC(概念実証)から本番導入までのワンストップサポートを行っています。特に3Dセンシング技術を活用した検査システムを検討している企業や、工場内の検査工程の自動化・省人化を進めたい企業におすすめのパートナーといえるでしょう。

ニューラルオプト

ニューラルオプト | AIシステム開発・導入支援・コンサルティング

項目内容
会社名合同会社ニューラルオプト
最大の特徴AI活用の課題解決コンサルティングからの一貫支援
どんなケースにおすすめかAI導入の失敗リスクを最小化したいプロジェクト
項目評価(5段階)
費用の安さ5
課題解決能力5
技術適合性4
実績の豊富さ3
プロジェクト管理力4

手前味噌で恐縮ですが、弊社ニューラルオプトについてもご紹介させていただきます。ChatGPTの日本展開にも携わった経験を持つAI開発企業として、画像解析分野においても先端技術を活用したソリューションを提供しています。

最大の特徴は、技術開発だけでなく「課題解決コンサルティング」からプロジェクトに関われる点。多くの企業がAI導入に失敗する原因は、技術先行で本来解決すべき課題が曖昧になることです。この点を解消するため、私たちは課題の明確化からスタートし、本当に必要なソリューションを見極めます。

「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、課題分析、解決策の提案、組織への定着支援、継続的な改善までを一貫してサポート。eBayの価格自動設定AIや手書き文字のAI認識・要約システムなど、実用的なシステム開発の実績もあります。

データマイニングやテキストマイニングの知見も活かし、画像データだけでなく関連する様々なデータを総合的に分析。これにより画像解析の精度向上や業務プロセス全体の最適化を実現します。コスト面でも比較的リーズナブルな設定となっており、限られた予算でも高い価値を提供できるのが強みです。

Ⅱ. SaaS型で低価格な画像解析会社

クラウドベースのサービスとして、比較的低コストで画像解析技術を導入できる企業をご紹介します。初期投資を抑えたい、または月額制のサービスを希望する企業に適しています。

  • Safie
  • ABEJA
  • Asilla

Safie

Safie(セーフィー)|クラウドカメラ・防犯カメラの録画サービス

項目内容
会社名Safie
最大の特徴国内シェア55%のクラウドカメラ+AI解析
どんなケースにおすすめか月額制で店舗/建設現場を可視化したい
項目評価(5段階)
費用の安さ5
課題解決能力3
技術適合性3
実績の豊富さ5
プロジェクト管理力4

Safie(セーフィー)は、クラウド型の監視カメラサービスで国内シェア55%を誇る企業です。カメラ機器とクラウドストレージを組み合わせたサービスに加え、AI解析機能も充実。特に「AI People Count」などの人数カウントや人流分析のアプリケーションが好評です。

大林組やスーパーマーケットなど、多様な業種での導入実績があり、業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)事例も豊富。低コストで始められる月額制の料金体系が魅力で、初期投資を抑えたい企業に適しています。

APIも公開されており、自社のシステムと連携させやすい点も特徴。例えば、来店客数と売上データを連携させた分析や、建設現場の作業進捗と監視カメラ映像を組み合わせた管理など、様々な応用が可能です。

防犯目的だけでなく、店舗の混雑状況確認や作業現場の安全管理、マーケティングデータの収集など、多目的に活用できるのが強み。初めてAIカメラを導入する企業にとって、手頃な入門機としておすすめです。

ABEJA

ABEJA Insight for Retail | 株式会社ABEJA

項目内容
会社名ABEJA
最大の特徴店舗分析SaaS「Insight for Retail」
どんなケースにおすすめか小売の来店人数・動線を可視化して売上改善
項目評価(5段階)
費用の安さ4
課題解決能力4
技術適合性4
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

ABEJAは、小売業向けの店舗分析に特化したAIサービス「Insight for Retail」を提供している企業です。このサービスの最大の特徴は、既存の監視カメラやセンサーを活用して、来店客数やその動きを詳細に分析できる点にあります。

養命酒やSABONなど多数の導入事例があり、実際に売上向上に貢献した実績も豊富。特に、来店客の店内での動線(移動経路)分析や滞在時間の計測、陳列棚前での立ち止まり率など、詳細なデータを可視化することで、店舗レイアウトの最適化や商品配置の改善に役立てられます。

