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介護業界向けAIの導入/開発費用は?介護ロボットや見守りロボットなど

介護現場の人手不足が深刻化する中、AI技術やロボット技術を活用した業務効率化への注目が高まっています。

しかし、いざ導入を検討しようとすると「費用はどれくらいかかるのか」「予算内で何ができるのか」といった疑問が生まれるのではないでしょうか。

介護AIや介護ロボットと一口に言っても、見守りシステムから移乗支援ロボット、記録業務を自動化するSaaS型サービスまで、種類は多岐にわたります。当然ながら、機能や導入形態によって費用は大きく異なるのが実情です。

この記事では、介護AI・介護ロボットの導入にかかる費用相場を、機能別・形態別に詳しく解説していきます。

初期費用だけでなく月額費用やレンタル費用、さらには受託開発の場合のコスト感まで、具体的な数字とともにご紹介します。補助金の活用ポイントや、費用対効果を高めるための注意点もまとめましたので、導入検討の参考にしていただければ幸いです。

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目次

介護AI・介護ロボットの費用相場はどれくらいか

導入形態と機能によって数万円〜数千万円まで幅がある

介護AIや介護ロボットの費用は、導入する製品の種類や形態によって大きく変動します。一般的な相場感は以下の通りです。

導入形態費用相場
SaaS型AI(月額課金)月額数千円〜数十万円
既製ロボット(買い切り)数十万〜200万円前後
AI受託開発(カスタム開発)50万円〜数千万円

多くの比較サイトでは「介護AI」と「介護ロボット」を一括りに扱っているケースが見られますが、実際にはコスト構造がまったく異なります。大きく分けると、次の3つのパターンに分類できるでしょう。

介護ロボットの導入パターン

①ソフトウェアのみ クラウド上で動作するAIサービスで、見守りカメラの映像分析や介護記録の自動化などが該当します。ハードウェアの購入が不要なため、初期費用を抑えて始められるのが特徴です。

②ハードウェア込み 移乗支援ロボットや入浴支援ロボットなど、物理的な機器を購入する形態となります。機器本体の製造コストや安全性への投資が価格に反映されるため、高額になりがちです。

③カスタム開発 施設独自の業務フローに合わせてゼロからAIシステムを構築する場合。開発期間や機能の複雑さに応じて、費用は大きく変動します。

導入を検討する際は、まず「何を解決したいのか」「既製品で足りるのか、カスタマイズが必要なのか」を明確にすることが重要です。

その上で、自施設の予算と照らし合わせながら、最適な選択肢を絞り込んでいくことが求められます。

普段AI開発を行っている立場から言えば、介護施設での初回導入は「月額数万円のSaaS型見守りAI」から始めるのが現実的です。当社が関わった案件でも、いきなり数百万円のロボットを導入して現場に馴染まなかったケースより、小規模なSaaSで効果を確認してから段階的に拡大した施設のほうが成功率は高い傾向にあります。特に職員30名以下の小規模施設では、まず「AIに慣れる」ステップを踏むことをおすすめします。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。


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見守り・コミュニケーション系介護AI/ロボットの費用・相場

見守りやコミュニケーション支援を目的とした介護AIは、比較的導入しやすい価格帯が特徴です。費用は主に以下の2つに分かれます。

  • 初期費用(機器購入・設置費用)
  • 月額費用(クラウド利用料・データ通信費)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

初期費用は約0〜40万円

見守り系のAIやロボットは、カメラやセンサーを活用して利用者の状態を監視するシステムが中心となります。初期費用の相場は0〜40万円程度です。

タイプ初期費用の目安
クラウド型見守りAI(既存カメラ活用)0円〜10万円
センサー設置型見守りシステム10万円〜40万円
コミュニケーションロボット(簡易型)5万円〜30万円

カメラやセンサーといったハードウェアの購入が不要なクラウド型AIの場合、初期費用はほぼゼロで始められます。一方、専用のセンサーやカメラを設置する必要がある場合は、機器代と設置工事費が発生するため、数十万円の初期投資が必要です。

