【タイプ別】画像認識システムが得意な開発会社15選!AI企業が厳選

製造ラインでの不良品検知や物流センターでの作業効率化など、さまざまな場面で活躍する画像認識システム。しかし、どの会社に依頼すれば良いのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

この記事では、画像認識システム開発でおすすめの企業を5つのカテゴリーに分けてご紹介します。それぞれの会社の特徴や強みを詳しく解説しますので、自社の課題に合った企業選びの参考にしてください。

また、本メディアを運営する合同会社ニューラルオプトは、AIシステム開発を得意としています。

「失敗リスクを最小化する」をコンセプトにすることで、通常の開発会社に比べて以下のメリットがあります。

  • 課題起点で提案するので、「作ったものの効果がなかった」を防げる。
  • 組織が活用するまで支援し、「使いこなせない」を防ぐ。
  • 運用しつつ主体的に改善し、費用対効果を最大化していける。

開発外注による失敗リスクを大幅に抑えられますので、ぜひ弊社の受託開発サービスをご検討ください。

目次

【早見表】画像認識システムが得意な開発会社おすすめ一覧

【PoCから相談できる】画像認識が得意な開発会社おすすめ

まずは少額で効果検証をしたい、という企業に向いているPoCに強い会社をご紹介します。POC(Proof of Concept)とは、新しい技術やアイデアの実現可能性を検証するための試験的な取り組みのことです。

  • ニューラルオプト
  • ブレインパッド
  • エクサウィザーズ
  • ALBERT

ニューラルオプト

項目内容
会社名合同会社ニューラルオプト
最大の特徴「失敗リスクを最小化」をコンセプトに、PoCから導入後の運用まで一貫サポート
どんなケースにおすすめかざっくりとした課題感から最適なAIソリューションを模索したい企業
評価項目スコア
費用の安さ5
課題解決能力5
技術力・精度5
実績・業界適合度3
運用保守4

手前味噌ですが、まずは弊社合同会社ニューラルオプトを紹介させてください。

当社ニューラルオプトは「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、AI受託開発サービスを展開しています。OpenAIや米Oracle社をエンドクライアントとして世界的なAI開発にも携わっている専門性を活かし、お客様のざっくりとした課題感から最適なソリューションをご提案しています。

当社の強みは、単なる開発会社ではなく、コンサルティング能力も持ち合わせている点です。「こんなシステムが良いと考えているが自信がない」「課題感だけで解決策は思いつかない」といったお悩みに対して、専門知識をもとに最適解を導き出します。

特に小規模なPoC(実証実験)から始めることで、大きな失敗を防ぐアプローチを重視しています。早い段階で検証を行うことで、「長い期間・高い費用をかけたものの、期待した効果が得られない」というリスクを最小限に抑えることが可能です。

導入後の運用面でも強みがあります。通常の開発会社では「作って終わり」になりがちですが、当社ではお客様のご要望に応じて、業務への定着支援や継続的な分析・改善提案まで行います。Webコンサルティングの知見も活かし、AIシステムの効果を最大化するサポートを提供しています。

画像認識システムの開発にお困りのかたは、ぜひご相談ください。

ブレインパッド

ブレインパッド

項目内容
会社名株式会社ブレインパッド
最大の特徴DX/データ分析 PoC を毎年 100 件超実施、画像検品向け PoC テンプレ有
どんなケースにおすすめかまず低コストで効果検証→社内説得したい製造・流通企業
評価項目スコア
費用の安さ3
課題解決能力4
技術力・精度4
実績・業界適合度4
運用保守3

ブレインパッドは毎年100件以上のデータ分析・DXプロジェクトを手がける実績豊富な企業です。特に製造業での外観検査における実績が目覚ましく、PoCから本番環境への移行率が60%を超えています。これは業界の中でもトップクラスの数字と言えるでしょう。

同社の大きな強みは、AI判断の根拠を可視化するGrad-CAMなどの技術を標準提供している点です。「AIがなぜその判断をしたのか」を現場担当者にも分かりやすく示せるため、社内での理解と導入がスムーズに進みます。

また、単にAIモデルを開発するだけでなく、MLOps(機械学習の運用)基盤までを内製支援してくれるのも特徴的。長期的な視点で自社のAI活用を進めたい企業にとって心強いパートナーとなるでしょう。

費用面でも初期コストを抑えられるプランがあり、まずは小規模から始めて効果を確認したい製造業や流通業の企業に最適です。

エクサウィザーズ

エクサウィザーズ

項目内容
会社名株式会社エクサウィザーズ
最大の特徴PoC 期間 2 か月の「exaBase」パッケージで迅速検証
どんなケースにおすすめか査定や損傷検出など”目視→定量化”を短期で試したい企業
評価項目スコア
費用の安さ4
課題解決能力4
技術力・精度4
実績・業界適合度3
運用保守3

