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AIカメラとは。何ができて、監視カメラと何が違い、なぜ流行っている?

「工場の検品作業を人の目に頼っている」「防犯カメラの映像を確認するスタッフが足りない」。こうした課題を抱える企業が今、注目しているのがAIカメラです。

AIカメラは従来の監視カメラとは異なり、映像をリアルタイムで自動分析し、異常検知や人物の識別まで行える次世代のカメラ技術として、製造業・小売業・物流業など幅広い業界で導入が進んでいます。

本記事では、AIカメラの基本的な仕組みから導入費用、業界別の活用事例までをわかりやすく解説します。

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目次

AIカメラとは?どんなことができるのかを開発会社が解説

AIカメラとは、人工知能(AI)の技術をカメラに組み込み、撮影した映像をリアルタイムで自動分析できるカメラのことです。従来の監視カメラが「録画して後から人が確認する」ものだったのに対し、AIカメラは「撮影しながらその場で判断する」点が大きく異なります。

このセクションでは、AIカメラの基本を以下の4つの観点から解説します。

  • AIカメラの定義と従来の監視カメラとの違い
  • エッジAIとクラウドAIの処理方式
  • AIカメラの3大機能(画像認識・物体検出・行動分析)
  • AIカメラの認識精度の実態

AIカメラの定義と従来の監視カメラとの違い

AIカメラを一言で表すなら、「自分で考えるカメラ」です。通常の監視カメラ(ネットワークカメラ)は、映像を録画・配信する機能しか持っていません。不審者の侵入やラインの不良品を見つけるには、録画映像を人の目でチェックする必要がありました。

一方、AIカメラは映像の中から「人の顔」「特定の物体」「異常な動き」などを自動で検知し、即座にアラートを出すことができます。つまり、従来は人が担っていた”映像を見て判断する”という作業を、AIが代行してくれる仕組みといえるでしょう。

たとえば、工場のラインに設置したAIカメラが製品の微細なキズを自動検出したり、店舗の入口に設置したAIカメラが来店者の年齢層・性別を推定してマーケティングデータとして活用したりと、「録画」にとどまらない能動的な運用ができる点が最大の特徴です。

エッジAIとクラウドAIの処理方式

AIカメラには、映像データをどこで処理するかによって大きく2つのタイプがあります。エッジAI型とクラウドAI型です。

エッジAI型は、カメラ本体やカメラに接続された小型コンピュータの中でAI処理を完結させる方式です。映像データを外部に送信しないため、通信の遅延がほとんど発生しません

リアルタイム性が求められる工場の異常検知や、個人情報を扱う顔認証など、即時性とセキュリティの両方が重要な場面に適しています。ただし、カメラ側に高性能なチップを搭載する必要があるため、1台あたりの本体価格はやや高めになる傾向があります。

クラウドAI型は、カメラで撮影した映像をインターネット経由でクラウドサーバーに送り、サーバー上でAI処理を行う方式です。カメラ本体のコストを抑えられるうえ、サーバー側の計算資源を活用できるため、大量のデータをまとめて分析するような用途に向いています

複数店舗の映像を本部で一元管理したい小売チェーンなどで採用が進んでいる方式です。一方で、通信環境に依存するため、ネットワークが不安定な現場ではリアルタイム性が低下するリスクもあります。

どちらが優れているというものではなく、導入する現場の条件や目的によって最適な方式は変わってきます。

AIカメラの3大機能は画像認識・物体検出・行動分析

AIカメラが備える主な機能は、大きく分けて「画像認識(顔認識を含む)」「物体検出」「行動分析(動作パターン解析)」の3つです。

画像認識は、映像に映っている対象が「何であるか」を識別する機能です。代表的な活用例は顔認識で、登録済みの従業員の顔を認識して入退室管理を自動化したり、来店客の属性(年齢層・性別など)を推定してマーケティングに活かしたりする使い方があります。

