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マルチモーダルAIとは?できること3種・活用事例12選をAI会社が紹介

マルチモーダルAI(複数の情報形式を同時に処理できる人工知能)は、画像、音声、テキストなどを組み合わせて分析することで、従来のAIでは解決できなかった課題に対応しています。

日本企業でも、製造業から金融業まで幅広い分野で実用化が進み、新規収益の創出、運用コストの削減、顧客体験の向上、最新技術による競争優位の獲得といった成果を上げています。

本記事では、国内の先進企業12社の具体的な導入事例を4つの軸で分類し、マルチモーダルAIがもたらす実際のビジネス効果を詳しく解説します。

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目次

マルチモーダルAIは複数の異なる情報を処理できるAI

マルチモーダルAI(複数の情報形式を同時に処理できる人工知能)は、テキスト、画像、音声、動画、センサーデータなどの複数のモダリティ(形式)を統合し、理解・分析・生成できる革新的なAI技術です。

従来のシングルモーダルAIが単一のデータ形式にのみ対応していたのに対し、マルチモーダルAIは人間が五感を使って世界を認識するのと同様に、複数の情報源を同時に活用して深層的な洞察を得ることができます。

Carnegie Mellonの2022年の論文によると、マルチモーダルAIには「異質性」「接続性」「相互作用」という3つの重要な特性があります。

From a research perspective, multimodal entails the computational study of heterogeneous and interconnected (connections + interactions) modalities. Firstly, modalities are heterogeneous because the information present in different modalities will often show diverse qualities, structures, and representations. Secondly, these modalities are not independent entities but rather share connections due to complementary information. Thirdly, modalities interact in different ways when they are integrated for a task.

「研究の観点から、マルチモーダルとは異質性と相互接続性(接続性+相互作用)を持つモダリティの計算研究を意味します。第一に、モダリティは異質性を持ちます。なぜなら、異なるモダリティに存在する情報は、しばしば多様な性質、構造、表現を示すためです。第二に、これらのモダリティは独立した実体ではなく、相補的な情報により接続性を共有しています。第三に、モダリティはタスクのために統合される際に、異なる方法で相互作用します。」

Section 2 “FOUNDATIONAL PRINCIPLES IN MULTIMODAL RESEARCH”, p. 1:3

異質性とはモダリティーの多様な性質や構造を指し、接続性は異なるモダリティー間で共有される補足情報、相互作用はさまざまなモダリティーを組み合わせた際に起こる相乗効果を表しています。

複雑な状況を理解できる

マルチモーダルAIは、異なる種類のデータを組み合わせることでデータの関連性を学習し、単一のデータでは得られなかった洞察を導き出すことができます。これにより、従来のAIでは対応が困難だった複雑な状況判断が可能になります。

たとえば、製造業における設備監視では、カメラによる映像と振動・温度などのセンサーデータを同時に解析し、「機械の揺れ方+異音+温度変化」などを総合的に判断して故障予兆を検知できます。

このような多面的な情報統合により、単一センサーでは見逃してしまう微細な異常パターンも捉えることが可能です。

防犯カメラの分野では、映像に加えて「不審な物音」「物騒な言葉」などの音声データもあわせて解析し、より的確な状況判断を行います。従来の映像のみの監視システムと比較して、音響情報を統合することで異常事態の発生をより高精度に察知できるようになっています。

高度な情報を生成できる

マルチモーダルAIの生成能力は、従来のAIの概念を大きく拡張します。

テキストから画像や音声、動画といったデータを出力可能で、複数のデータ種別を組み合わせた多言語翻訳やデータ分析といった用途でも活用できます。

最新モデルの「GPT-4o」の「o」は「Omnimodel(オムニモデル)」のことで、テキストや音声、画像、映像といった複数の異なるデータをシームレスに同時処理できます。従来までのモデルに比べて、特に音声認識や画像生成における進化がめざましく、人間のような流暢かつ最適な応答速度で音声会話が成立します。

コンテンツ制作分野では、「この商品画像に合うキャッチコピーを考えて」「このスライドにナレーションをつけて」など、マルチモーダルAIが視覚情報とテキスト指示を理解し、プロ仕様の出力を生成します。これにより制作工数が大幅に削減され、非デザイナーでも高品質な出力が可能になります。

