【2024年最新】海外の検索エンジンシェア率ランキングTOP10|特殊なものも紹介
海外の検索エンジンにはGoogleやBingなどメジャーなもの以外にも、中国のBaiduや韓国のNAVER、ロシアのYANDEXなど実に様々なものが存在します。
本記事では、海外の検索エンジンのシェア率ランキングTOP10を紹介。海外SEOコンサルティングも行っているニューラルオプト代表の鈴木が独自の見解も交えつつ解説していきます。
- 海外の検索エンジンランキングTOP10
- 海外のちょっと変わった検索エンジン
- 検索エンジンの仕組み・上位表示を狙うポイント
- 海外の検索結果を取得する方法
【世界・海外】検索エンジンランキングTOP10
以下に、世界の検索エンジンランキングトップ10をまとめました。
順位 | 検索エンジン | 世界シェア率 | シェア率が高い国 | 特徴的な機能 |
1 | 91.94% | ほとんどの国で1位 | 高度な検索アルゴリズム、多様な検索機能 | |
2 | Bing | 2.73% | アメリカ、日本 | Microsoftアカウントとの連携、画像検索の充実 |
3 | Yahoo! | 1.47% | 日本、台湾 | 独自のニュースやサービスとの連携 |
4 | YANDEX | 0.54% | ロシア、ベラルーシ | ロシア語の自然言語処理に優れる |
5 | Baidu | 0.52% | 中国 | 中国国内に特化した検索結果 |
6 | DuckDuckGo | 0.49% | アメリカ、ドイツ | ユーザープライバシーの保護 |
7 | Naver | 0.32% | 韓国 | 韓国語の検索に特化 |
8 | CocCoc | 0.16% | ベトナム | ベトナム語の検索に特化 |
9 | Sogou | 0.09% | 中国 | 中国国内での音声検索に強み |
10 | Ecosia | 0.09% | ドイツ、フランス | 検索収益の一部を植林に使用 |
世界の検索エンジン市場では、やはりGoogleが圧倒的なシェア率。高度な検索アルゴリズムと多様な検索機能を備えており、ほとんどの国でトップのシェアを維持しています。
ここからはそれぞれの検索エンジンについて見ていきましょう。
1位 Google|世界で圧倒的シェアを誇る
Googleは、世界の検索エンジン市場で圧倒的なシェア率を誇っています。
そのシェア率は実に91.94%。
高度な検索アルゴリズムと膨大なインデックス数により、ユーザーに最も関連性の高い検索結果を提供しています。また、Google検索は、ウェブページだけでなく、画像、動画、ニュース、地図など、多様なコンテンツを検索できる機能を備えています。
Googleの特徴的な機能として、自然言語処理を活用した検索があります。ユーザーが日常会話のような自然な言葉で検索しても、意図を汲み取って適切な結果を表示してくれます。
またGoogleは、検索結果のパーソナライズにも力を入れています。ユーザーの検索履歴やウェブ閲覧履歴、位置情報などを分析し、一人一人に最適化された検索結果を提供しています。
ただし、このパーソナライズ機能にはプライバシー上の懸念も。幸いなことに、設定でオフにすることも可能です。最近ではAIによる検索機能(AI Overviews)も実装され始めており、さらに複雑な検索などにも対応できるようになると予測できます。
2位 Bing|Microsoftの検索エンジン
Bingは、Microsoft Corporation が運営する検索エンジンで、世界シェア率で2位となっています。アメリカと日本でシェア率が比較的高く、Googleに次ぐ存在感を示しています。
Bingの特徴は、Microsoftアカウントとの連携によるパーソナライズされた検索体験と、優れた画像検索機能です。
Microsoftアカウントでログインすると、検索履歴やお気に入りのWebページ、Officeドキュメントなどが同期され、複数のデバイス間でシームレスな検索体験を提供。また、Bingの画像検索は、高度な画像認識技術を使用しており、類似画像の検索や画像内のオブジェクト認識などが可能です。
Bingは、検索結果のページにニュースや天気、スポーツ結果などの関連情報を表示するなど、ユーザーの関心に合わせた情報提供にも力を入れています。
また、最近ではChat GPTを使いAIに質問できるCopilotという機能も実装されており、Googleと生成AIによる検索シェアの奪い合い戦争が起きています。
3位 Yahoo!|日本と台湾でシェア率が高い