物体検出は、映像中の特定の物体の位置と種類をリアルタイムで特定する機能です。製造ラインでの不良品の検出、倉庫内の在庫管理、あるいは道路上の車両や歩行者のカウントなど、「何がどこにあるか」を正確に把握したい場面で力を発揮します。

行動分析は、人やモノの動きのパターンを解析する機能です。店舗内の顧客の動線を可視化して売り場レイアウトの改善に役立てたり、工場で作業員の危険行動(ヘルメット未着用、立入禁止区域への侵入など)を検知して労災を防止したりといった活用ができるでしょう。

これら3つの機能を組み合わせることで、AIカメラは単なる「監視」を超えた幅広い業務改善に活用できるようになっています。

AIカメラの認識精度の実態

「AIカメラは便利そうだけど、本当に正確なの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、AIカメラの認識精度は近年急速に向上していますが、万能ではありません。

たとえば顔認識の分野では、整った照明条件・正面からの撮影であれば99%を超える精度を出せるモデルも存在します。しかし、逆光や夜間、マスク着用時、カメラとの距離が遠い場合などでは精度が低下するケースも珍しくありません。

製造業の外観検査においても同様で、学習データとして与えた不良パターンに近い異常は高精度で検出できる一方、まったく新しいタイプの不良が発生した場合には見逃す可能性があります。

こうした限界を踏まえ、導入初期は「AIの判定結果を人が最終確認する」運用フローを組むのが現実的な進め方です。

精度を左右する主な要因としては、学習データの質と量、撮影環境、チューニングの有無が挙げられます。AIに学習させるデータが少なかったり偏っていたりすると、認識精度は大きく下がります。

また、照明・角度・天候などの条件が学習時と異なると、誤認識が増えてしまうでしょう。導入後に現場の実データで再学習(追加学習)を行うことで、精度は継続的に改善できます。

つまり、AIカメラは「導入すれば完璧に動く」ものではなく、「運用しながら育てていく」ものだと考えるのが適切です。導入前の要件定義と、導入後の継続的なチューニングが精度を大きく左右するため、AI開発の経験が豊富なパートナーと組むことが成功の鍵となります。

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なぜ今、AIカメラ導入が急増しているのか?

AIカメラ自体は数年前から存在していましたが、ここ1〜2年で導入企業が急増しています。その背景には、技術的な進歩だけではなく、社会環境やコスト構造の変化も深く関わっています。

このセクションでは、AIカメラ導入が加速している主な理由を以下の3つの観点から整理します。

  • 監視・点検業務の省人化ニーズの高まり
  • 国のDX推進とIT導入補助金による後押し
  • カメラ価格の低下とクラウドサービスの普及による導入ハードルの低下

監視・点検業務の省人化ニーズの高まり

AIカメラ導入が増えている最大の理由は、人手不足の深刻化です。少子高齢化が進む日本では、製造業や物流業を中心に慢性的な労働力不足が大きな経営課題となっています。

たとえば工場の品質検査では、熟練の検査員がラインを流れる製品を目視で一つひとつ確認するのが従来の方法でした。しかし、ベテラン検査員の退職が進む一方で、同等のスキルを持つ後任の確保は容易ではありません。

商業施設やオフィスビルの警備業務でも同様に、監視カメラの映像を24時間体制でモニタリングする人員の確保が難しくなっています。

こうした現場で「人の目の代わり」として期待されているのがAIカメラです。映像を自動で分析し、異常があったときだけ通知する仕組みにすれば、少ない人数でも広い範囲をカバーできるようになります。

完全な無人化ではなく、「人が対応すべき場面だけに集中できる環境をつくる」という省人化の考え方が、多くの企業に受け入れられている背景といえるでしょう。

国のDX推進とIT導入補助金がAIカメラを後押し

企業側のニーズに加え、国の政策も導入を後押ししています。経済産業省が推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)政策の一環として、中小企業のIT投資を支援する「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」などの制度が整備されてきました。

IT導入補助金は、業務効率化やDXにつながるITツールの導入費用の一部を国が補助する制度です。AIカメラやそれに付随する分析ソフトウェアも対象となるケースがあり、初期投資のハードルを大幅に下げる効果があります。