より高精度に予測・検知できる

マルチモーダルAIシステムは、さまざまなモダリティーを活用することで、画像認識、言語翻訳、音声認識などのタスクで、より高い精度と信頼性を実現できます。

複数のデータソースから得られる豊富な情報により、従来のシングルモーダルAIでは達成困難な高精度な予測・検知が可能になります。

さまざまな種類のデータを統合することで、より多くのコンテキストを把握し、曖昧さを減らすことができ、ノイズや欠損データに対して回復力が高まっています。信頼性の低い、あるいは利用できないモダリティが1つある場合でも、システムはパフォーマンスを維持するために他のモダリティを利用することができます。

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【新規収益を創出】マルチモーダルAIの活用事例

この分野では、以下の3つの事例をご紹介します。

  • Ideinが開発した「LLM App on Actcast」によるPoC期間短縮と新規ビジネス創出
  • 資生堂×playknotの「未来の肌シミュレーションAI」による体験価値向上
  • パナソニックHDの「HIPIE/SegLLM」による製造AI基盤のライセンス事業化

Ideinが新規案件を創出した事例

「LLM App on Actcast」開発の背景|公式ブログ|Idein(イデイン)株式会社 ― エッジAIのスタートアップ

項目内容
企業名Idein株式会社
業界エッジAIプラットフォーム
ビフォーPoC開発に時間・費用が掛かり新規案件が停滞
アフタープロンプト開発型テンプレートでPoC最短2週間、SaaS課金モデルで新収益

Idein株式会社は、エッジAI分野で画期的なソリューション「LLM App on Actcast」を開発しました。従来の画像AI導入では、モデル実装に多大な時間とコストが必要で、肝心のビジネス価値検証が後回しになるという課題がありました。

同社は、カメラやマイクなどのセンサーデータと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせたテンプレートを提供することで、この問題を解決。

特筆すべきは、非エンジニアでもプロンプト(AIへの指示文)を作成するだけでAIアプリケーションが試作できる点です。製造業ではメーター読み取りから異常検知まで、小売業では顧客行動分析など、多様な業界で導入が進んでいます。

PoC期間は従来の数ヶ月から最短2週間に短縮され、サブスクリプション課金モデルにより継続的な収益創出を実現しています。

資生堂×playknotが体験価値を向上させた事例

スキンビジュアライザー NOW |SHISEIDO によるパーソナライズドスキン分析

項目内容
企業名株式会社資生堂/株式会社playknot
業界ビューティーテック
ビフォー画一的シミュレーションでCV低迷
アフター個人別”未来肌”可視化で体験価値向上、店販・EC転換率UP

株式会社資生堂は、株式会社playknotと共同で「未来の肌シミュレーションAI」を開発しました。従来の汎用エフェクト型肌シミュレーションでは個人差を反映できず、購買転換率(CV)の向上に限界がありました。

この新システムでは、顔画像、生体データ、心理アンケートという3つの異なる情報を統合し、GANやDiffusion(拡散モデル)といった画像生成AIで個人に最適化された「未来の自分の肌」をリアルに可視化

Beauty Park来場体験とEC誘導を組み合わせたO2O(Online to Offline)戦略により、顧客の購買単価向上を実現しています。わずか5分の診断で、パーソナライズされた美容提案が可能になり、従来のカウンセリング体験を大幅に革新しました。

パナソニックHDが商用化を計画した事例

パナソニックHD、画像参照を可能にするインタラクティブセグメンテーション技術「SegLLM」を開発 |イノベーション/テクノロジー |会社案内 |プレスリリース |パナソニック ニュースルーム グローバル

項目内容
企業名パナソニック ホールディングス株式会社
業界製造・テック(AI基盤)
ビフォーモデル個別開発でライセンス化が困難
アフター多タスク対応モデルで社外提供を計画、IP収益創出

パナソニックホールディングス株式会社は、国際的な機械学習会議NeurIPS 2023で採択された「HIPIE」技術を基に、商用マルチモーダル基盤モデル「SegLLM」の開発を進めています。