エクサウィザーズの最大の特徴は、わずか2ヶ月という短期間でAI導入の効果検証が可能な「exaBase」というパッケージサービスを提供している点です。スピード感を重視する企業にとって、この迅速な検証サイクルは大きな魅力となるでしょう。

特に自動車業界での外装検査AIの量産化実績があり、複雑な形状や多様な不良パターンを持つ自動車ボディの検査を高精度で実現しています。従来は熟練検査員の目に頼っていた作業を、AIによって安定した品質で自動化できる点が高く評価されています。

また、介護や医療など、人の目による判断が重要かつ難易度の高い領域でのPoC実績も豊富。これらの分野は専門知識が必要で、かつ人手不足という課題も抱えているため、AIによる業務効率化の恩恵が大きいとされています。

同社は自社プロダクトの開発と受託開発の両方を手がけており、案件に応じた柔軟な対応が可能です。特に、人間の目視評価を定量化したいニーズに対して、短期間で効果検証したい企業におすすめできる開発会社です。

ALBERT(現在はアクセンチュアに統合)

ALBERT(アクセンチュア)

項目内容
会社名株式会社 ALBERT(現在はアクセンチュアに統合)
最大の特徴データ分析専門家 400 名を抱え、画像ワークステーション「タクミノメ」で現場導入支援
どんなケースにおすすめか画像 AI 内製化を並走支援してほしい製造・建設会社
評価項目スコア
費用の安さ3
課題解決能力4
技術力・精度4
実績・業界適合度3
運用保守3

ALBERTは400名を超えるデータ分析の専門家を擁し、特に画像AI分野での豊富な知見を持つ企業です。同社の強みは、画像ワークステーション「タクミノメ」を活用した現場導入支援にあります。このツールを使うことで、現場のスタッフでも直感的に画像AIの学習や評価が可能になります。

特筆すべきは、単にAIシステムを提供するだけでなく、顧客企業の内製化人材育成にも力を入れている点。専用のカリキュラムを用意し、自社でAIを運用・改善できる人材を育成するためのサポートを行っています。これにより、長期的な視点での画像AI活用が実現します。

また、NTTPCとの協業により、ハードウェアとAIをセットで提供するサービスも展開。カメラなどの機器選定からAI実装まで一括して依頼できるため、現場への導入がスムーズです。

製造業や通信業界を中心に100を超える導入事例を持ち、実践的なノウハウが蓄積されています。特に自社内でAI技術を根付かせたい製造企業や建設会社にとって、技術移転を含めた並走型の支援が魅力と言えるでしょう。

【高精度モデルに強い】画像認識が得意な開発会社おすすめ

特に高い精度が求められる分野では、トップクラスの技術力を持つ企業への依頼が不可欠です。ここでは、最先端の画像認識技術を持つ3社をご紹介します。

  • Preferred Networks (PFN)
  • NEC
  • SenseTime Japan

Preferred Networks (PFN)

Preferred Networks

項目内容
会社名株式会社 Preferred Networks
最大の特徴大規模 GPU/HPC で ImageNet15 min 学習達成、世界屈指の研究開発力
どんなケースにおすすめか99 % 以上の精度が必須の自動運転・医療研究など
評価項目スコア
費用の安さ2
課題解決能力5
技術力・精度5
実績・業界適合度4
運用保守3

Preferred Networks(PFN)は、世界トップレベルの研究開発力を持つAI企業です。同社は大規模なGPU(画像処理に特化したコンピューター)とHPC(高性能コンピューティング)環境を活用し、ImageNetという世界標準の画像データセットを驚異的な15分という短時間で学習できる技術を持っています。一般的な企業では数日かかる処理を数十分で行えるという圧倒的な計算能力を誇ります。

トヨタ自動車やファナックといった日本を代表する製造業との共同研究実績があり、特に自動運転や産業用ロボットの分野で世界最高水準の技術を開発しています。これらの分野では、わずかな認識ミスが大きな事故につながる可能性があるため、99%以上という極めて高い精度が要求されますが、PFNはそれを実現できる数少ない企業の一つです。

また、同社が開発した深層学習フレームワーク「Chainer」をオープンソースとして公開するなど、技術コミュニティへの貢献も積極的に行っています。この文化は社内の技術レベルを高め続ける原動力となっています。