Yahoo!は、Verizon Mediaが運営する検索エンジン。特に日本と台湾では高いシェア率を誇っています。
なお、日本のYahoo!だけ特殊でLINEヤフー株式会社によって運営されています。
Yahoo!の強みは、ニュース、ショッピング、オークションなどの独自サービスとの連携。例えば、日本では「Yahoo!ニュース」が大きな影響力を持っており、検索結果にニュース記事が優先的に表示されるように。
また、「Yahoo!ショッピング」や「Yahoo!オークション」との連携により、商品検索やオンラインショッピングがスムーズに行えるのも特徴。
そのほか、スマートフォンアプリ「Yahoo!乗換案内」や「Yahoo!防災速報」など、日常生活に役立つサービスも提供しているように、日本人の日常にローカライズされたサービスが多いのが特徴です。
4位 YANDEX|ロシア圏で圧倒的なシェア率
YANDEXは、ロシアのインターネット企業Yandex N.V.が運営する検索エンジンです。
ロシアとベラルーシでは圧倒的なシェア率を誇り、現地での影響力は絶大です。YANDEXの最大の特徴は、ロシア語の自然言語処理技術の高さです。
ロシア語は文法構造が複雑で、言葉の変化形が多岐にわたるため、検索エンジンにとって処理が難しい言語とされています。しかしYANDEXは、独自の自然言語処理アルゴリズムを開発し、ロシア語のニュアンスを理解した検索結果を提供。
また、YANDEXは、ロシア国内の地図サービス「Yandex.Maps」や、配車サービス「Yandex.Taxi」など、ロシア国民の日常生活に密着したサービスを数多く展開しています。
5位 Baidu|中国で支配的な検索エンジン
Baiduは、中国のインターネット企業Baidu, Inc.が運営する検索エンジンで、中国国内で圧倒的なシェア率を誇ります。
中国政府によるインターネット規制の影響で、GoogleやBingなどの海外の検索エンジンは中国国内でのサービス提供が制限されているため、Baiduは事実上の独占状態にあります。
Baiduの特徴は、中国国内のユーザーに特化した検索結果の提供です。中国語の自然言語処理に優れ、中国のWebサイトや情報を幅広くカバーしています。また、中国の法規制に準拠したコンテンツ管理を行っており、検閲や情報統制の影響を受けています。
Baiduは、検索エンジンだけでなく、ニュース、動画、オンライン百科事典など、多様なサービスを提供しています。特に、Baiduが運営する Q&A プラットフォーム「Baidu Zhidao」は、中国国内で大きな人気を博しています。
Baiduの検索結果では「ページ内にGoogleマップなど中国外の企業が展開するサービスを埋め込むと表示されない」と言われており、中国向けにSEOを展開するときは「中国国内のサービスだけ使用する」などの注意が必要です。
6位 DuckDuckGo|プライバシーを重視したいなら
DuckDuckGoは、アメリカのスタートアップ企業Duck Duck Go, Inc.が運営する検索エンジンで、ユーザーのプライバシー保護に重点を置いていることが特徴です。
DuckDuckGoは、ユーザーの検索履歴や個人情報を一切収集せず、匿名性の高い検索体験を提供しています。多くの検索エンジンがユーザーのデータを収集し、パーソナライズされた検索結果を表示するのに対し、DuckDuckGoは全てのユーザーに同じ検索結果を表示します。
また、検索結果ページ上の広告もユーザーの興味関心に基づいたターゲティングではなく、検索キーワードのみに基づいて表示されます。
DuckDuckGoは、検索結果の質にも注力しており、独自のアルゴリズムを使用して関連性の高いWebサイトを上位に表示。また、検索結果ページ上に、Wikipedia の要約や関連トピックなどの追加情報を表示する機能も備えています。
プライバシー重視の姿勢が評価され、DuckDuckGoのユーザー数は年々増加しています。特にアメリカとドイツでのシェア率が高く、プライバシー意識の高いユーザー層に支持されています。
7位 Naver|韓国で圧倒的なシェア率
Naverは、韓国のインターネット企業NAVER Corporationが運営する検索エンジンで、韓国国内でGoogleと拮抗するほどのシェア率を誇っています。Naverの強みは、韓国語の検索に特化したサービスと、多様なコンテンツの提供です。
Naverは、韓国語の形態素解析技術に優れ、韓国語の文法や語彙の特性を考慮した検索結果を提供しています。
