AI-OCRとRPAの連携事例9選!効率化・自動化やミス削減など
AI-OCR(光学文字認識)とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の連携は、多くの企業や自治体で劇的な業務効率化を実現しています。紙帳票のデータ化から入力作業の自動化まで、この技術組み合わせは従来の手作業を大幅に削減し、人的ミスの防止や処理速度の向上をもたらしています。
本記事では、実際に導入した日本の組織による成功事例を、効果別に分類してご紹介します。
なお、以下の記事ではAIの活用事例について網羅的に取り上げています。ぜひ合わせてご覧ください。

業務スピードを大幅に向上した事例

以下の2つの自治体事例をご紹介します:
- 大阪府豊中市が年間5,000時間の業務時間削減を実現した事例
- 鹿児島県奄美市役所が給付金処理を劇的に効率化した事例
大阪府豊中市が年間5,000時間削減を実現した事例

大阪府豊中市 | 「デジタル・ガバメント戦略」を推進し、 職員の負荷軽減と住民サービス向上を目指す | WinActor NTTデータ
項目 | 内容 |
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企業名 | 大阪府豊中市 |
業界 | 地方自治体 |
ビフォー | 手作業による母子保健課などの帳票入力 |
アフター | 年間約5,000時間の削減。妊婦健康診査受診券入力で277時間削減 |
大阪府豊中市では、市民サービスの向上を目指して40の業務にAI-OCRとRPA(WinActor)を導入しました。導入前は紙帳票の手入力作業が職員の大きな負担となっており、特に母子保健課などの繁忙部署では時間的余裕がなく、住民サービスの充実が課題でした。
導入後の成果は目覚ましく、年間約5,000時間という大幅な業務時間削減を達成。AI-OCRの精度は99.9%を超え、高い読み取り精度を実現しています。特に妊婦健康診査受診券の入力業務では、277時間もの削減効果を得ることができました。
この時間短縮により、職員は住民への対応により多くの時間を割けるようになり、市民サービスの質向上にも貢献しています。導入にはDX Suite(AI inside)も活用し、RPAとの組み合わせにより効果を最大化。PoC(概念実証)を含めて約半年という比較的短期間での導入も実現しており、定量的な削減効果と定性的な住民対応力向上の両立を図った好事例です。
鹿児島県奄美市役所が給付金処理を劇的に効率化した事例

WinActor®導入事例・自治体編【鹿児島県奄美市役所】高精度なAI-OCRサービスとWinActorの連携により特別定額給付金の支給を最短4日で実現 | WinActor NTTデータ
項目 | 内容 |
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企業名 | 鹿児島県奄美市役所 |
業界 | 地方自治体 |
ビフォー | 特別定額給付金申請書を職員が手入力していた |
アフター | 1日最大4,000件を自動処理可能。職員は高付加価値業務にシフト |
鹿児島県奄美市役所では、新型コロナウイルス対策として実施された特別定額給付金の申請処理において、AI-OCRとRPAの連携システムを導入しました。導入前は膨大な数の紙申請書を職員が手作業で入力しており、短期間に数万件の処理が必要という状況で職員のリソースが深刻に逼迫していました。
AI-OCRとWinActorを組み合わせた自動化システムの導入により、処理能力が劇的に向上。1日最大4,000件という大量の申請書を自動処理できるようになりました。この効率化により、職員は市民からの問い合わせ対応により多くの時間を確保できるようになり、給付金支給の迅速化と精度向上を同時に実現。
市民サービスの向上にも大きく貢献しています。特に緊急性を要する給付金業務において、短期間での導入と即座の効果発現を達成した点は、他の自治体にとっても参考になる事例といえるでしょう。
入力作業を自動化した事例
以下の3つの組織による入力業務自動化の成功事例をご紹介します:
- 京葉銀行が26,000時間超の削減を達成した事例
- クエストが請求書処理時間を20%短縮した事例
- デジタル・クリエイティブ・ネットが月30時間の作業を3時間に削減した事例
京葉銀行が26,000時間超の削減を達成した事例

