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農業のDX事例15選!収量予測や工数削減、品質の安定化など効果別

農業分野でもデジタル技術の活用が急速に進んでいます。従来の勘や経験に頼った農業から、データに基づく効率的な農業への転換が各地で始まっており、収益向上や省力化、品質安定化などの成果を上げています。

本記事では、実際に成果を出している農業DX事例を5つの観点から15事例紹介し、それぞれの取り組み内容と成果をお伝えします。

DX事例をより広く取り上げている記事もぜひ合わせてご覧ください。

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目次

収益を伸ばした事例

収益向上を実現した農業DX事例として、以下の3つの取り組みをご紹介します。

  • カゴメのAI収量予測システム
  • スプレッドの植物工場IoT統合システム
  • Chigasaki Organic Farmの産直プラットフォーム活用

カゴメがAI収量予測で計画精度を向上させた事例

カゴメニュースリリース

項目内容
企業名カゴメ
業界施設園芸(トマト)
ビフォー収量の先読みが難しく需給調整が勘頼み
アフターAI収量予測(最大5週先)で計画精度向上・欠品/過剰の抑制に寄与

カゴメでは、トマト栽培における収量予測の精度向上にAI技術を導入しました。従来は経験や勘に頼った需給調整を行っていましたが、栽培データと機械学習を組み合わせることで、最大5週間先までの収量を予測できるシステムを構築。

このシステムにより、需要に対する適切な生産計画の立案が可能となり、欠品や過剰在庫のリスクを大幅に軽減できました。自社で蓄積した栽培データを活用することで、実運用に耐える精度の高い予測を実現している点が特徴的です。

スプレッドがIoT統合で植物工場の収益性を両立させた事例

news_20201209.pdf

項目内容
企業名スプレッド(Techno Farmけいはんな)
業界植物工場(葉物)
ビフォー大規模化で品質安定・採算化が課題
アフター稼働率99%、日産3万株、水再利用約9割/消費電力3割削減で安定供給と収益性を両立

スプレッドが運営するTechno Farmけいはんなでは、植物工場の大規模運用において、IoT技術と環境制御、自動化システムを統合的に活用しています。この取り組みにより、稼働率99%という高い安定性を実現し、日産3万株の大量生産を可能にしました。

また、水の再利用率を約9割まで高め、消費電力を従来の3割まで削減することで、環境負荷の軽減と同時にコスト削減も実現。安定供給と収益性の両立という、植物工場の課題を解決した成功事例として注目されています。

Chigasaki Organic Farmが産直プラットフォームで顧客との関係を強化した事例

農業DXの事例紹介(2)オンライン直売所を通じた顧客と生産者のダイレクトな交流:農林水産省

項目内容
企業名Chigasaki Organic Farm × 食べチョク
業界D2C(露地野菜)
ビフォー対面中心で顧客データが乏しい
アフター顧客と直接つながる販路で需要把握→作付/商品構成に反映、再購入促進

茅ヶ崎のオーガニックファームでは、食べチョクという産直プラットフォームを活用して販路のデジタル化を進めました。従来の対面販売中心の販路では顧客データの蓄積が困難でしたが、プラットフォームを通じて顧客と直接つながることで、購買傾向や需要の把握が可能に。

収集したデータを作付け計画や商品構成に反映させることで、顧客ニーズに合った生産を実現し、再購入率の向上につなげています。産直プラットフォームを単なる販路としてではなく、顧客データ収集と分析のツールとして活用した事例です。

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コスト・工数を削減した事例

作業効率化とコスト削減を実現した農業DX事例として、以下の3つの取り組みをご紹介します。

  • S農園が水田farmoで水管理工数を大幅削減した取り組み
  • クボタケミックスWATARASによる稲作省力化システム
  • アグリサポート美馬のドローン・ロボット活用による平準化

S農園が水田farmoで水管理工数を大幅削減した事例

smajirei_2019-391.pdf

項目内容
企業名S農園(北海道) × 水田farmo
業界稲作
ビフォー巡回・夜間の水管理が負担(1.4h/10a)
アフター自動給水+遠隔監視で0.04h/10a へ

北海道のS農園では、水田farmoの自動給水システムを導入することで、水管理にかかる労働時間を劇的に短縮しました。

従来は10アール当たり1.4時間かかっていた巡回や夜間の水管理作業が、自動給水と遠隔監視システムにより0.04時間まで削減され、約97%の工数削減を実現。このシステムは設置が簡便で、既存の水田にも導入しやすい点が特徴です。夜間や悪天候時の見回り作業からも解放され、農家の負担軽減と作業の安全性向上にも大きく寄与しています。

クボタケミックスWATARASで稲作の省力化を実現した事例

No.42-setsumei16.pdf

項目内容
企業名クボタケミックス「WATARAS」
業界稲作
ビフォー手動水管理で見回り・夜間対応が多い
アフター労力平均87%削減/収量+6%(実証)

クボタケミックスが開発したWATARASは、水田の水管理を自動化するシステムです。従来の手動による水管理では、頻繁な見回りや夜間対応が農家の大きな負担となっていました。