また、Naverは単なる検索エンジンではなく、ニュース、ブログ、Q&Aなど、多様なコンテンツを自社で制作・提供しています。イメージとしては日本のYahoo!に近いでしょう。
特に、Naverまとめや Naver カフェは、ユーザー同士が情報交換や交流を行う場として人気を博しています。
Naverは、AI技術にも力を入れており、AIアシスタント「Clova」を開発しています。音声認識や自然言語処理技術を活用し、ユーザーとの対話型の検索体験を提供しています。
8位 CocCoc|ベトナムで高いシェア率
CocCocは、ベトナムのIT企業CocCoc Company Limitedが運営する検索エンジンで、ベトナム国内で高いシェア率を誇っています。CocCocの最大の特徴は、ベトナム語の検索に特化していることです。
ベトナム語は、漢字由来の語彙や、声調記号を使った複雑な文字体系を持つ言語です。CocCocは、ベトナム語の言語的特性を考慮した自然言語処理技術を開発し、ベトナム人ユーザーにとって最適な検索結果を提供しています。
また、CocCocは、ベトナム国内の情報を幅広くクロールしており、他の検索エンジンではヒットしにくいベトナム語のWebサイトもカバーしています。ローカルな情報検索に強みを持っています。
CocCocは、検索エンジンだけでなく、Webブラウザや、スマートフォン向けのアプリケーションも開発しており、ベトナム国内でのインターネット環境の発展に貢献しています。
9位 Sogou|中国国内の音声検索に強み
Sogouは、中国のインターネット企業Sogou Inc.が運営する検索エンジンで、中国国内での音声検索に強みを持っています。SogouはBaiduに次ぐ、中国国内の検索エンジンシェア2位の座を争っています。
Sogouの最大の特徴は、音声認識技術の高さです。中国語は表意文字である漢字を使うため、入力が煩雑になりがちですが、Sogouの音声検索機能は高い認識精度を誇り、ユーザーの利便性を大きく向上させています。
また、Sogouは独自の分かち書きアルゴリズムを開発し、中国語の自然言語処理にも優れています。中国語は単語の区切りが明確でないため、検索エンジンにとって分かち書き(単語の区切り位置の特定)が重要な課題となりますが、Sogouはこの問題に効果的に対処しています。
Sogouは、キーボードアプリ「Sogou Input」も提供しており、中国国内でのシェアNo.1を誇っています。このアプリで収集された大量の入力データを機械学習に活用し、検索サービスの精度向上にも役立てています。
10位 Ecosia|検索収益の一部を植林に使用
Ecosiaは、ドイツのソーシャルビジネス企業Ecosia GmbHが運営する検索エンジンで、検索による収益の一部を植林に使用することを特徴としています。Ecosiaは、環境保護や社会貢献に関心の高いユーザー層に支持され、ドイツやフランスでのシェア率が比較的高くなっています。
Ecosiaは、検索広告による収益の80%以上を、アフリカ、アジア、南米などの地域での植林プロジェクトに寄付しています。2009年のサービス開始以来、すでに1億本以上の植林を実現しており、環境保全に大きく貢献しています。
検索機能自体は、Bingの検索結果を使用しているため、Bingと同等の検索品質を提供しています。また、Ecosiaは再生可能エネルギーを使用したサーバー運営を行うなど、事業全体を通じて環境に配慮した取り組みを行っています。
Ecosiaは、手軽な日常的な行動である「検索」を通じて、ユーザーが環境保護に貢献できる仕組みを提供しています。環境意識の高まりとともに、Ecosiaの認知度と利用者数は年々増加しています。
海外のちょっと変わった検索エンジン|特定の地域・ユーザー層から支持
世界的にはシェア率が低いものの、特定の国で発達している検索エンジンや、特殊な機能を持つ検索エンジンを7つ取り上げます。
Seznam|チェコで発達した検索エンジン
検索エンジン | シェア率 | 運営会社 | 特徴的な機能 |
Seznam | 0.16% | Seznam.cz, a.s. | チェコ語に特化、ポータルサイトとしての機能 |
Seznamは、チェコで最も人気のある検索エンジンであり、チェコ国内の検索市場で約60%のシェアを持っています。
チェコ語の自然言語処理に優れ、チェコの文化や地域情報に特化した検索結果を提供します。また、ニュース、天気予報、メールサービスなど、ポータルサイトとしての機能も充実しています。
Qwant|フランスのプライバシー重視の検索エンジン
検索エンジン | シェア率 | 運営会社 | 特徴的な機能 |
