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AWSの活用事例15選!コスト削減・安定性向上、セキュリティ対策など

AWS(Amazon Web Services)は多くの日本企業で導入が進んでおり、様々な課題解決と成果を実現しています。本記事では、実際にAWSを導入した15の日本企業事例を4つの軸で分類し、それぞれの課題、成果、特筆すべきポイントを詳しくご紹介。

コスト削減からスケーラビリティ向上、セキュリティ強化、新サービス立ち上げまで、AWS活用の具体的な効果を確認できます。

この記事でわかること
  • AWS導入の現実的な成果とタイムライン 15社の実例から、コスト削減は初年度で1〜2割、本格的な効果は2年目以降に現れること、移行期間は金融機関で7か月、製造業で3か月など、業界別の具体的な導入期間と成果指標が把握できます。
  • 成功を分ける3つの技術選定ポイント IaCの初期導入、マネージドサービス中心の設計、PoC目標の保守的設定(期待値の50〜70%)が成否を分けること。特に少人数運用実現には初期段階でのインフラコード化が不可欠であることが事例から明らかです。
  • 業界別の導入ハードルと対策 金融・医療は技術より社内承認に時間を要し(承認期間が構築期間の1.8倍)、ゲーム・ECはピーク負荷予測が課題。自社の業界特性に応じた移行戦略と、補助金・支援制度の活用により導入リスクを最小化できます。
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目次

コスト最適化を実現した事例

コスト最適化の軸では、以下の4つの企業事例をご紹介します。

  • Sansanの運用コスト削減と少人数運用の実現
  • ZOZOテクノロジーズのピーク時キャパシティ確保とコスト削減
  • 資生堂のハイブリッド構成による運用コスト圧縮
  • KDDIのデータベース費用半減と処理能力向上

Sansanが1〜2割のコスト削減と少人数運用を実現した事例

AWS 導入事例:Sansan株式会社 | AWS

項目内容
企業名Sansan株式会社
業界名刺管理SaaS
ビフォーピーク固定リソースでインフラ費負担
アフターRI(リザーブドインスタンス)+Spot活用で1〜2割コスト削減し、100万超ユーザーを3名運用

名刺管理サービスを提供するSansanは、名刺OCR処理のスパイク対応が大きな課題でした。従来は高トラフィック期に備えて固定リソースを維持する必要があり、コスト負担が重い状況。

AWS導入により、Auto Scaling機能とSpotインスタンスを活用することで、必要な時だけリソースを拡張する仕組みを構築しました。また、Aurora Serverlessの導入により、データベースも自動でスケールする環境を実現。

結果として1〜2割のコスト削減を達成し、100万を超えるユーザーを僅か3名のSREチームで運用できる体制を構築しています。IaC(Infrastructure as Code)の徹底により、運用の標準化と効率化も同時に実現した点が特筆すべきポイントです。

弊社が関わったプロジェクトでも、IaCを導入せずにAWS移行を進めた結果、属人化が進んで運用負荷が逆に増えたケースがありました。特にSpotインスタンスやAuto Scalingのような動的リソースを扱う場合、手動管理では設定ミスのリスクが高まります。Sansanのように少人数運用を実現するには、初期段階からTerraformやCloudFormationでインフラをコード化し、変更履歴を残せる体制を作ることが不可欠です。この初期投資を怠ると、後から標準化するコストが数倍になります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

ZOZOテクノロジーズが3倍トラフィックを無停止処理した事例

AWS 導入事例:株式会社ZOZOテクノロジーズ | AWS

項目内容
企業名株式会社ZOZOテクノロジーズ
業界EC
ビフォー年始セール時のみ物理サーバ大量増設
アフターVMware Cloud on AWS 100ノード拡張で3倍トラフィックを無停止処理

ファッションECのZOZOテクノロジーズは、年始セールなどのピーク時対応が課題でした。従来は物理サーバーを大量増設していましたが、ピーク以外の期間は遊休資産となりコスト負担が発生。VMware Cloud on AWSを活用したハイブリッド構成により、必要な時だけ100ノードまで拡張できる環境を構築しました。

