音声認識に強いAI開発会社おすすめ16選!5つの軸で厳選して紹介

音声認識技術の導入を検討している企業にとって、自社のニーズに最適な会社選びは重要な判断となります。議事録の自動化からコールセンターの効率化、多言語対応まで、用途によって最適なソリューションは大きく異なるもの。

本記事では、音声認識会社を5つの観点で分類し、計16社を厳選してご紹介。「PoC段階から相談できる」「低コストで導入できる」「多言語に強い」「医療・コールセンター領域に特化」「SaaS連携が簡単」という軸で、それぞれの特徴と適用ケースを詳しく解説します。

費用感や導入サポート、認識精度まで含めた比較表も掲載しているため、自社の要件に合った音声認識会社を効率的に選定できます。

なお、以下の記事ではAI開発会社をニーズ別に幅広く選定しております。ぜひ合わせてご覧ください。

また、本メディアを運営する合同会社ニューラルオプトは、AIシステム開発を得意としています。

「失敗リスクを最小化する」をコンセプトにすることで、通常の開発会社に比べて以下のメリットがあります。

  • 課題起点で提案するので、「作ったものの効果がなかった」を防げる。
  • 組織が活用するまで支援し、「使いこなせない」を防ぐ。
  • 運用しつつ主体的に改善し、費用対効果を最大化していける。

開発外注による失敗リスクを大幅に抑えられますので、ぜひ弊社の受託開発サービスをご検討ください。

目次

【一覧表】音声認識会社おすすめ

PoC段階から相談できる音声認識会社

大規模な導入を検討する際、まずは概念実証(PoC:Proof of Concept)から始めたい企業も多いでしょう。ここでは、要件定義の段階から伴走し、技術検証をしっかりサポートしてくれる3社をご紹介します。

・NTTテクノクロス ・NEC ・TIS・ニューラルオプト

NTTテクノクロス

NTTテクノクロス株式会社

項目内容
会社名NTTテクノクロス
最大の特徴SI/PoC支援込みの「SpeechRec」シリーズ
どんなケースにおすすめか要件定義から伴走が必要な大規模案件
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力4
認識精度・速度4
業界特化モデル有無3
導入後サポート4

NTTテクノクロスは、音声認識技術の導入において包括的なサポートを提供する企業です。同社の「SpeechRec」シリーズは、オンプレミス環境とクラウド環境の両方に対応しており、企業の既存システムに柔軟に組み込めることが大きな強み。

特に注目すべきは、システムインテグレーション(SI)とPoC支援を一体化したアプローチ。単純に音声認識エンジンを提供するだけでなく、要件定義から運用まで一貫してサポートしてくれるため、音声認識技術に詳しくない企業でも安心して導入を進められます。

費用面では初期費用300万円からとやや高額ですが、TV局の字幕生成や自治体の議会録音文字化といった実績があり、高い課題解決能力を持つのが特徴。月額数十万円規模の運用費用も、大規模案件であれば十分に投資対効果を見込めるでしょう。

NEC

NEC(Japan)

項目内容
会社名NEC
最大の特徴コンタクトセンター向けリアルタイム音声分析プラットフォーム
どんなケースにおすすめかコールセンターのVOC活用・業務自動化
項目評価
費用の安さ2
課題解決能力4
認識精度・速度4
業界特化モデル有無4
導入後サポート5

NECの音声認識ソリューションは、特にコンタクトセンター業界での強みを発揮します。「NEC Speech Analysis Platform」は、音声認識とAPIを組み合わせたユーザーインターフェースを提供し、リアルタイムでの音声分析が可能。

同社の最大の特徴は、顧客の声(VOC:Voice of Customer)の活用に特化した設計。通話内容をリアルタイムで分析し、顧客の感情や要望を瞬時に把握できるため、オペレーターの対応品質向上や業務効率化に直結します。

費用面ではPoC段階でも数百万円からと高額ですが、導入後サポートが業界最高レベル。金融機関のコールセンターや流通系BPOセンターでの豊富な導入実績があり、業界特化型のモデルも充実しています。大手企業のコンタクトセンター変革を検討している場合、最有力候補となるでしょう。