Qwant | 0.06% | Qwant SAS | プライバシー保護、ニュースや SNS との連携 |
Qwantは、フランスで開発されたプライバシー重視の検索エンジン。
ユーザーの検索履歴や個人情報を一切収集せず、追跡もしません。
シェア率の要因はフランス政府の規制によるもの。2018年にフランス政府がGoogleをデフォルトの検索エンジンとして利用することを中止しました。Googleの代替として利用されているのがQwantとなります。
なお、あいにく日本からは使用することができません。
Yacy|検閲を回避する分散型オープンソース検索エンジン
検索エンジン | シェア率 | 運営会社 | 特徴的な機能 |
Yacy | – | オープンソースコミュニティ | 分散型、検閲の回避 |
Yacyは、オープンソースの分散型検索エンジンです。中央サーバーを持たず、ユーザーのコンピュータがP2Pネットワークを形成して検索インデックスを共有することで検索が可能。
「人民による人民のためのウェブ検索」を掲げており、各国政府や機関による検閲を回避したうえで検索を行うことが可能です。
政権危機にある国や独裁政権など「政府による規制が激しい国での使用に向いている」と言えるでしょう。
Swisscows|家族向けセーフサーチ
検索エンジン | シェア率 | 運営会社 | 特徴的な機能 |
Swisscows | – | Hulbee AG | 家族向けフィルタリング、セマンティック検索 |
Swisscowsは、スイスのプライバシー重視の検索エンジンで、家族向けのセーフサーチ機能を提供。
ポルノ、暴力、過激な表現などを含むサイトを検索結果から除外することが可能です。また、ユーザーデータの収集も行わず匿名で検索することが可能なため、プライバシーを重視している方向けと言えるでしょう。
Unbubble|偏りのない視点で情報を提供した検索エンジン(サービス停止中)
検索エンジン | シェア率 | 運営会社 | 特徴的な機能 |
Unbubble | – | Unbubble.eu | 情報に偏りなく検索ができる |
Unbubbleは、インターネット検索における「バブル」、つまり個人の好みや閲覧履歴に基づいて検索結果が偏ってしまう現象に対抗するために開発された検索エンジン。
Unbubbleは、ユーザーを情報の「バブル」に閉じ込めることなく、偏りのない多様な視点と情報源へのアクセスを提供することを目的としていました。
高度なアルゴリズムと人力のキュレーションを組み合わせることで、ユーザーの嗜好や位置情報、閲覧履歴に左右されない中立的な検索結果を表示していました。
しかし、確立された大手検索エンジンとの競争や、手動キュレーションへの依存、検索アルゴリズムの進化への対応の難しさから、最終的にUnbubbleは運営を停止することに。
AIによるパーソナライゼーションが進む現代に、こういった「アンチ・パーソナライゼーション」というコンセプトを持つ検索エンジンも存在していたのは興味深いですね。
Ekoru|環境保護に貢献する検索エンジン
検索エンジン | シェア率 | 運営会社 | 特徴的な機能 |
Ekoru | – | Ekoru Pty Ltd | 収益の一部を海洋保護団体に寄付 |
Ekoruは、オーストラリアの環境保護を目的とした検索エンジンです。
広告収入の一部を海洋保護団体に寄付することで、環境保全活動を支援。トップページにも「検索して海洋プラスチック除去に貢献しよう」(意訳)という旨の表記があります。
運営の裏側もエコフレンドリー。再生可能エネルギーを利用したサーバーを使用するなど、環境に配慮した運営を行っています。
使用する検索エンジンを変更する方法
デフォルトの検索エンジンを変更する方法は、使用するデバイスやブラウザによって異なります。
ここでは、スマートフォン(Android・iOS)とパソコンでの変更方法を説明します。
スマホで検索エンジンを変える方法
Androidの場合
- Google Chromeなどブラウザのアプリを開きます。
- 右上の三点リーダーアイコンをタップし、「設定」を選択。
- 「検索エンジン」をタップします。
- 「検索エンジン」の項目で、使用したい検索エンジンを選択。
iOSの場合
- 「設定」アプリを開きます。
- 「Safari」をタップ。
- 「検索エンジン」をタップします。
- 使用したい検索エンジンを選択。
パソコンで検索エンジンを変える方法
パソコンの既定の検索エンジンの変更方法は、以下のステップとなります。
- パソコンでブラウザ(Google Chrome)を開きます。