初期費用を抑えたい施設では、既存の設備を活用できるクラウド型AIから検討するのが賢明です。

月額費用は約1,000円〜5万円

見守り・コミュニケーション系のAIは、クラウド上でデータ処理を行うサービスが多いため、月額費用が発生します。相場は月額1,000円〜50,000円前後です。

月額費用の内訳は主に以下の要素で構成されています。

月額費用の内訳
  • クラウドAI利用料
  • データ通信費
  • 管理画面・アプリの利用料

利用人数や端末数に応じて課金される従量課金制を採用しているサービスが多く、規模が大きくなるほど月額費用も増加する傾向にあります。

例えば、1施設あたり10名の見守りであれば月額数千円で済む一方、50名を超える大規模施設では月額数万円になることも珍しくありません。

複数拠点で展開する場合や、見守り機能に加えてコミュニケーション機能を追加する場合、月額費用がさらに上昇する想定です。

ニューラルオプト編集部

導入前には、想定する利用規模での月額費用をしっかり試算し、長期的なランニングコストを把握しておくことが大切です。


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移乗・身体介助支援ロボットの費用・相場

移乗や身体介助を支援するロボットは、介護職員の身体的負担を軽減する目的で開発されています。費用面では以下の2つの選択肢が考えられます。

  • 本体購入(買い切り)
  • レンタル(月額課金)

それぞれの費用相場を確認していきましょう。

本体価格は約50万〜220万円

移乗支援ロボットや身体介助支援ロボットは、利用者を持ち上げたり移動させたりする物理的な力を必要とするため、産業用ロボットに近い構造を持っています。本体価格は50万円〜220万円程度が相場です。

ロボットの種類本体価格の目安
装着型パワーアシストスーツ50万円〜120万円
非装着型移乗支援ロボット100万円〜220万円
歩行支援ロボット80万円〜150万円

これらのロボットは、AIソフトウェアよりもハードウェアコストが価格を支配する領域となっています。モーターやセンサー、フレーム素材などの機械部品に加え、安全性を担保するための設計・試験コストも価格に含まれるためです。

購入にあたっては、国や自治体の補助金制度を活用することで、実質負担額を大幅に抑えられる可能性があります。後述する補助金情報もあわせてご確認ください。

レンタルの場合は月額数万円〜

初期投資を抑えたい施設や、まずは試験的に導入したい施設向けに、レンタルサービスを提供するメーカーも増えています。レンタル費用は月額数万円〜が相場です。

レンタルのメリットは以下の通りとなっています。

レンタルのメリット
  • 初期費用を大幅に削減できる
  • 短期間での導入・撤退が容易
  • メンテナンスや故障時の対応が含まれるケースが多い

一方で、長期間レンタルを続けると、購入した場合よりも総額が高くなる可能性もあります。例えば、本体価格100万円のロボットを月額3万円でレンタルした場合、約3年で購入価格と同等になる計算です。

弊社が耳に挟んだ話によると、短期導入や試験運用ではレンタルが合理的であり、本格導入が決まった段階で購入に切り替える施設も多いようです。

自施設での活用シーンや予算計画に応じて、購入とレンタルのどちらが適しているかを慎重に検討することが求められます。

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入浴支援ロボットの費用・相場

導入費用は約35万〜180万円

入浴支援ロボットは、入浴介助時の身体的負担を軽減し、利用者の安全性を高めるために開発された機器です。導入費用は35万円〜180万円程度が相場となっています。

ロボットのタイプ導入費用の目安
浴槽内設置型(簡易タイプ)35万円〜80万円
リフト一体型入浴支援システム100万円〜180万円
自動洗浄機能付き入浴ロボット150万円〜180万円

入浴支援ロボットの価格が高止まりしやすい理由は、浴室という特殊な環境で使用されることにあります。水や湯に直接触れる部分には防水・防錆加工が必要ですし、滑りやすい床面での安定性確保も求められます。

さらに、機器単体の価格だけでなく、設置工事費も発生する点に注意が必要です。既存の浴室設備との連動や、電源・給排水設備の工事が必要になるケースもあります。

弊社としては、介護ロボットの中でも安全性要件が厳しく、価格が高止まりしやすい分野なのかな?という印象があります。

入浴中の事故は重大な結果につながりかねないため、メーカー側も設計・試験段階で慎重な対応を取らざるを得ないのが実情なのでしょう。

導入を検討する際は、設置予定の浴室環境を事前に確認し、追加工事の有無や費用を含めた総額で判断することが重要となります。補助金制度の活用も視野に入れながら、複数のメーカーから見積もりを取って比較検討するのが賢明です。