最先端の研究だけでなく、それを実用化・量産化する能力も備えており、高度な要求に応えるAIモデルを実際のビジネスで活用したいケースに最適です。費用は比較的高めですが、極めて高い精度が要求される自動運転や医療画像診断などの分野では、その投資に見合う価値を提供してくれるでしょう。

NEC

NEC

項目内容
会社名日本電気株式会社(NEC)
最大の特徴NIST 1:N 顔認証で世界 No.1、誤識別率 0.07 %
どんなケースにおすすめかセキュリティ/国境管理など誤検出が許されない公共案件
評価項目スコア
費用の安さ2
課題解決能力5
技術力・精度5
実績・業界適合度5
運用保守4

NECは顔認証技術において世界最高レベルの精度を誇る企業です。米国国立標準技術研究所(NIST)が実施する顔認証の精度評価テストで、1対N認証(大量の顔データの中から特定の人物を見つけ出す技術)において世界第1位を獲得。わずか0.07%という驚異的な低さの誤識別率を実現しています。

この高精度技術を背景に、1,000件を超える公共機関への導入実績があります。特に空港や国境管理、重要施設のセキュリティなど、一度の誤認識が大きな問題につながる分野で高く評価されています。画像の品質が低い場合や古い写真との照合でも高い精度を維持できる点も強みです。

NECの顔認証技術は、クラウドベースのSaaSやAPI形式での提供はもちろん、セキュリティが特に重視される案件ではオンプレミス(自社サーバー内)での導入も可能。導入形態を柔軟に選べるため、様々なセキュリティ要件に対応できます。

費用面では決して安くはありませんが、誤検出が絶対に許されない重要なセキュリティシステムや公共インフラでの利用には最適です。特に大規模な人物識別や不審者検知が必要な公共案件では、NECの高い技術力と豊富な実績が大きな安心感をもたらすでしょう。

SenseTime Japan

Sencetime Japan

項目内容
会社名SenseTime Japan Ltd.
最大の特徴スマートシティ~産業 QC まで水平展開、先進アルゴリズム採用
どんなケースにおすすめかマルチサイト向け監視・交通解析を一括導入したい自治体・大型施設
評価項目スコア
費用の安さ3
課題解決能力4
技術力・精度4
実績・業界適合度3
運用保守3

SenseTime Japanは、中国発のAI企業SenseTimeの日本法人として、最先端の画像認識技術を日本市場に提供しています。同社の最大の特徴は、スマートシティの街頭監視カメラから工場での品質管理(QC)まで、幅広い領域に画像認識技術を水平展開できる点です。

特に「SenseFoundry」と呼ばれるスマートシティ向けプラットフォームの導入実績が豊富で、複数の監視カメラからのデータを一元管理し、人や車両の流れを分析できるシステムを構築しています。これにより都市の安全管理や交通の最適化などを実現しています。

自動車産業向けには先進運転支援システム(ADAS)のモジュールも供給。歩行者検知や車線認識などの安全運転機能を支える画像認識技術を提供しています。

最近では生成AIの分野にも積極的に進出しており、画像生成や映像編集の技術開発にも注力。常に最先端のアルゴリズムを採用し、高い認識精度を維持しています。

複数の拠点や施設にまたがる大規模な監視システムや交通解析システムを一括で導入したい自治体や大型商業施設にとって、SenseTime Japanは統合的なソリューションを提供できる心強いパートナーと言えるでしょう。価格も比較的中間的で、機能と費用のバランスが取れた提案が期待できます。

【UI/システムまで一貫対応】画像認識が得意な開発会社おすすめ

ユーザーインターフェース(UI)から業務システムまで一貫して開発できる企業は、特に既存のシステムと画像認識技術を連携させたい場合に最適です。ここでは、そうした強みを持つ3社をご紹介します。

  • TIS
  • NTTデータ
  • CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)

TIS

TIS

項目内容
会社名TIS株式会社
最大の特徴AI-PoC→業務システム化→運用まで自社グループで一気通貫
どんなケースにおすすめか既存基幹システムと連携しながら現場へ早期展開したい企業
評価項目スコア
費用の安さ3
課題解決能力4
技術力・精度3
実績・業界適合度4
運用保守4

TIS株式会社は、AIの実証実験(PoC)から業務システム化、さらには運用までを自社グループ内で一貫して行える総合力が最大の強みです。画像認識だけでなく、それを実際の業務システムに組み込んで効果を出すところまでをトータルでサポートしてくれます。

特に物流業界向けには配送ルートの最適化や、製造業向けには検査工程の自動化など、業種別のテンプレートを用意しており、短期間での導入が可能です。これらのテンプレートは実際の導入事例をもとに改良されてきたもので、現場での使いやすさが考慮されています。