- 右上の三点リーダーアイコンをクリックし、「設定」を選択します。
- 「検索エンジン」をクリックします。
- 「検索エンジン」の項目で、使用したい検索エンジンを選択します。
- 必要に応じて、「管理」をクリックし、新しい検索エンジンを追加することもできます。
以上の手順で、デフォルトの検索エンジンを変更できます。ただし、ブラウザによって手順が若干異なる場合があるので、使用しているブラウザの設定画面を確認してください。
検索エンジンの仕組み|SEOツール開発会社が解説
検索エンジンの仕組みは主に4つのステップで構成されています。
ここでは、統計学・機械学習を活用したSEOツールを研究開発しているニューラルオプトが、独自の知見・見解も含めつつ検索エンジンの仕組みを分解していきます。
- クロールをしデータベースに情報を収集
- ページの品質を確認→インデックス登録
- 検索意図に合致しているページを表示|文書検索技術
- ページ・サイトの品質に基づき検索順位を決定
【手順1】クロールをしデータベースに情報を収集
まず、検索エンジンは「クローラー」というロボットを使って、Webページを訪れて情報を収集します。この過程を「クロール」と呼びます。
クロールでは、Webページを解析し、そのページの内容を理解。なおクローラーは一度きりではなく、繰り返しWebページを訪れて情報を更新し、正確なデータを収集します。
クロールは、検索エンジンがWebページの内容を処理し、データベースに保管する作業ですが、実際に検索結果に表示される「インデックス登録」が行われるかどうかは別の問題です。
Google Search Consoleでは、「クロール済み – インデックス未登録」というステータスのページが確認できます。これは、クロールは行われたがインデックス登録はされていないページを示しています。
【手順2】ページの品質を確認→インデックス登録
「クロール」によって重要と評価されたWebページは「インデックス」され、検索エンジンのデータベースに記録されます。
ページの品質に問題がないと判断されると、無事にインデックス登録が行われます。
インデックス登録をしてもらうためには、「ユーザーのニーズをきちんと解決できるコンテンツにする」「同じサイトにある他のページとの情報重複率を下げる」「他サイトからのコピーペーストは行わない」などの点に注意が必要です。
【手順3】検索フレーズと合致しているページを表示|文書検索技術
ユーザーが検索を行うと、検索エンジンは検索クエリに対して最も関連性の高いページを表示します。
検索エンジンの詳細な仕組みは公開されていませんが、現代では「文書検索技術」という機械学習の一分野が用いられていると考えられます。
文書検索技術で代表的なものを以下にまとめます。
- ベクトル空間モデル(ベクトル検索):ページに書かれている言葉を機械がベクトルに変換し、検索クエリが指し示すベクトルとの類似性を計算する。
- 確率的言語モデル:ページの言語的特徴を確率モデルで表現し、検索クエリが生成される確率を計算する。
- ニューラルネットワークモデル:深層学習を用いて、ページと検索クエリの関連性を学習する。
例えば、「ベクトル空間モデル」では、ページに書かれている言葉を機械がベクトルに変換します。検索クエリが指し示すベクトルと類似性が高いものを「類似度が高い」と判断しています。
ただし、検索クエリによって「ユーザーが何を知りたがっているのか」は実に様々で、単純に1つの処理だけで完璧な検索結果を表示するのは不可能。
そのため、Googleは多様な検索クエリを4種類(Know, Go, Do, Buy)に分類したうえで処理するなど研究を重ね様々な工夫を行っています。
【手順4】ページ・サイトの品質に基づき検索順位を決定
最後に、検索エンジンはページやサイトの品質を判断して、検索順位を決定。
ページ単位での評価では、「ユーザーのニーズを漏れなく満たせているか」「きちんとした人が書いているか」「独自の知見・経験があるか(Experience)」などが考慮されます。
サイト単位での評価では、「信頼できる運営者か(Trustworthiness)」「そのジャンルに対して専門性があるか(Expertise)」「そのサイトは外部からも信頼されているか(Authoritativeness)」などがシグナルとなります。
検索エンジンは常に進化し続けており、ユーザーの検索意図をより正確に理解し、最適な検索結果を提供するために、様々な技術が開発・応用されています。