TIS

TIS、AI搭載業務チャットボット作成サービス「Dialog Play」に音声認識入力、読み上げ音声のカスタマイズなど新機能を追加 | ニュースリリース | 2022年度 | ニュース | TIS株式会社

項目内容
会社名TIS
最大の特徴PoC前提の対話AI統合基盤「COET」+SI力
どんなケースにおすすめか既存業務システム連携が多いPoC
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力4
認識精度・速度3
業界特化モデル有無3
導入後サポート4

TISは、音声認識を含む対話AI技術を統合したプラットフォーム「COET(コエット)」を提供しています。同社の強みは、既存の業務システムとの連携を前提としたPoC設計にあります。

「Dialog Play」や「COETクラウド音声API」といったサービスを通じて、企業の既存システムと音声認識技術をスムーズに統合できる点が特徴。自治体の案内スマートスピーカーや多言語受付端末での導入実績があり、公共性の高いシステムでの信頼性も実証済み。

費用面では、PoC段階で100万円からと比較的リーズナブルな価格設定。本格運用時は月額API従量課金制となるため、使用量に応じてコストをコントロールできるのも魅力です。システムインテグレーション力に定評があるTISだからこそ、複雑なシステム連携が必要なPoCでも安心して任せられるでしょう。

合同会社ニューラルオプト

ニューラルオプト | AIシステム開発・導入支援・コンサルティング

項目内容
会社名合同会社ニューラルオプト
最大の特徴課題解決コンサルティングから依頼できるAI開発会社
どんなケースにおすすめか失敗リスクを抑えて根本課題から解決したい企業
項目評価
費用の安さ5
課題解決能力5
認識精度・速度3
業界特化モデル有無3
導入後サポート4

手前味噌で恐縮ですが、弊社合同会社ニューラルオプトについてもご紹介させていただきます。ニューラルオプトは、世界的生成AIであるChatGPTの開発に携わっているAI開発企業です。単なる技術提供にとどまらず、「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、課題の根本原因から一緒に考える総合的なサポートを提供しています。

最大の強みは、要件定義よりもさらに前段階の課題発見から伴走できること。音声認識技術の導入ありきではなく、本当にその技術が課題解決に最適なのかという根本的な部分から検討し、最適なソリューションを提案します。データサイエンスやテキストマイニングの知見も豊富で、音声認識と他の技術を組み合わせた包括的な解決策も得意分野。

手書き文字のAI認識・要約システムなどの開発実績があり、音声以外の情報も含めた統合的なアプローチが可能。費用面では他社と比べて非常にリーズナブルな設定でありながら、ChatGPTなど最新AI技術の知見を活かした高品質な課題解決提案を受けられます。組織への定着支援や運用改善まで一貫してサポートするため、音声認識導入の成功確率を最大化したい企業には特におすすめです。

低コストで導入できる音声認識会社

音声認識技術を試してみたいものの、初期投資を抑えたい企業には、低コストで始められるサービスが最適です。月額1000円以下から利用できるものや、無料プランを提供している3社をご紹介。

・LINEヤフー(CLOVA Note) ・ALM「AI議事録取れる君」 ・mocomoco「mocoVoice」

LINEヤフー(CLOVA Note)

CLOVA Note公式サイト

項目内容
会社名LINEヤフー
最大の特徴スマホ・Webで誰でも無料で使える
どんなケースにおすすめか議事録のコストゼロ運用
項目評価
費用の安さ5
課題解決能力2
認識精度・速度3
業界特化モデル有無2
導入後サポート2

LINEヤフーが提供する「CLOVA Note」は、音声認識サービスの中でも特に手軽さに特化したツールです。スマートフォンアプリやWebブラウザから誰でも無料で利用でき、音声認識技術を初めて試す企業にとって最適な選択肢。

最大の魅力は、2025年6月時点で文字起こし機能が完全無料で提供されていること。社内の定例会議や取材の録音文字化など、基本的な議事録作成に必要な機能は十分に備わっています。特別な契約手続きや初期費用も不要で、今すぐにでも音声認識の効果を体感できるでしょう。

ただし、課題解決能力や業界特化モデルの面では限定的。企業向けの高度な機能やカスタマイズには対応していないため、本格的な業務システムへの組み込みよりも、個人レベルや小規模チームでの利用に向いています。コストを掛けずに音声認識技術の可能性を探りたい場合には、まず試してみる価値があります。

