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AI外観検査の活用成功事例14選。費用対効果・運用の注意点も解説

製造業において、製品の品質を保つための外観検査は欠かせない工程です。しかし従来の人手による検査では、作業者の疲労による見落としや判定基準のばらつき、人材不足などの課題がありました。

近年、AI(人工知能)技術の進歩により、これらの課題を解決する外観検査の自動化が急速に普及しています。本記事では、日本の製造現場で実際にAI外観検査を導入し、成果を上げている14の事例を4つの軸で分類してご紹介します。

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目次

歩留まり・品質の安定化を実現した事例

品質の安定化を目的としたAI外観検査の導入事例をご紹介します。

・ロッテが菓子の外観検査でAI判定を実現した事例 ・淀川製鋼所がNG分類精度を向上させた事例
・JFEスチールが業界初の黒皮鋼材表面検査を自動化した事例 ・日立製作所が端子圧着検査で100%判別率を達成した事例 ・YE DIGITALの技術発表事例

ロッテが菓子の外観検査でリアルタイムAI判定を実現した事例

ロッテ狭山工場がお菓子の外観検査をAI(人工知能)で自動化|Shall we Lotte|お口の恋人 ロッテ

項目内容
企業名株式会社ロッテ
業界食品(菓子)
ビフォー欠け・割れ等の外観検査を人手で実施。個体差による基準のばらつきと人員確保が課題
アフターMMEyeでリアルタイム判定。GUIで最適化が容易、判別の均質化・データ蓄積が進む

ロッテ狭山工場では、2019年12月からAI画像判定サービス「MMEye」を導入し、菓子の外観検査を自動化しました。菓子類は環境条件によって仕上がりに個体差が出やすく、従来の人による目視検査では判定基準にばらつきが生じていたのが課題でした。

MMEyeの導入により、欠け・割れ・焼きムラなどの外観不良をリアルタイムで自動判定できるように。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)操作で現場スタッフが自律的に運用でき、判定データの活用により前工程の改善や食品ロス削減にも波及効果をもたらしています。

個体差の大きい食品にAI判定を適用し、検査の均質化と省人化を同時に実現した好例です。

淀川製鋼所がWiseImagingでNG分類精度向上を達成した事例

WiseImaging導入事例 株式会社淀川製鋼所様

項目内容
企業名株式会社淀川製鋼所
業界金属(表面処理鋼板)
ビフォー疵検査装置はあるが詳細なNG分類は人の目。誤検出もあり最終判断は熟練者に依存
アフターWiseImagingで複数NGの自動分類に挑戦。分類精度90%到達、インライン化へ

淀川製鋼所では、連続めっきラインの表面検査において、従来は疵検査装置があるものの、詳細なNG(不良品)の分類は人の目に頼っていました。客先ごとに要求品質やNG基準が多様で、高速ラインを人の目で追うには限界がありました。

CECの「WiseImaging」を導入し、4,000枚超の大量画像学習により複数NGの自動分類を実現。分類精度90%という実用レベルに到達し、インライン化への足場を構築しました。分類粒度を上げることで原因究明や改善にも寄与し、長尺・高速連続ライン対応の実運用に踏み出した事例として注目されます。

JFEスチールが業界初の黒皮鋼材表面検査自動化を実現した事例

新画像式表面検査技術の開発により、業界初の黒皮鋼材表面検査自動化を実現~目視検査工程の自動化による製品品質向上~ |JFEスチール株式会社

項目内容
企業名JFEスチール
業界鉄鋼(熱延・黒皮鋼材)
ビフォー黒皮鋼材の表面検査は目視が主流
アフター凹凸欠陥の検出が可能な新画像式表面検査技術を開発し、業界初の自動化を実現

JFEスチールでは、2019年11月に業界初となる黒皮鋼材の表面検査自動化技術を開発・発表しました。黒皮鋼材は高温・スケール(酸化皮膜)により表面性状が複雑で、従来は自動検査が困難とされていました。