料金体系は月額制+カメラ台数に応じた課金となっており、初期投資を抑えながら導入できるのが魅力。また、「ABEJA Platform」を通じてAPI連携も可能なため、POSシステム(販売時点情報管理システム)などの既存システムとのデータ統合も実現できます。

小売業だけでなく、ショッピングモールやアパレル店舗、飲食店など、顧客の行動分析が売上向上につながる業種に広く適用可能。コスト対効果の高いマーケティングツールとして注目されています。

Asilla

【最先端のAI警備】株式会社アジラ

項目内容
会社名Asilla
最大の特徴行動認識AIで既存カメラを警備システム化
どんなケースにおすすめか異常行動を即時検知したい施設・商業ビル
項目評価(5段階)
費用の安さ4
課題解決能力4
技術適合性4
実績の豊富さ3
プロジェクト管理力3

Asilla(アジラ)は、既存の監視カメラシステムに行動認識AI技術を組み合わせることで、高度な警備システムを実現する企業です。通常のカメラでは単に映像を記録するだけですが、Asillaのシステムは人間の異常行動(転倒、立ち入り禁止エリアへの侵入、不審な動きなど)をリアルタイムで検知できます。

松坂屋上野店やJR博多シティなどの商業施設での導入実績があり、防犯・安全管理に効果を発揮しています。SaaS(クラウドサービス)とエッジデバイス(現場に設置する機器)を組み合わせたシステム構成により、短期間での導入が可能。既存カメラの映像を活用できるため、大規模なハードウェア入れ替えが不要である点も魅力的です。

また、ベトナムに開発拠点を持ち、コスト効率の高いシステム開発を実現。そのため、比較的リーズナブルな価格設定となっています。

特に商業施設や公共空間、工場などの安全管理に最適。24時間365日の常時監視が必要な場所で、人間による監視の負担を大幅に軽減できます。万が一の事故や事件発生時にはアラート通知も可能で、迅速な対応を支援します。

Ⅲ. 医療・ヘルスケアに強い画像解析会社

医療・ヘルスケア分野に特化した画像解析技術を提供する企業をご紹介します。診断支援や医療画像の分析に強みを持つ企業です。

  • LPixel
  • AI Medical Service
  • FRONTEO Healthcare

LPixel

EIRL(エイル) | AI画像診断支援技術 | エルピクセル株式会社 – EIRL(エイル)は、CT, MRI, 病理画像などの医療画像を中心に多様な医療ビックデータを活用し、独自の人工知能(AI)アルゴリズムで医療画像診断支援技術を研究開発しています。医療機器としての承認をめざし、高効率で高精度な医療診断支援技術の普及を進めます。

項目内容
会社名LPixel
最大の特徴医用画像AIブランド「EIRL」シリーズ
どんなケースにおすすめかCT/MRI/X線の診断支援システム導入
項目評価(5段階)
費用の安さ3
課題解決能力5
技術適合性5
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

LPixel(エルピクセル)は、医療画像解析に特化したAI技術を提供する企業です。同社の「EIRL(エイル)」シリーズは、CT、MRI、X線などの医療画像を解析し、医師の診断をサポートするAIシステム。特に脳動脈瘤や肺結節など、見落としやすい病変の検出に優れた性能を発揮します。

多くの製品が医療機器としての薬事承認を取得しており、実際の医療現場で使用できる点が大きな強み。NVIDIAやCanon Medicalなど大手企業との提携実績もあり、技術的な信頼性も高いといえます。

「EIRL Cloud」というクラウド型のサービスも提供しており、初期投資を抑えた導入も可能。医療機関のIT環境に合わせて、オンプレミス(院内設置)とクラウドの両方に対応している点も魅力です。

特に放射線科や画像診断部門を持つ医療機関にとって、診断の見落とし防止や業務効率化に大きく貢献するシステム。医師の負担軽減と診断精度向上の両方を実現できる点で、医療DXを進める医療機関におすすめです。高度な専門知識を要する医療分野でも高い課題解決能力を持つ企業といえるでしょう。