また、AI開発だけでなく、MLOps(機械学習の運用基盤)とデータ基盤をセットで提供している点も注目に値します。データの収集から分析、AIモデルの継続的な改善まで、一連の流れを効率的に管理できる環境を整えてくれるため、長期的な運用を見据えた企業に適しています。

価格については個別見積もり制を採用しており、企業規模やプロジェクトの内容に応じた柔軟な提案が可能です。特に既存の基幹システムと連携しながら、現場への早期展開を目指す企業にとって、TISは技術と業務の両面から支援してくれる頼もしいパートナーになるでしょう。

NTTデータ

NTTデータ

項目内容
会社名株式会社NTTデータ
最大の特徴医療画像 AI をはじめ大量業務データと UI 連携実績多数
どんなケースにおすすめか医療・公共など大規模ユーザー数の業務システム統合
評価項目スコア
費用の安さ2
課題解決能力4
技術力・精度4
実績・業界適合度5
運用保守5

NTTデータは、特に医療分野での画像AI活用に強みを持つ大手システムインテグレーターです。CTやMRIなどの医療画像を自動診断するAIシステムの開発実績が豊富で、導入病院では医師の作業負荷を30%も削減することに成功しています。膨大な医療画像データを分析し、疑わしい箇所を自動的に検出することで、医師が診断に集中できる環境を作り出しています。

同社の強みは、大量のデータを扱う業務システムとユーザーインターフェース(UI)を連携させる技術力です。特に医療や公共分野など、多くのユーザーが同時にアクセスする大規模システムの構築に長けており、使いやすさと安定性を両立したシステム開発を得意としています。

また、国内最大級のクラウド運用体制を持ち、24時間365日のシステム監視と迅速なトラブル対応が可能です。グローバルには50を超える拠点を展開しており、海外進出を検討している企業にとっても頼もしいパートナーとなるでしょう。

費用面では決して安くはありませんが、特に医療機関や官公庁など、高い信頼性と安定性が求められる分野での大規模システム統合には最適な選択肢の一つです。長期的な運用保守も含めたトータルコストで考えると、その価値は十分にあると言えるでしょう。

CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)

CTC

項目内容
会社名CTC
最大の特徴「IVAR」画像認識 AI を活用した人流解析など自治体 DX
どんなケースにおすすめか既存 CCTV を活かし来訪者分析をしたい自治体・小売
評価項目スコア
費用の安さ3
課題解決能力4
技術力・精度3
実績・業界適合度4
運用保守4

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、独自の画像認識AIプラットフォーム「IVAR」を活用した自治体のデジタル変革(DX)に強みを持つ企業です。特に人流解析の分野で多くの実績があり、駅や商業施設などの公共空間における人の動きを分析し、混雑予測や効率的な誘導に役立てるソリューションを提供しています。

スマートシティ構想に関するサウンディング(事業提案)の実績も豊富で、自治体と連携した街づくりプロジェクトに数多く参画。カメラ映像からの人物・車両検知や不審行動検知など、都市の安全・安心に貢献する技術を展開しています。

同社の「IVAR」はSaaS型(クラウドサービス)で提供されており、初期投資を抑えつつ短期間での導入が可能です。既存の監視カメラ(CCTV)システムを活かしながら、AIによる高度な分析機能を追加できるため、自治体や小売業の予算制約にも対応しやすい特徴があります。

また、伊藤忠商事グループの商社ネットワークを活用し、国内外の最新テクノロジー製品の調達も可能。顧客のニーズに合わせて最適な製品を組み合わせたソリューションを構築できる点も強みです。

すでに設置済みの監視カメラを活用して来訪者の動線や滞在時間を分析したい自治体や小売店にとって、CTCは既存資産を最大限に生かしながら新たな価値を創出してくれるパートナーとなるでしょう。

【製造・物流特化】画像認識が得意な開発会社おすすめ

製造業や物流業界に特化した画像認識技術を提供する企業は、業界特有の課題に対応した専門的なソリューションを提供します。ここでは、そうした強みを持つ3社をご紹介します。

  • Hitachi Solutions
  • Ascent Robotics
  • Datagrid

Hitachi Solutions

日立ソリューションズ・クリエイト

項目内容
会社名株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
最大の特徴「AIプラス」外観検査パッケージでライン停止最短 3 日
どんなケースにおすすめか既設ラインへ後付けカメラ+AI でスモールスタートしたい工場
評価項目スコア
費用の安さ3
課題解決能力4
技術力・精度4
実績・業界適合度5
運用保守4