新たに開発したツイン投光差分型検査技術により、凹凸欠陥を強調検出することが可能に。目視工程の自動化により品質向上を実現し、鉄鋼業界における表面検査の新たな標準を築きました。高温・複雑な表面性状という困難な条件下でも自動検査を可能にした技術革新として評価されています。

日立製作所が端子圧着検査で100%判別率を達成した事例

日立製作所:品質管理に Visual Inspection AI を利用した画像認識を導入し PoC で不具合判別率 100% を達成 | Google Cloud 公式ブログ

項目内容
企業名日立製作所(大みか事業所)
業界電機(制御盤/社会インフラ向け)
ビフォー目視中心で時間負担・見落としリスク
アフターGoogle Cloud Visual Inspection AIで不具合判別率100%(PoC)を確認

日立製作所の大みか事業所では、端子圧着の良否判定において、Google Cloud Visual Inspection AIを活用したPoC(概念実証)を実施。従来の目視検査では検査時間とヒューマンエラーが課題となっていました。

PoCでは不具合判別率100%という理想的な結果を確認し、学習には約100枚という少量データで作成可能という現場運用性も実証されました。

エッジPC(現場のコンピュータ)とクラウドを連携した構成で、モデル学習・配布からライン組み込みまでの仕組みも構築。端子圧着の不良(未圧着・ズレ・傷)などの検出において、理論上の上限性能を確認した貴重な事例です。

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省人化・検査工数削減を実現した事例

人手不足が深刻化する製造現場において、AI外観検査による省人化の取り組み事例をご紹介します。

・富山小林製薬が包装検査で検査員ゼロを実現した事例 ・トヨタとMusashi AIが量産ラインでAI外観検査を稼働させた事例

富山小林製薬が包装検査で検査員ゼロを実現した事例

富山小林製薬株式会社様 | WiseImaging | 導入事例 | シーイーシー VR+R

項目内容
企業名富山小林製薬株式会社
業界医薬・日用品(包装検査)
ビフォー光沢包装で過検出約30%・見逃し約20%。夜間含む検査員確保がボトルネック
アフター見逃し0%・過検出2%でインライン化。検査員ゼロで約3割の増産に対応

富山小林製薬では、光沢のある包装材のシール部検査において、従来の画像処理システムでは過検出約30%、見逃し約20%という精度の低さに悩まされていました。特に夜間を含む検査員の確保が困難で、増産計画の妨げとなっていました。

CECの「WiseImaging」を導入した結果、見逃し0%、過検出2%という驚異的な精度を実現。検査員を完全にゼロにしながら、約3割の増産にも対応できるインライン検査体制を構築しました。

既存のKEYENCE XG-Xとの連携により、適材適所のハイブリッド判定も実現。現場主導でのAIモデル内製化により、別ラインへの横展開も決定しており、持続的な改善体制を整えた模範的な事例です。

トヨタとMusashi AIが量産ラインでAI外観検査を稼働させた事例

Musashi AI、トヨタ自動車にAI外観検査機を導入 | ニュース | 武蔵精密工業株式会社

項目内容
企業名トヨタ自動車/Musashi AI(武蔵精密工業グループ)
業界自動車・自動車部品
ビフォー(公表なし。一般に同工程は最終外観の目視検査が中心)
アフタートランスミッション部品ラインにAI外観検査機を実装し、2020年12月より量産稼働

トヨタ自動車の本社工場では、武蔵精密工業グループのMusashi AIが開発したAI外観検査機を、トランスミッション部品の製造ラインに導入しました。2020年12月から量産稼働を開始し、その後も設備を増設しています。

高精度・複雑形状のパワートレイン部品において、従来の目視検査では作業負荷や判定のばらつきが課題でした。AI外観検査の導入により、「人にはもっと人らしい仕事を」という理念のもと、検査の自動化と判定の一貫性を両立。