WATARASの導入により、スケジュール運転機能とLoRa/LTE-M通信を活用した遠隔監視が可能となり、実証試験では平均87%の労力削減を達成。さらに適切な水管理により収量も6%向上しました。履歴データのダウンロード機能も備え、作業記録の自動化も実現しています。

アグリサポート美馬がドローン・ロボットで繁忙期を平準化した事例

smajirei_2019-387.pdf

項目内容
企業名アグリサポート美馬(徳島)
業界水稲ほか
ビフォー中山間地で筆数多・移動負担がボトルネック
アフタードローン防除(34ha)×自走ロボトラで繁忙期平準化・省力化

徳島県のアグリサポート美馬では、中山間地特有の小さな圃場が点在する条件下で、ドローンによる防除作業と自走式ロボットトラクターを組み合わせた省力化を実現しました。

従来は筆数が多く、圃場間の移動負担が大きな課題でしたが、34ヘクタールにわたるドローン防除の導入により、繁忙期の作業を平準化。段階的な導入により現場に適した運用方法を確立し、中山間地域でも効率的な営農を可能にしています。

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品質・歩留まり・安定供給を改善した事例

生産の安定性と品質向上を実現した農業DX事例として、以下の3つの取り組みをご紹介します:

  • さいとうFARMのロボット搾乳・牛群管理システム
  • 宮崎県の環境データ共有基盤による産地標準化
  • ヤンマーのロボット・オートトラクターによる精密作業

さいとうFARMがロボット搾乳で品質安定化を実現した事例

農業DXの事例紹介(4)データを活用した牛群管理・個体選抜:農林水産省

項目内容
企業名さいとうFARM(北海道中標津)
業界酪農
ビフォー手作業中心で群管理・標準化が難しい
アフターロボ搾乳+牛群管理データで個体評価・省力化・品質安定

北海道中標津のさいとうFARMでは、ロボット搾乳システムと牛群管理データを組み合わせることで、酪農経営の効率化と品質安定を両立させています。

従来の手作業中心の管理では、個体ごとの詳細な状態把握や管理の標準化が困難でした。ロボット搾乳の導入により、個体別の乳量や健康状態データを自動収集し、データに基づいた飼養管理を実現。これにより省力化を図りながら、牛乳の品質安定と生産効率の向上を同時に達成しています。

宮崎県が環境データ共有で産地全体の底上げを図った事例

みやざき施設園芸デジタル化推進プロジェクト(Dプロ)/ひなたMAFiN

項目内容
企業名宮崎県(Dプロ/ミライズ)
業界施設園芸
ビフォー勘・経験に依存、産地内でばらつき
アフター環境データ共有基盤で設定値の標準化→産地全体の底上げ

宮崎県では行政主導で環境データ共有基盤を構築し、施設園芸における技術の標準化を推進しています。従来は個々の農家が勘や経験に頼った栽培を行っていたため、産地内での品質や収量にばらつきが生じていました。

共通のデータベースとアプリケーションを通じて環境設定値を共有することで、優良な栽培技術を産地全体に普及。経験の浅い農家でも適切な環境制御を行えるようになり、産地全体の技術レベルと生産品質の底上げを実現しています。

ヤンマーのロボット・オートトラクターで作業精度を向上させた事例

実証事例|ロボット/オートトラクター YT488R・YT498R・YT4104R・YT5114R|トラクター|製品・サービス|農業|ヤンマー

項目内容
企業名ヤンマー ロボット/オートトラクター
業界畑作
ビフォー繁忙期に適期作業が逼迫、精度が人依存
アフターうね立て64%時短(1.00→0.36h/10a)、耕起75%時短等

ヤンマーのロボット・オートトラクターシステムでは、自動直進機能と夜間作業の活用により、畑作業の効率化と精度向上を実現しています。

従来は繁忙期に適期作業が集中し、作業精度も作業者に依存していました。自動化技術の導入により、うね立て作業は10アール当たり1.00時間から0.36時間へと64%の時間短縮を実現。耕起作業では75%の時間短縮を達成しました。夜間作業も可能になったことで作業の平準化が図られ、適期作業の確実な実施と品質の安定化につながっています。

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リスク・法令/監査対応を強化した事例

安全性の向上と法令遵守を強化した農業DX事例として、以下の3つの取り組みをご紹介します。

  • スタファームのpaditch遠隔水門制御システム
  • 滋賀県のBLASTAM病害予測システム
  • なおちゃんファームのKSAS圃場管理システム

スタファームがpaditch遠隔制御で安全性を向上させた事例

農業DXの事例紹介(11)水門管理自動化システムの活用による省力化、生産性の向上:農林水産省

項目内容
企業名有限会社スタファーム × paditch
業界稲作
ビフォー豪雨・夜間の現地開閉が負担・安全面リスク
アフター遠隔/自動水門+アラートで安全・省力化

有限会社スタファームでは、paditch社の遠隔水門制御システムを導入することで、豪雨時や夜間の水門操作における安全性を大幅に向上させました。

従来は現地での手動開閉が必要で、悪天候時の作業は農家にとって大きな負担と安全リスクとなっていました。遠隔操作と自動制御機能により、危険な現地作業を回避しながら適切な水位管理が可能に。アラート機能も搭載され、緊急時の迅速な対応も実現しています。特に大規模経営や離れた圃場を管理する農家にとって有効なソリューションです。

