海外SEO対策の特徴|基礎から成果を出すコツまで解説
- 「海外SEOで集客用のサイトを作りたいが、どのような対策を行えば良いのかわからない」
- 「海外向けのブログでSEO対策を行っているが、いまいちアクセスが伸びない」
日本以外の国に対してSEO対策を行うにあたり、上記のような悩みを持っている方も多いでしょう。
本記事では、海外SEOのコンサルティングを行っているニューラルオプト代表の鈴木が、海外SEOで成果を上げる方法について解説していきます。
- 海外SEOの特徴3つ
- 海外SEOで成果を上げる方法
- 海外SEOでやりがちな失敗例
- 地域ごとの海外SEO対策(アジア・ヨーロッパ・北米・中南米・オセアニア・アフリカ)
以下のような支援実績を持つ私のノウハウを公開していきますので、参考になるはずです。
都内に拠点を持つJOBs Japan株式会社の外国籍エンジニア人材紹介「IT JOBs in Japan」や日本語レッスン「Nihongo Online School」の英語圏向けSEO・リスティング支援
インドに拠点を持つFluid Touch Pvt. Ltd.の英語圏・日本国内のマーケティング支援
なお、海外SEOで行うべき対策については動画でも解説しております。ぜひ参考にしてみてください。
なお、以下の記事では英語でのSEO対策についてのポイントも解説しています。ぜひ合わせてチェックしてみてください。
海外SEO対策の特徴3つをプロが解説
海外SEO対策が、国内向けの通常のSEO対策と比べて異なる点は3つ。
- 言語・文化が違う
- 地理が違う(遠い)
- 検索エンジン・アルゴリズムが違う
1. 言語・文化が違う
まず、当然ですが言語・文化が異なります。そのため、「サイトの設計」「コンテンツの翻訳」など言語上ローカライズしなければ多いポイントが多くなります。
また、そもそも文化が違うため「どのような状況に置かれているのか」「どのようなニーズが有るのか」なども異なるため、「サービス・商品で訴求すべきポイント」や「刺さるコンテンツ」が大きく異なってきます。
2. 地理が違う(遠い)
また、海外SEOでは「ユーザー・顧客が地理的に離れている」という点にも気遣うべきです。
例えば「ヨーロッパ向けなのに日本のサーバーにしかデータがない」という状況では、ヨーロッパのユーザーは地理的に離れている日本のサーバーにアクセスしなければなりません。
そのようなケースですと、ユーザー側でのサイト表示スピードが大きく下がってしまいます。
実際、オランダ・アムステルダムから海外向けのアクセス最適化を行っていない日本の総務省のサイトにアクセスすると…「Googleの検索結果でリンクをクリックしてからページが遷移するまでに6秒もかかる」という結果に。
このようなケースでは、ユーザーが読み込みを待つ間に「このサイト、読み込めない…」と読み込むのを諦め他のページへと離脱してしまいます。
このようなユーザーの動きは検索エンジン側も読み取れるため、サイトのSEO評価が下がるという事態に。これを避けるためには、後述する「現地のサーバーを使用する」「CDNを利用する」など海外向けのアクセス最適化を行う必要があります。
3. 検索エンジン・アルゴリズムが違う
また、ターゲット国によっては対策すべき検索エンジンも変わります。
例えば韓国であればNaver、ロシアであればYandex、中国であればBaiduなど、通常対策を行うGoogleとは違う検索エンジンに対して対策を実施しなければなりません。
また、Googleに対して対策を行う場合でも、多言語サイトであれば「hreflang」というものを設置するなど海外SEOに特有の対策が必要になります。このような特殊な対応が必要になるのが海外SEOです。
【設計編】海外SEO対策で成果を出すためのポイント
海外SEOで成果を上げるためのポイントについて、まずは「サイトを設計していくとき」にフォーカスして解説していきます。
- 言語・地域ごとにディレクトリ・ドメインを分ける
- ページに表示する言語は統一する
- 現地のサーバーを使うかCDNを利用する
- ドメインはgTLDかccTLDを使う
- hreflangタグを設定する|細かい部分の翻訳を徹底する
- サイトナビゲーションの表現に注意する
言語・地域ごとにディレクトリ・ドメインを分ける
海外SEOにおいては、言語・地域ごとにディレクトリやドメインを分け、言語ごとに独自のURLを用意しましょう。
でなければ、検索エンジン側が「このページ・ディレクトリはどの言語のユーザー向け?」と混乱してしまいます。
方式 | 例 | オススメ度 |
サブドメインで分ける | 日本語サイト:jp.neural-opt.com英語サイト:en.neural-opt.com | ◎オススメ(ターゲティングが明確) |
