社員にAI研修を受けさせたいけど、費用が気になる…。そんな悩みを抱える企業担当者の方は多いのではないでしょうか。実は、国の補助金(助成金)を活用すれば、AI研修にかかる費用の大部分を国に負担してもらえる可能性があります。
本記事では、AI研修で活用できる補助金制度「人材開発支援助成金」について、対象となる条件や申請スケジュール、注意点までわかりやすく解説していきます。これからAI人材の育成を検討している方に向けて、制度を最大限活用するためのポイントをお伝えします。
なぜ今AI研修が必要なのか

AI研修が求められている背景には、大きく3つの理由があります。
- AI人材不足は80万人を超えている
- 人手不足でもAI活用で業務効率化が可能
- 政府がDX・AIを積極的に後押ししている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
現在、AI人材不足は80万人超えに
日本では、AIやデータ分析を扱える「AI人材」が圧倒的に不足しています。経済産業省の試算によると、2030年には最大約80万人ものAI・IT人材が不足すると予測されており、この数字は年々深刻化する見込みです。
特に中小企業においては、外部からAI人材を採用しようとしても、大手企業との獲得競争に勝つのは容易ではありません。そのため、今いる社員を「AI人材」へと育成する研修の重要性が高まっています。
人手不足でもAI活用で業務効率化
「人手が足りない」という課題を抱える企業にとって、AIは強力な味方となります。たとえば、これまで手作業で行っていたデータ入力や書類作成、問い合わせ対応などをAIに任せることで、少ない人数でも業務を回せるようになるケースが増えてきました。
ただし、AIツールは「導入すれば自動的に効果が出る」というものではありません。社員がAIの基本的な仕組みや活用方法を理解していなければ、せっかくのツールも宝の持ち腐れになってしまいます。だからこそ、AI研修を通じて社員のリテラシーを底上げすることが欠かせません。
政府がDX・AIを後押ししている
国もAI人材の育成を重要課題と位置づけ、さまざまな支援策を打ち出しています。その代表例が、本記事で紹介する「人材開発支援助成金」です。
この制度を活用すると、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI活用に向けた研修を実施する際、研修費用や受講中の賃金の一部を国が補助してくれます。つまり、今こそ補助金を活用してAI研修を導入する絶好のタイミングといえるでしょう。
AI研修で使えるおすすめ補助金【人材開発支援助成金】

AI研修の費用負担を軽減するために、ぜひ活用したいのが「人材開発支援助成金」です。この制度の中でも、特にAI研修と相性が良いのが「事業展開等リスキリング支援コース」となります。ここでは、このコースのポイントを4つに分けて解説していきます。
- 「新しい事業展開」や「デジタル・DX化」に伴う研修が対象
- 1人1コースあたり上限30万円
- 研修を受けている時間分の給与を国が一部負担
- 具体例として外部のAI講座を社員に受けさせた場合
「新しい事業展開」や「デジタル・DX化」に伴う研修が対象
事業展開等リスキリング支援コースは、企業が新たな事業分野に進出したり、業務のデジタル化・DX化を進めたりする際に必要となる研修を支援する制度です。
たとえば、製造業の会社がAIを活用した品質管理システムを導入するために社員にAI研修を受けさせるケースや、小売業の会社が顧客データ分析にAIを活用するためにデータ分析の基礎研修を実施するケース、事務部門の業務効率化のために生成AI(ChatGPTなど)の活用研修を行うケースなどが該当します。
つまり、「AIを使って業務を変えていきたい」という目的があれば、多くのAI研修がこの補助金の対象になる可能性があるのです。
参考:人材開発支援助成金に事業展開等リスキリング支援コースを創設しました
1人1コースあたり上限30万円
気になる補助金額ですが、研修にかかる経費(受講料など)の最大75%が補助されます。中小企業の場合、1人1コースあたりの上限は30万円です。
たとえば、40万円の研修を受講した場合、75%にあたる30万円が補助対象になります。つまり、実質的な企業負担は10万円で済む計算です。
なお、大企業の場合は補助率が60%、上限額は20万円となり、中小企業のほうが手厚い支援を受けられる設計になっています。