従来は画像セグメンテーション(画像内の物体を領域ごとに分ける技術)ごとに個別モデルを作成する必要があり、多大なアノテーション(データへの注釈付け)工数とライセンス化の困難さが課題でした。

「SegLLM」は、LLMの知識を画像認識に転移することで、オープン語彙(任意の単語)に対応する単一モデルを実現。現場でのアノテーション工数を90%削減し、実装作業時間を10分の1に短縮することに成功しています。

2026年度には商用SDKの提供を予定しており、製造・ロボティクス分野での新たなIP(知的財産)収益源として期待されています。

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【運用コストを大幅に削減】マルチモーダルAIの活用事例

この分野では、以下の4つの事例をご紹介します。

  • 富士通の「映像解析型AIエージェント」による製造現場の巡視工数削減
  • メルカリの「不正出品マルチモーダル検知」による審査業務効率化
  • ZAICOの「撮るだけ在庫管理」による棚卸時間短縮
  • Specteeの「Spectee Pro」による防災情報収集の自動化

富士通が巡視工数を削減した事例

富士通、安全・安心・効率的な現場の職場を支援する映像解析AIエージェントを開発 : 富士通

項目内容
企業名富士通株式会社
業界製造/建設・現場DX
ビフォー人手巡視と二重チェック
アフター動画×文書LLMが不安全行動を自律検知、巡視工数▲30%

富士通株式会社は、製造・建設現場の安全管理を革新する「映像解析型AIエージェント」を開発しました。従来はカメラ映像だけでは不安全行動をAIが正確に検知できず、人手による巡視と二重チェックが必要で、多大なコストが発生していました。

同社のソリューションは、映像データと作業指示書などのテキスト文書を組み合わせて学習したマルチモーダルLLMを活用。3D空間推定技術と組み合わせることで、初見の現場でも適応する自己学習型システムを実現しています。

動画から距離を推定し、LLMでリスクに関する質問を自動生成してファインチューニング(追加学習)を行う仕組みが特徴的です。現在、建設・物流・製造業でPoC(概念実証)を進めており、2025年度にはソリューション提供を予定。改善工数30%削減を目標に掲げています。

メルカリが審査業務を効率化した事例

禁止品検知のためのマルチモーダル情報融合 |メルカリエンジニアリング

項目内容
企業名株式会社メルカリ
業界EC/マーケットプレイス
ビフォー単モーダル判定で検知漏れ・審査遅延
アフター画像+テキスト統合モデルで人手レビュー▲30%

株式会社メルカリは、急増する出品に対応するため「不正出品マルチモーダル検知」システムを2019年に導入しました。従来の画像またはテキスト単独による判定では、違反商品の取りこぼしや審査遅延が発生し、法令違反やブランド侵害の早期遮断が困難でした。

同社は100万件超の学習データを活用し、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とWord Embeddingsを融合したマルチモーダルモデルを構築。画像とテキストをLate-Fusion(後期融合)方式で統合することで、検知精度を大幅に向上させました。

その結果、人手レビュー件数を30%削減することに成功。Human-in-the-Loop(人間参加型)の継続学習システムにより、新しい違反パターンにも自動で対応しています。ResNet-50とGRUを組み合わせた技術により、世界初規模のマルチモーダル違反検知を実現しました。

ZAICOが棚卸時間を短縮した事例

写真を“撮るだけ”でAIが物品を特定する新機能!棚卸や入出庫がカンタンに | プレスリリース | クラウド在庫管理システム(アプリ)zaico

項目内容
企業名株式会社ZAICO
業界SaaS/在庫管理
ビフォー手入力15秒/品
アフター撮影+OCRで1秒/品、棚卸時間1/15

株式会社ZAICOは、中小企業向けクラウド在庫管理システムに「撮るだけAI在庫管理」機能を追加しました。従来の手入力やバーコード依存の運用では、1品あたり平均15秒の記録時間が必要で、バーコードがない商品では誤登録も頻発していました。

新機能では、スマートフォンで商品を撮影するだけで、画像認識とOCR(光学文字認識)の二段階AIが自動で物品を特定。97%の高精度で商品を識別し、記録時間を15分の1に短縮することを実現しています。