トヨタという世界的な自動車メーカーの量産ラインでAI外観検査が本格稼働している事例として、業界全体への影響力も大きな取り組みです。

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異物混入・衛生・安全対策を強化した事例

食品安全や製品の安全性確保を目的とした、AI外観検査による異物検出・安全対策の事例をご紹介します。

・キユーピーがカット野菜の原料検査でAI化を実現した事例 ・アヲハタとニコンがジャムの異物検査を自動化した事例 ・ニチレイフーズが鶏肉の硬骨検出精度を向上させた事例 ・サントリーが原料の外観異常検知を自動化した事例

キユーピーがカット野菜の原料検査でAI化を実現した事例

AIを活用した原料検査装置をグループに展開 | ニュースリリース | キユーピー

項目内容
企業名キユーピー株式会社
業界食品(惣菜・原料検査)
ビフォーいちょう切りニンジンの全量目視検査。身体負荷が大きく、ばらつき/効率が課題
アフター自社開発のAI原料検査装置で自動化。作業効率向上と”働く人にやさしい工程”を実現

キユーピーでは、2019年1月からカット野菜の原料検査にAI技術を導入しました。いちょう切りニンジンの全量目視検査は、作業者への身体的負荷が大きく、検査員による判定のばらつきも課題となっていました。

同社が開発したAI原料検査装置は、良品を学習して異常を検出する「良品学習型」という独自のアプローチを採用。自社開発により低価格での実用化を実現し、デリア食品の惣菜工場で運用・検証を開始しました。

この取り組みは「IT Japan Award準グランプリ」などの表彰も受けており、客観的な評価も得ています。原料に混入する夾雑物や規定外形状の見極めを自動化することで、働く人にやさしい職場環境の実現と食品安全の向上を両立した事例です。

アヲハタとニコンがジャムの異物検査を自動化した事例

ジャム・フルーツスプレッド用異物検査装置を株式会社ニコンと共同開発|ニュースリリース|アヲハタ

項目内容
企業名アヲハタ/ニコン
業界食品(ジャム・スプレッド)
ビフォー原料の事前選別に加え、充填前の全量目視検査。負担大・精度ばらつきの課題
アフター分光×AIで異物・夾雑物を検出し、ロボットで自動除去。人の目視と併用して精度・負担の両面を改善

アヲハタとニコンが共同開発したジャム・フルーツスプレッド用の異物検査装置では、従来困難とされていたジャムの異物検出を自動化しました。果肉・粘性・色調の多様性により、これまで自動化が困難だった分野での画期的な取り組みです。

分光技術により果肉と異物を波長特性で識別し、ディープラーニングで夾雑物を検知。さらにバキュームシステムで自動除去まで行う一気通貫のシステムを構築しました。

2019年5月から主力商品ラインで本格稼働を開始し、自動検査と人の目視を併用することで総合精度向上と作業負荷軽減を両立。ジャムという複雑な対象物でも高精度な異物検出を実現した先進事例として注目されます。

ニチレイフーズが鶏肉の硬骨検出精度を向上させた事例

機器メーカーと共同で鶏肉加工品のAI選別技術を開発。同技術導入後、フードロス80%削減を目指す – お知らせ – 冷凍食品・冷凍野菜はニチレイフーズ

項目内容
企業名ニチレイフーズ(近畿大学と共同)
業界食品(加工食品・冷凍食品)
ビフォーX線検査で品質管理するも、不定形・重なり・位置・角度で判別精度が低下し、良品の”念のため廃棄”が発生
アフターAI検出技術で硬骨の誤認率を1/5へ低減、廃棄を約50%削減見込み

ニチレイフーズでは、近畿大学との共同開発により、鶏肉加工品の硬骨検出にAI技術を導入しました。従来のX線検査では、硬骨の不定形な形状や重なり、位置・角度の影響で判別精度に限界があり、食品安全を確保するため良品まで廃棄せざるを得ない状況でした。

AI選別技術の導入により、硬骨の誤認率を従来の5分の1まで低減し、廃棄量を約50%削減する見込みを達成。包装前段階でのAI選別により早期にリスクを除去し、安全性の強化とフードロス削減を両立しました。食品安全の確保という絶対的な要求と、環境負荷軽減という社会的要請の両方に応える、バランスの取れた取り組みとして評価されています。