サブディレクトリで分ける | 日本語サイト:neural-opt.com/jp/英語サイト:neural-opt.com/en/ | ◎オススメ(ターゲティングが明確) |
国ごとに全く別のドメイン | 日本語サイト:neural-opt.jp英語サイト:neural-opt.en | △あまりオススメしない(ターゲティングは明確だが、管理が面倒・評価が分散する) |
URLパラメータを使う | 日本語サイト:example.com?loc=jp英語サイト:example.com?loc=en | ×オススメしない(Googleが公式で推奨してません。) |
結論、サブドメインで分けるかサブディレクトリで分けるのがオススメです。
どちらも表裏一体のメリット・デメリットをあります。あとから変えると面倒ですので、十分に考慮したうえで選びましょう。
ページに表示する言語は統一する
海外SEOにおいて、1つのページに表示する言語は統一しましょう。
Googleはページに実際にあるコンテンツを読み取った上で「このページは何語のページか」を判断していると明記しています。
Google では、ページの表示内容からその言語を判断します。lang 属性のようなコードレベルの言語情報や、URL は使用しません。Google が言語を正しく判断できるように、各ページのコンテンツとナビゲーションには 1 つの言語を使用し、原文と訳文を一緒に表示することは避けてください。
Google が言語を正しく判断できるように、各ページのコンテンツとナビゲーションには 1 つの言語を使用し、原文と訳文を一緒に表示することは避けてください。
多地域、多言語のサイトの管理
現地のサーバーを使うかCDNを利用する
海外SEOでは、現地のサーバーを使うか、CDNを利用しましょう。
海外から日本のサーバーにアクセスすると、単に地理的に離れているためにサイトの表示速度が著しく低下します。
そのため、「現地のサーバーを使用する」もしくは「CDNを利用する」などで現地からのアクセスに十分に対応できるようにしましょう。
CDNについては、詳しくは以下の記事をご覧ください。
ドメインはgTLDかccTLDを使う
結論、.comのようなgTLDを選ぶケースが多いです。
まずはgTLDでOK
ほとんどの場合、.comのようなgTLDを選んでおけば問題ありません。特に.comドメインはどの国からも平等に信頼性の高いドメインだと見なされます。
逆に、ロシアに対してアプローチするのに日本のccTLDである”.jpドメイン”を選んでしまうと「日本に向けて発信している」と検索エンジンから思われかねないので注意が必要です。
ccTLDはターゲット地域の変更予定がないときに
ただ、「ターゲットにする国が決まっていて拡大・変更する可能性は確実に0%」という場合は、その国のccTLD(Country Code Top-Level Domain)を選択することもありえます。
例えば、ロシアがターゲット地域の場合、.ruドメインを選ぶことで、ロシアとの関連性をGoogleにアピールすることが可能です。
国 | ccTLDドメイン |
日本 | .jp |
アメリカ | .us |
イギリス | .uk (こちらがメジャー).gb |
アイルランド | .ie |
オーストラリア | .au |
カナダ | .ca |
インド | .in |
ただ、ccTLDドメインを使ってしまうと、同じドメインで他の国に対応するのがやや難しくなってしまいます。
そのためccTLDドメインを使用するのは「今後絶対にその地域しかターゲットにしない」というケースにのみ留めておくのがオススメです。
なお、各国のccTLDドメインについては以下のサイトに掲載されています。
hreflangタグを設定する|<link rel=”alternate” hreflang=”x”>
サイト内に複数の言語のページがある場合、言語ごとに用意したページではなく日本語のページが表示されてしまうことがあります。
例:「英語の検索結果をクリックしたが、、日本語のページが表示されてしまう」
それは、「hreflangタグ」というものが設定できていないから。hreflangタグを設置しないと、「このページはどの国のユーザーに対して表示すれば良いのか」と検索エンジン側が迷ってしまうため。
例えば以下のようなhreflangタグを設置していきます。
- <!–日本語–><link rel=”alternate” hreflang=”ja” lang=”ja” href=”https://example.com/”>
- <!–英語–><link rel=”alternate” hreflang=”en” lang=”en” href=”https://example.com/en/”>
- <!–フランス語–><link rel=”alternate” hreflang=”fr” lang=”en” href=”https://example.com/fr/“>
