gTLDとは?新gTLDなど種類一覧と3つの特徴、選ぶべきケースを解説
gTLDは、国・地域の取得制限がないドメイン。
.jpなどの特定の国でしか取得できないccTLDの場合では「その国の検索結果でしか表示されない」などの問題が起こりがち。しかし、gTLDは特定の国に偏ることなく表示されるため、海外SEOの場合に重宝されるドメインです。
本記事では、gTLDについて以下の観点から解説していきます。
- gTLDの3つの特徴
- gTLD・新gTLDの一覧
- gTLDを選ぶべきケース
gTLD(Generic Top Level Domain)とは|3つの特徴
gTLDとはGeneric Top Level Domainの略称で、.comや.org、.netなどのトップレベルドメインを指します。
トップレベルドメイン(TLD, Top Level Domain)とはドメイン名の最上位に位置する部分で、ドメイン名の最後のドットの右側に表示されます。例えば、”www.example.com” というドメイン名の場合、”.com” がトップレベルドメインです。
gTLDは以下の3つの特徴があるTLDとなります。
- ccTLDと違い国・地域の取得制限がない
- 誰でも取得できるもの・制限があるものが存在
- グローバルなSEO対策に向いている
【特徴1】ccTLDと違い国・地域の取得制限がない
gTLDは、どの国や地域からでも取得できるトップレベルドメインです。
例えば、.comは世界中のどこからでも登録可能です。一方、.jpや.usなどの特定の国や地域でしか取得できないドメインはccTLD(Country Code Top Level Domain)と呼ばれ、gTLDとは区別されます。
【特徴2】誰でも取得できるもの・制限があるものが存在
gTLDには、誰でも取得できるものと取得に制限があるものが存在します。
「.com」や「.net」は登録に特段の制限がない一般的なgTLDですが、「.aero」は航空関連企業のみ、「.post」は郵便関連機関のみが登録できるなど、一定の要件が必要なgTLDもあります。
なお、登録に制限のあるgTLDはsTLD(Sponsored Top Level Domain)とも呼ばれています。
【特徴3】グローバルなSEO対策に向いている
gTLDは、グローバルなSEO対策に適しています。
ccTLDなど特定の国と結び付けられたドメインを利用すると、その国と関連性が高いサイトだと検索エンジンに判断され、その国以外での検索結果に表示されにくくなる傾向があります。
しかし、gTLDを使うことで、こういった問題を回避し、世界中のユーザーにリーチしやすくなります。したがって、国際的なビジネス展開を目指すサイトにとって、gTLDは有効な選択肢といえるでしょう。
なお、海外向けのSEO対策については以下の記事で解説しております。ぜひ合わせてチェックしてみてください。
gTLDの種類一覧|従来のものと新gTLD
gTLDには、古くから存在する従来のgTLDと、近年追加されている新gTLD(New gTLD)の2種類が存在します。ここからは、それぞれについて詳しく解説していきます。
従来のgTLD一覧
以下の表は、新gTLDを除くすべての従来のgTLDをまとめたものです。
ドメイン | 追加年月 | 種類 | 用途 | 取得制限 |
.com | 1985年1月 | gTLD | 商用 | なし |
.net | 1985年1月 | gTLD | ネットワーク関連 | なし |
.org | 1985年1月 | gTLD | 非営利団体 | なし |
.int | 1988年11月 | gTLD | 国際条約に基づく組織 | 条約に基づく組織しか取得できない |
.edu | 1985年4月 | sTLD | 米国の教育機関 | 米国の認可された教育機関しか取得できない |
.gov | 1985年1月 | sTLD | 米国政府機関 | 米国政府機関しか取得できない |
.mil | 1985年1月 | sTLD | 米国軍関連 | 米国国防総省しか取得できない |
.arpa | 1985年1月 | sTLD | インターネットインフラ用 | IANAしか取得できない |
.aero | 2002年3月 | sTLD | 航空関連組織 | 航空関連組織しか取得できない |
.asia | 2007年10月 | sTLD | アジア太平洋地域関連 | アジア太平洋地域の組織・個人しか取得できない |
.biz | 2001年11月 | gTLD | ビジネス用途 | なし |
.cat | 2005年9月 | sTLD | カタルーニャ語・文化関連 | カタルーニャ語・文化に関連する組織・個人しか取得できない |
.coop | 2002年1月 | sTLD | 協同組合 | 協同組合しか取得できない |
.info | 2001年9月 | gTLD | 情報提供サイト | なし |