ALM「AI議事録取れる君」

AI議事録取れる君 – 月額980円(税別)で議事録を自動作成

項目内容
会社名ALM
最大の特徴月額980円~の低料金+Zoom/Teams連携
どんなケースにおすすめか中小企業の会議議事録自動化
項目評価
費用の安さ4
課題解決能力3
認識精度・速度3
業界特化モデル有無3
導入後サポート3

ALMの「AI議事録取れる君」は、中小企業向けに特化した議事録自動化サービス個人プランなら月額980円、法人プランでも5,500円からという破格の料金設定で、ZoomやMicrosoft Teamsといった主要なWeb会議システムとの連携機能を提供しています。

同サービスの特徴は、クラウド型の議事録ボットとして動作する点。会議に参加者として招待するだけで、自動的に音声を録音・文字起こしを行い、議事録を作成してくれます。ITベンチャーの営業定例や大学研究室のゼミなど、様々な規模の会議で活用されており、導入の手軽さが評価されています。

認識精度や処理速度は平均的なレベルですが、この価格帯では十分な品質。特に人件費を抑えながら議事録作成業務を効率化したい中小企業にとって、コストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。

mocomoco「mocoVoice」

mocomoco inc. – 音声認識AI mocoVoice(モコボイス)提供中!

項目内容
会社名mocomoco
最大の特徴最速3分/h書き起こし+要約AI
どんなケースにおすすめか多話者少人数会議の即共有
項目評価
費用の安さ4
課題解決能力3
認識精度・速度4
業界特化モデル有無2
導入後サポート3

mocomocoの「mocoVoice」は、処理速度の速さを売りにした音声認識サービス。1時間の音声を最速3分で文字起こしでき、さらにAIによる要約機能も搭載しているため、会議終了後すぐに参加者へ共有できることが最大の強みです。

月額2.9万円の10時間プランから利用でき、広告代理店の企画会議や建設現場の朝礼など、迅速な情報共有が求められる現場での導入実績があります。特に複数の話者が参加する少人数会議において、発言者の識別精度が高く、議事録の品質向上に貢献。

クラウド型のSaaSとしてだけでなく、API提供も行っているため、既存システムとの連携も可能。認識精度・速度の評価が高い一方で、業界特化モデルは限定的なため、一般的な会議用途に適したサービスといえるでしょう。即座に議事録を共有したいスピード重視の企業には特におすすめです。

多言語に強い音声認識会社

グローバルビジネスの拡大や外国人労働者の増加に伴い、多言語対応の音声認識ニーズが高まっています。国際会議や海外拠点との連携が多い企業向けに、多言語処理に特化した3社をご紹介。

・みらい翻訳 ・ロゼッタ「オンヤク」 ・フェアリーデバイセズ「mimi ASR」

みらい翻訳

音声翻訳APIサービス|AI自動翻訳『みらい翻訳』

項目内容
会社名みらい翻訳
最大の特徴音声認識+機械翻訳+音声合成をワンAPI
どんなケースにおすすめか国際会議・動画字幕の多言語化
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力4
認識精度・速度3
業界特化モデル有無3
導入後サポート3

みらい翻訳は、音声認識から翻訳、音声合成まで一連の処理をワンストップで提供する企業です。単なる音声認識にとどまらず、認識した音声を自動翻訳し、さらに多言語での音声出力まで可能にする統合ソリューションが最大の特徴。

同社のサービスは、国際会議のリアルタイム字幕生成や、動画コンテンツの多言語字幕作成に特に威力を発揮します。行政向けの講演同時字幕や製造業のマニュアル翻訳など、公的機関から民間企業まで幅広い導入実績があり、信頼性の高さを物語っています。

音声翻訳APIと会議リアルタイム字幕機能を組み合わせることで、言語の壁を感じさせないコミュニケーション環境を構築可能。費用は月額基本料と従量課金の組み合わせですが、多言語対応にかかる人的コストを考慮すれば、十分に投資対効果を見込めるでしょう。

