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教育分野でのDX事例18選!学習成果向上や校務効率化、保護者連絡など

教育分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進む中、多くの教育機関が課題解決や効果向上を目指してICTツールを導入しています。

本記事では、全国の小中高校から大学まで、実際の成果が確認された教育DXの事例を5つの観点で分類し、詳しくご紹介します。

文部科学省の調査によれば、令和6年3月時点で約8割の自治体が「教育DX」や「教育データ利活用」等の推進を重点施策に位置付けている(または位置付ける予定がある)と回答しており、教育DXは全国的な潮流となっています。

出典: 教育DX・教育データ利活用の現状と展望/文部科学省 総合教育政策局 参事官(調査企画担当)/教育DX推進室長 木村敬子/2024年

学習成果の向上、校務・運営の効率化、保護者・受講者との関係性強化、コスト最適化、セキュリティ・ガバナンス強化の各分野で、どのような取り組みが行われ、どのような効果が得られているのかを具体的に解説していきます。

この記事でわかること
  1. 教育DXは「学習成果向上」「校務効率化」「保護者連携」など5領域で成果が出ており、自校の課題に合ったカテゴリから着手すると導入効果を最短で得やすい。
  2. 成功事例に共通するのは「小さく始めてPDCAを回す」姿勢。慶應義塾大学の3か月LMS移行や玖珠町の段階導入のように、PoC先行で現場の抵抗を下げるのが定着の鍵。
  3. ツール選定より「推進体制・合意形成」が成否を分ける。山口県の専任11名体制や静岡市の試験運用→アンケートのように、現場・保護者・経営層を巻き込む設計が不可欠。

なお以下の記事ではDX事例をより網羅的に取り上げています。ぜひ合わせてご覧ください。

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目次

学習成果を向上した事例

この分野では、以下の8つの事例をご紹介します。

  • 岩手県立花巻北高等学校がClassiで自己調整学習を可視化した事例
  • 福岡市立東光中学校がQubenaで個別最適学習を実現した事例
  • 北海道帯広柏葉高等学校が情報活用能力を体系的に育成した事例
  • つくば市立研究学園小学校がWEB共有アプリで探究学習を加速した事例
  • 甲州市立塩山南小学校が個別×協働学習をデザインした事例
  • 春日井市立坂下中学校が自己調整学習を支援した事例
  • 武雄市立若木小学校が学びのロードマップで自律学習を育成した事例
  • 神奈川県立希望ケ丘高等学校がマルチクラウドで生徒主体の学びを推進した事例

岩手県立花巻北高等学校がClassiで自己調整学習を可視化した事例

岩手県立花巻北高等学校 | Classi(クラッシー)導入事例

項目内容
企業名岩手県立花巻北高等学校(公立)
業界高等学校(教育)
ビフォー先生主導の管理から生徒の自己調整学習への転換が課題
アフターClassiの「学習記録」へ毎日入力→計画/実績を可視化。教員はコメントで伴走

同校では創立90周年を機に「学び方改革」に取り組み、生徒自身が計画→実行→省察のサイクルを回せる仕組みづくりを目指しました。以前は教員主導で学習管理を行っていましたが、生徒の自己調整学習を促進するため、2018年度からClassiを活用した新しい取り組みを開始。

入学時に作成する3年間のロードマップを基に、Classiの学習記録機能で毎日の学習計画と実績を入力し、達成度を可視化する仕組みを構築しました。教員は支援役として位置づけ、コメントや声かけで生徒の学びを伴走サポート。

学校全体で「Classi宣言」を共有し、運用思想を統一したことで、705名の生徒が継続的に活用できる体制を整えています。

福岡市立東光中学校がQubenaで個別最適学習を実現した事例

福岡市立東光中学校様 – Qubena(キュビナ)/株式会社COMPASS – 学習eポータル+AI型教材

項目内容
企業名福岡市立東光中学校(公立)
業界中学校(教育)
ビフォー一斉配備の別デジタルドリルにより、個別最適化の深度に課題
アフターQubenaを2022年4月導入。誤答原因分析→最適出題で主体性・適合度が向上