日立ソリューションズ・クリエイトは、製造業向けの外観検査に特化した「AIプラス」というパッケージを提供しています。このパッケージの最大の特徴は、導入のためのライン停止時間がわずか3日と極めて短いこと。製造ラインの長期停止が難しい工場にとって、この短期導入は大きなメリットとなります。

同社のシステムは、PLCと呼ばれる工場の制御装置との連携を想定したテンプレートを備えています。これにより、不良品を検出した際に自動でラインを停止させたり、後工程に情報を伝達したりするなど、工場の既存システムと円滑に連携できる仕組みが整っています。生産効率を落とさずに検査工程を自動化できる点が高く評価されています。

また、導入後のAIモデルのリトレーニング(再学習)を自動化する機能も備えており、製品の仕様変更や新たな不良パターンへの対応も容易です。これにより、長期的な運用における保守コストを抑えることができます。

数十ラインにおよぶ導入実績があり、様々な製品や工程での外観検査のノウハウを蓄積しています。特に既存の製造ラインに大きな改修を加えることなく、カメラとAIを後付けして小規模から始めたい工場にとって、理想的なパートナーと言えるでしょう。

Ascent Robotics

Ascent Robotics

項目内容
会社名Ascent Robotics
最大の特徴デジタルツイン+3D ビジョンで倉庫ロボを短期学習
どんなケースにおすすめかピッキングロボ+画像 AI を同時検討する物流センター
評価項目スコア
費用の安さ2
課題解決能力4
技術力・精度4
実績・業界適合度3
運用保守3

Ascent Roboticsは、物流センターにおけるロボットと画像AIの融合に特化した企業です。同社の最大の特徴は、デジタルツイン(現実世界をコンピューター上に再現する技術)と3Dビジョン技術を組み合わせ、倉庫内のピッキングロボットを短期間で学習させられる点にあります。

通常、ロボットが様々な形状の商品を正確に認識し、掴む動作を学習するには膨大な時間とデータが必要ですが、Ascent Roboticsはバーチャル環境で事前学習を行い、実際の環境への適応を高速化することに成功しています。これにより、導入期間の大幅な短縮を実現しています。

同社はNVIDIAの3D仮想環境技術「Omniverse」との連携にも力を入れており、よりリアルな物理シミュレーションによって学習精度を高めています。これにより、様々な照明条件や商品の積み方に対しても柔軟に対応できるロボットシステムの構築が可能です。

国内のEC(電子商取引)企業の物流倉庫での実証実験も成功させており、実環境での有効性も確認されています。画像認識技術だけでなく、ロボットの制御システム全体を一括して提供できる点も大きな強みです。

特にピッキングロボットと画像認識AIを同時に導入したい物流センターにとって、Ascent Roboticsは技術的な一貫性を持ったソリューションを提供できるパートナーとなるでしょう。費用は比較的高めですが、人手不足に悩む物流業界において、その投資効果は大きいと言えます。

Datagrid

Datagrid

項目内容
会社名株式会社データグリッド
最大の特徴異常擬似データ生成で不良品データ不足を解消
どんなケースにおすすめか不良サンプルが極端に少ない外観検査 PoC
評価項目スコア
費用の安さ4
課題解決能力3
技術力・精度4
実績・業界適合度3
運用保守3

データグリッドは、AI学習において常に課題となる「不良品サンプルの不足」という問題に独自のアプローチで取り組む企業です。同社の「Anomaly Generator」という技術を使えば、実際の不良品が少なくても、それを元に様々なパターンの不良を擬似的に生成し、データ量を約10倍に拡張することができます。

製造現場では品質管理が徹底されているため、AIの学習に十分な量の不良品サンプルを集めることは難しいものです。しかし、データグリッドの技術を使えば、少ない実サンプルからも多様なバリエーションの不良パターンを生成でき、AIの検出精度を大幅に向上させることが可能です。

この技術の背景には、GAN(敵対的生成ネットワーク)由来のクリエイティブAI技術があります。同社はこの技術を活用して、製造業における外観検査だけでなく、広告業界でのクリエイティブ制作など、様々な分野で共同開発を進めています。

費用面では比較的リーズナブルな設定となっており、中小企業でも導入しやすい価格帯を実現。特に不良品サンプルの収集が難しい高品質な製品の製造ラインや、発生頻度の低い重大不良を検出したいケースなど、データ不足に悩む企業のPoC(実証実験)に最適です。

製造業において「不良はあってはならないが、検出のためのAI学習にはデータが必要」というジレンマを抱える企業にとって、データグリッドは革新的な解決策を提供してくれる心強いパートナーと言えるでしょう。