京葉銀行|RPA + AI-OCRでクラウドサービスを活用する銀行のセキュリティ対策とは? | WinActor NTTデータ
項目 | 内容 |
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企業名 | 京葉銀行 |
業界 | 地方銀行 |
ビフォー | 住宅ローン申込書や取引照会など手入力とチェック作業が多数 |
アフター | 82業務で合計26,737時間削減。OCR→RPAで年間規模の効率化 |
京葉銀行では、住宅ローン申込書をはじめとする膨大な紙ベースの書類処理が大きな課題となっていました。様々なフォーマットの申込書や取引照会書類を人手で処理することで、処理しきれない状況が生まれ、人的ミスも頻発していたのです。
この課題解決のため、DX SuiteとWinActorを組み合わせたAI-OCRとRPAの連携システムを導入。書類フォーマットの多様性にも対応できる柔軟な設計により、82のプロセスを自動化し、合計26,737時間という大幅な業務時間削減を実現しました。
OCRの精度は99%を超える高水準を維持しており、スケール運用を重視した設計により、安定した自動化を継続しています。この導入により、職員はより付加価値の高い顧客対応業務に注力できるようになり、サービス品質の向上にもつながっています。金融機関特有の高い精度要求にも応えながら、大規模な効率化を達成した代表的な成功事例です。
クエストが請求書処理時間を20%短縮した事例

AI-OCR+RPA導入事例 | 導入事例 | 株式会社クエスト
項目 | 内容 |
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企業名 | クエスト(Quest) |
業界 | 製造(請求書処理) |
ビフォー | 請求書処理に110分/件 |
アフター | 110分→88分に短縮(20%削減) |
製造業のクエストでは、請求書処理に1件あたり110分という長時間を要しており、ヒューマンエラーも多発するという課題を抱えていました。処理時間の長さは業務効率を大きく阻害し、ミスによる手戻り作業も頻繁に発生していたのです。
AIスキャンロボとWinActorを組み合わせたソリューションの導入により、請求書処理時間を110分から88分へと20%短縮することに成功。処理時間の短縮だけでなく、ヒューマンエラーの根本的な解消も実現しました。安定したロボット設計により、複数の業務を並行して処理することも可能になり、全体的な業務効率が大幅に向上しています。
発足から半年という短期間でのリリースを実現し、早期の効果発現を達成。製造業における経理業務の自動化モデルケースとして、他社の参考にもなる取り組みです。
デジタル・クリエイティブ・ネットが月30時間の作業を3時間に削減した事例

SmartRead×RPAで請求書処理を完全自動化!経理業務の時間は毎月わずか3時間に|SmartRead
項目 | 内容 |
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企業名 | デジタル・クリエイティブ・ネット |
業界 | IT/レンタルサービス |
ビフォー | 請求書入力に月30時間 |
アフター | 月30時間→3時間へ約90%削減 |
IT・レンタルサービス業のデジタル・クリエイティブ・ネットでは、月30時間を要していた請求書入力業務が大きな負担となっていました。UI(ユーザーインターフェース)の課題もあり、自動仕分けやエクスポート機能の要件も高まっていました。
SmartReadとRPAの連携システム導入により、月30時間かかっていた請求書入力作業を3時間まで削減し、約90%という劇的な効率化を実現。Excelでの手作業が不要になり、属人的だった業務の解消にも成功しています。
残業時間の削減効果も大きく、これまで外部委託していた業務の改善にもつながりました。属人的な知識に依存していた業務プロセスを標準化し、誰でも対応できる体制を構築したことで、業務の継続性と品質の安定化も同時に達成した優れた事例です。
人為ミスを削減した事例
以下の2つの医療関連組織による人的ミス削減の成功事例をご紹介します:
- 医療法人社団平郁会が年間1,800時間削減とエラーゼロを実現した事例
- かがやきグループが月30時間削減と90%自動化を達成した事例
医療法人社団平郁会が年間1,800時間削減とエラーゼロを実現した事例