なお、このhreflangタグの書き方や実装方法について以下の記事で解説しています。
言語切替ボタンを設置する
1つのサイト内に複数言語がある多言語サイトの場合、言語切り替えボタンも設置しましょう。
ウェブサイトのヘッダー(サイトの上の部分)またはフッター(サイトの下の部分)に言語選択用のドロップダウンメニューやボタンを設置する方法が一般的。
なお、実装に際しては以下のポイントに注意しましょう。
- ヘッダーやフッターなど、見つけやすい場所に配置する
- 各言語名はその言語か言語コード(EN, FR, JAなど)で表記する
- できれば自動言語切り替えも検討する
ユーザーのブラウザ設定やIPアドレスに基づいて自動的に言語を切り替える機能があれば理想的。
なお、WordpressではPolylangという多言語対応向けのプラグインを使うと、言語切り替えボタンを簡単に設置することが可能です。
Polylang – Making WordPress multilingual
なお、多言語サイト制作のポイントは以下の記事でも紹介しています。
細かい部分の翻訳を徹底する
海外SEOでサイトを多言語化する際は、細かい部分まで翻訳を徹底する必要があります。細かい部分というのは、具体的には以下のような箇所です。
- URLスラッグ
- メタデータ
- タイトル
- メタディスクリプション
- 固定ページ
- プライバシーポリシー
- 利用規約
- 運営者情報
- 問い合わせフォーム
- ヘッダーやフッター
- テキストの入った画像
- 画像の代替テキスト
- エラーメッセージ
- ウィジェット
- メニュー
なおURLスラッグというのは、ページを識別するURLのパーツのこと。例えば”https://neural-opt.com/overseas-seo/method/”というURLであれば、”overseas-seo”と”method”がそれぞれスラッグになります。
スラッグを翻訳しましょうというのは、以下のようなことです。
このように、細かい部分まで翻訳を徹底させるとユーザビリティの高いサイトになるでしょう。
サイトナビゲーションの表現に注意する
海外SEO対策においては、ナビゲーションのテキストにも気を配りましょう。
例えば会社に関するページへのリンクとしては、日本語ならば「会社概要」、英語ならば”About Us”、インドネシア語であれば”Tentang Kami”になるなど、言語によってさまざま。
ただ機械翻訳しただけでは適切な表現ではないことも多いので、実際に現地のサイトも見た上で決めていきましょう。
【キーワード選定編】海外SEO対策で成果を出すためのポイント
海外SEO対策においてキーワードを選定する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 現地のターゲット・文化を徹底的にリサーチする
- 現地で実際に使われる単語を調査する
- 類義語・同義語を洗い出す
- 日本語で選定→翻訳はNG
現地のターゲット・文化を徹底的にリサーチする
海外SEOの戦略を策定する際には、現地のターゲットと文化を徹底的にリサーチすることが重要です。
とりわけ、カスタマージャーニー分析が良いでしょう。
カスタマージャーニー分析とは、ターゲットが「認知」から「購入」(場合によっては購入後も含める)までのそれぞれのステップでどのような思考、行動、検索をするのかを分析すること。
可能であれば現地にいるターゲットとなりそうな人を一人から複数人集めて、インタビューなどで調査を行った上で分析を行っていきましょう。
現地で実際に使われる単語を調査する
海外SEOでキーワード選定を行う際には、実際に使われている単語を調査する必要があります。
例えば「電気自動車」と検索する人をターゲットにしたく、キーワードとして以下のようなものが浮かんだとしましょう。
- electric car
- electric automobile
- e-car
- electrically powered car
- battery-drive vehicle
ある単語の類義語を洗い出すには”(単語) synonym”と検索しましょう。(英語の場合)
どれも訳としては「電気自動車」になりそうですが、すべての単語が実際に電気自動車を検索するときに使われるわけではありません。
実際にGoogle検索を行ってみると、一部の単語は電気自動車以外のものを示しているのが分かります。
このように、単語によっては「訳としてはAを意味しうる」ものの「実際にAを示すために使われるわけではない」というものが存在します。
なお、現地の検索結果を取得するにはVPNを使用します。Google Chromeを使っている場合、Free VPN for Chromeなどの拡張機能で簡単にVPNを利用できます。ぜひ活用しましょう。