AI Medical Service

株式会社AIメディカルサービス|世界の患者を救う

項目内容
会社名AI Medical Service
最大の特徴内視鏡AI「gastroAI™」で早期がん検出支援
どんなケースにおすすめか消化器内視鏡部門の見逃し率低減
項目評価(5段階)
費用の安さ3
課題解決能力5
技術適合性5
実績の豊富さ3
プロジェクト管理力3

AI Medical Service(エーアイ・メディカル・サービス)は、内視鏡検査におけるAI技術の応用に特化した企業です。同社が開発した「gastroAI™」は、内視鏡画像から早期がんや病変を検出するAIシステム。特に胃がんや食道がんなど、消化器系のがん検出支援に優れた性能を持っています。

国内外の多くの医療機関と共同研究を進めており、実際の臨床データに基づいた精度の高いAIを開発。大腸ポリープ(大腸にできる良性の突起物)を検出するAIモデルも展開しており、幅広い消化器内視鏡検査をサポートしています。

NEDOディープテック支援事業に採択されるなど、その技術力は国からも評価されています。内視鏡医が見逃しやすい微小な病変や、わずかな色調変化を検出することで、早期がんの発見率向上に貢献。実際の検査中にリアルタイムで医師をサポートするシステムです。

消化器内視鏡部門を持つ医療機関、特にがん検診を多く実施する施設にとって、見逃し率の低減と検査の質向上に役立つツール。医療の質を高めたい医療機関におすすめのシステムです。専門性の高い医療分野での課題解決能力が高く評価されています。

FRONTEO Healthcare

株式会社FRONTEO | 自社開発のAIでビジネスソリューションを提供

項目内容
会社名FRONTEO Healthcare
最大の特徴言語AI×画像AIで認知症診断支援を研究
どんなケースにおすすめか新規医療AI共同研究パートナーを探す場合
項目評価(5段階)
費用の安さ3
課題解決能力4
技術適合性4
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

FRONTEO Healthcare(フロンテオ ヘルスケア)は、自然言語処理と画像解析の両方のAI技術を医療分野に応用している企業です。特徴的なのは、言語AI技術と画像AI技術を組み合わせた認知症診断支援システムの研究開発を進めている点。LPixelと共同で認知症AIの開発に取り組んでおり、複合的なアプローチで早期診断を支援しています。

親会社のFRONTEOは東証に上場している企業で、長期的なサポート体制が整っている点も安心材料。独自の自然言語処理エンジン「KIBIT(キビット)」を持っており、これと画像解析AIを組み合わせることで、診療記録や問診内容と画像診断を統合した分析が可能です。

医療機関だけでなく、製薬会社や医療機器メーカーなど、医療関連企業との共同研究実績も豊富。新たな医療AI技術の開発を目指す機関にとって、信頼できる研究パートナーとなるでしょう。

特に認知症やアルツハイマー病の早期診断に関心がある医療機関や研究機関、また長期的な視点でAI技術の医療応用を検討している組織におすすめ。プロジェクト管理力も高く、計画的な研究開発を進めることができます。医療と工学の両分野に通じた専門家が在籍している点も強みです。

Ⅳ. 製造ライン検査に特化した画像処理会社

製造業における外観検査やライン検査に特化した画像処理技術を提供する企業をご紹介します。生産ラインの自動化や品質管理に強みを持つ企業です。

  • Rist
  • Hacarus
  • Ascent Robotics

Rist

画像AIプロジェクト支援 – | 株式会社Rist | Rist Inc.

項目内容
会社名Rist
最大の特徴Kaggle上位エンジニアによる外観検査AI
どんなケースにおすすめか高難度・カスタム検査を丸ごと委託
項目評価(5段階)
費用の安さ3
課題解決能力5
技術適合性4
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

Ristは、Kaggle(データサイエンスのコンペティションプラットフォーム)で優秀な成績を収めたエンジニアが在籍する、技術力の高い画像処理企業です。特に製造業における高難度の外観検査AIシステムの開発に強みを持っています。

建物の外壁クラックの自動診断や、反射しやすい鏡面製品の検査など、従来の画像処理では難しかった課題を解決した実績が豊富。特筆すべきは、撮像機(撮影装置)の試作から実装までを一貫して行える点で、画像の「取り方」から最適化することで高精度な検査を実現しています。