医療業界での手書き書類や電子カルテの処理業務にAI-OCRとRPA活用で約1,800時間/年削減。医療DX推進を実現|RPA導入事例・実績|RoboTANGO
項目 | 内容 |
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企業名 | 医療法人社団平郁会 |
業界 | 医療 |
ビフォー | 紙請求先情報入力・検査データの手動転記で作業多数・ミス発生 |
アフター | 年間1,800時間削減。請求先入力作業をRPA+OCRで自動化し、エラーゼロへ |
医療法人社団平郁会では、紙ベースの請求先情報入力や検査データの手動転記作業が膨大な量に上り、人的ミスが頻発するという深刻な課題を抱えていました。ミスが発生すると再確認作業が必要となり、さらに工数が増加する悪循環に陥っていたのです。
DX SuiteとRoboTANGOを組み合わせたAI-OCRとRPAの連携システムを導入した結果、年間1,800時間という大幅な業務時間削減を実現。最も重要な成果として、請求ミスを完全に防ぐことでエラーゼロを達成し、医療現場の品質向上に大きく貢献しています。
OCRの精度も高く、安定した運用を継続中です。複数の業務にRPAを展開することで、医療現場全体の業務負担軽減を図っており、職員がより患者対応に集中できる環境を整備。医療業界特有の高い精度要求に応えながら、大幅な効率化を実現した模範的な導入事例といえるでしょう。
かがやきグループが月30時間削減と90%自動化を達成した事例

項目 | 内容 |
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企業名 | かがやきグループ |
業界 | 医療/経理サービス |
ビフォー | 売上・領収書データをExcelに手入力 |
アフター | 月30時間→0に削減、請求書90%自動化 |
かがやきグループでは、売上データや領収書の情報をExcelに手入力する作業に月30時間を要しており、この非効率な作業が大きな負担となっていました。属人的な作業でもあり、担当者の負荷集中や業務の継続性にも課題を抱えていました。
RPA+AI-OCRの導入により、月30時間かかっていた入力作業をゼロまで削減することに成功。領収書や売上データの90%以上を自動化し、属人的だった作業からRPA体制への転換を実現しました。小規模なロボットから段階的に導入するスモールスタート方式を採用し、即座に効果を実感できる体制を構築。
この成功体験をもとに、他の業務への展開も進めています。医療・経理サービス業界において、限られたリソースを有効活用しながら大幅な効率化を達成した好例として、同規模の組織にとって参考価値の高い事例です。
中小企業でもスモールスタートできた事例
以下の2つの中小企業による段階的導入の成功事例をご紹介します:
- I&Rビジネスアシストが月150時間削減を実現した事例
- 三條機械製作所が月188時間削減を達成した事例
I&Rビジネスアシストが月150時間削減を実現した事例

RPAとAI-OCR連携による活用方法・活用シーン11選!導入事例や事前に知っておくべきポイントも紹介|コラム|RoboTANGO
項目 | 内容 |
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企業名 | 株式会社I&Rビジネスアシスト |
業界 | BPO(会計・経理アウトソーシング) |
ビフォー | 入出金や振込の定型業務を人力で処理(150時間/月) |
アフター | 作業1〜2時間/社が約1分に短縮、月150時間以上削減 |
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を手がけるI&Rビジネスアシストでは、クライアント企業の入出金や振込といった定型業務の処理に月150時間を要していました。低付加価値業務に多大な人的コストが割かれており、業務遅延のリスクも存在していたのです。
AI-OCRとRPAを組み合わせたシステムの導入により、1社あたり1〜2時間かかっていた処理時間を約1分まで短縮することに成功。月150時間以上という大幅な業務時間削減を実現しました。現在では100社を超えるクライアントにこの自動化システムを適用しており、働き方改革の土壌構築にも貢献しています。
中小企業でありながらスモールスタートから始めて着実に効果を拡大し、今後は給与計算や年末調整業務への展開も予定。限られたリソースでも段階的に自動化を進めることで、大きな成果を得られることを実証した代表的な成功事例です。
三條機械製作所が月188時間削減を達成した事例

RPA活用に不可欠なinvoiceAgent AI OCR導入によって 本社管理本部の作業時間を250時間/月削減 自動化と精度の両方を最大化するために不可欠な人のチカラ|ウイングアーク1st
項目 | 内容 |
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企業名 | 株式会社三條機械製作所 |
業界 | 製造 |
ビフォー | 勤怠・棚卸を5〜7人で手動3日かける |
アフター | 3人×1日へ、月188時間削減 |
製造業の三條機械製作所では、勤怠管理や棚卸業務に5〜7人の人員で3日間を要する状況が続いていました。OCRの精度100%達成が困難という課題もあり、品質確保とのバランスが重要な検討事項となっていました。
invoiceAgent AI-OCRとRPAを組み合わせたシステムを2021年7月に導入し、約半年で安定運用を実現。従来5〜7人で3日間かかっていた作業を3人×1日で完了できるようになり、月188時間の大幅削減を達成しました。OCR精度の限界を認識した上で、レビュー工程を併用することで品質を確保し、帳票の統一化により効率化を図る工夫も実施。
全社では月300時間の削減効果を見込んでおり、今後さらなる展開を予定しています。中小製造業において、現実的なアプローチで着実な成果を上げた実践的な導入モデルとして、多くの企業にとって参考になる事例です。
AI-OCRとRPA導入を成功させるポイント
成功事例から学べる導入のコツを以下の5つのポイントで整理します:

小さく始める設計を行う
AI-OCRとRPA連携の導入において、最初から大規模な展開を目指すのではなく、限定的な業務から始めることが成功の鍵です。先述の事例でも、かがやきグループが「小ロボット」から段階的に導入し、I&Rビジネスアシストも限定的な業務から開始して100社超への展開を実現しています。
小規模スタートの利点は、リスクを最小限に抑えながら効果を実感できること。初期投資を抑制し、実際の業務フローに合わせた調整を行いながら段階的に拡大していけます。三條機械製作所の事例でも、約半年で安定運用を実現できたのは、無理のない導入計画があったからです。

まずは月数時間程度の業務から開始し、成功体験を積み重ねることで、組織全体の理解と協力を得やすくなります。
属人化リスクを回避する設計にする
多くの組織で課題となるのが、特定の担当者だけが業務を理解している「属人化」の状態です。AI-OCRとRPAの導入は、この属人化リスクを解消する絶好の機会となります。デジタル・クリエイティブ・ネットの事例では、属人的だった業務の標準化に成功し、誰でも対応できる体制を構築しました。
自動化システムの設計時には、業務プロセスを文書化し、複数の担当者が理解できる仕組みを作ることが重要です。また、システムの操作方法や保守手順についても、特定の人員に依存しない体制を整備する必要があります。

これにより、人事異動や退職があっても業務が停止することなく、継続的な運用が可能になります。
社内の巻き込みを図る
AI-OCRとRPAの導入成功には、経営層から現場職員まで、組織全体の理解と協力が不可欠です。大阪府豊中市の事例では、40業務という大規模展開を実現できたのは、全庁的な取り組みとして位置づけ、各部署の協力を得られたことが大きな要因となっています。
導入前の段階で、関係者に対して自動化の目的とメリットを明確に説明し、不安や疑問を解消することが重要。特に現場職員には「仕事が奪われる」という不安を持つ人もいるため、自動化により生まれた時間をより付加価値の高い業務に活用できることを伝える必要があります。

定期的な進捗共有と成果報告により、組織全体のモチベーション維持も図れます。
ビフォーアフターを定量化する
導入効果を明確に示すため、数値による効果測定が極めて重要です。紹介した全ての事例で、具体的な時間削減効果が示されているのは偶然ではありません。京葉銀行では26,737時間、日本通運では年間6万時間といった具体的な数値により、投資対効果を明確に示しています。
測定すべき指標には、処理時間の短縮、人員削減効果、エラー率の改善、残業時間の削減などがあります。導入前に現状の数値を正確に把握し、導入後の変化を継続的に測定することで、改善点の発見と次の展開計画の立案にも活用できます。

定量的な成果は経営層への報告や他部署への展開提案においても説得力のある根拠となります。
部分導入から全体展開するステップを設計する
成功事例に共通するのは、段階的な展開戦略を採用していることです。いきなり全業務を自動化するのではなく、効果の出やすい業務から開始し、成功体験を積み重ねながら対象範囲を拡大していく手法が効果的。日本通運の全国93拠点展開も、このような段階的アプローチの結果といえます。
展開ステップの設計では、第一段階で最も効果の見込める業務を選定し、第二段階で類似業務への横展開、第三段階で他部署への拡大という流れが一般的。

各段階で得られた知見を次の段階に活かし、システムの改良と運用ノウハウの蓄積を並行して進めることで、全体最適化を図れます。
AI-OCRとRPAの導入時に注意すべき点