サントリーが原料の外観異常検知を自動化した事例

サントリー大阪工場「スピリッツ・リキュール工房」の原料取り扱いエリアを自動化 2025年8月26日 ニュースリリース サントリー

項目内容
企業名サントリー(大阪工場 スピリッツ・リキュール工房)
業界飲料(スピリッツ/リキュール製造)
ビフォー原料運搬〜投入前検査を人手中心で実施。外観異常検知は目視が主体
アフター原料ハンドリングをロボット化し、AIカメラで外観異常検知を自動実施。腐敗検知と合わせて品質保証の仕組みを高度化

サントリー大阪工場の「スピリッツ・リキュール工房」では、2025年8月から原料取り扱いエリアの自動化を実施しています。多様な形態の原料(段ボール・袋・バケツ、冷凍・乾燥など)を投入前に品質確認する必要があり、人手による確認では負荷と見落としリスクが課題でした。

原料ハンドリングのロボット化と同時に、AIカメラによる外観異常検知を自動実施。腐敗検知(揮発物質の検出)と組み合わせて、品質保証システムを高度化しました。冷凍・乾燥・各種容器など形態のバラツキへの適応設計により、年間約2,000時間の作業削減見込みを実現。

「運搬〜投入」の自動化とAI外観検知を同一フローに内蔵し、データ蓄積を前提とした品質保証の仕組みを構築した先進的な事例です。

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生産性・稼働率・横展開を向上させた事例

製造ラインの稼働率向上や生産性改善を目的とした、AI外観検査の導入事例をご紹介します。

・住友商事グループとNECがライン停止時間を10%以上削減した事例 ・積水ハウスが外壁検査の高速化で在庫40%削減を実現した事例 ・アイシンが画像全域監視技術で想定外不具合を検出した事例

住友商事グループとNECがライン停止時間を10%以上削減した事例

NEC、住友商事グループ会社の自動車製造関連工場にAIを活用した外観検査システムを納入 (2023年8月25日): プレスリリース | NEC

項目内容
企業名住友商事グループ会社(工場名非公開)
業界自動車部品(中間製品検査)
ビフォー欠陥疑いの都度ライン停止→専任の目視確認で安全性は担保も、停止ロスが課題
アフター既存ラインにカメラ追加+RAPID機械学習で解析し、ライン停止時間を10%以上減少

住友商事グループの自動車製造関連工場では、2023年にNECのAI技術を活用した外観検査システムを導入しました。従来は欠陥の疑いがあるたびにラインを停止し、専任担当者による目視確認を行っていましたが、この停止時間が稼働率のボトルネックとなっていました。

既存の4ラインにカメラを追加し、NECの「RAPID機械学習」技術で解析することで、過検出を抑制しながらライン停止時間を10%以上削減することに成功。既設への干渉を最小限に抑えた後付け導入により、大規模な設備改修なしに効果を実現しました。

さらに、NECアカデミー for AIによる運用人材育成まで包括的にサポートし、持続的な改善体制を構築した事例として注目されます。

積水ハウスが外壁検査の高速化で在庫40%削減を実現した事例

陶版外壁「ベルバーン」の製造ラインにAIによる品質検査システムを導入

項目内容
企業名積水ハウス
業界住宅・建材(陶版外壁)
ビフォー最終検査は熟練者の目視。良品出来高の予測と実績の乖離を見込み、月産の約0.4%(150㎡)の在庫発生
アフター画像処理+AI(ViDi Suite)で工程内に検査を前倒し導入し、リアルタイム管理。検査2秒/枚・判定精度95%・在庫約40%削減

積水ハウスでは、2018年6月から陶版外壁「ベルバーン」の製造ラインにAIによる品質検査システムを導入しました。焼き物特性により寸法・色の安定化に高度な管理が必要で、最終工程での目視検査に依存していたため、安全在庫を多めに確保する必要がありました。