また、自治体レベルでも独自の補助金や実証実験の公募が増加傾向にあります。たとえば、商店街の防犯対策としてAIカメラを導入するプロジェクトや、介護施設での見守りシステムとして活用する実証事業など、業種や地域を問わず支援の幅が広がっています。

「AIカメラに興味はあるが、費用面で踏み切れない」という企業にとって、こうした公的支援は導入を決断する大きな後押し材料となっています。補助金の活用を前提とした導入計画を立てることで、投資回収の見通しも立てやすくなるでしょう。

カメラ価格の低下とクラウドサービスの普及で導入ハードルが下がった

3つ目の要因は、技術とインフラの両面でコストが下がったことです。

まず、AIカメラ本体の価格が大きく低下しています。数年前はエッジAI処理に対応したカメラは高性能チップの搭載が必要で、1台あたり数百万円規模になることも珍しくありませんでした。しかし、半導体技術の進歩やAI専用チップの量産化が進んだことで、現在では比較的手の届きやすい価格帯の製品も登場しています。

さらに大きいのが、クラウドサービスの普及による変化です。従来、AIによる映像解析を行うには、自社で高性能なサーバーを用意し、専門のエンジニアが環境を構築する必要がありました。

しかし現在は、クラウド上にAI分析基盤を提供するサービスが増え、月額料金を支払うだけで高度な映像解析機能を利用できるようになっています。

この「所有から利用へ」という流れは、特に中小企業にとって大きな恩恵をもたらしました。大規模な初期投資をせずとも、まずは1〜2台のカメラから小さく始めて効果を検証し、成果が確認できた段階で拡大するという段階的な導入ができるようになったためです。

技術の成熟、コストの低下、そして公的支援の充実。これら3つの条件が同時に揃ったことが、今まさにAIカメラ導入が急増している理由です。

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業界別AIカメラ導入事例

AIカメラは概念だけでなく、すでに国内の大手企業で実際の成果を上げています。ここでは、製造業・小売業・外食産業の3つの業界から、具体的な導入事例を紹介します。

  • 本田技研工業が少量学習AIで外観検査を効率化した製造業の事例
  • イオンリテールが動線解析とAI接客通知で売上を伸ばした小売業の事例
  • くら寿司が皿カバーの異常検知で迷惑行為を防止した外食産業の事例

なお、その他の事例については以下もご覧ください。

本田技研工業が少量学習AIで外観検査を効率化した事例

製造業でAIカメラを導入する際に大きなハードルとなるのが、「学習データの確保」です。通常、AIに不良品を見分けさせるには、1種類の欠陥につき数千枚の不良品画像を学習データとして用意する必要があります。しかし、そもそも不良品の発生率は低いため、十分なデータを集めるには膨大な時間がかかるという矛盾を抱えていました。

この課題を解決したのが、AIスタートアップのアダコテックが開発した少量学習技術です。画像の色の濃淡や明るさを数値化して効率的に特徴を抽出する独自の手法を活用することで、わずか数十枚程度の画像サンプルで高精度な検査モデルを構築できるようになりました。

本田技研工業は2021年にこの技術を先行導入し、エンジン部品である「シリンダスリーブ」の外観検査に活用。その結果、欠陥の検出率100%、不良品の分類精度88%を達成しています。

従来は熟練の検査員が目視で行っていた作業を自動化できたことに加え、学習データが少なくて済むため、新しい製品ラインへの展開もスピーディーに進められるというメリットも生まれました。

この事例は、「AIは大量のデータがないと使えない」という先入観を覆すものであり、多品種少量生産が多い日本の製造現場にとって大きな示唆を与えてくれる事例といえるでしょう。

参考:本田技研工業が少量学習AIで外観検査を効率化した事例

イオンリテールが動線解析で接客売上を2.3倍にした事例

小売業におけるAIカメラの活用では、イオンリテールの取り組みが注目に値します。同社は2021年、富士通のAI映像解析ソリューションを活用した「AIカメラ」を導入し、本州・四国の約80店舗に展開しました。