京セラグループ企業であるため、システムインテグレーション(SI)の力も強いのが特徴。単にAIモデルを提供するだけでなく、生産ラインへの実装や既存システムとの連携まで一体的に支援が可能です。

特に、標準的なソリューションでは解決が難しい特殊な検査課題や、高難度のカスタム検査を丸ごと委託したい製造業に最適。高い課題解決能力と技術力で、他社が避けるような難しい案件にも積極的に取り組んでいます。製造現場の特性を理解したエンジニアが多く、実用性の高いシステムを構築できる点も魅力です。

Hacarus

AI外観検査|HACARUS Checkシリーズ

項目内容
会社名Hacarus
最大の特徴少量良品だけで学習する「Sparse Modeling」
どんなケースにおすすめか不良データが集めにくい微細検査
項目評価(5段階)
費用の安さ4
課題解決能力4
技術適合性4
実績の豊富さ3
プロジェクト管理力3

Hacarusは、「Sparse Modeling(スパースモデリング)」と呼ばれる独自技術を用いた画像解析ソリューションを提供する企業です。通常のディープラーニングと異なり、良品データのみで学習できるのが大きな特徴。不良品サンプルの収集が難しい製造現場において、この技術は非常に重要な意味を持ちます。

「HACARUS Check」というソフトウェアは初年度300万円から導入可能で、比較的リーズナブルな価格設定。また、高性能なGPU(画像処理に特化した演算装置)を必要とせず省電力で動作するため、製造ラインのエッジデバイス(現場の端末)でも実装しやすい設計になっています。

ビスコのVTV-9000という検査装置との連携事例もあり、既存機器との統合も容易。特に半導体や精密部品など、微細な不良を検出する必要がある製造業に適しています。

不良品サンプルの収集が困難な場合や、新製品立ち上げ時など十分なデータが集まっていない段階での導入にもおすすめ。少量データでも高精度な検査を実現できるため、短期間での立ち上げが可能です。また、検査ロジックがブラックボックス化しにくい点も、製造現場での信頼性向上につながります。

Ascent Robotics

アセントロボティクス株式会社 I 知能 (AI) ロボットとデジタルツイン

項目内容
会社名Ascent Robotics
最大の特徴デジタルツイン×AIでロボットピッキング
どんなケースにおすすめか物流・製造のピースピッキング自動化
項目評価(5段階)
費用の安さ2
課題解決能力4
技術適合性5
実績の豊富さ3
プロジェクト管理力3

Ascent Robotics(アセント・ロボティクス)は、「デジタルツイン」と呼ばれる技術とAIを組み合わせたロボットピッキングシステムを開発する企業です。デジタルツインとは、現実の物理空間をデジタル上に再現する技術で、これを活用することで複雑な形状の部品や不規則に積まれた物品を正確に把握し、ロボットによるピッキング(拾い上げ)を可能にしています。

Bridgestone(ブリヂストン)やAlfressa(アルフレッサ)と資本提携しており、技術力への評価の高さがうかがえます。3DCGを活用したシミュレータによる学習を取り入れており、実機でのトライアンドエラーを減らすことで、効率的なシステム構築を実現しています。

人と協調して作業するロボット向けのソフトウェアを提供しており、完全自動化ではなく人とロボットの共存を前提としたシステム設計が特徴。特に物流倉庫や製造現場における「ピースピッキング」(バラ積みされた部品や製品を一つずつ取り出す作業)の自動化に強みを持っています。

費用面ではやや高めですが、技術的な先進性が高く評価されています。特に労働力不足が深刻な物流業界や、多品種少量生産の製造業において、作業の自動化を進めたい企業におすすめ。高度な技術を活用した画期的なソリューションで、人手不足問題の解決に貢献します。

Ⅴ. クラウド構築まで一括支援できる画像解析会社

画像解析技術の導入からクラウドシステムの構築まで、一括して支援できる総合力を持つ企業をご紹介します。大規模なプロジェクトや全社的なDXを推進したい企業に適しています。