【エッジ実装・省電力に強い】画像認識が得意な開発会社おすすめ

カメラやセンサーなど、データを取得するデバイス自体で画像処理を行う「エッジコンピューティング」は、リアルタイム性や省電力性が求められる場面で重要です。ここでは、そうした技術に強みを持つ3社をご紹介します。

  • Sony Semiconductor (AITRIOS)
  • LeapMind
  • Morpho AI Solutions

Sony Semiconductor (AITRIOS)

ソニーセミコンダクタソリューションズ

項目内容
会社名ソニーセミコンダクタソリューションズ
最大の特徴イメージセンサ IMX500+AITRIOS でカメラ内推論を実現
どんなケースにおすすめか通信帯域/遅延が制約の小売・スマートシティ常時監視
評価項目スコア
費用の安さ3
課題解決能力4
技術力・精度5
実績・業界適合度4
運用保守4

ソニーセミコンダクタソリューションズは、AIプロセッサーを内蔵したイメージセンサ「IMX500」と、エッジAI開発プラットフォーム「AITRIOS」を組み合わせることで、カメラ内でのAI推論処理を実現しています。これにより、撮影した画像をサーバーに送ることなく、カメラ自体が画像認識処理を行えるようになります。

この技術の最大のメリットは、大量の映像データをクラウドに送信する必要がなくなることです。例えば小売店の棚を監視するカメラの場合、商品の在庫状況などの分析結果だけをサーバーに送信すれば良いため、通信帯域の大幅な削減が可能になります。また、サーバーとの通信による遅延もなくなるため、リアルタイム性が向上します。

Microsoftとのクラウド連携も進んでおり、エッジでの処理とクラウドでのデータ分析を組み合わせた総合的なソリューションを提供。小売店の棚在庫検知など、実用的な参考実装も多数公開されており、導入のハードルが低いのも特徴です。

デバイスからクラウドまで一体型のAPIを提供しているため、開発者は統一された環境でシステムを構築できます。通信帯域や遅延が制約となる小売業やスマートシティの常時監視など、リアルタイム性と省通信量が求められる用途に最適なソリューションと言えるでしょう。

Morpho AI Solutions

Morpho AI Solutions

項目内容
会社名株式会社モルフォ
最大の特徴スマホ〜車載向け画像処理 SDK を 2,000 万台以上出荷
どんなケースにおすすめか既存 ARM 搭載機へ省メモリで組込みたい機器ベンダー
評価項目スコア
費用の安さ4
課題解決能力3
技術力・精度4
実績・業界適合度4
運用保守3

モルフォは、スマートフォンから車載機器まで幅広いデバイス向けの画像処理技術を提供する企業です。同社の画像処理SDKは累計2,000万台以上のデバイスに搭載された実績があり、限られたメモリ容量と処理能力の中で高品質な画像処理を実現する技術に定評があります。

同社の「Semantic Filtering」技術は、画像の意味的な内容を解析し、重要な部分を保持しながらノイズや不要な情報を除去することで、画像の品質を向上させます。これにより、低光量環境での撮影や高速移動中の被写体など、難しい条件下でも鮮明な画像処理が可能になります。

多くのスマートフォンメーカーやTier1(自動車メーカーに直接部品を供給する一次サプライヤー)と取引があり、実用レベルの製品に組み込まれた実績が豊富です。特に厳しい品質基準を持つ車載分野での採用は、同社の技術力の高さを示しています。

SDK単位での提供が可能で、短期間での納品にも対応。比較的リーズナブルな価格設定も魅力の一つです。すでにARMプロセッサを搭載した既存の機器に、省メモリで高性能な画像認識機能を追加したい機器ベンダーにとって、理想的な選択肢と言えるでしょう。

モルフォの技術は特に、バッテリー駆動時間やメモリ容量に制約がある小型デバイスでの利用に適しており、高い技術力と豊富な実績を武器に、組込み機器向け画像処理市場で確固たる地位を築いています。

まず、ルールを復唱します。

  • 「です。ます。」調で書きます
  • 同じ語尾が2回続くのは避け、適度に体言止めなどを利用します
  • 素人にもわかるよう難しい用語は避けるか、説明を添えます
  • 不自然な翻訳調の表現は避けます
  • h3見出しで複数項目を並列する前に、箇条書きで項目を記載します
  • 一回の生成で1つのh2見出しごと書き進めます

画像認識システム開発会社の選び方

画像認識システムの開発を外部企業に依頼する際、どのような基準で選べば良いのでしょうか。ここでは、失敗しない会社選びのポイントを5つご紹介します。

  • 自社の課題に合った得意分野を持つ企業を選ぶ
  • 実績と導入事例を確認する
  • 精度と処理速度のバランスを見極める
  • 保守・運用体制を確認する
  • コスト構造を理解する