同校では「個別最適な学び」の実現度を高めるため、従来のデジタル教材から一歩進んだAI活用に着手。2022年4月にAI型教材Qubenaを導入し、5教科に対応した個別学習システムを構築しました。

Qubenaの特徴は、生徒の誤答パターンをAIが分析し、つまずきの原因を特定した上で最適な問題を出題する点にあります。市の一斉配備とは別に学校独自の判断で採用したことで、従来の画一的な学習から脱却し、生徒一人ひとりの理解度に応じた学習を実現。

数万問という豊富な問題データベースと高精度のAI分析により、生徒の主体的な学習姿勢が向上し、学習効果の向上につながっています。

当社がAI型学習ツールの開発に携わってきた経験上、こうした事例でAI出題が機能した背景には、「誤答ログの蓄積量が一定以上あった」という条件が大きいです。導入初期はデータが少なく、AIの精度は想定より低く出やすい。最初の1〜2か月は「AIの精度を上げるための期間」と割り切り、効果測定は3か月以降に行うのが現実的です。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

北海道帯広柏葉高等学校が情報活用能力を体系的に育成した事例

北海道帯広柏葉高等学校

項目内容
企業名北海道帯広柏葉高等学校(公立)
業界高等学校(教育)
ビフォー情報活用能力の育成が教科個別の工夫に留まり、学校横断の測定・改善サイクルが不十分
アフター教育課程全体で育成方針と指標を整備し、年内複数回の意識調査→授業改善を実施

同校では情報活用能力を全教科で体系的に育成するため、学習指導要領に沿った共通指標を再整理し、継続的な測定・改善システムを構築。従来は各教科での個別対応に留まっていましたが、学校全体での統一したアプローチを採用しました。

年間を通じて複数回実施する意識調査では、クラウド活用、共同編集、多情報源活用などの項目を設定し、生成AIを含む新しい技術への対応も盛り込んでいます。調査結果を基に授業実践を改善し、再度測定するPDCAサイクルを確立。

プレゼンテーション設計、データ分析、情報の信頼性判断など、デジタル社会で必要な能力を段階的に向上させる仕組みを整え、生徒の情報リテラシー向上を図っています。

つくば市立研究学園小学校がWEB共有アプリで探究学習を加速した事例

012_1.pdf

項目内容
企業名つくば市立研究学園小学校(茨城県)
業界小学校(教育)
ビフォー全員の意見が埋もれやすく、合意形成や行動選択に結び付きにくい
アフターWEB共有アプリに全員の意見を書き込み→カテゴリー分け→各自が活動を選び実行

同校では地域課題を扱った探究学習において、児童全員の意見を効果的に活用し、学習の自分事化を図る取り組みを展開しています。従来は発言が一部の児童に偏りがちで、全員の考えを把握して活動につなげることが困難でした。

そこでWEB共有アプリを活用し、キジの生育環境などの地域課題について全員が意見を書き込める仕組みを構築。投稿された意見を視覚的に整理してカテゴリー分けを行い、児童が興味関心に応じて具体的な活動を選択できる環境を整えました。

このプロセスにより、他者の意見を視覚的に把握できるようになり、思考の深化が促進。意見の可視化から分類、そして実際のアクションまでを一気通貫で支援する探究学習プロセスが確立されています。

甲州市立塩山南小学校が個別×協働学習をデザインした事例

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項目内容
企業名甲州市立塩山南小学校(山梨県)
業界小学校(教育)
ビフォー単元の見通しの不明瞭や教師主導の比重が高く、学習の自分事化が不足
アフター本時の流れとゴールを共有し、南小スケールで個別×協働のバランスを設計

同校では「丸投げではない主体化」を目指し、学校独自の設計指針「南小スケール」を策定して授業改善に取り組んでいます。従来の教師主導型授業から脱却するため、単元の流れと各時間のゴールを児童と明確に共有し、学習の見通しを持てる環境を整備。

「南小スケール」では個別学習と協働学習の配合バランスを明確に規定し、児童が学習形態を選択できる余地を設けています。全学年でこの設計思想を共有することで、児童が学年を問わず一貫した学びの進め方を身につけることが可能に。