日本語で選定→翻訳はNG
逆にやってはいけないのが、日本語でキーワードを洗い出しそれを英語に翻訳するという方法。かなりの確率で、実際に使用されている英単語とは違うキーワードを選定してしまいます。
- 実際の用法を確認する
- 類義語・同義語を洗い出す
上記のうような方法でキーワード選定を行いましょう。
【記事作成編】海外SEOで成果を出すためのポイント
次は、記事作成時の海外SEOのポイントについて解説していきます。
- 現地のニーズを調査する
- 機械翻訳の文章をそのまま使用しない
- 執筆は現地人に依頼する
- 現地語がわかる監修者がファクトチェックを行う
- 言語ごとでメタディスクリプションの長さにも注意する
現地のニーズを調査する
海外SEOで記事制作をする際や商品・サービスの訴求方法を考える際は、必ず現地のニーズを調べましょう。
現地のニーズを調査する方法としては、以下の方法が挙げられます。
- 現地の見込み顧客から話を聞く
- 現地の検索結果で上位表示されているページを調べる
- 現地のインターネット掲示板でされている質問を調べる
- クライアントにヒアリングする(コンサルタントの場合)
VPNを使用して現地の検索結果を調べるのがオススメ
現地のニーズを手軽に調査するオススメの方法は「VPNを使用して現地の検索結果を調べる」という方法。
例えば日本からVPNを使わずに「machine learning」(機械学習)と検索すると、日本語のサイトが出てきます。
一方、VPNを使用してシンガポールからアクセスしている扱いにすると、英語の検索結果が出てきます。
このように、Googleは同じ検索クエリであってもアクセス元の地域によって検索結果を出し分けているのです。
そのため、VPNを使用してターゲット地域からアクセスしている扱いにすることで、現地の検索結果を正確に取得することが可能です。
ターゲット以外の言語での検索結果も参考にする
ターゲットとする言語がマイナーな言語の場合、競合コンテンツが少なく、どんな内容にすればよいか予想が付かないときがあります。
そういったときは、別の言語で検索したときに出てくるページを見ることで、その検索を行う人がどのようなニーズを抱えているのかを調べてみましょう。
なお、英語で検索すると参考になる競合記事が多く出てくるでしょう。
機械翻訳の文章をそのまま使用しない
海外SEOでコンテンツを作成するときには、Google翻訳など機械翻訳による翻訳文をそのまま使用しないこと。日本語で作成したページを翻訳する際に機械翻訳を利用すると、不自然な文章になってしまうことが多いです。
現地の人に意味が伝わらなければ、良質なコンテンツだとは認識されず、検索エンジンからの評価も得られません。
実際に、Googleが公開している「検索セントラル」でも「自動翻訳はNG」とのニュアンスで以下のように記載されています。
自動翻訳したサイトページが検索エンジンからクロールされないようにしてください。自動翻訳は意味が通じない場合があるため、スパムとみなされる可能性があります。さらに重要なこととして、読みにくく不自然な翻訳はサイトのイメージ低下につながるおそれがあります。
Google 検索セントラル
執筆は現地人に依頼する
海外SEOで記事を作成するときは、可能であれば執筆は現地人かそれに類する言語レベルの人に依頼しましょう。
上述したように、日本語で執筆する→機械翻訳で翻訳して投稿というステップはオススメしません。
最近ではChat GPTなど文脈を読み取って翻訳してくれるツールもありますが、「文章が冗長すぎる」「表現が堅苦しすぎる」などのケースが多い印象です。
やはり、できるかぎり執筆は現地人かそれに準ずる言語レベルの人に依頼しましょう。
現地語がわかる監修者がファクトチェックを行う
現地語がわかる監修者がファクトチェックを行いましょう。
近年、GoogleはE-E-A-Tという観点を重視しています。
完成した現地語の文章を監修者に情報が間違っていないかファクトチェックをしてもらうことで、信頼性などのE-E-A-Tが担保できます。
可能であれば、ページ内に監修者としてその方のプロフィールを記載すると良いでしょう。さらなる高評価に繋がり、検索順位アップが見込めます。
なお、監修者として設置する方のプロフィールには、その記事のトピックに関連性が高い経歴や資格を記載しておくと良いでしょう。
言語ごとでメタディスクリプションの長さにも注意する
記事に設定するメタディスクリプションに適した長さが言語ごとに違うことにも留意しましょう。
言語ごとに以下のような文字数で記述するのが適切とされています。
言語 | 適切なディスクリプションの文字数 |
英語 (English) | 150-160文字 |
日本語 (Japanese) | 110-120文字 |