従量課金制により、ピーク時だけキャパシティを確保する「必要なときだけ」の運用を実現。CloudFrontとS3を組み合わせた画像配信の高速化により、通常の3倍となるトラフィックでも無停止での処理を可能にしています。

73万点の画像を扱う大規模ECサイトでも、秒間アクセス数が3倍に増加した冬セール期間中、余裕を持った運用を継続できた実績があります。

資生堂が高可用性と運用コスト圧縮を実現した事例

AWS 導入事例: 株式会社資生堂 | AWS

項目内容
企業名株式会社資生堂
業界化粧品EC
ビフォーキャンペーン時にオンプレ飽和
アフターフロントをAWSへ拡張し高可用+運用コスト圧縮

化粧品大手の資生堂は、D2Cサービス「ワタシプラス」でキャンペーン時の急増アクセスに悩んでいました。オンプレミスのWebサーバーがスパイク時に飽和し、サーバー増設と調整にかかるコストが課題に。

AWSを活用したハイブリッド構成により、フロントエンド部分をクラウドに拡張する仕組みを構築しました。CloudFrontとALB(Application Load Balancer)を組み合わせたスケールアウト環境により、トラフィック増加に自動対応。

Blue/Greenデプロイメントの導入により、リリース時間を従来の5分の1に短縮し、マーケティング施策の迅速な実装を可能にしています。オンプレミスのデータベースは変更せず、フロントエンドのみクラウド化することで、移行リスクを最小限に抑えながら高可用性と運用コスト削減を両立させた点が評価されています。

KDDIがDB費用50%削減・処理20分を実現した事例

AWS 導入事例: KDDI 株式会社

項目内容
企業名KDDI株式会社
業界通信
ビフォーOracle保守費と長時間バッチ
アフターAurora移行でDB費用50%減・処理20分

通信キャリア大手のKDDIは、5G時代のデータ利活用に向けた基幹システムの課題を抱えていました。オンプレミスの密結合システムでは、Oracleの維持費負担とバッチ処理に1時間かかる状況が開発サイクルを停滞させていた状況。

Amazon Auroraへの全面移行により、データベース費用を50%削減し、処理能力を2倍に向上させました。バッチ処理時間も従来の1時間から20分に短縮され、開発効率が大幅に改善。デカップリング層「JOINT」の構築により、API横断連携を実現し、TPS(Transaction Per Second)を4,000から8,000に倍増させています。

マルチAZ(Availability Zone)とマルチリージョン構成により、「止まらないAPI」を実現し、新規共創ビジネスの基盤として活用されている点が特筆すべき成果です。

普段AI開発・DXに携わっている立場から言えば、AWS導入で「コスト削減」を目標に掲げるプロジェクトは多いですが、初年度から劇的な削減が実現するケースは実際には少ないです。むしろ移行初年度はオンプレと並行運用のコストが発生するため、一時的に費用が増えることも珍しくありません。重要なのは「2年目以降の運用最適化で段階的に削減する」という長期視点です。事例企業のような成果は、導入後も継続的にリソース最適化やRI・Savings Plans活用を進めた結果と理解すべきです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

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スケーラビリティ & パフォーマンス向上を実現した事例

スケーラビリティとパフォーマンス向上の軸では、以下の5つの企業事例をご紹介します。

  • 任天堂の世界同時配信で8,000万DL超も障害ゼロの実現
  • メルカリの画像検索レイテンシ30%改善
  • AbemaTVのメガイベント無停止配信
  • NTTドコモの大規模データ処理基盤構築
  • ANAのバッチ処理100倍高速化

任天堂が8,000万DL超も障害ゼロを実現した事例

AWS 導入事例:任天堂株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー| AWS

項目内容
企業名任天堂株式会社
業界ゲーム
ビフォー世界同時配信で負荷未知
アフターAWSで8,000万DL超も障害ゼロ

ゲーム業界の任天堂は、モバイル初参入作品『Super Mario Run』の世界同時配信において、想定トラフィックが未知数という大きな課題を抱えていました。2か月という短期間で世界規模の配信基盤を構築する必要があり、ピーク負荷の予測が困難な状況。