このシステムの特徴は、大きく3つの機能を備えている点にあります。

1つ目は、接客が必要な来店客のAIによる自動検知です。ベビーカーやランドセルなど高単価商品の売場で、商品を長時間見比べている、手を伸ばして戻すといった「購入を迷っている」行動パターンをAIが学習・判別し、離れた場所で作業中の従業員にもリアルタイムで通知する仕組みです。

2つ目は、店内動線のヒートマップ化です。来店客がどのエリアに長く滞在しているか、どの商品棚に手を伸ばしているかを自動集計し、売場レイアウトの改善に活かしています。

3つ目は、AIによる年齢推定を活用した未成年者への酒類販売防止で、レジ従業員の心理的負担を軽減する効果もあります。

注目すべきは実証実験の結果です。2020年下期に千葉県内の店舗のベビーカー・チャイルドシート売場で行った実験では、AIカメラによる接客通知を活用したことで、前年同期比2.3倍の売上を記録しました。

「買いたいのに店員がいない」「声をかけるタイミングがわからない」という接客の機会損失を、AIが解消した好例です。

参考:イオンリテール 売り場のDX加速 AIカメラで販売支援 | 繊研新聞

くら寿司が皿カバー異常検知で迷惑行為を防止した事例

2023年初頭、回転寿司チェーンを中心に飲食店での迷惑行為動画がSNSで拡散され、大きな社会問題となりました。「安心して食事ができない」という声が広がる中、くら寿司がわずか1カ月というスピードで全532店舗に導入したのが「新AIカメラシステム」です。

このシステムは、回転レーン上に設置されたAIカメラが、寿司を覆う「抗菌寿司カバー」の不審な開閉を検知するものです。

具体的には、客が一度取った寿司皿をレーンに戻したり、カバーを繰り返し開閉したりといった通常では起こりえない動きをAIが判別し、即座に大阪・埼玉にある本部のタブレット端末にアラートを送信します。常時6〜7名の担当者が防犯カメラの映像を確認し、必要に応じて店舗責任者への連絡や警察への通報を行う体制を整えています。

このスピード導入を可能にしたのは、くら寿司が以前から構築していたIT基盤でした。2003年導入の「店舗遠隔支援システム」や、2021年に全店導入済みだった皿の自動カウントシステムなど、既存のカメラインフラとクラウド基盤を拡張する形で新機能を実装したため、短期間での全店展開が実現したのです。

この事例は、AIカメラが防犯・安全対策としても大きな力を発揮することを示すと同時に、既存システムとの連携がスムーズな導入の鍵であることを教えてくれます。回転寿司という日本独自の食文化を、テクノロジーで守ろうとする取り組みとしても意義深い事例といえるでしょう。

参考:業界初!AIテクノロジーを活用した「新AIカメラシステム」 3月2日(木)から全国のくら寿司にて導入開始 ~回転レーン上での寿司カバーの異常を検知し迷惑行為を防止 お客様の不安解消と回転寿司文化の存続を目指す~|くら寿司プレスリリース|くら寿司|回転寿司|

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AIカメラ導入費用の全体像

AIカメラの導入を検討する際、多くの企業が最初に気にするのが「いくらかかるのか」という費用の問題です。ここでは、初期費用からランニングコスト、さらにコストを抑えるための方法まで、導入費用の全体像を整理します。

  • AIカメラの初期費用の内訳と価格帯
  • ランニングコストの構成要素と月額相場
  • クラウド型とオンプレミス型で変わるコスト構造
  • 補助金・助成金を活用して導入費用を抑える方法