自社の課題に合った得意分野を持つ企業を選ぶ

画像認識技術を提供する企業は、それぞれ得意分野が異なります。外観検査に強い企業もあれば、人物認識に特化した企業、エッジデバイスでの処理に長けた企業など様々です。まずは自社の課題を明確にし、その解決に最適な専門性を持つパートナーを選ぶことが重要です。

例えば、製造ラインの外観検査を自動化したい場合は、製造業の実績が豊富な企業を選ぶべきでしょう。逆に、店舗での人流分析が目的なら、小売業向けのソリューションに強みを持つ企業が適しています。業種や用途によって必要な技術が異なるため、「画像認識」という大きなくくりではなく、より具体的な課題解決能力を見極めることが大切です。

実績と導入事例を確認する

実際に同じような課題を解決した実績があるかどうかは、企業選びの重要な指標となります。導入事例の数だけでなく、その内容と成果にも注目しましょう。可能であれば、同業他社での導入例や、具体的な効果(不良検出率の向上、作業時間の削減など)についても確認することをおすすめします。

また、事例の公開が少ない企業の場合は、非公開事例についても可能な範囲で説明を求めてみるのも良いでしょう。機密保持の観点から詳細は伏せられていても、業界や規模感、課題の概要などは共有してもらえる場合があります。

精度と処理速度のバランスを見極める

画像認識システムでは、認識精度と処理速度のバランスが重要です。例えば、99.9%の精度を実現できても、1枚の画像処理に数秒かかるようでは、リアルタイム性が求められる用途には適しません。逆に、高速処理が可能でも精度が低ければ、実用に耐えられない場合もあります。

自社の業務において、どちらの要素がより重要かを見極め、その優先順位に沿った技術を持つ企業を選びましょう。また、開発段階でこれらのパラメータを調整できる柔軟性があるかどうかも確認しておくと安心です。

保守・運用体制を確認する

画像認識システムは導入して終わりではありません。運用を続ける中で、新たな検出対象の追加や、環境変化に応じたモデルの再学習が必要になることがあります。そうした長期的な保守・運用体制が整っているかどうかも、重要な選定基準です。

特に、自社内にAI技術者がいない場合は、モデルの更新や運用管理をどこまでサポートしてもらえるのか、明確にしておく必要があります。一部の企業では、モデルの再学習を自社スタッフでも行えるよう、専用のツールや教育プログラムを提供しているケースもあります。

コスト構造を理解する

画像認識システムの導入コストは、初期費用だけでなく、運用コストも含めて考える必要があります。開発費、ハードウェア費用、保守料金、追加開発費用など、全体の費用構造を明確に理解しておきましょう。

特に注意すべきは、クラウド型のサービスを利用する場合の従量課金や、モデルの再学習にかかる費用です。これらは利用量や頻度によって大きく変動する可能性があります。見積もりを取る際は、想定される利用シナリオに基づいた具体的な試算を依頼すると良いでしょう。

画像認識システムに商談時にしておきたい質問

画像認識システムの導入を検討する際、適切な質問をすることで失敗を防ぎ、最適なパートナー選びができます。ここでは、商談時に確認しておきたい質問を3つの軸でご紹介します。

  • 技術的な質問
  • コストと契約に関する質問
  • サポート体制に関する質問

技術的な質問

  • 認識精度はどの程度で、どのような手法で計測していますか?
  • 環境変化(照明、角度、背景など)への対応力はどの程度ですか?
  • 学習に必要なデータ量は最低どれくらいですか?
  • 処理速度はどのくらいで、どのようなハードウェア環境を想定していますか?
  • 既存システムとの連携方法や、APIの仕様はどうなっていますか?

ポイント: 精度と速度のバランス、環境変化への対応力が重要です。特に製造現場では照明条件や背景が変わっても安定して動作するかを確認しましょう。また、学習データの量が少なくても対応できる技術を持っているかも重要なチェックポイントです。

コストと契約に関する質問

  • 初期費用と月額費用の内訳を教えてください
  • 追加開発や機能拡張が必要になった場合の費用体系はどうなっていますか?
  • モデルの再学習やチューニングが必要になった場合の費用はいくらですか?
  • 契約期間や解約条件はどうなっていますか?
  • 知的財産権の帰属はどうなっていますか?