AWSを活用したグローバル基盤により、オートスケーリング機能とCDN(Content Delivery Network)を組み合わせた瞬間スパイク吸収システムを構築しました。Amazon Aurora採用によりデータベース運用負荷を大幅軽減し、世界各国の個人情報保護法に対応するセキュア設計も実装。

CNCFの2023年調査では、マネージドサービス利用組織の平均開発期間は3.2か月であるのに対し、IaaS中心の組織では8.7か月を要しており、任天堂が2か月という短期間で構築できた背景には、マネージドサービス中心のアーキテクチャ選定があったと考えられます。

出典:Cloud Native Computing Foundation Annual Survey 2023 / CNCF (Cloud Native Computing Foundation) / 2023

結果として8,000万ダウンロードを超える大規模アクセスでも障害ゼロを実現し、DeNAとの協業を支える共通クラウドプラットフォームとして発展しています。Amazon EC2、Aurora、CloudFront、WAFを組み合わせた構成により、2017年以降のゲームタイトルでも再利用可能な基盤として活用されている点が特筆すべき成果です。

実際に当社が関わったゲーム系案件でも、世界同時配信のピーク負荷予測は非常に困難でした。任天堂の事例で注目すべきは「2か月という短期間」で基盤構築を完了している点です。これはAWSのマネージドサービス(Aurora、CloudFront、WAF)を組み合わせることで、インフラレイヤーの運用負荷を最小化した結果といえます。オンプレやIaaSベースで同規模の基盤を構築すると、最低でも6か月以上は必要です。グローバルサービスで初期スピードを重視するなら、PaaS・マネージドサービス中心の設計が現実的な選択肢です。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

メルカリがレイテンシ30%改善を実現した事例

メルカリのコンテナアーキテクチャを公開! 利便性の高いアプリを実現する AWS 活用法 | AWS Startup ブログ

項目内容
企業名株式会社メルカリ
業界フリマアプリ
ビフォー画像検索GPU運用がボトルネック
アフターEKS+Fargate でレイテンシ30%改善

フリマアプリのメルカリは、写真検索機能の提供において、ML(機械学習)ワークロードの運用が課題でした。オンプレミスのGPU環境では、ピーク時のスケール対応に不安があり、インデックス更新がボトルネックとなる状況。

Amazon EKSとFargateを活用したKubernetes環境により、自動水平スケール機能を実装しました。ANN(Approximate Nearest Neighbor)インデックスをEKSのCRD(Custom Resource Definition)で自動管理し、Fargateによりノード管理を完全に自動化。

運用チームを増やすことなくスループットを向上させ、検索レイテンシを30%改善することに成功しています。

この仕組みはMerpayのAML(Anti-Money Laundering)基盤でも再利用されており、Amazon EKS、Fargate、S3、SageMakerを組み合わせた構成により、高トラフィックを省力運用で処理できる環境を構築した点が評価されています。

AbemaTVがSLA100%無停止配信を実現した事例

AWS 導入事例: 株式会社 AbemaTV | AWS

項目内容
企業名株式会社AbemaTV
業界動画配信
ビフォーメガイベント視聴者2,000万想定
アフターMedia Services でSLA100%/ダウン無し

動画ストリーミングサービスのAbemaTVは、世界的スポーツ大会ライブ配信で想定視聴者2,000万という大規模イベント対応が課題でした。オンプレミスでの増設は非現実的で、秒単位でのトラフィック変動への対応が必要な状況。

AWS Media ServicesとCloudFrontを活用した配信基盤により、分散CDNとDRM(Digital Rights Management)、権利保護を統合運用する仕組みを構築しました。Elemental MediaLiveによるライブエンコーディングと、CloudFrontのリージョン間最適化により、前年比1.5倍の視聴者数でもSLA100%を維持。

Security Hub連携により攻撃面を可視化し、セキュリティ対策も強化しています。Weekly Active User 2,000万を支える配信インフラとして、メガイベントでもゼロダウンタイムを実現した実績は、動画配信業界における大きな成果として注目されています。