MobileNetベースの軽量な画像認識モデルとTesseract OCRを組み合わせることで、既存のバーコード運用とのシームレスな切り替えも可能。既存有料プランへの無償アップデートとして提供され、導入企業では即日利用開始できる利便性も評価されています。

Specteeが防災情報収集を自動化した事例

Spectee Pro | SNS x AI 防災・危機管理ソリューション | 【公式】スペクティ(株式会社Spectee)

項目内容
企業名株式会社Spectee
業界公共・防災SaaS
ビフォー多源情報を手作業30分収集
アフターSNS/動画/気象を統合解析し1分通知、自治体運用費▲40%

株式会社Specteeは、自治体・企業向けリアルタイム防災システム「Spectee Pro」を提供しています。従来、防災担当者はSNS、道路カメラ、気象情報などを別々に監視し、災害情報の収集と整理に平均30分以上を要していました。この手作業による初動遅延と人員コスト肥大が大きな課題でした。

「Spectee Pro」は、X(旧Twitter)のテキスト・画像、全国1万台以上の道路・河川カメラ映像、気象庁APIデータを同時にAI解析。CLIP系の画像-テキスト統合モデルとTransformer時系列予測を活用し、危機情報を最短1分で通知します。

自然言語処理と画像認識でフェイク情報を自動除外し、誤検知率を10%未満に抑制。全国自治体の7割、民間企業800社超が導入し、年間運用コストを40%削減する実績を上げています。

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【顧客体験(UX)を向上】マルチモーダルAIの活用事例

この分野では、以下の3つの事例をご紹介します。

  • KDDI×NICTの「MICSUS」による介護面談業務の効率化
  • トヨタの「Advanced Drive」による運転支援体験の向上
  • 佐賀銀行×Liquidの「eKYC JPKI+」による本人確認手続きの簡素化

KDDI×NICTが介護業務を効率化した事例

高齢者向け対話AIでケアマネジャー面談業務時間の7割削減に成功|2023年|NICT-情報通信研究機構

項目内容
企業名KDDI株式会社/NICT
業界介護・ヘルスケア
ビフォー訪問面談80件/月
アフターぬいぐるみ端末対話で面談・記録時間▲70%

KDDI株式会社と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、介護人材不足解消に向けた「MICSUS」対話AIシステムを共同開発しました。従来、ケアマネジャーは1人当たり月80件の訪問面談を実施し、記録作業が全業務の25%を占めるという課題がありました。

システムの核となるのは、音声、表情、生活音を統合解析するマルチモーダル対話AI。ぬいぐるみ型端末とスマートフォンを組み合わせ、高齢者との自然な対話を通じて健康状態や生活状況を把握します。

厚生労働省手法に準拠した質問テンプレートにより品質を担保しつつ、面談と記録時間を70%削減することに成功。地方自治体(高知県日高村)での実証を経て、全国展開を検討しています。音声認識、感情解析、表情認識を組み合わせたEdge-AI推論により、プライバシーに配慮した処理を実現しています。

トヨタが運転支援体験を向上させた事例

トヨタ、ドライバーとクルマが共に走れる「アドバンスト・ドライブ」を搭載したLSとミライを日本で発売 |コーポレート |グローバルニュースルーム |トヨタ自動車株式会社 グローバル公式サイト

項目内容
企業名トヨタ自動車株式会社
業界自動車/モビリティ
ビフォーレベル2支援で疲労・安全課題
アフターカメラ+LiDAR+ドライバー監視で渋滞ハンズオフ、疲労軽減

トヨタ自動車株式会社は、「安全と運転の楽しさ両立」を目指し、世界初の量産車搭載AI「Advanced Drive(Toyota/Lexus Teammate)」を開発しました。従来のレベル2運転支援では、センサー単独学習による渋滞時の疲労や安全性に課題が残っていました。

Advanced Driveは、カメラ、レーダー、LiDARといった外界センサーとドライバー状態監視を統合したマルチモーダルAIシステム。ディープラーニング画像認識とNVIDIA SoCを活用した統合ECUにより、車線維持、自動分岐、ドライバー監視を同時に実行します。