  • TIS
  • NTTデータ
  • 日立ソリューションズ

TIS

TIS株式会社

項目内容
会社名TIS
最大の特徴データ基盤~MLOpsまで”一気通貫”
どんなケースにおすすめか既存システムと連携し大規模運用したい
項目評価(5段階)
費用の安さ4
課題解決能力4
技術適合性4
実績の豊富さ5
プロジェクト管理力4

TISは、大手SIer(システムインテグレーター)として、データ基盤の構築からAIモデルの開発・運用までを一貫して支援できる企業です。特にMLOps(Machine Learning Operations:機械学習の運用管理)まで含めた「一気通貫」のサポートが強みで、実証実験で終わらせず、本番環境での安定運用まで視野に入れたシステム構築が可能です。

澪標(みおつくし)アナリティクスという分析専門企業と連携しており、高度なデータ分析技術も提供。特に製造業や金融業向けの業種別テンプレートを多数用意しており、短期間での導入が可能な点も魅力です。

最近では生成AI導入支援サービスも展開しており、画像解析と他のAI技術を組み合わせた総合的なソリューションを提供。企業の基幹システムと画像解析AIの連携など、既存システムとの統合も得意としています。

特に大規模な画像データの収集・管理から、AIモデルの開発・運用、そして既存システムとの連携まで含めた包括的なDXを進めたい企業におすすめ。コスト面でも比較的リーズナブルな設定となっており、中長期的な運用を見据えた画像解析システムの導入に最適です。

NTTデータ

NTTデータグループ | Trusted Global Innovator

項目内容
会社名NTTデータ
最大の特徴医療画像AI「MaestroAI®」海外展開
どんなケースにおすすめか多国籍データ対応の診断AIが必要な医療機関
項目評価(5段階)
費用の安さ3
課題解決能力4
技術適合性5
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

NTTデータは、国内最大手のITサービス企業の一つで、画像解析分野では医療画像AI「MaestroAI®(マエストロエーアイ)」が注目されています。特徴的なのは、このシステムがグローバル展開されている点で、スペインでのCT画像2,600件を用いた実証実験なども実施されています。

多国籍のデータを活用したAIモデル開発に強みがあり、異なる人種や地域による医療データの違いに対応できるのが特徴。また、AI倫理に関する取り組みも積極的で、人種や性別によるバイアス(偏り)対策を明示的に行っている点も評価されています。

世界各国の病院や医療機関との連携実績も豊富で、国際的な医療ネットワークを持つ点も強み。大規模なITインフラ構築の経験を活かし、医療画像AIシステムをクラウド環境で安定的に運用するノウハウも蓄積しています。

特にグローバル展開している医療機関や、多様な患者層を持つ病院、国際的な共同研究を行う研究機関などにおすすめ。単なるAIモデルの提供だけでなく、医療情報システム全体の設計から運用までをサポートできる総合力があります。セキュリティ面でも高い信頼性を誇り、機密性の高い医療データを安全に扱えるシステムを構築できます。

日立ソリューションズ

企業サイト|株式会社日立ソリューションズ

項目内容
会社名日立ソリューションズ
最大の特徴画像判定トータルソリューションで建設DX
どんなケースにおすすめか建設・図面チェックを省力化したい
項目評価(5段階)
費用の安さ4
課題解決能力4
技術適合性4
実績の豊富さ4
プロジェクト管理力4

日立ソリューションズは、総合的な画像判定ソリューションを提供する大手企業です。特に建設業界向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)に強みを持ち、図面チェックや現場写真の分析など、建設プロセス全体の効率化をサポートしています。

バイオ分野でのコロニーカウント(細菌のコロニー数を計測する作業)の高速化や、製造業での製品検査など、幅広い分野での実績があります。興味深いのは「事前学習不要な物品チェックAI」を開発している点で、初期データがなくても即時に導入できるシステムを提供しています。

また、類似図面検索システムを活用することで、過去の設計図面から類似のものを自動で検索し、見積もり工数の削減にも貢献。建設業や製造業において、図面管理や検査業務の省力化を実現できる総合的なソリューションが魅力です。

特に人手不足に悩む建設業界や、大量の図面・写真データを扱う企業におすすめ。大手企業ならではの安定したサポート体制と、豊富な導入実績を背景に、信頼性の高いシステム構築が可能です。また、日立グループのIoT(モノのインターネット)技術と組み合わせることで、より総合的なDXを推進できる点も魅力といえるでしょう。