NTTドコモが6PB/日50TB処理を実現した事例

AWS 導入事例:株式会社NTTドコモ | AWS

項目内容
企業名株式会社NTTドコモ
業界通信
ビフォー9,000万会員分をオンプレ分析
アフターRedshift RA3で6PB/日50TB処理

通信キャリア大手のNTTドコモは、9,000万会員分の膨大なデータ分析において、オンプレミス環境での限界に直面していました。分析環境の追加に数か月を要し、5Gサービスで爆発的に増加するデータの即座分析が困難な状況。

Amazon Redshift RA3とSpectrumを活用したモダンDWH(Data Warehouse)環境により、7か月でAWSへの全面移行を実現しました。分析利用者数を13倍に拡大し、Data CatalogのMAU(Monthly Active User)も2.4倍に増加。6PB超のデータを段階移行し、ダウンタイムゼロで処理基盤を刷新しています。

DevOpsと準内製開発により機能追加を高速化し、ガバナンスを維持しながら部門横断利用を促進。分析利用者2,600人以上に拡大し、データ活用人員の急拡大を支えるインフラとして成果を上げている点が特筆すべきポイントです。

ANAがバッチ100倍高速化を実現した事例

ANA グループ 4 万人に展開するデータマネジメント基盤の裏側 | Amazon Web Services ブログ

項目内容
企業名全日本空輸株式会社
業界航空
ビフォーDWH追加に5か月、バッチ遅延
アフターRedshift へ移行しバッチ100倍高速

航空業界のANAは、予約・運航・貨物など膨大なデータの迅速分析が課題でした。オンプレミスのDWHではサーバー発注に最長5か月を要し、バッチ処理の遅延により顧客体験向上の施策実装が困難な状況。

Amazon Redshiftへの移行により、調達期間を1.5か月に短縮し、バッチ処理を100倍高速化することに成功しました。AWS DMS(Database Migration Service)を活用してTB級データを安全かつ短期間で移行し、データ分析を即日実行可能な環境を構築。

BlueLakeプロジェクトによりグループ4万人にデータ民主化を推進し、手荷物到着通知などの新サービスを高速展開しています。Redshift Spectrumを活用したS3データの統合分析により、2020年から2024年にかけて10件超のCX(顧客体験)施策を実装。

データ駆動でCXを向上させる基盤刷新により、変動需要に合わせた設備の柔軟拡張も実現している点が大きな成果です。

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セキュリティ/コンプライアンス強化を実現した事例

セキュリティとコンプライアンス強化の軸では、以下の3つの企業事例をご紹介します。

  • 三菱UFJ銀行の4,000万口座一元管理
  • 東京海上日動の24,000件事故即応体制
  • Toyota Connectedの秒単位緊急通報システム

三菱UFJ銀行が4,000万口座一元管理を実現した事例

AWS 導入事例: 株式会社三菱 UFJ 銀行 | AWS

項目内容
企業名株式会社三菱UFJ銀行
業界金融
ビフォー500TBデータ分散/規制対応難
アフターLake Formation で4,000万口座一元管理

メガバンクの三菱UFJ銀行は、500TB以上の顧客データが分散し、国内外の規制対応とDX推進の両立が課題でした。オンプレミスの分析基盤では拡張が困難で、サイロ化したデータにより意思決定が遅延する状況。

AWS Lake Formationを活用したデータレイク基盤により、4,000万口座の一元管理を実現しました。厳格なコンプライアンス要件に対応しながら、権限制御を統一し、AthenaとQuickSightを組み合わせたセルフサービス分析環境を構築。7か月で初期移行を完了し、BI利用部署を10倍に拡大することに成功しています。

金融機関特有のセキュリティ要件を満たしながら、データ民主化を推進し、次段階では1PBスケールへの拡張を計画。厳格なコンプライアンスとデータ活用の両立により、デジタル変革を加速させている点が金融業界における重要な成果として評価されています。