意図と目的を明確にした自律的学びの設計により、児童の主体性を育成しながら、確実な学力定着も実現する授業スタイルを確立しています。

春日井市立坂下中学校が自己調整学習を支援した事例

055_3.pdf

項目内容
企業名春日井市立坂下中学校(愛知県)
業界中学校(教育)
ビフォー一斉指導中心で生徒の好み・到達度に合わない場面が生じ、自己調整の機会も限定
アフター座席配置の工夫で個別/協働/一斉の選択を可能化。自己評価・振り返りを仕組化

同校の数学科では、多様な学習進度を持つ生徒に対応するため、選択可能な学習環境の構築に着手。従来の一斉指導では個々の生徒のニーズに対応しきれない課題がありました。そこで教室の座席配置を工夫し、生徒が個別学習、協働学習、一斉授業のいずれかを自分で選択できる仕組みを導入。

さらに自己評価と振り返りのアウトプットを継続的に行う仕組みを構築し、生徒の自己調整力を段階的に育成しています。この取り組みにより、理解度に応じた学習が可能になり、「できた・解けた」という実感を持てる学習環境を実現。同一教室内で個別最適学習と協働的な学びを共存させる革新的な授業設計となっています。

武雄市立若木小学校が学びのロードマップで自律学習を育成した事例

091_1.pdf

項目内容
企業名武雄市立若木小学校(佐賀県)
業界小学校(教育)
ビフォー情報収集・整理が属人的で、自分の学びの見通しや記録の継続が難しい
アフター学びのロードマップ/振り返りシートをクラウドで共有し、付箋的UIで情報の可視化・関連付けを促進

同校では児童の自律的な学習能力向上を目指し、学びの見える化と継続的な振り返りシステムを構築。従来は個別の調べ学習での妥当性検討や振り返りが断続的で、学習の継続性に課題がありました。

そこで「学びのロードマップ」と「振り返りシート」をクラウド上で共有し、年間を通じた学習記録の蓄積を可能にしています。付箋機能を活用したUIにより、情報の可視化と関連付けを促進し、思考過程を明確に表現できる環境を整備。学級内での共有機能により、他者の調べた内容も参照でき、相互学習が促進されています。

個人ファイルへのコピー運用により年間の学びの履歴を保持し、情報活用能力と自律性の両方を強化する仕組みを実現しています。

神奈川県立希望ケ丘高等学校がマルチクラウドで生徒主体の学びを推進した事例

GIGAスクール構想×高等学校(神奈川県立希望ケ丘高等学校 校長 柴田功 氏):文部科学省

項目内容
企業名神奈川県立希望ケ丘高等学校(公立)
業界高等学校(教育)
ビフォー紙中心・対面中心の授業運営で、端末活用・情報活用能力の体系化が課題
アフター県立高校全生徒にGoogle Workspace付与、同校はMicrosoft 365も併用

同校では高校段階での1人1台端末活用において、教科横断での活用と学びの可視化を重視した取り組みを展開。神奈川県が全県立高校生にGoogle Workspaceを提供する中、同校では独自にMicrosoft 365も併用するマルチクラウド環境を構築しています。

この環境により、探究的学習やデジタルポートフォリオの作成において、生徒が目的に応じてツールを選択できる自由度を確保。文部科学省の公式事例「StuDX Style」でも取り上げられ、生徒主体の学びを促進する実践として注目されています。

マルチクラウド運用により、各ツールの特性を活かした学習設計が可能になり、生徒の情報活用能力向上と主体的な学習姿勢の育成を同時に実現しています。

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校務・運営を効率化した事例

この分野では、以下の6つの事例をご紹介します。

  • 足立区立西新井小学校がGoogle for Educationで協働・連絡を効率化した事例
  • 玖珠町立塚脇小学校が日課表・宿題のクラウド共有で校務を改善した事例
  • 札幌市立中央中学校が教員用Google Classroomでロケーションフリー連絡を実現した事例
  • 札幌市立中央小学校が研究発表会運営をデジタル化した事例
  • 慶應義塾大学がCanvas LMSを短期導入した事例