画像解析会社の選び方

画像解析・画像処理を外注する際の成功を左右するのが、パートナー企業選びです。適切な企業を選ぶための重要なポイントをご紹介します。

自社の経営KPIと紐づける視点を持つ

画像解析技術の導入は単なる技術導入ではなく、ビジネス課題の解決手段です。解析結果が売上向上、コスト削減、品質改善などの経営指標とどう紐づくのかを明確にできる企業を選びましょう。「技術が素晴らしい」だけでなく、「なぜその技術が必要なのか」を経営視点で説明できる企業との協業がおすすめ。

ニューラルオプト編集部

漠然とした目標設定では効果測定が難しくなるため、具体的な数値目標を共有できるパートナーを選ぶことが重要です

少量データでのPoC実施と成果指標の設定

本格導入前に、小規模な概念実証(PoC:Proof of Concept)を実施できる企業を選びましょう。特に重要なのは、PoCの段階から明確な成果指標を設定できるかどうか。「検出精度95%以上」「処理時間30%短縮」など、具体的な目標値の設定と検証方法を提案できる企業が理想的です。また、少量のデータでもPoCが可能な技術を持つ企業なら、初期コストを抑えながら効果検証ができます。

ニューラルオプト編集部

実績だけでなく、自社ケースでの検証結果を重視しましょう。

データの所有権と利用権の契約を明確にする

画像解析ではデータの取り扱いに関する契約が非常に重要です。特に学習データや解析結果の所有権、二次利用権について明確に契約できる企業を選びましょう。自社の機密データが他社のAI学習に使われる可能性や、逆に学習済みモデルの利用制限などについても確認が必要。「標準契約では対応できない」といった場合は注意が必要です。

ニューラルオプト編集部

データセキュリティ対策やプライバシー保護方針が明確な企業との協業が安心できるポイント。契約内容を詳細に確認できる体制を整えましょう。

長期的な運用保守体制が整っているか

画像解析AIの導入はゴールではなく、むしろスタート地点です。精度向上のための継続的な学習や、システムの安定稼働を支える運用保守体制が整っている企業を選ぶことが重要。特に「システム導入後の問い合わせ対応時間」「モデルの再学習頻度」「障害時の復旧体制」などを明確に示せる企業が望ましいでしょう。

ニューラルオプト編集部

担当者の異動に左右されない組織的なサポート体制があるかどうかも確認ポイント。長期的なパートナーシップを構築できる企業を選びましょう。

自社システムへの技術的適合性を見極める

どんなに優れた画像解析技術でも、自社のシステム環境や業務フローと適合しなければ十分な効果を発揮できません。既存システムとの連携方法や、必要なインフラ環境、APIの仕様などを具体的に説明できる企業を選ぶことが重要です。また、オンプレミス(自社サーバー設置)とクラウドの両方に対応しているか、エッジコンピューティング(現場での処理)が必要な場合はその実績があるかなども確認しましょう。

ニューラルオプト編集部

技術的な相性が良いパートナーを選ぶことで、導入後のトラブルを大幅に減らせます。

画像解析会社に商談時にしておきたい質問

画像解析・画像処理の外注を検討する際、商談で適切な質問をすることが失敗を防ぐ鍵となります。以下の3つの軸に沿った質問を準備しておくと、相手企業の実力と相性を効果的に判断できます。

技術力と実績を確認する質問

画像解析企業の本質的な強みを見極めるための質問です。「類似案件の実績はどれくらいありますか?」と聞くことで、業界や用途における経験値を確認できます。特に重要なのは「データ量が少ない場合の対応方法は?」という質問。多くの企業では大量の学習データを用意できないため、少量データでも効果を出せる技術力があるかがポイントです。

また「AIモデルのブラックボックス化への対策は?」という質問も有効。なぜその判定結果になったのか説明できないAIは現場での信頼性に課題があります。「判定根拠の可視化方法」について具体的に説明できるかどうかで技術の透明性が分かります。