前提としてGoogleでは私達よりもずっと賢い天才が、長年にわたり研究を重ね検索エンジンを改良しています。そのため、我々が思いつく「ハック」のような悪巧み的手法(ブラックハットSEO)はすべて見抜かれていると考えておく必要があるでしょう。SEOにおいては「正しいことをやり抜く」が結局良いのです。
検索エンジンで上位表示を狙うポイント【ニューラルオプト流】
検索エンジンで上位表示を狙うには、様々な要素を考慮する必要があります。
ここでは、SEOツール開発会社である弊社ニューラルオプトの知見に基づき、重要なポイントを解説します。
1. 書く前にキーワードを調査する
検索上位を狙う前に、ターゲットキーワードに関連する検索キーワードや共起語などのキーワード調査が重要です。ラッコキーワードを使えば以下のような関連キーワード・関連情報を簡単に洗い出すことが可能。
- 顕在キーワード(サジェストキーワード):ターゲットキーワードと一緒に掛け合わせて検索されるキーワード
- LSIキーワード:ターゲットキーワードと意味的に繋がりが強いキーワード。「再検索キーワード」とも。
- PAA:Googleの検索結果ページに表示される関連する質問
- 共起語:ターゲットキーワードと一緒に使われることが多い単語
キーワードを調べる目的は、ユーザーのニーズを理解すること。
単に関連キーワードを記事に詰め込めば良いわけではありません。「このキーワードが関連性が高いということは、この話題にも触れる必要があるのか」と考えあくまでユーザーニーズの解決が目的であることを忘れないようにしましょう。
キーワード選定の手順を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
【SEOキーワード選定のやり方】誰でもできる手順を6ステップで解説
2. 競合調査を行い勝てるコンテンツを定義する
記事を作成する際は、競合調査が不可欠です。
まず、競合記事にどのような見出しがあるのかを洗い出します。そして、それぞれの記事がなぜ上位表示されているのかを分析し、自社記事に取り入れられるポイントを見つけます。
例えば弊社ニューラルオプトでは、競合記事ごとに以下の点を分析しています。
- 独自の経験・体験談があるか
- 権威性があるか(専門的な監修者・執筆者の有無)
- 特殊な情報源があるか(書籍・YouTube・論文など)
- 一次情報があるか(口コミ・アンケート・知見など)
- 独自性のある画像があるか
さらに、ターゲットキーワードに関連するキーワードがどの程度使われているかも分析します。
3. 独自情報を入れる|知見・経験談など
生成AIの普及により、ネットにある情報をただまとめただけの記事(コタツ記事)は誰でも作れるようになりました。つまり他のサイトでも知れるような情報は価値が低くなっているということ。
そういった環境で差別化できる記事を作成するには、独自情報が大切。
独自情報とは文字通り「自分が作る記事だけにしかない情報」のこと。「自分だけの知見」や「自分だけの経験談」などが当てはまります。
他の記事では得られない情報がないか洗い出したうえで、もしあれば積極的に入れましょう。
4. 内部リンクを最適化する
作成するページと関連性の高いページには相互に内部リンクを設置しましょう。例えば「詳しくはこちらの記事をご覧ください。(リンク)」のような形になります。
そうすることで、「詳細情報を知りたい人にはより詳しく解説している記事をオススメしつつ」「そうでもない人には飛ばしてもらいやすい」というページを作ることが可能です。
関連性の高いページを見つけるには、Googleで「site:(サイトのURL) (ターゲットキーワード)」と検索すると良いでしょう。
例えば、「site:neural-opt.com 海外SEO」と検索すると、弊社ニューラルオプトのサイトにある海外SEOに関連するページが表示されます。
こうやって洗い出せる関連性の高いページからは相互にリンクを設置しておくのが良いでしょう。
5. コンテンツを継続してリライト|最新の情報・検索ニーズに合わせる
コンテンツは一度公開しただけでは不十分。1〜3ヶ月程度の周期でリライトを行い、最新の情報や変化した検索ニーズに対応することが重要です。
というのは、時間の経過とともに情報が古くなったり、ユーザーの関心事・ニーズが変化したりするため。また、競合サイトの記事も強化されていくため、リライトは継続的に行っていきましょう。
6. サイト全体で最適化を行う
ページ単位の最適化だけでなく、サイト全体での最適化も重要です。例えば、以下のような施策が考えられます。
- ユーザーエクスペリエンスの改善(表示速度の向上など)