ロゼッタ「オンヤク」

業務圧縮の決め手は「精度」 | 音声翻訳ツール「オンヤク」

項目内容
会社名ロゼッタ
最大の特徴100言語超リアルタイム翻訳×文字起こし
どんなケースにおすすめか海外拠点とWeb会議が多い企業
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力4
認識精度・速度3
業界特化モデル有無3
導入後サポート3

ロゼッタの「オンヤク」は、100言語を超える多言語に対応したリアルタイム翻訳サービス。Microsoft TeamsやZoomといった主要なWeb会議システムと連携し、会議中の発言をリアルタイムで翻訳・文字起こしできることが大きな強みです。

海外拠点との定期的な会議や国際的なプロジェクトが多い企業にとって、言語の壁を取り払う強力なツール。ゼネコンの海外設計会議や食品メーカーの輸出商談など、実際のビジネスシーンでの活用事例も豊富にあります。

月額5万円からの法人プランで、100言語以上の翻訳機能を利用できるのは非常にコストパフォーマンスが良い設定。特に従来は通訳者の手配や専門翻訳サービスに頼っていた企業にとって、大幅なコスト削減と業務効率化を実現できるでしょう。Web会議の頻度が高い企業ほど、導入メリットを実感できるはずです。

フェアリーデバイセズ「mimi ASR」

音声認識 mimi®︎ ASR | mimi®︎

項目内容
会社名フェアリーデバイセズ
最大の特徴13言語対応クラウド/組込両API
どんなケースにおすすめかIoTデバイス組込み音声UI
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力3
認識精度・速度4
業界特化モデル有無3
導入後サポート3

フェアリーデバイセズの「mimi ASR」は、IoTデバイスへの組み込みに特化した音声認識サービス。13言語に対応し、クラウドAPIだけでなく組み込み向けのSDKも提供しているため、様々なハードウェア製品に音声UI機能を追加できます。

同社の特徴は、デバイス組み込みを前提とした音響フロントエンド技術。会議用マルチマイク端末や車載IVI(In-Vehicle Infotainment)システムでの音声操作など、ハードウェアと密接に連携した音声認識ソリューションを提供しています。

料金体系は月額従量制で、1分あたり1円からという明確な価格設定。特にIoT製品の開発や既存のハードウェア製品に音声機能を追加したい企業にとって、技術的なハードルを下げてくれる存在。認識精度・速度の評価も高く、リアルタイム性が求められるデバイス組み込み用途に最適化されているのが強みです。

医療・コールセンター領域に強い音声認識会社

専門用語が頻繁に使われる医療現場や、顧客対応の品質向上が求められるコールセンターでは、業界特化型の音声認識技術が重要です。これらの分野で実績を積んだ3社をご紹介。

・アドバンスト・メディア ・AI Shift ・モビルス「MOBI VOICE」

アドバンスト・メディア

AmiVoice 製品サービスサイト|音声認識のアドバンスト・メディア

項目内容
会社名アドバンスト・メディア
最大の特徴医療・建設・コンタクトセンター特化辞書
どんなケースにおすすめか専門用語が多い現場記録やCC品質管理
項目評価
費用の安さ2
課題解決能力5
認識精度・速度5
業界特化モデル有無5
導入後サポート4

アドバンスト・メディアは、音声認識技術において国内屈指の実績を持つ企業です。同社の「AmiVoice」シリーズは、医療・建設・コンタクトセンターといった専門性の高い業界向けに特化した辞書を用意しており、業界特有の専門用語を高精度で認識できることが最大の強み。

医療現場では診療記録の音声入力、建設現場では点検報告の効率化、コールセンターでは通話品質の向上など、それぞれの業界のニーズに合わせたソリューションを提供。帝国電機製作所での点検報告システムや北和建設での音声入力システムなど、具体的な成功事例も豊富です。

AmiVoice CloudとオンプレミスSDKの両方を提供しており、企業のセキュリティ要件に応じて選択可能。月額2万円からのプランや分課金0.5円からの従量制など、利用規模に応じた柔軟な料金体系も魅力。費用は他社と比べてやや高額ですが、専門分野での認識精度は業界最高レベルを誇ります。