Cognex社のViDi Suiteを活用し、工程内(目視前)での判定に切り替えることでリアルタイム品質管理を実現。最長2秒/枚という高速検査と95%の判定精度を達成し、在庫を約40%削減することに成功しました。

少枚数(10枚〜数百枚)でも学習可能なAIにより立ち上げ工数を抑制し、先手の品質管理により生産効率を大幅に向上させた定量効果の明確な事例として参考になります。

アイシンが画像全域監視技術で想定外不具合を検出した事例

09.pdf

項目内容
企業名アイシン
業界自動車部品(トランスミッション)
ビフォールールベースの良否判定主体で、想定外現象の捕捉に限界
アフター良品データ学習により全域で差分検出(0.2秒/枚目標)。エッジ×クラウドで設定配信・通知・遠隔確認を実現

アイシンでは、CVT(無段変速機)組立ラインにおいて、従来のターゲット領域を限定した外観検査では想定外の不具合を見逃すリスクがありました。「いつもと違う」現象を画像全域から高速検出し、現場に即座に共有できる仕組みが求められていました。

独自開発の「画像全域監視技術」により、良品データ学習による全域差分検出を0.2秒/枚という高速で実現。2021年4月からCVTラインで量産運用を開始し、評価期間中にはFN(見逃し)=0、TP(正検出)=310、FP(過検出)=1,280という結果を達成しました。

最小検出サイズ0.3mm相当という高精度検出により、欠品・異品・異物・塗布ムラなど多様な想定外付着を捕捉。エッジ×クラウド構成でモジュール化を図り、全社標準運用への展開も視野に入れた先進的な取り組みです。


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AI外観検査の導入費用と投資回収期間

AI外観検査システムの導入を検討する際に最も気になるのが費用対効果です。適切な投資判断を行うために押さえるべきポイントをご紹介します。

概算費用レンジの把握方法

AI外観検査システムの導入費用は、検査対象や要求精度によって大きく変動します。一般的には、シンプルな外観検査で数百万円から、複雑な判定が必要な場合は数千万円規模となることが多いでしょう。

検査する製品の種類、不良パターンの複雑さ、必要な処理速度、精度要求などを具体的に整理しておくと、より正確な費用感を掴むことができます。

ニューラルオプト編集部

重要なのは、自社の検査要件を明確にしてから見積もりを取ることです。

費用内訳の詳細項目

AI外観検査システムの費用は、装置費用、開発費用、保守費用、教育費用の4つに大別されます。装置費用には、カメラ・照明・コンピュータなどのハードウェア一式が含まれます。

開発費用では、AIモデルの構築、学習データの作成、システム統合作業などが主要な項目となります。保守費用は年間契約が一般的で、システムの監視・メンテナンス・アップデートが含まれることが多いでしょう。

ニューラルオプト編集部

教育費用では、現場オペレーターや保守担当者への研修が必要になります。

回収期間の試算方法

投資回収期間を正確に算出するには、削減できる工数、歩留まり改善による利益増加、不良品流出による逸失損失の回避を数値化する必要があります。例えば、検査員の人件費削減や、不良品の早期発見による材料費・加工費の節約などが主要な効果として挙げられます。

多くの導入事例では、1年半から3年程度での投資回収を実現していることが報告されています。

ニューラルオプト編集部

ただし、業界や製品特性によって効果の現れ方は大きく異なるため、自社の状況に即した試算を行うことが重要です。

活用できる補助金・助成金

AI外観検査システムの導入には、「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」などの公的支援を活用できる場合があります。これらの補助金は申請要件や対象範囲が定期的に更新されるため、最新情報の確認が必要です。

地方自治体独自の製造業支援制度や、業界団体による技術導入支援プログラムなども存在します。

ニューラルオプト編集部

補助金の活用により、初期投資負担を大幅に軽減できる可能性があるため、導入検討の早い段階で調査することをお勧めします。

見落としがちな隠れコスト

AI外観検査システムの導入では、主要費用以外にも様々な付帯費用が発生します。学習データの作成のためのアノテーション作業(画像に正解ラベルを付ける作業)、専用治具の製作、照明の交換・追加、システム検証のための試作品製作などが代表例です。