特筆すべきは、車とドライバーが双方向”対話”する「Perceptive & Interactive」な設計思想です。OTA(Over-The-Air)アップデートにより機能が継続進化し、ユーザー体験を延伸。2021年4月にLexus LSとMiraiに搭載開始し、国土交通省の型式指定も取得しています。

佐賀銀行×Liquidが本人確認を簡素化した事例

佐賀銀行にオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」の公的個人認証などを提供 – 株式会社Liquid(リキッド)

項目内容
企業名株式会社佐賀銀行/株式会社Liquid
業界金融(地方銀行)
ビフォー本人確認1日&離脱率15%
アフターマイナIC+顔署名で5分完了、離脱率▲50%

株式会社佐賀銀行は、株式会社Liquidと共同で、地方銀行初となるマイナンバーカード連携型本人確認システム「さぎんアプリ × LIQUID eKYC (JPKI+)」を導入しました。従来の口座開設では、本人確認書類撮影と自撮りが必須で、離脱率15%超、審査に最長1日を要していました。

新システムでは、マイナンバーカードのICチップ読み取り、顔認証、暗証番号入力という3つの要素を組み合わせた公的個人認証(JPKI)を活用。CNN顔認証、OCR、公的個人認証APIを統合したマルチモーダルAIにより、最短5分での口座開設を実現しています。

画像品質をリアルタイムで診断し再撮影率を60%削減、月間200万件の処理能力を確保。顔画像電子署名により真正性を保証し、なりすまし不正を抑止する仕組みも備えています。初期費用5万円、月額3万円からの導入しやすい料金設定も特徴です。

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【最新技術の実装で競争優位に】マルチモーダルAIの活用事例

この分野では、以下の2つの事例をご紹介します。

  • NECの「Bio-IDiom Multimodal Device」による世界最高精度の生体認証
  • NEC×理研×日本医科大学の「電子カルテ×AI」による医療データ統合分析

NECが世界最高精度の生体認証を実現した事例

マルチモーダル生体認証ソリューションを提供開始:プレスリリース |NECの

項目内容
企業名日本電気株式会社(NEC)
業界セキュリティ/決済
ビフォー単一認証は誤認&接触課題
アフター顔+虹彩統合で誤認率10⁻¹⁰、マスク対応

日本電気株式会社(NEC)は、サイバー攻撃の高度化に対応するため「Bio-IDiom Multimodal Device」を開発しました。従来の単一生体認証やICカードでは、誤認証や接触・待ち時間の課題が残存していました。

同製品は、世界No.1精度の顔認証技術と虹彩認証技術を統合した国内初のマルチモーダル生体認証ソリューションです。CNNベースの顔認証とNIST評価1位アルゴリズムによる虹彩検出を組み合わせ、誤認証率1/100億(10⁻¹⁰)という極めて高い精度を実現。

マスク着用時でも一瞬で認証できる非接触・ハンズフリー設計により、感染症対策にも対応しています。REST APIにより既存の入退管理や決済システムとの連携も容易で、350人規模のイベントでの先行実証では即時導入性が確認されました。研究所や国際イベント会場などのハイセキュリティ環境での活用が期待されています。

NEC×理研×日本医科大学が医療AI分析を高度化した事例

NEC 、理化学研究所、日本医科大学、電子カルテとAI技術を融合し医療ビッグデータを多角的に解析 (2023年6月13日): プレスリリース | NEC

項目内容
企業名NEC・理化学研究所・日本医科大学
業界医療ビッグデータ
ビフォー単一検査AIで精度不足
アフター画像+EHR+検査値を統合し再発予測精度向上

NEC、理化学研究所、日本医科大学は、日本初の臨床マルチモーダルAIシステム「電子カルテ×AI」を共同開発しました。従来のAI診断は単一検査(画像のみなど)に限定され、診療データを統合できないため精度向上に限界がありました。

このシステムは、EHR(電子健康記録)、医用画像、検査値という3つの異なるデータソースを同時解析し、前立腺がんの再発リスクを高精度で予測します。理研の画像解析技術とNECのデータ統合プラットフォームを連携させ、CNTK派生CNNとXGBoost特徴選択、EHR標準FHIRを採用。