AI Shift

株式会社AI Shift

項目内容
会社名AI Shift
最大の特徴生成AI併用の音声ボイスボット
どんなケースにおすすめかコールセンター入電自動応答
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力4
認識精度・速度4
業界特化モデル有無4
導入後サポート4

AI Shiftは、生成AI技術と音声認識を組み合わせた次世代型のボイスボットサービスを提供しています。「AI Messenger Voicebot」は、単純な音声認識にとどまらず、顧客の問い合わせ内容を理解し、適切な回答を自動生成できることが特徴。

コールセンターの入電業務を大幅に自動化できるため、オペレーターの負荷軽減と顧客満足度の向上を同時に実現。ECサイトの注文受付や公共料金の自動支払対応など、定型的な問い合わせが多い業務において特に威力を発揮します。

初期費用50万円から、通話1本あたり15円からの従量課金制という料金設定で、導入コストと運用コストの両面でバランスが良い設計。生成AI技術により、従来の音声認識システムでは難しかった複雑な顧客対応も可能になっており、コールセンター業界の変革を牽引する存在といえるでしょう。

モビルス「MOBI VOICE」

MOBI VOICE|AI電話自動応答、ボイスボット

項目内容
会社名モビルス
最大の特徴生成AI×音声ボットSaaS+CRM連携
どんなケースにおすすめか既存CRMと連携した電話自動応答
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力4
認識精度・速度4
業界特化モデル有無4
導入後サポート4

モビルスの「MOBI VOICE」は、生成AI技術を活用した音声ボットと既存CRMシステムとの連携に特化したサービス。顧客管理システムと密接に連携することで、顧客情報を活用したパーソナライズされた自動応答を実現できます。

「MooA CommNavi」などの関連サービスと組み合わせることで、電話応対の内容を自動で文字起こしし、生成AIによる要約まで一気通貫で処理可能。保険会社のFAQ自動化や通販受注IVRシステムなど、顧客との接点が多い業界での導入実績があります。

月額10万円からの基本料金に通話従量制を組み合わせた料金体系で、利用規模に応じてコストを調整できる仕組み。既存のCRMシステムを活用しながら音声認識技術を導入したい企業にとって、システム統合の手間を大幅に削減できる魅力的なソリューションです。

aaS連携が簡単な音声認識会社

既存の業務システムやSaaSツールとの連携を重視する企業向けに、API連携やシステム統合が容易な3社をご紹介。営業支援システムやプロジェクト管理ツールとの組み合わせで、業務効率化を図れます。

・エーアイ ・Poetics「JamRoll」 ・TeamSpirit「Synclog」

エーアイ

【公式】音声合成ソフト、読み上げ、人工・電子音声の「株式会社エーアイ(AI)」

項目内容
会社名株式会社エーアイ
最大の特徴音声合成×音声認識の統合ソリューション
どんなケースにおすすめか音声UIの開発やマルチモーダル対応が必要なSaaS開発
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力4
認識精度・速度4
業界特化モデル有無3
導入後サポート4

株式会社エーアイは、2024年10月にフュートレックと合併し、音声合成と音声認識の両技術を統合した総合音声ソリューション企業となりました。従来の音声合成技術「AITalk」に加え、音声認識技術も組み合わせることで、包括的な音声UIソリューションを提供できることが最大の強み。

合併により、音声認識から音声合成まで一気通貫でのサービス提供が可能になり、特にSaaS開発企業にとって音声機能を統合的に実装できる貴重なパートナー。カスタマイズ性の高い音響・言語モデル生成技術も承継しており、自社独自の専門用語に対応した音声システム構築も可能です。

音声合成分野での長年の実績と音声認識技術の融合により、従来では実現困難だったマルチモーダルな音声体験を提供。SaaS製品に高度な音声UI機能を組み込みたい企業や、音声入力と音声出力を組み合わせたインタラクティブなシステムを構築したい場合に最適なソリューションといえるでしょう。

Poetics「JamRoll」

JamRoll (ジャムロール) | AIが自動で録画・文字起こし・解析

項目内容
会社名Poetics
最大の特徴Webhook/APIでSFA・CRM連携しやすい商談AI
どんなケースにおすすめか営業録画データを自動でCRM登録したい
項目評価
費用の安さ4
課題解決能力3
認識精度・速度3
業界特化モデル有無3
導入後サポート3