スペイン語 (Spanish) | 140-150文字 |
フランス語 (French) | 140-150文字 |
ドイツ語 (German) | 150-160文字 |
イタリア語 (Italian) | 140-150文字 |
ポルトガル語 (Portuguese) | 150-160文字 |
ロシア語 (Russian) | 130-150文字 |
中国語 (Chinese) | 70-120文字 |
韓国語 (Korean) | 110-130文字 |
【その他】海外SEOで成果を出すためのポイント
海外SEOで成果を出すためのその他のポイントは以下の通り。これらにも気をつけられると良いでしょう。
- 海外の競合サイトは専用のツールを使用して調べる
- 現地サイトから優先的に被リンクをもらう
- 現地語でコピーライティングを行う
- ターゲット地域に対して広告を出稿する
海外の競合サイトは専用のツールを使用して調べる
海外の競合サイトを調査する際には、専用のツールを使用して調べることが重要です。
Googleなどの検索エンジンは、検索者の言語設定や位置情報に基づいて検索結果をカスタマイズします。そのため、例えばGoogleで検索を行う場合でも、日本からの検索とアメリカからの検索では結果が異なることがあります。
渋谷区で”bakery near me”(近くのパン屋)と検索した場合。東京や渋谷の結果が表示される。
VPNを使用し、アメリカオレゴン州で検索した場合。検索結果が違う。
このような状況を踏まえると、海外の競合サイトやキーワードを正確に調査するためには、VPNやプロキシサーバーなどを活用して仮想的に対象国から検索を行う必要があります。
またVPN以外にも、AhrefsなどのSEOツールを使うことで国別の検索結果を取得することが可能です。
有料SEOツールのAhrefs。地域を選択できる。
現地サイトから優先的に被リンクをもらう
できる限り現地サイトから優先的に被リンクをもらいましょう。
被リンクとは、他のサイトから自社サイトへのリンクのこと。被リンクを獲得することで「ドメインランク(DR)」と呼ばれるドメインの価値が向上し、検索上位に乗りやすくなります。
海外SEOのようにターゲットとする地域が明確にあるSEOの場合、特にその地域に関連するサイトからリンクを獲得することが大切です。
例えば、現地のプレスリリースサイトや現地企業、もし可能であれば現地にある団体やその国の政府が運営するサイトなどからリンクを獲得したいですね。そうしていくことで、サイトがその地域に関連性が高いと認識され、現地での検索結果で表示されやすくなります。
「日本のサイトからリンクを貰ってはいけない」ということではありませんが、留意しておくと良いでしょう。
現地語でコピーライティングを行う
現地語でコピーライティングを行うのも成果をあげるために有効な方法です。
目的は、サイトに訪れたユーザーがお問い合わせや商品の購入などのゴール(コンバージョン)に至る確率を上げるため。
ユーザーに行動を起こしてもらうためには「あなたのサービスや商品がどう魅力的なのか」を伝えなければなりません。そこで効果的に魅力を伝えるために、コピーライティングの出番となります。
ターゲット言語で魅力的なキャッチコピーを書いてもらい、サイトの成果を改善していきましょう。
ターゲット地域に対して広告を出稿する
ターゲットではない地域からのアクセスばかり獲得し、なかなかの肝心ターゲット地域からアクセスが獲得できないことがあります。
そういったときは、ターゲット地域に対してSNSやリスティングなど各種広告を出稿するのも選択肢の1つです。
これは弊社での一経験に過ぎませんが、広告でもよいのでターゲット地域からアクセスを獲得した後、ターゲット地域からの検索流入も増加したことがありました。
なお、広告によって検索流入が増加する仕組みとしては以下のようになっていると推測できます。
- 広告によってターゲット地域からの流入が増える
- ターゲット地域からのユーザーの行動を見て、Googleがサイトに対して正当な評価を下せるようになる
- サイトのコンテンツが正常に評価され、検索順位が改善、インプレッションや流入が増える
要するに広告を出稿することによって「サイトを評価するきっかけとなる最初のアクセスを獲得できる」ということです。あくまで弊社の経験になるため断言はできませんが、施策の1つとして検討しておくと良いでしょう。
キーワードごとの検索順位をトラッキングする
キーワードごとに検索順位をトラッキングしたうえで、絶えず改善を重ねていくのも大切です。
検索順位をトラッキングできるツールはAhrefsやSemrush、GRCなどさまざま存在しますが、個人的におすすめなのはNobilistaというツールです。
参照:【公式】検索順位チェックツール「Nobilista(ノビリスタ)」