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SaaS型介護AIサービスの費用・相場

SaaS型(Software as a Service)の介護AIは、クラウド上で提供されるソフトウェアを利用する形態です。費用は初期費用と月額費用の2つに分けられます。

  • 初期費用(導入設定・データ移行費用)
  • 月額費用(システム利用料・保守費用)

具体的な相場を見ていきましょう。

初期費用は0〜50万円

SaaS型サービスの特徴は、既存のプロダクトを利用する前提のため、ゼロから開発する必要がない点です。初期費用は0円〜50万円程度に収まります。

初期費用の内訳は主に以下の項目で構成されます。

初期費用の内訳
  • 初期設定費用(アカウント発行・権限設定など)
  • データ移行費用(既存の介護記録システムからのデータ取り込み)
  • 職員向け説明会・研修費用

基本的には、クラウド型のサービスは物理的な機器の設置が不要なため、初期費用が大幅に抑えられます。

データ移行が不要な新規施設や、既存システムとの連携が簡単な場合は、初期費用ゼロで始められるサービスも存在します。一方、複雑なデータ移行や職員への丁寧な研修を希望する場合は、数十万円の初期費用が発生することもあるでしょう。

ニューラルオプト編集部

導入前には、自施設で必要な初期設定の範囲を明確にし、正確な見積もりを取得することが大切です。

月額費用は約5,000円〜30万円

SaaS型サービスの月額費用は、利用規模や機能の種類によって大きく変動します。相場は月額5,000円〜300,000円です。

利用規模・機能月額費用の目安
小規模施設(〜30名)・基本機能のみ5,000円〜3万円
中規模施設(31〜100名)・複数機能3万円〜15万円
大規模施設(101名〜)・フル機能15万円〜30万円

一般的なSaaS型介護AIの課金体系は従量課金制が採用されており、以下の要素によって月額費用が変動します。

  • 利用人数(入居者・職員の数)
  • 拠点数(複数施設での利用)
  • AI機能の種類(見守り・記録・会話AIなど)

見守り機能だけでなく、記録業務の自動化や利用者との会話機能を組み合わせる複合利用の場合、単価が上がっていくようです。

月額費用を抑えるためには、まず必要最低限の機能から始め、現場での活用状況を見ながら段階的に機能を追加していく方法が有効です。

また、年間契約を選択することで月額費用が割引されるサービスもあるため、長期利用を前提とする場合は契約形態も確認しておくとよいでしょう。


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介護AIを受託開発する場合の費用・相場

既製品では自施設の業務フローに合わない場合や、独自の機能が必要な場合は、受託開発という選択肢があります。受託開発の費用は開発規模によって大きく異なるため、段階別に見ていきましょう。

  • PoC・小規模開発(概念実証・試験導入フェーズ)
  • 本格開発(本番運用を前提とした開発)

それぞれの相場を確認していきます。

PoC・小規模開発は約50万〜300万円

PoC(Proof of Concept:概念実証)とは、AIシステムが実際の業務で有効に機能するかを検証する段階を指します。費用相場は50万円〜300万円程度です。

この段階では、以下のような内容が含まれます。

  • 既存AI技術(生成AI・音声認識・画像認識など)の活用
  • 小規模データでの学習・検証
  • 業務への適合性確認
  • 費用対効果の試算

既存のAPIやライブラリを活用することで、ゼロから開発するよりも大幅にコストを抑えられるでしょう。

PoC段階での開発は、本格導入前のリスク軽減という意味でも重要です。「思っていた効果が出ない」「現場の業務フローと合わない」といった問題を早期に発見できれば、無駄な投資を避けられます。

介護現場特有の課題として、夜勤体制や多職種連携といった複雑な運用があるため、PoCでしっかり検証しておくことが推奨されます。

開発現場の実感として、介護AI のPoC期間は最低でも2〜3ヶ月は必要です。これは技術検証だけでなく、夜勤スタッフへのヒアリングや複数の利用者パターンでの動作確認に時間がかかるためです。当社の経験では、「1ヶ月で検証完了」を目指したプロジェクトほど、本格導入後に想定外の課題が噴出しやすい傾向があります。焦らず、現場の声を丁寧に拾う期間として確保すべきです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