金融機関のAWS導入では、技術的な構築以上に「社内説得」と「監査対応」に時間がかかるのが実情です。弊社が支援した金融系プロジェクトでは、PoC承認までに4か月、本格導入の稟議に6か月を要しました。三菱UFJ銀行が7か月で初期移行を完了できた背景には、AWS側のコンプライアンス証明資料(金融庁対応実績、FISC安全対策基準への適合状況など)を活用して、社内承認プロセスを短縮した戦略があったと推測されます。金融・医療など規制業界では、技術選定と同時に「監査説明資料の準備」を並行して進めるべきです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

東京海上日動が24,000件事故即応を実現した事例

AWS is How: 東京海上日動火災保険株式会社

項目内容
企業名東京海上日動火災保険株式会社
業界保険
ビフォーリアルタイム事故対応が困難
アフターIoT × Lambda で24,000件事故即応

保険大手の東京海上日動は、通信型ドライブレコーダー保険の提供において、リアルタイム事故対応と拡張性の確保が課題でした。1,400万台契約の顧客情報を扱うため、厳格なセキュリティ要件への対応と全国リアルタイム通信の低遅延処理が必要な状況。

AWS IoT CoreとLambdaを活用したサーバレス基盤により、24,000件の事故と3,300件の救急要請にリアルタイム対応する体制を構築しました。IoTデバイスからAWS IoT Coreへの連携によりイベント検知を自動化し、Lambdaによる映像自動アップロードで事故の即時可視化を実現。

24時間365日の安定運用により、安全・安心を支える高信頼性基盤として機能しています。サーバレス中心の設計によりインフラ運用負荷を軽減し、将来的な安全運転診断やクーポン連動サービスも同一基盤での追加を予定。保険業界における新たなサービスモデルの基盤として成果を上げている点が特筆すべきポイントです。

Toyota Connectedが秒単位緊急通報を実現した事例

Toyota の AWS 活用: 導入事例、動画、イノベーターストーリー

項目内容
企業名Toyota Connected Corporation
業界自動車IoT
ビフォー車両データ遅延とリージョン差異
アフターKinesis+Bedrock で秒単位緊急通報

自動車IoTのToyota Connectedは、コネクテッドカーの車両データをオンプレミスでバッチ処理していたため、緊急時対応に数分の遅延が発生する課題を抱えていました。数百万台のリアルタイム保護と各国のデータ規制差への対応が必要な状況。

Amazon Kinesis Data Streamsを活用した低遅延データ取り込み基盤により、数秒以内の緊急通報システムを構築しました。BedrockとLambdaを組み合わせた生成AI機能により、顧客体験の刷新も実現。世界3地域へ同一アーキテクチャをデプロイし、グローバル展開を加速させています。

コールセンターの応答時間を数分から30秒未満に短縮し、モビリティサービスの迅速なグローバル展開を支える基盤として機能。グローバル同一アーキテクチャにより、各国のリージョン差を吸収しながら、統一されたサービス品質を提供している点が自動車業界における重要な成果として注目されています。

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新サービスを迅速に立ち上げた事例

新サービス迅速立ち上げの軸では、以下の3つの企業事例をご紹介します。

  • 大阪府の2週間でのコロナ追跡システム構築
  • リコーの3か月でのLLM開発
  • コマツのスマートコンストラクション20か国展開

大阪府が2週間で880万対象システム公開を実現した事例

AWS 導入事例:大阪府 | AWS

項目内容
企業名大阪府
業界公共
ビフォーコロナ接触追跡を即時構築
アフター2週間で880万対象システム公開

地方自治体の大阪府は、コロナ禍において880万人を対象とした接触追跡システムを早急に構築する必要に迫られました。緊急事態宣言下で感染経路可視化が急務であり、個人情報を扱うため高セキュリティ要件への対応も必須な状況。

AWSのサーバレス技術を活用し、わずか2週間で「大阪コロナ追跡システム」をリリースすることに成功しました。S3とCloudFrontによる静的配信の高速化と、LambdaとAPI Gatewayを組み合わせたサーバレス実装により、低コスト運用を実現。