- サイト構造の最適化(カテゴリ構造、ブレッドクラムの導入など)
- モバイルフレンドリーな設計
- セキュリティの強化(SSL化など)
上記のような対応を行い、ページ単位ではなくサイト単位で最適化を行っていきましょう。
7. 被リンクを獲得しドメインパワーを上げる
ドメインパワーとは、そのドメインの信頼性や権威性を示す指標。Ahrefsやパワーランクチェックツールで調べることができます。
ドメインパワーを上げるには、他のサイトから自社サイトへの被リンクを獲得することが効果的。プレスリリースの公開や、他サイトへの記事寄稿、インフルエンサーとのタイアップなどで、自然な被リンクを獲得しましょう。
ただし、「ドメインパワーを短期間で70まで上げます!」のような過剰な被リンク獲得サービスは避けるべきです。Googleからペナルティを食らうリスクがあり、長期的には逆効果となる可能性が高いので注意しましょう。
8. SNSを活用しサイテーションを獲得する
サイテーションとは、インターネット上で自社やサービスの名前がどれだけ言及されているかを示す指標。
例えば、TwitterやFacebookで「◯◯社のサービスが素晴らしい」といった投稿が増えると、SEOにポジティブな影響を与えると考えられています。
SNSでの情報発信や、ユーザーとのコミュニケーションを通じて、サイテーションの獲得を目指しましょう。ただし、自作自演的な投稿は逆効果になる可能性があるため、注意が必要です。(ずるい施策はGoogleにすべてバレていると考えおきましょう)
SEOは複雑で奥が深いもの。ユーザーファーストな姿勢を忘れずに「正しいことをまっすぐやり抜く」という姿勢で継続的な改善を積み重ねることが成功への近道といえるでしょう。
海外の検索エンジンについてよくある質問
海外での検索結果は取得できる?
VPN(Virtual Private Network)を使えば、海外の検索結果を取得できます。VPNを利用すると、指定した国や地域のIPアドレスを経由してインターネットに接続できるため、その国・地域にいるユーザーと同じ検索結果を見ることができます。
Google Chromeの場合、”Free VPN for Chrome“のような拡張機能を使うと便利です。これらの拡張機能を使えば、簡単に世界各地の検索結果を確認できます。
ただし、VPNを使う際は以下の点に注意が必要です。
- 信頼できるVPNサービスを選ぶ(データ暗号化、ログ保存ポリシーを確認)
- 無料のVPNサービスは、データ収集や広告表示などのリスクがある
- VPNを経由すると、接続速度が低下する可能性がある
- 一部のサイトやサービスでは、VPNの使用が制限されている場合がある
海外の検索結果を確認することは、グローバルなSEO対策を行う上で重要な作業。適切に利用し、各国のユーザー目線で検索結果を分析することで、より効果的なSEO施策を立てられるでしょう。
危険な検索エンジンって存在するの?
一般的に知名度の高い検索エンジンは、セキュリティ対策が施されているため、危険性は低いと言えます。ただし、聞きなれない検索エンジンを使う場合は注意が必要です。中には、ユーザーの個人情報を不正に収集したり、マルウェアに感染させたりする危険な検索エンジンも存在します。
安全性を確保するには、以下の点に注意しましょう。
- 評判の良い検索エンジンを使う(Google、Bing、Yahooなど)
- 検索結果に表示されるリンクをクリックする前に、URLを確認する
- 怪しいサイトや広告リンクはクリックしない
- ブラウザやウイルス対策ソフトを最新の状態に保つ
結局、どの検索エンジンが良い?
特別な理由がない限り、Googleを使うのがおすすめです。Googleは世界最大のシェアを持ち、膨大なユーザー数とデータ量を活かして検索結果の改善を続けています。そのため、他の検索エンジンに比べて、ユーザーのニーズを解決できる信頼性の高いページが上位に表示されやすくなっています。
Googleの検索結果が優れている理由は以下の通りです。
- 高度な検索アルゴリズムにより、関連性の高いページを的確に判断できる
- 膨大なユーザー行動データを機械学習に活用し、検索品質を常に改善している
- ページの信頼性や権威性を評価するシグナルを多角的に分析している
- ユーザーエクスペリエンスを重視し、読みやすく価値のあるコンテンツを優遇している
もちろん、プライバシー保護を重視するならDuckDuckGoを、ある特定の地域に特化した検索が必要ならその地域で人気の検索エンジンを使うなど、ニーズに合わせて選ぶのも一つの方法です。