足立区立西新井小学校がGoogle for Educationで協働・連絡を効率化した事例

足立区立西新井小学校様

項目内容
企業名足立区立西新井小学校(公立)
業界小学校(教育)
ビフォー連絡・教材共有の非効率、ツール分散
アフターChromebook+Google Workspace。Classroomを全学級・委員会・クラブで活用

同校では2021年度にICT先進校としてGoogle for Educationを本格導入し、約500名の児童を対象とした包括的なデジタル環境を構築しています。以前はツールが分散し、教材共有や連絡に非効率が生じていましたが、ChromebookとGoogle Workspaceの組み合わせにより統合的な運用を実現。

特にGoogle Classroomを全学級だけでなく、委員会活動やクラブ活動まで拡張して活用している点が特徴的です。Forms、Meet、共同編集機能を組み合わせることで、授業と校務の両面で効率化を図り、端末の持ち帰りによる家庭学習との連携も構築。

全校スコープでの統合運用により、教員の業務負担軽減と児童の学習機会拡大を同時に実現しています。

玖珠町立塚脇小学校が日課表・宿題のクラウド共有で校務を改善した事例

099_1.pdf

項目内容
企業名玖珠町立塚脇小学校(公立)
業界小学校(教育)
ビフォー校務情報の共有や宿題連絡などが紙・口頭中心で更新負荷
アフター日課表・宿題・準備物をクラウドで共有し、家庭学習の自己管理や更新の平準化を実現

同校では「まずは使ってみる」を合言葉に、GIGA端末とクラウド環境を活用した校務の小さな改善から着手しています。従来は紙や口頭による情報共有が中心で、更新作業に負荷がかかっていました。そこで日課表、宿題、準備物の連絡をクラウド上で一元管理する仕組みを構築。

この取り組みにより、教職員の情報更新作業が平準化されるとともに、家庭学習における児童の自己管理能力も向上しています。段階的な導入により現場のレディネスを醸成し、教職員と児童が実践を通じてデジタルツールに慣れていく環境を整備。小さな改善の積み重ねによって校務DXの基盤を構築し、持続可能な運用体制を確立しています。

札幌市立中央中学校が教員用Google Classroomでロケーションフリー連絡を実現した事例

PowerPoint プレゼンテーション

項目内容
企業名札幌市立中央中学校(公立)
業界中学校(教育)
ビフォー学年連絡は職員室のホワイトボードが中心→教室からは確認困難
アフター教員用Google Classroomに連絡を集約し、教室でも即時確認・入力できる体制へ

同校では教員間の情報共有における場所的制約を解決するため、デジタル連絡システムを構築しています。従来は職員室のホワイトボードが連絡の中心となっており、授業中の教員は確認できない、教室との往復に時間がかかるという課題がありました。

そこで教員専用のGoogle Classroomを設置し、学年の連絡事項を一元管理する仕組みを導入。短学活の連絡事項、朝の打ち合わせ内容、外出予定などを定型化してデジタル共有し、コメント機能により副担任や他教員からの追加連絡も可能にしています。

この仕組みにより、教員は教室にいながら最新情報を確認でき、必要に応じて即座に入力や返信が可能な「ロケーションフリー」の連絡体制を実現しています。

札幌市立中央小学校が研究発表会運営をデジタル化した事例

PowerPoint プレゼンテーション

項目内容
企業名札幌市立中央小学校
業界小学校(教育)
ビフォー研究発表会の申込・資料配付・討議が分散的/紙・対面中心で事前準備の負荷が高い
アフター申込者専用サイト+フォームで運営情報を一元化。教材発注・徴収手続きもフォーム化

同校では研究発表会の運営や教材徴収業務において、デジタル化による効率化を図っています。従来は複数の関係者や書類が関わり、連絡と進捗管理に非効率が生じていました。そこで参加申込から資料配付、討議運営まで一連のプロセスを申込者専用サイトで一元化し、運営情報の可視化を実現。

さらにGoogleフォームを活用して教材発注から徴収までの流れを体系化し、支払い手順の案内により翌日徴収も可能な設計を構築しています。担当者への自動通知機能と進捗管理のデジタル化により、校務負担を大幅に軽減。