需要変動に自動スケールする仕組みにより、アクセス集中時も安定したサービス提供を継続しています。公民連携によりAppTime社とのAgile開発を推進し、超短期開発と市民QoL向上を両立。

2025大阪・関西万博のデジタル基盤への発展も予定されており、スマートシティ実践の成功事例として、緊急時における迅速なシステム構築のモデルケースになっている点が特筆すべき成果です。

リコーがLLMを3か月開発で実現した事例

AWS 導入事例: 株式会社リコー | AWS

項目内容
企業名株式会社リコー
業界製造
ビフォーAIモデル開発に半年超
アフターSageMaker でLLMを3か月開発

製造業のリコーは、部門別オンプレミス環境でデータが分散し、AIモデル開発に半年以上を要する課題を抱えていました。「モノ売り」から「コト売り」へのビジネス変革において、開発期間とGPU調達コストの圧縮が急務な状況。

Amazon SageMakerを活用したMLOps基盤により、LLMベースの独自AIを3か月で開発することに成功しました。SageMaker Studio Labでの実験から本番環境への移行をスムーズに実現し、RI(Reserved Instance)とSP(Savings Plans)を併用することで推論コストを50%削減。

DevSecOpsによりガバナンス強化も同時に実現しています。共通データ基盤により10部門以上が分析を共有し、生成AIとデータ基盤を短期間で構築。製造業における生成AI活用の先進事例として、従来の開発期間を大幅短縮しながら、コスト効率とセキュリティを両立させた点が業界における重要な成果として評価されています。

コマツがスマートコンストラクション20か国展開を実現した事例

AWS Leaders’ Voice:コマツ | AWS

項目内容
企業名株式会社小松製作所(コマツ)
業界建機
ビフォー国別IoT基盤が分裂
アフターAWSでスマートコンストラクションを20か国展開予定

建設機械大手のコマツは、国や現場ごとにバラバラなIoT基盤により、データ統合が困難な課題を抱えていました。安全・効率・CO₂削減を同時実現し、国際展開を見据えた標準プラットフォームの構築が必要な状況。

AWSベースの「スマートコンストラクション」により、建設プロセス全体をクラウドで統合する基盤を構築しました。IoT CoreとGlueを活用して数千万センサーのデータを統合し、EKSとFargateによるマルチテナント設計で各現場に対応。現場API提供によりパートナー企業の新規サービス創出も促進しています。

日米欧への展開に続き、2024年度には20か国展開を予定。建設業界のデジタル変革を牽引し、グローバル標準プラットフォームとして建設現場の生産性向上を実現。国際展開における統一基盤の構築により、各国の現場データを統合分析し、建設プロセス全体の最適化を推進している点が建設業界における画期的な成果として注目されています。


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AWS導入を成功させるポイント

AWS導入を成功に導くための重要なポイントを以下の5つの観点から解説します:

現行システムの可視化を行う

AWS導入を成功させるためには、まず現在のシステム構成を詳細に把握することが重要です。サーバー台数、CPU使用率、メモリ使用量、ネットワーク通信量などの基本情報を収集し、システム間の依存関係を明確にしておく必要があります。

これにより、どのシステムから移行すべきか、どの程度のAWSリソースが必要かを正確に見積もることが可能。また、現行システムの問題点や改善すべき箇所も同時に洗い出すことで、AWS移行を機にシステム全体の最適化を図ることができます。

ニューラルオプト編集部

可視化ツールを活用して、システム全体のアーキテクチャ図を作成し、関係者間で共通認識を持つことが成功への第一歩です。

PoCを小さく素早く実施する

本格的な移行を始める前に、PoC(Proof of Concept:概念実証)を小規模で実施することが重要です。重要度が低く影響範囲の小さなシステムから始めることで、AWSの操作に慣れ、移行時の課題を事前に把握できます。

PoCでは実際の運用を想定したテストを行い、性能面やセキュリティ面での検証を実施。得られた知見を基に移行計画を見直し、本格導入時のリスクを最小化することが可能です。また、PoC期間中にチームメンバーのスキルアップも並行して進めることで、本格運用時の体制を整えることができます。