Poeticsの「JamRoll」は、営業活動に特化した商談AI。WebhookやGraphQL APIを通じて、SFA(営業支援システム)やCRMとの連携が容易に行える設計になっており、営業録画データを自動的に顧客管理システムに登録できます。

同サービスの強みは、単純な文字起こしを超えて商談内容を分析し、営業活動の改善につながる洞察を提供すること。ITベンダーの商談メモ自動化やB2B SaaSの営業育成など、営業組織の生産性向上に直結する機能を備えています。

ユーザー月額4,500円からという手頃な価格設定で、中小企業でも導入しやすい料金体系。特に営業活動のデジタル化を進めたい企業や、商談データを体系的に蓄積・分析したい組織にとって、費用対効果の高いソリューション。API連携の自由度が高いため、既存の営業プロセスに無理なく組み込めるのも魅力です。

TeamSpirit「Synclog」

AI議事録サービス「Synclog」

項目内容
会社名チームスピリット
最大の特徴ワンクリック収録+Salesforce連携
どんなケースにおすすめか社内会議→即Salesforce議事録連携
項目評価
費用の安さ3
課題解決能力3
認識精度・速度4
業界特化モデル有無2
導入後サポート3

チームスピリットの「Synclog」は、Salesforceとの連携に特化した議事録AIサービス。ワンクリックで会議の収録を開始し、音声認識による文字起こしと要約生成を経て、そのままSalesforceの関連レコードに議事録を自動登録できることが最大の特徴です。

月額28,000円のベーシックプランで、SIerの社内DX会議や製薬企業の製品勉強会など、Salesforceを活用している企業での導入実績があります。特にSalesforceを営業管理の中核として利用している企業にとって、会議内容を顧客情報や案件情報と紐付けて管理できる点は大きなメリット。

認識精度・速度の評価も高く、リアルタイムでの議事録生成が可能。業界特化モデルは限定的ですが、一般的なビジネス会議であれば十分な品質を提供します。Salesforceエコシステムの中で音声認識技術を活用したい企業にとって、最も統合しやすいソリューションといえるでしょう。

音声認識会社の選び方

音声認識技術の導入を成功させるためには、適切な会社選びが重要です。技術力だけでなく、サポート体制や実績なども総合的に判断する必要があります。失敗を避けるための5つの選定ポイントをご紹介。

要件を具体化してから比較する

音声認識会社を選ぶ前に、まず自社の要件を明確にすることが最重要。「議事録を自動化したい」という漠然とした要望ではなく、「10人規模の会議で、専門用語を含む90%以上の精度で文字起こしし、30分以内に要約まで完了させたい」といった具体的な条件を設定しましょう。

認識したい音声の種類(会議、電話、講演など)、話者数、専門用語の有無、必要な精度レベル、処理速度の要求、予算上限などを整理することで、各社の提案内容を客観的に比較できます。

ニューラルオプト編集部

要件が曖昧なまま会社選定を進めると、導入後に「思っていたのと違う」という事態になりかねません。

PoC実績の豊富さを確認する

概念実証(PoC)の実績が豊富な会社は、様々な業界や用途での導入経験があり、潜在的な課題を事前に把握している可能性が高いもの。特に自社と同じ業界や似た用途での実績があるかどうかは重要な判断材料となります。実績を確認する際は、単純な件数だけでなく、どのような課題をどう解決したかという具体的な内容も聞いてみましょう。

ニューラルオプト編集部

成功事例だけでなく、失敗事例とその改善策についても質問することで、会社の技術力と対応力を見極められます。

デモで実際の精度を検証する

カタログスペックや営業資料だけでなく、実際のデモンストレーションで精度を確認することが必須。可能であれば自社の実際の音声データを使ってテストしてもらい、想定している用途での認識精度を体感してください。デモでは、ノイズがある環境、複数人の同時発話、早口や方言、専門用語などの難しい条件も含めて検証するのがポイント。