研究発表会という学校の重要イベントにおいて、デジタルツールの効果的活用により運営品質の向上と業務効率化を両立させています。

慶應義塾大学がCanvas LMSを短期導入した事例

慶應義塾大学の導入事例  |  Google Cloud

項目内容
企業名慶應義塾大学
業界大学(高等教育)
ビフォーオンプレ独自LMSは負荷変動対応・機能拡張・保守負荷に課題
アフター3か月でCanvasへ移行、約4万人が利用。保守負荷軽減・安定運用

同大学では2020年のコロナ禍という緊急事態において、短期間でのLMS移行という大規模プロジェクトを成功させています。従来のオンプレミス型独自LMSでは負荷変動への対応、機能拡張、保守作業に大きな課題を抱えていました。

そこでGoogle Cloud上でCanvas LMSを構築する方針を決定し、わずか3か月で本稼働を実現。GCE、GKE、Cloud SQL、Filestore、Memorystore、Cloud Armorなどクラウドネイティブな構成により、約4万人の教職員・学生に安定したサービスを提供しています。

移行期間中には2週間で約50回の教員向け講習を実施し、短期間での浸透を図りました。並行運用によるリスク低減も図りながら、保守負荷の大幅軽減と運用安定性の向上を実現しています。

OECDのPISA 2022調査でも、学校での学習活動に1日1時間までデジタルデバイスを活用する生徒は、まったく使用しない生徒より数学で平均14点高いスコアを記録しており、適切なデジタル環境の整備が学習成果に直結することが国際的なデータで示されています。

出典: PISA 2022 Results (Volume I): The State of Learning and Equity in Education/OECD/2023年

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受講者・保護者エンゲージメントを高めた事例

この分野では、以下の4つの事例をご紹介します。

  • 静岡市教育委員会がtetoruで保護者連絡をデジタル化した事例
  • 札幌市立発寒東小学校が全校振り返りを可視化・共有した事例
  • アオバ・ジャパン・インターナショナルスクールがCanvasで教材再利用を促進した事例

静岡市教育委員会がtetoruで保護者連絡をデジタル化した事例

静岡県静岡市教育委員会

項目内容
企業名静岡市教育委員会(市内小中学校107校)
業界自治体(教育委員会)/初等・中等教育
ビフォー既存ツールは添付不可/一斉送信の遅延、電話欠席連絡で教員負担
アフターtetoruで欠席連絡・配信をオンライン管理、電話対応時間が減少・保護者の満足度向上

同市では市内107校という大規模な範囲で保護者連絡のデジタル化を推進し、教員の業務負担軽減と保護者の利便性向上を同時に実現しています。従来は電話中心の欠席連絡や紙による配布物で時間と手間がかかり、既存ツールも添付機能の制限や送信遅延などの課題がありました。

tetoruの導入により、24時間いつでも欠席連絡が可能になり、配布物のデジタル配信も実現。導入に際しては試験導入でアンケートを実施し、操作性、機能の重複回避、費用抑制の3つの観点で選定を行いました。

ヘルプデスク対応により現場の不安を速やかに解消し、107校一斉導入という大規模展開でも円滑な移行を実現。電話対応時間の減少により教員が教育活動に集中できる環境を整備しています。

107校一斉導入が成立した背景には、教育委員会という「上位意思決定層が主導した」という構造的な強みがあります。民間教育機関や単独校での導入では、こうしたトップダウンの推進力が働きにくく、「導入は決まったが現場が使わない」という状況が起きやすいです。
現場主導で始めた場合、最初の3か月で使用率が落ち込む前に、利用を促す小さなインセンティブ設計(振り返り共有会など)を仕込んでおくべきです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

札幌市立発寒東小学校が全校振り返りを可視化・共有した事例

PowerPoint プレゼンテーション

項目内容
企業名札幌市立発寒東小学校(公立)
業界小学校(教育)
ビフォー学校全体の教育活動の児童の声・思いの可視化と組織的な振り返りが難しい
アフターGoogle Formsで全校の振り返りを実施→課題・改善点が可視化。結果をHPで共有