「精度向上のためのフィードバックプロセスはどうなっていますか?」という質問も重要。初期モデルから継続的に精度を高めていく仕組みがあるかを確認しましょう。

コストと期間の詳細を明確にする質問

プロジェクトの現実的な見通しを把握するための質問です。「初期費用と運用費用の内訳はどうなっていますか?」と聞くことで、隠れたコストがないか確認できます。特にライセンス料やAPIコール費用など、取引量に応じて変動する費用体系を明確にしておくことが重要です。

「開発から本稼働までの標準的なスケジュールは?」という質問では、各フェーズの期間と必要なリソースを確認。特に「データ準備にかかる期間」と「要件定義の工数」は過小評価されがちなので、詳細に聞いておくべきでしょう。

「スケジュール遅延時の対応策は用意されていますか?」という質問も有効。予期せぬ問題発生時の対応フローや追加コストの発生条件を事前に明確にしておくことで、リスク管理ができます。

サポートと保守体制を把握する質問

長期的な運用を見据えた質問です。「導入後のサポート体制はどうなっていますか?」と聞き、担当者の配置や問い合わせ対応時間を確認しましょう。特に「緊急時の対応フロー」と「SLA(サービス品質保証)」の有無は重要なポイントです。

「モデルの再学習やアップデートはどのように行われますか?」という質問で、継続的な精度向上の仕組みを確認。画像解析AIは時間経過とともに精度が低下することがあるため、定期的な更新プロセスが重要です。

「契約終了時のデータ移行や引継ぎ方法は?」という質問も忘れずに。ベンダーロックイン(特定企業への過度な依存)を避けるため、自社データの取り扱いや他社への移行条件を事前に確認しておくことが賢明です。

画像解析の費用を安く抑える方法

画像解析・画像処理は高度な技術を要するため、費用が高額になりがちです。しかし、いくつかの工夫で予算を抑えながら効果的なシステムを構築することが可能です。ここでは費用を抑えるための具体的な方法をご紹介します。

開発前に要件を具体化して手戻りを防ぐ

画像解析プロジェクトで費用が膨らむ最大の原因は「要件の変更や追加」です。開発の初期段階で要件を明確にすることで、後からの変更による追加コストを大幅に削減できます。特に重要なのは「何を検出したいのか」「どの程度の精度が必要か」「どのような環境で使用するのか」という基本要件の明確化。

具体的には、検出対象のサンプル画像を多く集め、正確な検出基準を決めておくことがポイント。また、「この程度の精度なら許容できる」というボーダーラインを設定しておくことで、過剰な精度向上のための追加開発を避けられます。

ニューラルオプト編集部

要件定義に時間をかけることが、結果的にプロジェクト全体の効率化とコスト削減につながるのです。

既製AIサービスやオープンソースを活用する

ゼロからAIモデルを開発するのではなく、既存のAIサービスやオープンソースのフレームワークを活用することで、大幅なコスト削減が可能です。例えば、Google Cloud VisionやAmazon Rekognitionなどのクラウドサービスは、基本的な画像認識機能を低コストで提供しています。これらを自社の用途に合わせてカスタマイズする方法が効率的。

また、TensorFlowやPyTorchなどのオープンソースフレームワークを使うことで、開発コストを削減できます。さらに、特定分野に特化した事前学習済みモデルを活用すれば、学習コストも大幅に抑えられるでしょう。

ニューラルオプト編集部

開発会社に相談する際も、「フルスクラッチで開発するのではなく、既存技術の活用可能性」について積極的に質問することがコスト削減のカギとなります。

公的補助金や助成金の積極的な活用

AIや画像処理技術の導入には、国や自治体からの補助金や助成金を活用できる可能性があります。例えば、経済産業省の「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」、NEDOの「AI社会実装推進事業」などが該当します。これらを活用することで、導入コストを数十%から最大半額程度削減できる場合も。

補助金申請には専門的な書類作成が必要ですが、多くの画像解析企業は申請支援サービスも提供しています。また、補助金の種類や申請時期は毎年変わるため、最新情報を常にチェックすることが重要です。