.jobs | 2005年9月 | sTLD | 求人情報 | 求人情報提供サービスを行う組織しか取得できない |
.mobi | 2005年9月 | sTLD | モバイル関連 | モバイルコンテンツ提供者しか取得できない |
.museum | 2001年10月 | sTLD | 博物館 | 博物館しか取得できない |
.name | 2001年12月 | gTLD | 個人 | なし |
.post | 2012年8月 | sTLD | 郵便関連組織 | 各国の指定郵便事業者しか取得できない |
.pro | 2002年4月 | sTLD | 法律、会計、医療従事者 | 資格を有する専門家しか取得できない |
.tel | 2007年3月 | sTLD | IP電話関連 | なし |
.travel | 2005年10月 | sTLD | 旅行関連 | 旅行関連業者しか取得できない |
.xxx | 2011年4月 | sTLD | アダルト関連 | アダルト事業者しか取得できない |
新gTLD一覧|2013年以降に追加
以下の表は、2013年以降に追加された新gTLDのうち代表的なものをまとめたものです。
ここで紹介していないものも含めたgTLDについては、以下のサイトにて確認できます。
ドメイン | 追加年月 | 種類 | 用途 | 取得制限 |
.xyz | 2014年6月 | gTLD | 汎用 | なし |
.top | 2014年11月 | gTLD | 汎用 | なし |
.club | 2014年5月 | gTLD | 会員制サイト用 | なし |
.link | 2014年4月 | gTLD | URL短縮サービス用 | なし |
.click | 2014年6月 | gTLD | クリック報酬型広告 | なし |
.news | 2014年12月 | gTLD | ニュースサイト用 | なし |
.tech | 2015年5月 | gTLD | IT・技術系サイト用 | なし |
.space | 2014年12月 | gTLD | 宇宙関連サイト用 | なし |
.site | 2015年8月 | gTLD | 汎用 | なし |
.online | 2015年8月 | gTLD | オンラインサービス用 | なし |
.bank | 2015年6月 | gTLD | 銀行・金融機関用 | 要件を満たす銀行・金融機関しか取得できない |
.paris | 2014年1月 | geoTLD | パリ市関連サイト用 | パリ市に関連する組織・個人しか取得できない |
.tokyo | 2014年4月 | geoTLD | 東京関連サイト用 | 要件を満たす組織・個人しか取得できない |
.osaka | 2014年12月 | geoTLD | 大阪関連サイト用 | 要件を満たす組織・個人しか取得できない |
.kyoto | 2015年3月 | geoTLD | 京都関連サイト用 | 要件を満たす組織・個人しか取得できない |
どんな時はgTLDを選ぶべき?
以下のケースでは、gTLDを選ぶことをオススメします。
- グローバルなビジネスを行う時
- 多国籍企業・多言語サイトの場合
グローバルなビジネスを行う時
グローバル市場をターゲットにしている企業やウェブサイトの場合、gTLDを使用することで国や地域に依存しない普遍的なイメージを持たせることができます。
また、gTLDはccTLD(国別コードトップレベルドメイン)と違い、「特定の国・地域の検索結果でしか表示されない」などの問題が起きにくいというメリットがあります。
例えば、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど複数の地域でビジネスを展開する企業は、国ごとに異なるccTLDを使用するよりも、ひとつのgTLDを使用することで一貫性のあるブランドイメージを維持できます。
国ごとに別々のccTLDを利用することもありますが、ドメインが別だとドメインパワーを上げるための手間もそれだけ増加します。そのため、SEO対策に費用が莫大でない限りはgTLDを使用することをおすすめします。
多国籍企業・多言語サイトの場合
多国籍企業や多言語対応サイトの場合、gTLDを使用することで一つのドメインで複数の言語や地域をカバーすることができます。
例えば、.comや.orgなどのgTLDは特定の国に依存しないため、訪問者に対してグローバルなイメージを与え、多言語サイトの訪問者にもわかりやすいURLを提供できます。
ccTLDを使用すると、言語ごとにドメインを分ける必要があり、管理が複雑になる可能性があります。一方、gTLDを使用すれば、一つのドメインで多言語対応が可能となり、運用やSEO対策も効率的に行えます。
したがって、グローバルな事業展開や多言語対応を考えている企業やウェブサイトには、gTLDの使用が適しているといえるでしょう。