同校では学校教育活動の振り返りをデジタル化し、児童の声を組織的に活用する仕組みを構築しています。従来は教育活動の振り返りが属人的で、横断的な課題抽出が困難という課題がありました。

そこでGoogle Formsを活用して全校朝会、防災訓練など多様な活動で振り返りを実施し、児童の声を体系的に収集。収集したデータを分析して課題や改善点を可視化し、次回活動の改善に直結させる設計を構築しています。

特徴的なのは、振り返り結果を学校ホームページで公開し、保護者や地域住民と情報を共有している点。これにより学校の教育活動に対する透明性を確保し、家庭・地域との連携を深める効果も生んでいます。データに基づく改善サイクルと情報共有により、ステークホルダー全体のエンゲージメント向上を実現しています。

アオバ・ジャパン・インターナショナルスクールがCanvasで教材再利用を促進した事例

Message from Instructure

項目内容
企業名アオバ・ジャパン・インターナショナルスクール(東京)
業界K‑12(国際バカロレア認定校)
ビフォー教材の属人化・再利用困難でコーディネータ負担が大
アフターテンプレート化/Commons活用で教材再利用性が向上、年間で何百時間規模の工数削減

同校では2021年にCanvas LMSを導入し、約750名のユーザー(教職員150名、生徒600名目安)を対象とした教材管理の効率化を実現しています。3キャンパス横断でのコンテンツ標準化が必要な中、従来は教材作成の重複や再利用の困難さ、専門知識の属人化という課題を抱えていました。

Canvas導入により、コースやユニットのテンプレート化を推進し、Canvas Commons機能を活用して優良教材の共有流通を促進。年間で何百時間規模という大幅な工数削減を実現しています。Assignments、Analytics、Studio、Badgesなどの機能を組み合わせることで、学習の可視化と多面的評価も推進。

保護者向けの可視化機能により、資料や成績の閲覧性も向上させ、学習体験の質的向上と運用効率化を両立させています。

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収益性・新規事業を伸ばした事例(コスト最適化含む)

この分野では、以下の2つの事例をご紹介します。

  • 関東学院大学がmanabaで運用コスト削減を実現した事例
  • 立教大学がCanvas導入で運用設計・マニュアル整備を効率化した事例

関東学院大学がmanabaで運用コスト削減を実現した事例

manaba_関東学院大_200210_2

項目内容
企業名関東学院大学
業界大学(高等教育)
ビフォー旧LMSは高コスト・使い勝手課題、2代目はクラウド非対応
アフター5か月導入・クラウド化で保守/運用コスト削減・問合せ減

同大学では段階的なLMS更新を通じて、最終的に大幅なコスト削減を実現しています。2008年の初代LMS(海外製)は高コストとサポート不足が課題で、2012年の2代目国内LMSもクラウド版未提供という制約がありました。

2017年10月にmanabaの導入を決定し、わずか5か月で2018年3月に本稼働を実現。クラウド化により保守費用を大幅に圧縮し、Azure AD連携で認証基盤を統合することで運用効率を向上させました。responなどの機能拡張により教育効果も向上し、8割の専任教員が活用する状況を達成。

問い合わせの減少、授業支援ボックス連携による採点・配布業務の効率化により、総合的な運用コスト削減を実現。BCP対応やDC移行の経緯も含め、費用対効果の高いシステム運用体制を確立しています。

立教大学がCanvas導入で運用設計・マニュアル整備を効率化した事例

002.pdf

項目内容
企業名学校法人立教学院 立教大学
業界大学(高等教育)
ビフォー既存LMS(Blackboard等)での機能拡張・運用負荷、学修支援の学内標準化が課題
アフター2022春:運用設計・連携開発/2022秋:63科目で先行運用/2023年度:全科目で本格運用

同大学のCanvas LMS導入プロジェクトは、運用設計とマニュアル整備の効率化による間接的なコスト削減効果を生んでいます。既存LMSでの機能拡張や運用負荷を解決するため、2022年春から体系的な運用設計と連携開発を開始。