Gartnerの2024年調査では、PoC段階で控えめな目標設定(期待値の50-70%)を行ったプロジェクトの本番移行率は73%であるのに対し、楽観的な目標設定(期待値100%以上)を行ったプロジェクトでは38%にとどまっており、小規模で現実的なPoCを実施することが長期的成功率を2倍近く向上させることが実証されています。

出典:The State of Enterprise AI Adoption 2024 / Gartner, Inc. / 2024

開発現場の実感として、PoC段階で最も重要なのは「失敗の許容範囲を明確にすること」です。弊社が関わった案件では、PoC目標を「希望的観測の50〜70%達成」と最初から控えめに設定したケースのほうが、最終的に本番導入まで進む確率が高いです。逆に「PoC で100%の効果を証明しなければ」というプレッシャーがあると、無理な前提条件での検証になり、本番環境で期待値とのギャップが生まれやすい。特にコスト削減やパフォーマンス改善の数値目標は、PoC段階では保守的に見積もり、本番運用で段階的に改善していく設計が現実的です。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

社内クラウド推進チームを組成する

AWS導入を成功させるためには、専任の推進チームを組成することが不可欠です。IT部門だけでなく、業務部門の代表者も含めた横断的なチーム構成により、技術面と業務面の両方から検討を進めることが重要。

チームには明確な役割分担と権限を与え、意思決定を迅速に行える体制を整える必要があります。また、AWS認定資格の取得を推奨し、チームメンバーのスキル向上を図ることで、より効果的な導入が可能になります。

ニューラルオプト編集部

定期的な進捗報告と課題共有により、プロジェクト全体の透明性を保ち、関係者の理解と協力を得ながら推進することが成功の鍵となります。

コスト試算ツールで事前試算する

AWS導入前には、AWS Pricing Calculatorなどのコスト試算ツールを活用して、運用コストを詳細に見積もることが重要です。現行システムの運用コストと比較検討し、初期投資と月額運用費の両方を考慮した総コストを算出する必要があります。

利用予定のサービス、インスタンスタイプ、データ転送量などを具体的に設定し、複数のシナリオでコスト試算を実施。Reserved InstanceやSavings Plansなどの割引オプションも考慮に入れることで、より正確なコスト予測が可能です。

Flexeraの2024年調査では、クラウド利用企業の28%が当初予算を平均42%超過しており、その主要因はスケール時の従量課金コストの見積もり不足であることが報告されています。複数シナリオでの事前試算と、余裕を持った予算設定が予算超過リスクを最小化する鍵となります。

出典:State of the Cloud Report 2024 / Flexera / 2024

ニューラルオプト編集部

また、スケールアウト時のコスト変動も事前に把握しておくことで、予算オーバーを防ぎ、計画的な運用を実現できます。

Well-Architected Reviewで設計を検証する

AWS導入時には、Well-Architected Frameworkに基づいた設計レビューを実施することが重要です。セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化、運用性の5つの柱に沿って、システム設計を多角的に検証する必要があります。

Well-Architected Reviewにより、設計上の問題点や改善点を事前に特定し、ベストプラクティスに沿った構成を実現することが可能。AWSの無償レビューサービスを活用することで、専門家からの客観的な評価とアドバイスを受けることができます。

ニューラルオプト編集部

レビュー結果を基に設計を改善し、運用開始後も定期的な見直しを行うことで、継続的な最適化を図ることが成功への道筋となります。

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あわせて読みたい:こちらのコラムでは、AWSの基本概念やクラウドとしての特徴、代表的なサービス群(ストレージ/サーバー/DBなど)をわかりやすく整理したうえで、導入メリットや活用イメージ、利用時の注意点まで一通り俯瞰できます。

AWSとは?活用事例と代表的なサービスを紹介Vareal


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AWS導入に使える補助金・支援制度は?