本格開発は約400万〜数千万円

PoC で有効性が確認できた後、本番運用を前提とした本格開発に進む場合の費用は、400万円〜数千万円が相場となります。

本格開発では以下の要素が加わるため、費用が大きく増加します。

  • 本番環境でのシステム構築
  • 既存の業務システム(介護記録・ケアプラン管理など)との連携開発
  • セキュリティ対策・個人情報保護対応
  • 運用保守体制の構築

特に、介護記録システム、ケアプラン作成システム、見守りデータを横断的に連携させる場合、AI開発だけでなく業務システム開発の要素も加わるため、高額化しやすくなります。

複数のシステムを統合する大規模プロジェクトでは、開発期間が6ヶ月〜1年以上に及び、その分人件費も膨らむと指摘されています。

受託開発を検討する際は、開発会社との綿密なコミュニケーションが不可欠です。要件定義の段階で「何ができて何ができないのか」「どこまでが初期開発でどこからが追加開発なのか」を明確にしておくことで、後々のトラブルや想定外のコスト増を防げます。

実際の開発プロジェクトでは、初期の見積もりから2〜3割増になるケースは珍しくありません。これは「既存システムとの連携が思ったより複雑だった」「セキュリティ要件が途中で追加された」など、要件定義段階では見えなかった課題が出てくるためです。当社では、見積もり時に「想定外コスト枠」として初期費用の2割程度をバッファとして確保することを推奨しています。特に介護記録システムが複数ベンダーにまたがっている施設では、この傾向が顕著です。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

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介護AI・介護ロボットの費用に影響する重要ポイント

導入費用だけに注目してしまうと、実際の運用段階で想定外のコストが発生したり、期待した効果が得られなかったりするケースがあります。費用対効果を最大化するために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 介護保険・補助金の対象になるかの確認
  • 購入・レンタル・SaaSの総コスト比較
  • 現場業務とAI機能のズレの事前洗い出し

それぞれ詳しく解説していきます。

介護保険・補助金の対象になるかを確認しておく

介護AIや介護ロボットの導入には、国や自治体による支援制度が用意されています。補助金を活用することで、実質負担額を大幅に圧縮できる可能性があります。

主な補助金制度は以下の通りです。

補助金の種類対象機器補助率・上限額
介護ロボット導入支援事業移乗支援・入浴支援・見守り等購入費用の1/2(上限あり)
ICT導入支援事業介護記録・情報共有システム導入費用の1/2〜3/4
地域医療介護総合確保基金各都道府県が定める機器自治体により異なる

厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」によると、介護従事者の負担軽減や業務効率化につながる機器の導入を支援する制度が複数整備されています。

補助金を活用する際の注意点として、以下の要素を確認しておく必要があります。

  • 申請期限(年度ごとに募集期間が設定されている)
  • 対象機器の要件(特定の機能や安全基準を満たす必要がある)
  • 事業報告義務(導入後の効果測定や報告が求められる場合がある)

実質負担額で比較しないと、本当に費用対効果の高い選択肢を見誤る可能性があります。例えば、本体価格100万円のロボットでも、補助金50万円が適用されれば実質50万円で導入できるわけです。

導入を検討する際は、まず自治体の介護保険課や福祉担当部署に問い合わせ、利用可能な補助金制度の有無を確認することをおすすめします。

購入・レンタル・SaaSの総コストを比較しておく

初期費用だけでなく、中長期的な総コストで比較することが重要です。同じ機能を実現する場合でも、購入・レンタル・SaaSのどれを選ぶかによって、5年スパンでの総額に大きな差が生まれます。

以下は、移乗支援ロボット(本体価格100万円相当)を5年間使用する場合の比較例です。

導入形態初期費用月額費用5年間の総コスト
購入100万円保守費1万円160万円
レンタル0円3万円180万円
SaaS(類似機能)10万円2万円130万円

※あくまで試算例です。実際の費用は製品やサービスにより異なります。

基本的には、初期費用だけでなく、月額費用、保守費用、更新費用を含めた総額で判断すべきです。

総コスト比較の際に確認すべき項目は以下の通りです。

  • 保守・メンテナンス費用(定期点検や消耗品交換の費用)
  • 更新・バージョンアップ費用(ソフトウェアの更新や機器の買い替え)
  • 解約時の費用(契約期間の縛りや違約金の有無)