63科目での先行運用を経て全科目展開するという段階的アプローチにより、トライアル・アンド・エラーのコストを最小化しました。学生向け・教員向けの詳細なマニュアル整備により、ヘルプデスク対応の効率化を実現。FD講習体制の構築と並行運用による安定性確保により、移行に伴うリスクコストも抑制。

Zoom、Turnitin等との連携機能により教学マネジメント基盤を統合し、複数システムの個別運用コストを削減。計画的な移行プロセスと充実したサポート体制により、長期的な運用効率向上とコスト最適化を実現しています。

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セキュリティ・ガバナンスを強化した事例

この分野では、以下の2つの事例をご紹介します。

  • 山口県教育委員会がマルチOS集中管理を実現した事例
  • 那須町教育委員会がJamf Proで1,700台のiPad管理を効率化した事例

山口県教育委員会がマルチOS集中管理を実現した事例

山口県教育委員会 導入事例|Microsoft GIGA スクールパッケージ

項目内容
企業名山口県教育委員会(県立高校 等)
業界自治体(教育委員会)/高等学校
ビフォー段階整備計画 → 短期一斉整備への切替が必要
アフターAutopilot+Intuneで迅速配備・集中管理、ASM併用でマルチOS運用

同県では知事表明を受けて2021年3月までの短期間で県立学校の1人1台端末整備を実現し、大規模なマルチOS管理体制を構築しています。

教育情報化推進室(11名体制)による一元推進により、生徒用23,000台(Surface Go 2)、教員用2,500台(Surface Pro 7)、特別支援約2,000台(iPad)の合計2万5千台超を管理。Windows AutopilotとMicrosoft Intuneによる集中管理により、短期一斉整備を実現しました。

特筆すべきはApple School Manager(ASM)も併用し、WindowsとiPadという異なるOSを統合的に管理している点。教育現場初となるAutopilot事前プロビジョニングの大規模展開により迅速な配備を実現し、Intuneによる集中管理で運用を平準化。Microsoft 365の活用も推進し、セキュリティ確保と利便性向上を両立させています。

那須町教育委員会がJamf Proで1,700台のiPad管理を効率化した事例

1700台の「一人一台iPad」を管理 那須町のICT教育を支えるJamf Pro

項目内容
企業名那須町教育委員会(栃木県)
業界自治体(教育委員会)/初等・中等教育
ビフォーMDMなしでアプリ配布・更新に時間、新規活用が滞留
アフターJamf ProでSelf Service等を活用し、配布・年度更新を効率化

同町では2015年からICT整備を段階的に進め、2021年の1人1台達成時にiPad 1,700台をすべてセルラーモデルで導入し、Jamf Proによる大規模管理を実現しています。従来はMDMが未整備でアプリ配布やOS更新が手作業中心となり、新しい活用が滞る課題がありました。

Jamf Pro導入により、Self Service機能で現場主導のアプリ導入が可能になり、デバイスグループ機能による効率的な管理を実現。API連携により運用の自動化も推進しています。

セルラーモデルの採用により「いつでもどこでも学べる」環境を構築し、Google Workspace、Microsoft 365、各種学習アプリ(ロイロノート、Qubena、iMovieなど)のマルチサービス併用を支える基盤として機能。

1,700台という大規模環境でありながら、クラウド管理により運用負荷を抑制し、教育現場の多様なニーズに対応できる柔軟なシステム運用を実現しています。

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教育業界においてDX導入を成功させるポイント

教育DXプロジェクトを確実に成功させるためには、計画段階から運用開始まで体系的なアプローチが必要です。以下の5つのポイントを押さえることで、失敗リスクを大幅に軽減できます。

経営・現場・IT・法務の連携体制を構築

教育DXの成功には、組織横断的な推進体制が不可欠です。経営層は予算確保と意思決定、現場教職員は要件定義と運用設計、IT部門は技術選定と保守体制、法務部門は契約とコンプライアンス確認を担当。

山口県教育委員会では教育情報化推進室(11名体制)による一元推進により、2万5千台超の大規模導入を成功させています。各部門の責任範囲を明確化し、定期的な進捗共有会議を設置することで、プロジェクト全体の統制を図ります。