研修を受けている時間分の給与を国が一部負担
この補助金の大きな魅力は、研修費用だけでなく「賃金」も補助対象になる点です。
社員が研修を受けている時間は、通常業務ができません。しかし、その時間分の給与を企業が支払う必要があるため、「研修中も人件費がかかる」という悩みを抱える企業は少なくないでしょう。
事業展開等リスキリング支援コースでは、研修時間中の賃金についても1時間あたり960円(中小企業の場合)が補助されます。20時間の研修なら、19,200円の賃金助成が受けられる計算です。
例として外部のAI講座(受講料20万円、計20時間)を社員1人に受けさせた場合
では、具体的にどれくらいの補助が受けられるのか、シミュレーションしてみましょう。
条件としては、企業規模が中小企業、研修内容が外部のAI活用講座、受講料が20万円、研修時間が20時間、受講人数が1人とします。
この場合の補助金額を計算すると、経費助成は20万円の75%で15万円、賃金助成は960円×20時間で19,200円となり、合計で約17万円の補助を受けられます。
つまり、本来20万円以上かかる研修が、実質約3万円の負担で実施できることになります。複数の社員に受けさせる場合は、この効果がさらに大きくなるため、AI研修を検討している企業にとっては見逃せない制度といえるでしょう。
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AI研修が補助金の対象となる条件とは

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。せっかく申請したのに対象外だった…とならないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
主な条件は以下の4つです。
- 「事業展開」または「DX/GX」に関連していること
- OFF-JT(座学や実習)であること
- 訓練時間が「10時間以上」であること
- 正規雇用・無期雇用の従業員であること
「事業展開」または「DX/GX」に関連していること
まず重要なのが、研修の目的です。この補助金は、単なるスキルアップ研修ではなく、会社の事業展開やデジタル化に直結する研修が対象となります。
具体的には、以下のいずれかに該当する必要があります。
1つ目は事業展開に伴う研修です。新しい分野への進出や、事業の転換・拡大に必要な知識・スキルを習得するための研修が該当します。たとえば、これまで対面販売のみだった会社がECサイトを立ち上げるにあたり、AI活用やデータ分析の研修を実施するケースなどです。
2つ目はDX・GXに伴う研修です。DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション=脱炭素化)を推進するための研修が該当します。AI研修の多くは、このDX関連として認められる可能性が高いでしょう。
OFF-JT(座学や実習)であること
補助金の対象となるのは、OFF-JT形式の研修に限られます。OFF-JTとは「Off the Job Training」の略で、通常の業務を離れて行う研修のことです。具体的には、外部の講座を受講したり、社内で講師を招いてセミナーを開催したりする形式が該当します。
一方、OJT(On the Job Training)と呼ばれる、実際の業務を通じて学ぶ形式は対象外となります。たとえば「先輩社員がAIツールの使い方を業務中に教える」といったケースは、この補助金の対象にはなりません。
外部の研修サービスを利用する場合や、eラーニング形式の講座を受講する場合は、基本的にOFF-JTとして認められます。
訓練時間が「10時間以上」であること
研修の総時間数にも条件があり、10時間以上の訓練であることが求められます。
1〜2時間程度の単発セミナーや、短時間のオンライン講座だけでは対象外となってしまうため注意が必要です。AI研修を選ぶ際は、カリキュラム全体の時間数を必ず確認しておきましょう。
なお、複数日にわたる研修でも、合計時間が10時間以上であれば問題ありません。たとえば「1日3時間×4日間=12時間」といった形式でも大丈夫です。
正規雇用・無期雇用の従業員であること
最後に、研修を受ける社員の雇用形態にも条件があります。補助金の対象となるのは、正社員や無期雇用契約の従業員です。