短期間での試験導入を考えている場合はレンタルが有利ですが、長期的に使い続ける前提であれば購入の方が総額を抑えられるケースが多くなります。一方、ハードウェアの陳腐化が早い分野では、常に最新機能を利用できるSaaS型が有利になることもあるでしょう。

自施設の予算計画や運用期間を考慮しながら、複数のシナリオで総コストを試算してみることをおすすめします。

私たちが介護施設からの相談を受ける際、判断の分岐点としてよく使うのが「3年以内に施設の運営方針が大きく変わる可能性があるか」という観点です。例えば施設の統廃合や事業譲渡が視野にある場合、購入よりもSaaSやレンタルの方がリスクは低くなります。逆に10年以上同じ体制で運営する前提なら、補助金を活用した購入のほうが総額は抑えられるケースが多いです。単純な費用比較だけでなく、組織の中長期計画も含めて判断すべきでしょう。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

現場業務とAI機能のズレを事前に洗い出しておく

導入後に「想定していた使い方ができない」「現場のワークフローに合わない」といった問題が発覚すると、追加開発や設定変更が必要になり、想定外のコスト増につながります。

介護現場特有の運用として、以下のような要素があります。

介護現場特有の運用
  • 夜勤体制での使用(暗い環境でのカメラ認識精度、夜間の音声認識など)
  • 多職種連携(看護師・介護士・ケアマネージャー間での情報共有)
  • 個別ケアの多様性(利用者ごとに異なる身体状況や認知機能への対応)
  • 記録業務の煩雑さ(複数のシステムへの二重入力、紙媒体との併用など)

あくまで主観ではありますが、現場の実態とAI機能のミスマッチが原因で、導入後に使われなくなる「宝の持ち腐れ」状態が発生することも少なくないです。

こうした失敗を防ぐために、導入前に以下のステップを踏むことが推奨されます。

①現場ヒアリングの実施 実際に業務を担当する職員から、困っている点や改善したい点を具体的に聞き取ります。管理者側の視点だけでなく、現場の声を拾うことが重要です。

②デモンストレーションの依頼 可能であれば、導入候補のAIやロボットを実際の環境で試用させてもらいましょう。カタログスペックと実際の使い勝手には差があることも多いため、現場での動作確認が欠かせません。

③段階的な導入計画の策定 いきなり全施設・全機能を導入するのではなく、まず一部の部署やフロアで小規模に試験導入し、効果を検証してから拡大していく方法が安全です。

要件整理が不十分なまま導入を進めてしまうと、後々の追加開発費用が膨らみ、結果的に受託開発と変わらないコストになってしまう可能性もあります。初期段階での丁寧な要件定義と現場とのすり合わせが、長期的なコスト削減につながるのです。

当社が関わった特別養護老人ホームの事例では、見守りAI導入時に「夜勤スタッフ全員が使いこなせるまで本格運用しない」というルールを設けました。結果、導入から3ヶ月間は一部フロアのみの試験運用となりましたが、全館展開後のトラブルはほぼゼロでした。逆に、管理者だけで導入を決めて現場への説明が不足していたケースでは、「使い方がわからない」という理由で半年後には誰も使わなくなっていました。成功の鍵は技術よりも「現場を巻き込むプロセス設計」にあるというのが実感です。

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古谷優輝

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介護AI開発ならニューラルオプト

介護現場へのAI導入を検討されている方は、株式会社ニューラルオプトにご相談ください。当社は世界的生成AIであるChatGPTの開発に携わり、日本で展開されているChatGPTの裏側にも関与しているAI開発企業です。

ニューラルオプトの最大の特徴は、単なる開発会社ではなく、コンサルティングから対応できる点にあります。

「見守りAIを入れたい」という手段ありきではなく、「夜勤の負担を減らしたい」「記録業務を効率化したい」といった課題起点で、最適な解決策を提案できる体制を整えています。

介護AI導入において「現場で使われない」「期待した効果が出ない」といった失敗リスクを最小化することをコンセプトに、要件定義から開発、現場への定着支援、運用しながらの改善まで、一貫してサポートいたします。

データサイエンスの知見を活かし、介護記録データの分析や業務フロー最適化にも対応可能です。

ECサイト「eBay」の価格自動設定AIや手書き文字のAI認識システムなど、多様な業界での開発実績を持つ当社が、介護現場特有の課題解決をお手伝いします。

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(サービス開発の場合)


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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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