滋賀県がBLASTAM予測で農薬使用量を削減した事例

240404-2.pdf

項目内容
企業名滋賀県 × 農研機構(BLASTAM)
業界稲作
ビフォー病害発生のタイミング把握が難しく過剰/見逃し
アフター発生予察で適期防除、農薬5割削減事例

滋賀県では農研機構と連携してBLASTAMシステムを活用し、いもち病の発生予察による適期防除を実現しています。従来は病害発生のタイミングが把握しにくく、予防的な過剰散布や発生時期を見逃すケースが発生していました。

気象データと病害発生モデルを組み合わせた予測システムにより、最適な防除タイミングを特定。実証では農薬使用量を5割削減する事例も報告されています。環境負荷軽減と経営コスト削減を両立させながら、効果的な病害管理を実現した取り組みです。

なおちゃんファームがKSASで監査対応を強化した事例

圃場管理も申請書類の準備もKSASが便利|導入事例|クボタ営農支援システムKSAS|農業ソリューション製品サイト|株式会社クボタ

項目内容
企業名なおちゃんファーム × KSAS
業界稲作
ビフォー圃場位置・品種把握や申請書類作成が煩雑
アフター圃場マップ/日誌出力で申請・トレース省力化、収量データ自動連携

なおちゃんファームでは、クボタのKSAS(クボタスマートアグリシステム)を導入することで、圃場管理と各種申請業務の効率化を図っています。従来は圃場位置や品種情報の把握、申請書類の作成が煩雑で時間がかかっていました。

KSASにより圃場マップの自動生成や作業日誌の出力が可能となり、各種申請やトレーサビリティ対応が大幅に省力化。収量データの自動連携機能により、データ一元管理も実現し、監査対応の強化につながっています。

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新規価値・サービスを創出した事例

新たなビジネスモデルやサービスを創出した農業DX事例として、以下の3つの取り組みをご紹介します。

  • 食べチョクドットミィの物流革新モデル
  • 佐賀県のドローン・AI解析によるピンポイント防除
  • JA福岡市東部のe-kakashi技術継承システム

食べチョクがドットミィで産直の新モデルを構築した事例

食べチョク、新たに4名がCOO、CTO、CFO、執行役員に就任し、2名が監査役に就任。経営体制とコーポレートガバナンスを強化。 | 株式会社ビビッドガーデンのプレスリリース

項目内容
企業名食べチョク「ドットミィ」
業界産直D2C
ビフォー少量・単品の直販は配送負担がネック
アフター物流拠点集約×定期配送で”ネットスーパー型”の新UX

食べチョクでは「ドットミィ」サービスを通じて、従来の産直販売の課題を解決する新しいビジネスモデルを構築しました。従来の産直販売では少量・単品での配送が中心で、配送コストが大きな負担となっていました。

物流拠点を集約し定期配送システムを導入することで、ネットスーパー型の新しいユーザー体験を創出。複数の生産者の商品をまとめて配送することで配送効率を向上させ、消費者にとってもより利用しやすい産直プラットフォームを実現しています。産直とまとめ配送を組み合わせた革新的なモデルです。

佐賀県がドローン・AI解析でピンポイント防除を実現した事例

佐賀で産官学が連携し、ドローン空撮で無農薬・減農薬栽培の害虫探し|利活用事例集|みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト – 内閣府

項目内容
企業名佐賀県 × 佐賀大学 × OPTiM
業界害虫監視(大豆等)
ビフォー広域で被害箇所特定が困難、散布が一律になりがち
アフタードローン×画像解析で被害位置を抽出、ピンポイント防除に活用

佐賀県では佐賀大学とOPTiMとの産学官連携により、ドローンと画像解析技術を組み合わせた革新的な害虫監視システムを開発しました。従来は広域での被害箇所の特定が困難で、予防的な一律散布が行われがちでした。

ドローンによる空撮画像をAIが解析することで、害虫被害の発生箇所を正確に特定し、必要な場所にのみ農薬を散布するピンポイント防除を実現。農薬使用量の削減と効果的な防除を両立させた、環境に配慮した新しい防除手法として注目されています。

JA福岡市東部がe-kakashiで技術継承をデータ化した事例

e-kakashi

項目内容
企業名JA福岡市東部 × e-kakashi(イチゴ)
業界施設園芸
ビフォー属人的管理で新人の立ち上がりが遅い
アフター環境データ可視化×指導で増収・判断の平準化

JA福岡市東部では、e-kakashiシステムを活用してイチゴ栽培における技術継承の課題を解決しています。従来は熟練農家の栽培技術が属人的で、新規就農者や若手農家の技術習得に時間がかかっていました。

e-kakashiにより栽培環境データを可視化し、熟練農家の栽培ノウハウをデータとして蓄積。このデータをもとにした指導により、新人農家でも適切な栽培判断ができるようになり、増収と判断の平準化を実現。農業における技術継承をデジタル化した画期的な取り組みとして評価されています。

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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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