Noblistaはクラウド型の検索順位チェックツールです。365日、完全自動で大量の検索キーワードの順位を計測することが可能。以下のような特徴があります。
- クラウドのためPCにインストール不要でPC、タブレット、スマホで利用可能
- 自動のためPCを起動し順位計測を開始する操作が不要
- 複数人で同じアカウントに接続すればデータの共有も可
- 検索順位以外にも、検索ボリュームやキーワードの競合性、リッチスニペットなど、SEOの改善に必要なデータを抽出可能
料金も990円〜と非常に安価。安価な順位トラッキングツールと言えばGRCですが、GRCはWindowsでしか使用できず自動計測でもありません。そのため、デバイスにかかわらず使用でき、自動計測機能があるNobilistaが個人的にはおすすめです。
海外SEOでよくある失敗【経験談】
ここでは、私がこれまで経験した経験も含めて海外SEOでよくある失敗を3つ紹介していきます。
- 対策する検索エンジンを間違える
- 細かいリサーチが不十分
- テクニカルな設定が不十分
失敗1. 対策する検索エンジンを間違える
海外SEOでよくある失敗の一つに、対策する検索エンジンを間違えることがあります。
多くの場合、SEO対策といえばGoogleがまず思い浮かぶかもしれません。実際、世界的にはGoogleがトップのシェアを誇っていますが、国によっては主に使用される検索エンジンが異なります。
例えば、中国ではBaiduが主要な検索エンジンであり、韓国ではNaverが、ロシアではYandexがそれぞれ主流です。
検索エンジンによって対策する方法が変わるため、まずはターゲットとする地域でどの検索エンジンが使われているかを踏まえた上でSEO対策を行いましょう。
失敗2. 現地のリサーチが不十分
海外SEOでよくある失敗例として、現地のリサーチが不十分なことが挙げられます。
実際に過去のクライアント様で「英語だけで対策していればヨーロッパ全域をカバーできると思っていた」という事例がありました。
「ヨーロッパの方々は高い確率で英語も話せる→検索でもまず英語を使う」と考えがちですが、そんなことはありません。日本人がまず日本語で検索するのと同様、やはり慣れている母国語で検索を行うでしょう。
あくまで英語は「母国語でどうしても情報が見つからなかったときに使う」という立ち位置です。
ちなみにヨーロッパの人が英語に堪能なのは「母国語だけだと映画やドラマなどコンテンツが少ないから」が大きな理由。
英語ができるのはエンタメの幅を増やすためで、必ずしも検索に英語を使用するというわけではありません。
現地のリサーチにおいては、最低でも以下の点については調査しておきましょう。
- 検索に使用される言語
- 通信速度
- インターネットに使用するデバイス
- 使用される検索エンジン
- 現地のターゲットが抱える課題と疑問
失敗3. テクニカル面の最適化をやりきれていない
また、海外SEOにおけるテクニカル面の最適化をやりきれていないのも良くある失敗の1つです。
- 言語・地域ごとにディレクトリやドメインを分ける
- 1ページに表示する言語は統一する
- サーバーインフラ関連(現地のサーバーやCDN)
- hreflangタグを設置する
- 言語切替ボタンを設置する
私の経験上特に多いのは「サーバーインフラ関連」です。日本にいると「アクセスが遅い」などの問題に気づきにくいためでしょう。
海外SEO対策コンサルティング会社のおすすめと選び方
おすすめの海外SEO対策コンサルティング会社は以下の6つです。
- ニューラルオプト|業界最安級の海外SEOコンサル
- 世界へボカン|越境ECに強みを持つ
- アウンコンサルティグ|海外SEOの老舗企業
- ジャパンコンサルティング|海外販路開拓なども支援
- インターアド|韓国に特化したマーケティング企業
- BeeCuirse|越境ECの総合支援
海外SEOコンサルティングは月額で料金が発生するケースが多く、安くて月額10万円〜、高いと100万円近くまでかかることがあります。「サイトの規模が大きい」などのケースでは料金が高くなる傾向があります。
良質な海外SEOコンサルティング会社を見つけるには、以下の選び方に従うのがおすすめです。
- 海外SEOに知見のある担当者が支援するか
- 料金体系・費用が予算にあっているか
- お試しで発注できるか
- 実績を開示しているか
- 施策提案や支援内容が明確か
なお、おすすめの海外SEO会社の詳細と選び方、悪質な業者を見抜くための質問については以下の記事で解説しています。
地域ごとの海外SEO対策における特徴をプロが解説
ここからは、世界各地域のSEO対策で気をつけるポイントについて解説していきます。
とりわけ特筆すべき特徴がある国・地域を取り上げていきましょう。
- アジア地域
- ヨーロッパ地域
- 北米地域
- 中南米地域