なお、費用について詳細は以下の記事もご覧ください。

AIカメラの初期費用の内訳と価格帯

AIカメラの初期費用は、大きく「カメラ本体」「設置工事」「システム設定」の3つで構成されます。

費用項目1台あたりの目安備考
カメラ本体5万〜50万円基本機能なら数万円台、高精度・4K・屋外対応なら数十万円台
設置工事費3万〜10万円天井取り付け、配線工事など。高所・特殊環境はさらに増額
システム設定費1万〜3万円ネットワーク接続、動作設定など。複数台統合管理は別途費用
小規模導入の合計(3〜5台程度)数十万〜100万円カメラ台数と設置環境により変動

カメラ本体の価格は性能によって幅がありますが、法人向けでは1台あたり5万〜50万円程度が一般的な相場です。基本的な顔認識や人数カウント機能のみであれば数万円台から導入できますが、高精度な行動分析や4K解像度、屋外対応の防水・赤外線機能を備えたモデルになると数十万円台になります。

設置工事費は、1台あたり3万〜10万円程度が目安です。天井への取り付けや配線の引き回しなど、設置場所の条件によって変動します。高所作業が必要な工場や、防爆エリアといった特殊環境での設置はさらに費用がかかるケースもあるでしょう。

システム設定費は、カメラの動作設定やネットワークとの接続調整にかかる費用で、1台あたり1万〜3万円程度です。複数台のカメラをまとめて管理するシステムを構築する場合は、ソフトウェアの設定費用が別途必要になることもあります。

これらを合計すると、小規模な導入(カメラ3〜5台程度)であれば初期費用は数十万円から100万円前後が目安になります。ただし、製造ラインの外観検査のように高精度なAIモデルの開発が必要なケースでは、カメラ本体以外にAI開発費用として数百万〜1,000万円超が加わることもあるため、用途に応じた見積もりが欠かせません。

ランニングコストの構成要素と月額相場

AIカメラは導入して終わりではなく、運用を続けるためのランニングコストが発生します。主な構成要素は以下のとおりです。

費用項目月額目安(1台あたり)年額目安備考
クラウド利用料数千円〜1万円数万〜12万円データ量・AI機能数で変動。オプション追加で上乗せ
ソフトウェア更新費保守契約に含む場合あり数万円AIアップデート費用。契約形態により異なる
保守・メンテナンス費数万〜十数万円定期点検・修理対応。屋外設置は交換部品費が追加
ランニングコスト合計5,000円〜1万円初期投資額の10〜20%1台あたりの目安

まず、クラウド利用料です。映像データの保存や分析をクラウド上で行う場合、月額で数千円〜1万円程度/台が相場となります。保存するデータ量や利用するAI分析機能の数によって変動し、人数カウントや属性分析などのオプション機能を追加すると、その分だけ費用が上乗せされる仕組みです。

次に、ソフトウェアの更新費用があります。AIの分析精度を維持・向上させるためのアップデートに伴う費用で、保守契約に含まれている場合と、別途費用が発生する場合があります。

さらに、保守・メンテナンス費用も考慮が必要です。カメラの定期点検や故障時の修理対応にかかる費用で、年間で数万円〜十数万円程度が一般的です。屋外に設置している場合は風雨による劣化が早まるため、カバーや設置台の交換費用が追加で生じることもあるでしょう。

ランニングコスト全体としては、年間で初期投資額の10〜20%程度を見込んでおくのが1つの目安です。月額に換算すると、1台あたり5,000円〜1万円程度からスタートできるサービスも増えてきており、中小企業でも負担を抑えた運用ができるようになりつつあります。

システム構成で大きく変わるコスト構造

AIカメラのシステム構成は、大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」と「エッジAI型」に分かれ、それぞれコスト構造が大きく異なります。自社に合った方式を選ぶことが、長期的なコスト最適化の鍵になります。

比較項目クラウド型オンプレミス型エッジAI型
初期費用数十万円〜200万〜1,000万円数十万〜数百万円
月額費用数千円〜1万円/台ほぼ不要(電気代のみ)不要〜数千円/台
構築期間数週間数か月数週間〜1か月
スケーラビリティ高い(台数追加が容易)低い(サーバー増強が必要)中程度
処理速度通信環境に依存高速高速
データセキュリティクラウド保存社内完結カメラ内完結
適した企業中小企業、スモールスタート大企業、厳格なセキュリティ要件リアルタイム性重視
5年間の総コスト(10台想定)約500万〜800万円約300万〜1,200万円約300万〜600万円