現実には、IT部門が存在しない公立小中学校や小規模私立校がほとんどです。そういった環境では「IT部門」の役割をベンダーまたは外部のICT支援員に委ねることになりますが、そのベンダー依存度が高すぎると、担当者が変わった瞬間に運用が崩壊するケースを何度も見てきました。IT部門がない学校ほど、導入時に「内製化できる運用手順書の整備」を契約に盛り込むことを強く推奨します。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

要件定義と調達方式の最適化

システム選定では、教育現場の実際のニーズを反映した要件定義が成功の鍵を握ります。機能要件だけでなく、非機能要件(性能、可用性、拡張性)も詳細に規定。調達方式では、公開調達、指名競争、随意契約のメリット・デメリットを比較検討し、事業規模と緊急度に応じて選択します。

慶應義塾大学のCanvas LMS導入では、3か月という短期導入を実現するため、クラウドネイティブな構成を前提とした要件設定を行いました。

ニューラルオプト編集部

仕様書作成では、ベンダーロックインを避ける標準規格の採用や、将来の機能拡張への対応可能性も明記することが重要です。

仮説検証型のPoC設計

本格導入前の概念実証(PoC)では、明確な仮説設定と検証指標の定義が必要です。期間は3~6か月程度に設定し、限定的なスコープで効果を測定。立教大学では63科目での先行運用により、全科目展開前に運用課題を特定し改善策を講じています。

検証項目は定量指標(利用率、作業時間短縮率)と定性指標(満足度、使いやすさ)の両方を設定。失敗した場合の撤退基準も事前に明確化し、意思決定の透明性を確保します。

デジタル庁・文部科学省等4省庁が2025年6月に公表した「教育DXロードマップ」でも、「エビデンスに基づく効果的な対応の推進」が明確に方針化されており、自治体・学校の教育データ利活用によるPDCAサイクルの構築が国策レベルで求められています。

出典: 教育DXロードマップ/デジタル庁・総務省・文部科学省・経済産業省/2025年

ニューラルオプト編集部

PoCの結果を基に本格導入の可否を判断し、投資リスクを最小化できます。

ID管理・端末・データ・権限の統合セキュリティ

教育機関では、生徒の個人情報や学習データを取り扱うため、包括的なセキュリティ対策が必須です。ID管理では、既存の校務系システムとの連携を考慮したSSO(シングルサインオン)の実装を検討します。

端末管理では、MDM(モバイルデバイス管理)による一元制御とセキュリティポリシーの適用が重要です。那須町教育委員会では、Jamf Proによる1,700台のiPad管理により、セキュリティ確保と運用効率化を両立しています。データ保護では、暗号化、バックアップ、アクセスログの取得を徹底しましょう。

ニューラルオプト編集部

権限管理では、教員、生徒、管理者の役割に応じた適切なアクセス制御を実装しておきましょう。

教員・保護者・労務関係者との合意形成

教育DXの定着には、関係者全体の理解と協力が不可欠です。教員に対しては、業務負荷軽減や教育効果向上のメリットを具体的に示し、段階的な研修プログラムを提供。静岡市教育委員会では、tetoru導入前に試験運用とアンケートを実施し、現場の不安を解消してから本格導入を実施しています。

保護者には、子どもの学習向上や連絡の利便性向上を訴求し、プライバシー保護への取り組みも併せて説明。労働組合や職員団体との調整では、労働条件への影響を事前に協議し、合意形成を図ることが重要です。

OECDが2025年に公表した教員のデジタル教育に関するポリシーペーパーでは、92件の実験・準実験研究のメタ分析を引用し、教員のICT研修を伴うデジタルツール導入は研修なしの場合と比較して生徒の学習成果により強い正の効果をもたらすことが示されており、ツール導入と合意形成・研修を一体的に設計することの重要性が国際的にも立証されています。

出典: Preparing teachers for digital education: Continuing professional learning/OECD/2025年

ニューラルオプト編集部

変化管理(チェンジマネジメント)の観点から、段階的な導入と継続的なコミュニケーションを重視しましょう。

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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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