複数大学病院のデータを横断活用することで、医師が検証した”解釈可能AI”として臨床現場での導入を想定しています。2021-23年度のJSTムーンショット支援を受けた研究成果として、今後はがん種の拡大と医療費削減効果の検証を予定しています。

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マルチモーダルAI導入を成功させるポイント

マルチモーダルAIの導入を成功に導くためには、戦略的なアプローチが不可欠です。以下の5つのポイントを押さえることで、失敗リスクを最小限に抑えながら確実な成果を得ることができます。

ビジネス課題を明確化する

マルチモーダルAI導入の第一歩は、解決したい具体的なビジネス課題を明確にすることです。技術先行ではなく、「コスト削減」「売上向上」「顧客満足度改善」といった経営目標と直結する課題設定が重要。

例えば、先述の富士通事例では「人手巡視コストの削減」という明確な課題があったからこそ、映像とテキストを組み合わせた解決策が生まれました。

ニューラルオプト編集部

課題が曖昧なままプロジェクトを開始すると、開発途中で方向性が迷走し、投資対効果が不明確になるリスクがあります。

PoC範囲を適切に設定する

PoC(概念実証)では、全体最適化よりも特定業務・特定部門での限定的な検証を重視します。ZAICOの在庫管理AIのように、「棚卸作業」という具体的な業務に焦点を絞ることで、短期間で効果測定が可能になります。

ニューラルオプト編集部

範囲を広げすぎると検証期間が長期化し、変化の激しいAI技術に追いつけなくなる危険性があります。

小規模で迅速に検証する

マルチモーダルAIは技術の進歩が速いため、完璧を求めず小規模での迅速な検証を重視すべきです。Ideinのプロンプト開発型PoCのように、最短2週間での価値検証を目指すことで、市場変化への対応力を維持できます。

ニューラルオプト編集部

大規模な初期投資を避け、段階的にスケールアップする戦略が成功の鍵となります。

ステークホルダーを巻き込む

AI導入は技術部門だけでなく、現場業務担当者、経営陣、顧客など多様なステークホルダーの理解と協力が必要です。KDDI×NICTの介護システムでは、ケアマネジャーという現場担当者のニーズを深く理解したからこそ、実用的なソリューションが生まれました。

ニューラルオプト編集部

初期段階からステークホルダーを巻き込み、継続的なフィードバックを得る体制構築が重要です。

成果指標(KPI)を事前設定する

定量的な成果指標を事前に設定し、客観的な効果測定を可能にします。メルカリの「人手レビュー30%削減」、ZAICOの「記録時間15分の1短縮」のように、具体的な数値目標があることで、プロジェクトの成否を明確に判断できます。

ニューラルオプト編集部

売上向上、コスト削減、処理時間短縮など、ビジネスインパクトを直接測定できる指標設定が不可欠です。

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マルチモーダルAIならニューラルオプト

マルチモーダルAI導入を検討されている企業様には、株式会社ニューラルオプトをお勧めします。当社は、世界的生成AIであるChatGPTの開発に携わるAI開発企業として、日本で展開されているChatGPTの技術基盤に深く関与しています。

単なる開発委託ではなく、「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、課題解決コンサルティングから始まる総合的な支援を提供。ビジネス課題の特定から解決策の提案、組織への定着支援、運用改善まで一貫してサポートします。

データサイエンス領域での豊富な知見を活かし、データマイニングやテキストマイニングなどの高度な分析も対応可能です。

ECサイト「eBay」の価格自動設定AI開発や手書き文字のAI認識システム構築など、多様な業界での実績を有しています。マルチモーダルAI導入で失敗リスクを抑えたい、課題解決から相談したいとお考えの企業様は、ぜひニューラルオプトにご相談ください。確実な成果創出に向けて、戦略的なパートナーシップを築かせていただきます。

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【ご相談時の提案資料例】

低コスト・堅実な進め方

費用対効果や
損益分岐点の計算

目的に応じた
必要な機能要件一覧

コンセプト設計
(サービス開発の場合)


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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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