導入を検討する際に押さえておくべき注意点を以下の5つの観点で整理します:
OCR精度の限界を理解する
AI-OCRの技術は大幅に向上していますが、100%の精度は現実的ではありません。三條機械製作所の事例でも、OCR精度100%の達成が困難であることを前提として、レビュー工程を併用する設計を採用しています。
手書き文字、かすれた印字、複雑なレイアウトの帳票などでは認識精度が下がる可能性があります。
重要なのは、精度の限界を受け入れた上で適切な品質管理体制を構築すること。人によるチェック工程を残したり、エラー検知機能を組み込んだりすることで、実用的なレベルの精度を確保できます。事前にサンプル帳票でテストを行い、想定される精度レベルと業務要件のバランスを検証することが大切です。

完璧を求めすぎず、現実的な改善効果を目指す姿勢が成功につながります。
RPAが止まるポイントを想定する
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は決められた手順通りに動作するため、想定外の状況が発生すると処理が停止してしまいます。システム画面の変更、ネットワーク接続の不安定、想定外のポップアップ表示など、様々な要因でロボットが動作を停止する可能性があります。
対策として、エラー発生時の処理手順を事前に定義し、管理者への通知機能を組み込むことが重要。また、定期的なメンテナンス時間を設け、システム環境の変化に合わせてロボットの動作を調整する体制も必要です。

クエストの事例では、安定したロボット設計により継続的な運用を実現していますが、これは想定されるトラブルへの事前対策があったからこそといえるでしょう。
現場業務の変化に伴う反発
業務の自動化は現場職員の働き方を大きく変える取り組みのため、変化への抵抗や不安を感じる人も少なくありません。「自分の仕事がなくなるのではないか」「システムに任せて大丈夫なのか」といった懸念を持つ職員への配慮が必要です。
成功事例では、自動化により生まれた時間をより付加価値の高い業務に活用できることを明確に示しています。大阪府豊中市では職員が住民対応により多くの時間を割けるようになり、医療法人社団平郁会では患者対応に集中できる環境を整備しています。

変化のメリットを具体的に説明し、職員のスキルアップ機会の提供や新しい業務への配置転換など、前向きな変化として捉えられる環境づくりが重要です。
データフォーマットの揺れへの対処
実際の業務では、同じ種類の帳票でも微妙にフォーマットが異なる場合が多々あります。京葉銀行の事例でも「書類フォーマットの多様性」への対応が課題となっていました。取引先ごとに異なる請求書レイアウト、手書き部分の個人差、印刷品質のばらつきなど、様々な要因でデータ形式が変動します。
対策として、AI-OCRの学習データを充実させ、多様なパターンに対応できる設計にすることが大切。また、新しいフォーマットが追加された際の対応手順を明確化し、迅速にシステムを更新できる体制も必要です。

完全な統一は困難なため、ある程度の揺れを許容しつつ、重要な項目については確実に読み取れる設計を心がけることが現実的なアプローチといえます。
保守・運用工数の見積もり不足
AI-OCRとRPAシステムは導入後も継続的なメンテナンスが必要ですが、この工数を過小評価してしまうケースが散見されます。システムの監視、エラー対応、精度向上のための調整、法制度変更への対応など、想定以上の運用負荷が発生する可能性があります。
事前に年間の保守・運用工数を realistic に見積もり、専任者の配置や外部サポートの活用を検討することが重要。また、運用開始後の改善要望や機能追加のニーズも発生するため、継続的な投資予算の確保も必要です。

長期的な視点での体制整備が成功要因の一つとなっています。
AI-OCR・RPA連携ならニューラルオプト
AI-OCRとRPA連携による業務自動化をお考えなら、合同会社ニューラルオプトにご相談ください。当社は世界的生成AIであるChatGPTの開発に携わっているAI開発企業として、日本で展開されているChatGPTの裏側に携わっている豊富な技術的知見を有しています。
単なる開発会社ではなく、コンサルティングも行う会社として「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、課題起点での解決策提案から組織への定着支援、運用しつつ主体的に改善するといった総合的な支援を提供。
データサイエンスの知見も活かし、データマイニングやテキストマイニングにも対応可能です。これまでにECサイト「eBay」の価格自動設定AI・業務システムや手書き文字のAI認識・要約システムなどの実績があり、課題解決から相談したい企業様や失敗リスクを抑えたい組織に最適です。まずはお気軽にご相談ください。