アルバイトやパートタイマー、有期契約の派遣社員などは、原則として対象外となります。ただし、有期雇用の契約社員であっても、無期転換の予定がある場合など、一部例外が認められるケースもあります。詳細は管轄の労働局に確認することをおすすめします。
また、役員や個人事業主本人は対象外となる点も覚えておきましょう。あくまで「雇用されている従業員」が対象です。
AI研修補助金の申請スケジュールと注意点

補助金を確実に受け取るためには、申請スケジュールをしっかり把握しておくことが大切です。「研修を受けてから申請すればいい」と思っていると、補助金を受け取れなくなる可能性もあります。ここでは、申請から入金までの流れを時系列で解説していきます。
全体の流れは以下の4ステップです。
- 計画書作成と労働局への提出【研修開始の1ヶ月前】
- 計画認定後、研修を実施【受講料は企業が全額立替】
- 研修終了後2ヶ月以内に支給申請
- 審査→入金まで3〜6ヶ月
計画書作成と労働局への提出【研修開始の1ヶ月前】
最初のステップは「訓練実施計画書」の作成と提出です。これは「こういう研修を、こういう目的で実施します」という内容を労働局に届け出るもので、研修開始日の1ヶ月前までに提出する必要があります。
計画書には、研修の目的(事業展開やDX推進との関連性)、研修の内容・カリキュラム、受講予定者の情報、研修期間と時間数、費用の見積もりなどを記載します。
ここで重要なのは、研修を始める前に必ず計画書を提出することです。「先に研修を受けて、後から申請しよう」という順番では補助金を受け取れません。これは多くの企業がつまずきやすいポイントなので、特に注意してください。
計画認定後、研修を実施【受講料は企業が全額立替】
計画書が労働局に認定されたら、いよいよ研修の実施です。ただし、ここで覚えておきたいのが「立替払い」という点です。
補助金は研修終了後に支給されるため、受講料や教材費などは、いったん企業が全額負担する必要があります。たとえば20万円の研修であれば、まず企業が20万円を支払い、後から補助金として15万円が戻ってくる、という流れになります。
また、研修の実施中は出席簿(受講者の出欠記録)、研修のカリキュラムや教材、受講料の領収書や請求書といった記録をきちんと残しておきましょう。
これらの書類は、後の支給申請で必要になります。紛失しないよう、専用のフォルダを作って管理しておくのがおすすめです。
研修終了後2ヶ月以内に支給申請
研修が終わったら、補助金の支給申請を行います。申請期限は研修終了日から2ヶ月以内です。この期限を過ぎると補助金を受け取れなくなるため、研修が終わったら速やかに手続きを進めましょう。
支給申請には、支給申請書、訓練の実施状況がわかる書類(出席簿など)、経費の支払いを証明する書類(領収書、振込明細など)、受講者の賃金台帳や出勤簿といった書類が必要です。
書類の準備には意外と時間がかかるもの。研修終了後に慌てないよう、研修期間中から少しずつ書類を整理しておくとスムーズです。
審査→入金まで3〜6ヶ月
支給申請書を提出した後は、労働局による審査が行われます。審査では、計画書どおりに研修が実施されたか、書類に不備がないかなどがチェックされます。
審査期間の目安は3〜6ヶ月程度です。申請が集中する時期や、書類の修正が必要な場合はさらに時間がかかることもあります。
つまり、研修を実施してから実際にお金が振り込まれるまで、半年近くかかる可能性があるということ。資金繰りの計画を立てる際は、この点も考慮に入れておきましょう。
AI×補助金ならニューラルオプト
ここまで、AI研修に活用できる補助金制度について解説してきました。制度をうまく活用すれば、費用負担を大幅に抑えながらAI人材を育成できます。しかし、「どんな研修を選べばいいかわからない」「研修後に本当に業務で活用できるか不安」という声も少なくありません。
そんな企業におすすめしたいのが、株式会社ニューラルオプトです。
ニューラルオプトは、ChatGPTの日本展開にも携わるAI開発企業です。「そもそも自社の課題は何か」「どこにAIを活用すべきか」といった課題整理の段階から相談できるのが強みとなっています。
「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、導入から運用・改善まで総合的に支援してくれるため、AI活用が初めての企業でも安心して取り組めるでしょう。
「補助金を活用してAI研修を導入したいけれど、何から始めればいいかわからない」という方は、まずはニューラルオプトに相談してみてはいかがでしょうか。