また、既存の生産ラインとの接続や、品質管理システムとの連携にも追加コストがかかる場合があります。

ニューラルオプト編集部

導入後の運用体制構築や、定期的なモデル再学習のための体制整備も、長期的に見れば重要な投資項目となるでしょう。

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AI外観検査システム運用時の注意点と対策

AI外観検査システムを長期間安定運用するためには、導入後に発生しがちな問題への対策が重要です。実運用で陥りやすい落とし穴とその回避方法をご紹介します。

性能劣化を早期発見するドリフト検知

AI外観検査システムでは、時間の経過とともに検査精度が徐々に低下する「ドリフト現象」が発生することがあります。原因としては、製品仕様の微細な変更、材料ロットの変化、撮影環境の経年変化などが挙げられます。

検出率や誤検出率の推移を継続的に記録し、基準値を下回った場合のアラート機能を設けることで、適切なタイミングでモデルの再学習や調整を行うことができます。

ニューラルオプト編集部

性能劣化を早期に発見するため、定期的な精度モニタリングの仕組みを構築することが重要です。

現場に定着させる作業者教育と基準書改訂

AI外観検査システムの導入により、作業者の役割は大きく変化します。従来の目視検査から、システムの操作・監視・例外対応へとシフトするため、適切な教育プログラムが必要です。

判定結果の解釈方法、例外処理の手順、エラー発生時の対応方法などを明文化し、作業者全員が統一された基準で対応できる体制を整えることが重要です。

ニューラルオプト編集部

品質管理の基準書や作業手順書も、AI検査システムに合わせて改訂する必要があります。

安定性を保つメンテナンス体制の構築

AI外観検査システムの安定運用には、定期的な清掃と調整が欠かせません。カメラレンズの汚れ、照明の劣化、治具の摩耗、製品位置のズレなど、様々な要因が検査精度に影響します。

日常点検、週次点検、月次点検といった階層的なメンテナンス体制を構築し、各レベルでのチェック項目と担当者を明確にすることが重要です。

ニューラルオプト編集部

メンテナンス記録の蓄積により、予防保全の精度向上も期待できます。

品質保証に必要な監査証跡の管理

製造業における品質管理では、検査結果の記録とトレーサビリティ(追跡可能性)の確保が重要です。AI外観検査システムにおいても、判定結果のログ保存、使用したモデルのバージョン管理、パラメータ設定の履歴管理などが必要になります。

特に、食品や医薬品、自動車部品など、高い安全性が要求される業界では、規制要件に準拠したログ管理体制の構築が不可欠です。

ニューラルオプト編集部

データの改ざん防止、長期保存、監査対応などを考慮したシステム設計が求められます。

責任分界点の明確化

AI外観検査システムの運用では、ベンダーと導入企業の責任範囲を明確にしておくことが重要です。システム障害時の対応、精度低下時の改善措置、新しい不良パターン発生時の対処などについて、事前に責任分担を取り決めておく必要があります。

また、社内においても、現場オペレーター、保守担当者、品質管理部門、IT部門など、関連部署の役割分担を明確にすることで、スムーズな運用と迅速な問題解決が可能になります。

ニューラルオプト編集部

定期的な関係者会議による情報共有と課題解決の仕組み作りも重要な要素です。

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AI外観検査の導入ならニューラルオプト

AI外観検査システムの導入を成功させるには、技術的な開発力だけでなく、現場の課題を深く理解した総合的なサポートが不可欠です。

合同会社ニューラルオプトは、ChatGPTの開発に携わった実績を持つAI開発企業として、課題解決コンサルティングから運用定着支援まで一貫したサービスを提供しています。「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、PoC設計から本格導入、継続的な改善まで、お客様の成功を総合的に支援。

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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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