ニューラルオプト編集部

理想的な環境でのデモだけでは、実運用時のギャップが大きくなる可能性があります。

導入後のサポート体制を確認する

音声認識システムは導入して終わりではなく、運用開始後の継続的な改善が重要。サポート体制の充実度は、長期的な成功を左右する要因の一つです。技術的なトラブル対応だけでなく、認識精度の改善提案、新しい用途への拡張サポート、定期的な運用レビューなどが含まれているか確認しましょう。

ニューラルオプト編集部

24時間365日のサポートが必要な用途なのか、平日のビジネスアワーで十分なのかも事前に整理しておくことが大切です。

セキュリティ対応を評価する

音声データは機密情報を含む可能性が高いため、セキュリティ対応は必須の確認事項。特に医療や金融など規制の厳しい業界では、コンプライアンス要件を満たしているかどうかが導入の可否を決定します。データの暗号化、アクセス制御、ログ管理、データ保存期間、第三国移転の有無など、具体的なセキュリティ対策について詳しく確認してください。

ニューラルオプト編集部

オンプレミス環境での提供が可能かどうかも、セキュリティ要件によっては重要な選定基準となるでしょう。

音声認識に商談時にしておきたい質問

音声認識会社との商談では、導入後の失敗を避けるために適切な質問をすることが重要です。後から「聞いておけばよかった」と後悔しないよう、3つの軸で整理した質問例をご紹介します。

技術・性能面の詳細確認

技術面では、カタログスペックだけでは分からない実運用時の性能を確認することが大切。「実際の認識精度はどの程度ですか?」「ノイズがある環境での性能低下はありますか?」「同時に何人まで話者を識別できますか?」「方言や早口への対応状況は?」「専門用語の追加学習は可能ですか?」といった具体的な質問を投げかけましょう。

ニューラルオプト編集部

重要なのは、理想的な条件ではなく実際の使用環境での性能です。デモ環境と本番環境の違いによる精度低下の可能性や、音響環境の要件、必要なハードウェアスペックなども事前に確認しましょう。

費用・契約条件の明確化

費用面では、初期費用だけでなく運用費用の詳細を把握することが重要。「月額料金以外に発生する費用はありますか?」「従量課金の場合、上限設定は可能ですか?」「契約期間の縛りはありますか?」「途中解約時の条件は?」「追加機能の料金体系はどうなっていますか?」など、予算計画に必要な情報を漏れなく確認しましょう。

ニューラルオプト編集部

見積もりに含まれていない隠れコストがないか、利用量が増えた際の料金変動、長期契約での割引の有無なども重要なポイント。クラウドサービスの場合は、データ転送量や保存期間による追加料金も確認が必要です。

サポート・運用体制の把握

導入後の成功を左右するサポート体制については、詳細な確認が不可欠。「技術サポートの対応時間は?」「導入時の支援内容はどこまで含まれますか?」「定期的な精度改善提案はありますか?」「システム障害時の対応フローは?」「ユーザートレーニングは提供されますか?」といった運用面の質問を準備しておきましょう。

ニューラルオプト編集部

24時間稼働のシステムに組み込む場合は、緊急時対応の体制や復旧時間の目安も重要な確認事項。将来的な機能拡張や他システムとの連携についても相談しておくことで、長期的な活用計画を立てやすくなります。

音声認識の費用を安く抑える方法

音声認識技術の導入コストを抑えながら効果を最大化するには、戦略的なアプローチが重要です。無駄な機能や過剰なスペックを避け、本当に必要な部分に投資を集中させる3つのコツをご紹介。

料金体系を最適化する

音声認識サービスの料金体系は多様なため、使用パターンに最適なプランを選択することで大幅なコスト削減が可能。月額固定制よりもAPI課金(従量課金)の方が、利用量が少ない場合は圧倒的に安くなることが多いもの。特に導入初期や季節変動が大きい業務では、使った分だけ支払う従量制が有効です。

また、年間契約や複数年契約による割引交渉も重要なポイント。多くの会社が長期契約に対して10-30%程度の割引を提供しているため、導入が決定している場合は積極的に交渉しましょう。ただし、途中解約条件も合わせて確認し、リスクとメリットを総合的に判断することが大切です。

精度要件を適切に設定する

音声認識の精度は高ければ高いほど良いですが、精度向上にはコストが比例して増加する傾向があります。95%の精度で十分な用途に99%の精度を求めると、費用が大幅に増加する可能性が高いもの。まずは本当に必要な精度レベルを見極めることが重要です