- オセアニア地域
- アフリカ地域
アジア地域
東アジア地域では、インターネットとスマートフォンの普及率がほぼ90%以上と高水準に達していますが、国や地域によって検索エンジンの特徴や利用状況が大きく異なるのが特徴です。
中国はBaiduで対策&注意点が多い
中国では、主要な検索エンジンはBaidu。BaiduはGoogleと比較すると検索エンジンの精度が低く、インデックススピードが遅いという特徴があります。
また、Baiduは独自のWebマスター向けツール(GoogleでいうGoogleサーチコンソール)を提供しているため、それを設置する必要があります。
さらに、中国ではインターネットが規制されており、LINEやTwitterなど日本ではポピュラーな海外のSNSが使えず、インターネットも検閲されているため、コンテンツに注意が必要です。
また、中国向けのサイトで使うツールは基本的に中国のツールで統一しましょう。例えば中国のサイト内にGoogle関連の埋め込み(Googleマップなど)を行うと、Baiduで上位表示されない、という現象が発生します。
韓国はNaverの対策も必要
韓国ではGoogleとNaverが主要な検索エンジンとして利用されています。Naverの特徴は、Naver社が運営するサービスのコンテンツを検索結果の上位に表示する傾向があること。
例えば、Naverのブログサービス「Naver Blog」やコミュニティサービス「Naver カフェ」、Q&Aサービス「知識iN」などのコンテンツが検索結果において重要な位置に表示されやすいという傾向があります。
東南アジアは英語でも一応リーチ可能
東南アジアの特徴1つは、英語でも一応リーチできること。
とりわけタイやベトナムなどではビジネスで英語がよく使用されるため、BtoBビジネスであれば英語でも一応はリーチできます。
ただマス向けだとやはり現地語です。
南アジアはWeb市場が発達の最中
南アジア地域では、インターネット普及率がまだ高くないという前提があります。そのため、デジタルマーケティングではターゲットにリーチしきれない可能性があります。
ただし、近年急激にWebサービスが浸透しているため、SEO対策はしておくべきです。なお検索エンジンはGoogleが圧倒的に優位です。
インドは英語でもリーチできる
インドでは特に、ネットではヒンディー語に加え英語がよく使われるため、ヒンディー語だけでなく英語でも対策を行うべき。そうすることで、インターネットを使用するユーザーの大部分をカバーできるでしょう。
特にエリート層だと英語が達者な傾向です。事実、インドの企業様とお仕事をしたとき、向こうの皆さんは英語ペラペラでした。
またインドでは、インターネットの総トラフィックのうち、モバイルによるトラフィックがPCよりも圧倒的に多いのが特徴。
世界平均ではモバイルが60%程度だが、インドの場合モバイルのトラフィックが76%以上です。そのため、Webサイトを作る場合には「ユーザーは基本的にスマホで見る」と考えておきましょう。
参考:https://marketfinder.thinkwithgoogle.com/intl/ja_jp/guide/india-localisation-guide
参考:https://gs.statcounter.com/platform-market-share/desktop-mobile-tablet
西アジア(中東)はアラビア語が大半
西アジア地域においては、検索言語の大半はアラビア語。
政府もキャッシュレス決済を推奨しておりデジタル化が進んでいるため、SEO対策のニーズと効果は高まっていくと考えられます。
サウジアラビアはECに注意が必要
サウジアラビアは、湾岸協力会議(GCC)諸国の中で市場規模が最大であり、人口約3,500万人のうち97%がインターネットを利用しています。
ただネット関連の悪い業者を取り締まる法律整備がまだまだ。そのため「この業者は怪しくないか」とネットでの決済に懐疑的な人も多い特徴があります。
ECを展開する際には事業者情報を全面的に開示するなど、信頼してもらうための工夫が必要でしょう。
ヨーロッパ地域
東ヨーロッパはYandexが強い
ロシアでは、Yandexという検索エンジンが非常に強い存在です。Yandexはロシア発のWebサービスでシェア率は約70%ほどと言われています。
また、ウクライナやベラルーシ、ウズベキスタンなどの近隣国でもYandexのシェアは強いです。
参照:Search Engine Market Share Russian Federation
チェコはSeznamが一定のシェアを誇る
チェコでは以前はSeznamという検索エンジンが圧倒的に強かったものの、現在はGoogleが主要な検索エンジンとなっています。