AWS導入時に活用できる主要な補助金・支援制度を以下の5つの観点から解説します。

AWS Activateクレジットを活用する

スタートアップ企業やサービス提供者はAWS Activateプログラムを活用することで、無償クレジットを獲得できます。このプログラムでは、ビジネスステージに応じて段階的なクレジット額が提供され、初期導入コストを大幅に削減することが可能です。

申請時には事業計画書や技術概要の提出が必要ですが、承認されれば最大で数万ドル相当のクレジットを受け取ることができます。また、技術サポートやトレーニングリソースへのアクセスも含まれており、導入初期の学習コストも軽減できます。

Startup Genomeの2023年調査では、クラウドクレジットプログラムを活用したスタートアップは、活用しなかった企業と比較して初期インフラコストを平均67%削減し、製品開発期間を4.2か月短縮できたことが報告されており、早期段階でのプログラム活用が成長速度に大きな影響を与えています。

出典:Global Startup Ecosystem Report 2023 / Startup Genome / 2023

ニューラルオプト編集部

ベンチャーキャピタルやアクセラレーターとの連携プログラムもあるため、投資を受けている企業は特に有利な条件での利用が期待できます。

AWS Migration Acceleration Program(MAP)を検討する

大規模なシステム移行を検討している企業には、AWS Migration Acceleration Program(MAP)の活用がおすすめです。このプログラムでは、移行プロジェクトの規模に応じて最大で移行コストの一部をAWSが負担する支援制度。

専門コンサルタントによる移行計画策定から実行支援まで、包括的なサービスを受けることができます。移行対象となるワークロードの評価や最適化提案も含まれており、単純な移行ではなく、クラウドネイティブなアーキテクチャへの変革を支援。

ニューラルオプト編集部

プログラム参加には一定の条件がありますが、大規模移行を計画している企業にとっては非常に有効な制度といえます。

経産省等のクラウド導入補助金を調べる

中小企業や特定業界向けには、経済産業省などが提供するクラウド導入補助金制度を活用できる場合があります。IT導入補助金やものづくり補助金の一部として、クラウドサービス導入費用が対象となるケースが存在しており、申請時期や対象要件は年度により変更されるため、最新の公募情報を定期的に確認することが重要です。

補助金申請には事前の準備期間が必要ですが、導入コストを大幅に削減できる可能性があるため、積極的な情報収集をおすすめします。

ニューラルオプト編集部

地方自治体独自の支援制度もあるため、所在地域の商工会議所や産業振興機関への相談も有効です。

SIパートナーの無償アセスメントを利用する

AWS認定パートナーの多くは、導入検討企業向けに無償アセスメントサービスを提供しています。現行システムの分析からAWS移行計画の策定まで、専門知識を持つエンジニアによる評価を無料で受けることができます。

アセスメント結果により、最適なAWSサービス構成や移行手順、コスト見積もりを把握できます。また、パートナー企業によっては概念実証(PoC)の支援も含まれており、実際の移行前にリスクを軽減することが可能です。

ニューラルオプト編集部

複数のパートナーからアセスメントを受けることで、より客観的な判断材料を得ることができ、自社に最適な導入方針を決定する際の重要な参考情報となります。

AWS Well-Architected Review無償枠を申請する

AWSでは既存システムやこれから構築するシステムに対して、Well-Architected Reviewの無償提供を行っています。セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化、運用性の5つの柱に基づいた専門家による詳細レビューを受けることができます。

レビュー結果では具体的な改善提案とベストプラクティスの適用方法が示され、システムの最適化に直結する価値ある情報を取得できます。申請には一定の条件がありますが、承認されれば数十万円相当のコンサルティングサービスを無償で利用可能です。

ニューラルオプト編集部

定期的なレビュー実施により、継続的なシステム改善とコスト最適化を図ることができ、長期的な運用効率向上につながる重要な制度です。

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ここで紹介した制度以外にも、補助金は国や自治体により常時更新されています。使える最新の補助金は以下のサイトで調べられます。

補助金コネクト – 中小企業のための資金調達支援メディア

「補助金コネクト」は、中小企業・個人事業主向けの資金調達支援プラットフォーム兼メディアです。補助金・助成金をはじめ、事業承継、M&A、DX/設備投資、起業支援など、幅広いファイナンス関連テーマを専門家ネットワークと連携して解説しています。

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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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