議事録の下書き作成であれば85-90%程度の精度でも十分活用できますし、後から人手で修正することを前提とすれば、さらに要件を緩和できます。完璧を求めず、費用対効果を考慮した現実的な精度設定を行うことで、導入コストを大幅に削減できるでしょう。

既存システムとの連携を活用する

新しく音声認識専用のシステムを構築するよりも、既存のITインフラと連携させる方がコストを抑えられます。すでに使用しているWeb会議システム、CRM、プロジェクト管理ツールなどとAPI連携できる音声認識サービスを選択することで、追加開発費用を最小限に抑制可能。

特にSalesforceやMicrosoft 365などの主要なビジネスツールとの連携機能があるサービスを選べば、システム統合の手間とコストを大幅に削減できます。既存ワークフローに自然に組み込める形で音声認識を導入することが、長期的なコスト削減と業務効率化の両立につながるでしょう。

音声データ整備のポイント

音声認識の精度を最大化するには、技術選択だけでなく音声データそのものの品質向上が重要です。認識精度の向上とコスト削減を両立させるための4つの整備ポイントをご紹介。

ノイズ除去で認識精度を向上

音声データに含まれるノイズは、認識精度を大幅に低下させる主要因の一つ。会議室のエアコン音、紙をめくる音、キーボードのタイピング音などの環境ノイズを事前に除去することで、音声認識システムの性能を最大限に引き出せます。

ニューラルオプト編集部

専用のノイズ除去ソフトウェアやAIツールを活用することで、人手をかけずに効率的な前処理が可能。特に古い録音データを活用する場合は、ノイズ除去によって認識精度が劇的に改善するケースも少なくありません

話者ラベル付与で分析効率化

複数人が参加する会議や対談の音声データでは、誰が発言したかを示す話者ラベルの付与が重要。事前に話者を識別しておくことで、音声認識後の議事録作成や分析作業が大幅に効率化されます。

ニューラルオプト編集部

手動でのラベル付けは時間がかかりますが、AIによる話者識別技術も進歩しており、半自動化による効率的な処理も可能。話者ごとの発言時間や内容の傾向分析など、付加価値の高い活用にもつながるでしょう。

音量正規化で安定した処理

録音環境や機器の違いによる音量のばらつきは、音声認識の安定性に大きく影響します。音量正規化により、全ての音声データを一定の音量レベルに揃えることで、認識エンジンが安定して動作し、精度のばらつきを抑制可能になります。

ニューラルオプト編集部

複数の録音機器や異なる環境で収集した音声データを統合して処理する場合、音量正規化は必須の前処理工程。自動化ツールを活用することで、大量のデータも効率的に処理できます。

権利確認で法的リスク回避

音声データの利用には著作権や肖像権、個人情報保護法などの法的な制約があります。特に社外の音声データを学習に使用する場合や、音声認識結果を外部に公開する場合は、事前の権利確認が不可欠。録音時の同意取得、データの保存期間、第三者提供の条件など、明確なガイドラインを設定することで法的リスクを回避できます。

ニューラルオプト編集部

企業の信頼性確保と安全な音声認識システム運用のためにも、権利関係の整備を怠らないよう注意しましょう。

音声認識ならニューラルオプト

音声認識技術の導入をご検討でしたら、ChatGPTの開発に携わる弊社合同会社ニューラルオプトにもぜひご相談ください。

弊社の強みは、単なる技術提供ではなく「失敗リスクを最小化する」課題解決アプローチ。音声認識ありきではなく、本当にその技術が最適なのかという根本的な課題から一緒に検討いたします。ChatGPTなど最新AI技術の知見を活かし、音声認識とテキストマイニングを組み合わせた統合的なソリューション提案も可能です。

他社と比べて非常にリーズナブルな料金設定でありながら、要件定義よりも前段階の課題発見から組織への定着支援、運用改善まで一貫してサポート。データサイエンスの専門知識も豊富なため、認識した音声データの活用方法まで含めた包括的な提案をいたします。音声認識導入の成功確率を最大化したい企業様は、お気軽にお問い合わせください。

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著者・監修者

合同会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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