ニューラルオプト編集部

特に中小企業向けの補助制度は比較的採択率が高いため、自社の規模や業種に合った制度を探してみましょう。

データ整備と前処理を可能な限り内製化する

画像解析プロジェクトのコストの中で、意外と大きな割合を占めるのがデータの整備や前処理の工程です。これらを可能な限り社内リソースで対応することで、外注コストを大幅に削減できます。例えば、画像データの収集や整理、アノテーション(画像へのラベル付け)などは、専門知識がなくても実施可能な作業が多いもの。

具体的には、社内でデータ収集チームを組織し、専用のツールを使ってアノテーション作業を行う体制を整えることがおすすめ。初期投資は必要ですが、長期的に見れば大きなコスト削減につながります。

ニューラルオプト編集部

データの質がAIの精度を左右するため、自社の業務に精通した社員が関わることで、より精度の高いデータセットを構築できるメリットもあります。

データ品質向上のポイント

画像解析・画像処理の成功を左右する最も重要な要素の一つが、「データの品質」です。どんなに優れたAIアルゴリズムも、学習データの質が低ければ期待通りの結果は得られません。ここでは、画像データの品質を向上させるための具体的なポイントを解説します。

ノイズ画像を排除してデータの純度を高める

学習データセットからノイズや不適切な画像を排除することは、AIモデルの精度向上に直結します。「ノイズ画像」とは、極端に明るい/暗い画像、ピンボケした画像、対象物が極端に小さいまたは切れている画像などを指します。これらは誤った学習パターンの原因となるため、データセット作成時に丁寧に除外する必要があります。

データクレンジング(データの洗浄)ツールを活用したり、サンプリング検査を実施したりすることで、効率的にノイズ画像を検出できます。特に「エッジケース」と呼ばれる境界線上の事例は、慎重に判断することが重要。データの量よりも質を優先する姿勢が、長期的に見て精度の高いAIモデル構築につながります。

解像度とフォーマットを統一して一貫性を確保

画像データの解像度やフォーマットにばらつきがあると、学習効率の低下やモデルの汎化性能(未知のデータへの対応力)の低下を招きます。理想的には、すべての画像を同じ解像度、同じフォーマット、同じ色深度で統一することがベストプラクティス。特に学習用と実運用時の画像条件は可能な限り近づけるべきです。

具体的には、前処理パイプラインを構築し、すべての画像を統一された条件に自動変換するワークフローを確立することがおすすめ。また、学習と検証に使用するデータセットの条件も揃えておくことで、正確な性能評価が可能になります。画像の統一化は単純な作業ですが、モデル性能に大きな影響を与える重要なステップなのです。

アノテーションの一貫性と正確性を徹底する

アノテーション(画像へのラベル付けや領域指定)の品質は、教師あり学習のAIモデルの精度を直接左右します。複数人でアノテーション作業を行う場合、作業者によって基準がばらつくことが大きな問題。これを防ぐために、詳細なアノテーションガイドラインを作成し、定期的に作業者間での調整を行うことが重要です。

また、アノテーションツールの選定も重要なポイント。作業効率と精度のバランスを考慮し、プロジェクトに適したツールを選びましょう。特に境界線の曖昧な対象物のアノテーションは難易度が高いため、複数人のクロスチェック体制を整えることで、データの信頼性を高めることができます。

適切なデータ増強処理で汎化性能を向上させる

十分な量の実データを集めることが難しい場合、「データ増強」(Data Augmentation)が効果的です。これは既存の画像に回転、反転、拡大縮小、色調変更などの処理を加えて、データセットを人工的に拡張する技術。適切なデータ増強により、少ないデータでも高い汎化性能を持つモデルを構築できます。

ただし、増強処理が現実には起こりえない状況を作り出してしまうと、かえって精度が低下する恐れも。例えば、上下が重要な識別要素(「6」と「9」など)を上下反転させるのは適切ではありません。実際の使用環境で想定される変動要素(照明条件、角度、背景など)に合わせた増強処理を選択することが、効果的なデータ増強のポイントです。

画像解析ならニューラルオプト

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eBayの価格自動設定AIや手書き文字のAI認識・要約システムなど、実用的なシステム開発の実績も豊富。また、データマイニングやテキストマイニングの知見も活かし、画像データと他のデータソースを組み合わせた総合的な分析も可能です。

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著者・監修者

合同会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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