ポイント: 見えないコストに注意が必要です。特に運用段階でのモデル再学習やカスタマイズ費用は後から大きな負担になることも。また、学習済みモデルの所有権や、自社データで学習したモデルの権利関係を事前に明確にしておくことが重要です。

サポート体制に関する質問

  • 導入後のサポート体制や問い合わせ窓口はどうなっていますか?
  • システム障害時の対応時間や復旧体制はどうなっていますか?
  • バージョンアップや機能追加のリリース頻度はどのくらいですか?
  • 自社スタッフへの教育・トレーニングプログラムはありますか?
  • 過去に同様のシステムで発生したトラブル事例とその解決方法を教えてください

ポイント: 長期的な関係構築の視点でサポート体制を評価しましょう。特に24時間稼働する製造ラインなどでは、緊急時の対応速度が重要です。また、将来的に自社で運用できるようになるための教育プログラムの有無も、依存度を下げる観点から確認すべきポイントです。

画像認識システム開発の費用を安く抑える方法

画像認識システムの導入は高額になりがちですが、適切な方法を選べばコストを抑えることも可能です。ここでは、費用を抑えながら効果的なシステムを導入するための3つのコツをご紹介します。

  • PoC(実証実験)から段階的に導入する
  • オープンソースと商用ソリューションを組み合わせる
  • クラウドとエッジの最適なバランスを見つける

PoCから段階的に導入する

画像認識システムを一度に全社展開するのではなく、まずは小規模な実証実験(PoC)から始めることで、初期投資を抑えることができます。特に製造ラインの一部や、店舗の一角など、限定された範囲でシステムの効果を検証し、成果が確認できた後に段階的に拡大していくアプローチが効果的です。

PoC専用のパッケージプランを提供している企業も多く、例えば本記事で紹介したブレインパッドやエクサウィザーズのような企業は、低コストで短期間の効果検証を行えるサービスを展開しています。これにより、大きな投資をする前に自社の課題に対する有効性を確認できるため、無駄な出費を防ぐことができます。

また、実証実験の過程で得られたデータや知見は、本格導入時の精度向上にも役立ちます。まずは小さく始めて、効果を確認しながら規模を拡大していく「スモールスタート」の考え方が、リスクとコストを最小化するポイントです。

オープンソースと商用ソリューションを組み合わせる

完全な商用ソリューションをゼロから開発すると高額になりがちですが、オープンソースのフレームワークやモデルを活用することで、開発コストを大幅に削減できます。例えば、TensorFlowやPyTorchなどのフレームワークや、YOLOなどの物体検出モデルは無料で利用でき、多くの企業がこれらをベースに自社システムを構築しています。

ただし、オープンソースだけでは業務要件を満たせないケースも多いため、商用ソリューションとの適切な組み合わせが鍵となります。例えば、基本的な画像認識エンジンにはオープンソースを活用し、業務システムとの連携部分や専門的なチューニングには商用サービスを利用するといった方法が考えられます。

このハイブリッドアプローチを取ることで、コスト削減と高品質なシステム構築を両立させることが可能です。開発を依頼する企業にも、オープンソースの活用方針について相談してみると良いでしょう。

クラウドとエッジの最適なバランスを見つける

画像認識システムの処理をすべてクラウドで行うと、通信費用やサーバー利用料が膨らむ可能性があります。逆に、すべての処理をエッジデバイス(カメラやセンサーなど)で行おうとすると、高性能なハードウェアが必要になり、初期投資が増大します。

最適な方法は、両者のバランスを見極めることです。例えば、エッジデバイスで簡易的な前処理や一次判定を行い、詳細な分析や複雑な判断が必要な場合のみクラウドに送信するといった「エッジ・クラウド協調」の仕組みを構築することで、通信コストとハードウェアコストの両方を抑えることができます。

本記事で紹介したソニーセミコンダクタソリューションズのAITRIOSのように、エッジとクラウドの連携を効率化するプラットフォームも登場しています。システム設計の段階で、どのような処理をどこで行うかを最適化することが、長期的なコスト削減につながるポイントです。

また、クラウドサービスを利用する場合は、従量課金型と定額制のどちらが自社の利用パターンに合っているかも検討すると良いでしょう。短期的な大量処理が必要な場合は従量課金が、安定した利用が見込まれる場合は定額制が有利になる傾向があります。

画像認識システムの開発ならニューラルオプト

画像認識システムの開発を検討する際は、専門知識と豊富な実績を持つ開発会社に相談することをおすすめします。

弊社ニューラルオプトは、Open AIのChat GPT開発にも携わっているなど、AI開発については深い知見を持っているのが強みです。

DXの重要性が高まる中、画像認識システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。合同会社ニューラルオプトは、お客様のビジネス成長に貢献するため、全力でサポートいたします。

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著者・監修者

合同会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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