しかし、チェコにおいてもSeznamは依然として一定のシェアを保持しているため、チェコ市場をターゲットとする場合にはSeznamへの対策も考慮する必要があります。
西ヨーロッパはGoogleが圧倒的
西ヨーロッパ地域においては、主要な検索エンジンはGoogleだと思って問題ありません。基本的には英語に加えてその地域の公用語を使うのが良いでしょう。
さらに、ヨーロッパの各国ではデータプライバシーに関する法規制が厳しいこと留意しましょう。
例えば、「EU一般データ保護規則」(GDPR)は、個人データ保護やその取り扱いについて詳細に定められたEU域内の各国に適用される法令。自然人の基本的な権利の保護、個人データの侵害の迅速な通知、データ保護の観点でのサービスやシステムの設計、法令違反時の罰則強化などを規定しています。
SEOにおいてはアクセス解析を行う際にユーザーからデータを収集するため、サイトに訪れた人に「データを収集するが問題ないか」と同意を求める必要があります。
Webサイトを見ていて下部に表示されるポップアップなどで確認されることが一般的です。
参照:GDPR(EU一般データ保護規則)とは?日本企業が対応すべきポイントを考える
北米地域
北米では、Googleが基本的な検索エンジン。スペイン語を使用する国民も多いですが、検索において最も使用されているのは英語です。
ただし、アメリカ英語とイギリス英語では表現が異なることがあるため、アメリカ市場をターゲットとする場合には、アメリカにおける英語表現特有の単語や語句の使い回しに注意が必要。
単語 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
---|---|---|
アパート | aprtment | flat |
トラック | truck | lorry |
携帯電話 | cell phone | mobile phone |
このように、アメリカとイギリスで表現が異なる単語が多いので、キーワード選定の際は十分に注意しましょう。
中南米地域
中南米地域においては、検索エンジンのシェアは圧倒的にGoogleが支配的。
検索で使用する言語としてはスペイン語、ポルトガル語、英語の3つ。この3言語について対策を行えば大方は問題ありません。
西側の国々では主にスペイン語が、東側のブラジルではポルトガル語が使用されています。
英語圏の市場と比較すると、中南米地域はSEOの激戦区ではないため、きちんとした戦略を立てれば成果に結びつけやすいと言えます。
参考:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/south-america
参考:https://www.statista.com/topics/2432/internet-usage-in-latin-america/#topicOverview
オセアニア地域
オセアニア地域における海外SEOの重要な特徴として、まずインターネット使用人口の大部分がオーストラリアに集中していることが挙げられます。
また、この地域における検索エンジンシェアはGoogleが圧倒的。
オーストラリアで行うSEOに付いての注意点としては、英語の語彙。オーストラリアで使用される英語は、純粋なアメリカ英語やイギリス英語とはやや異なるため、キーワード選定には注意が必要です。
一部の単語の違いは検索エンジンによって「同じもの」とみなされることが多いですが、地域特有の表現やスラングは理解しておくと良いでしょう。
オーストラリア英語 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
---|---|---|
debtors | debtors | accounts receivable |
colour | colour | color |
アフリカ地域
2009年まではインターネット普及率が低かったが、近年急激に拡大しています。2020年の段階で、アフリカのインターネットユーザーは総人口の35%にあたる約4億5,300万人いると発表されています。
ただ、ネット普及率は国によって大きく異なるので、デジタルマーケティングを行う際は十分に精査したうえで行いましょう。
なお、検索エンジンはGoogleが支配的。
ただ、言語はかなり多様です。
そもそも2000以上の言語が話されていると言われているのがアフリカです。アラビア語が推定2億人、英語が1.3~2.5億人、スワヒリ語が1.5億〜2億人。フランス語が1.3億人。メインでターゲットにしたい国によって異なるためきちんとリサーチする必要があります
また、モバイルによるインターネットが80%近くとなっています。そのため、Webサイトはモバイルファーストで行いましょう。
参考:https://africabusiness.beforward.jp/know-how-most-spoken-languages-africa/