クラウド型は、AIの分析処理をインターネット上のサーバーで行う方式です。自社でサーバーを用意する必要がないため初期費用を大幅に抑えられ、数十万円程度から導入を始められます。

月額の利用料金が発生しますが、必要な機能やカメラ台数に応じて段階的にスケールアップできるため、スモールスタートに適しています。一方で、カメラ台数が多く利用期間が長期にわたる場合は、累積コストがオンプレミス型を上回る可能性があります。

オンプレミス型は、分析用のサーバーやストレージを自社内に設置する方式です。サーバー機器の購入費用として200万〜1,000万円程度がかかるほか、構築に数か月を要するケースが一般的です。

その代わり、月々のクラウド利用料が不要で、大量のデータを高速処理できるメリットがあります。セキュリティ要件が厳しい製造業や金融業など、データを社外に出せない環境では、オンプレミス型が選ばれる傾向にあります。

近年は、カメラ本体にAIチップを搭載し、カメラ内部で分析処理を完結させる「エッジAI型」も普及しています。クラウドへのデータ送信が不要なため通信コストを抑えられ、リアルタイム性にも優れるこの方式は、両者の中間的なポジションとして注目されています。

補助金・助成金を活用して導入費用を抑える方法

AIカメラの導入費用を抑えるうえで、国や自治体の補助金を活用しない手はありません。現在、AIカメラの導入に活用できる代表的な制度として、以下の2つがあります。

補助金制度対象者補助額対象となるケース
IT導入補助金中小企業・小規模事業者最大150万円程度業務効率化・DX推進のためのITツール導入
ものづくり補助金製造業中心最大1,000万円程度<br>(類型により異なる)生産性向上のための設備投資(外観検査・品質管理など)

1つ目は「IT導入補助金」です。中小企業・小規模事業者の業務効率化やDX推進を目的としたITツールの導入を支援する制度で、AIカメラも対象となる場合があります。補助額は最大150万円程度で、導入費用の一部をカバーできるため、コスト面でのハードルを大きく下げることができるでしょう。

2つ目は「ものづくり補助金」です。製造業を中心に、生産性向上のための設備投資を支援する制度で、AIカメラを外観検査や品質管理に活用するケースなどが対象になりえます。

いずれの補助金も申請期限や対象条件が定められており、事業計画書の提出が求められるケースが大半です。AIカメラ導入によって具体的にどの業務がどれだけ効率化されるのかを数値で示すことが、採択率を高めるポイントとなります。

また、補助金の活用以外にも、コストを抑えるための工夫はいくつかあります。既存の防犯カメラをそのまま活用できるAI分析サービスを選べば、カメラの買い替え費用を削減できますし、レンタルプランを利用すれば初期費用ゼロで導入を始めることもできるはずです。

複数の業者から見積もりを取り、設置費用やランニングコストも含めた総額で比較検討することが、無駄のない導入への第一歩といえるでしょう。

なお、AI導入における補助金については以下もご覧ください。

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AIカメラ導入ならニューラルオプト

AIカメラは、製造業の外観検査から小売業の動線分析、飲食店の安全管理まで、業界を問わず幅広い業務課題を解決できるテクノロジーです。

一方で、カメラの選定や設置場所の設計、AIモデルの精度調整、既存システムとの連携など、導入から成果を出すまでに検討すべきポイントは少なくありません。

「カメラを設置したものの、思ったような精度が出ない」「どの業務にAIカメラを適用すれば費用対効果が高いのかわからない」といった課題に直面するケースも珍しくないのが実情です。

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データサイエンスの知見を活かした要件定義、用途に応じた最適なカメラ構成の提案、AIモデルの構築・チューニングまで、技術とコンサルティングの両面からプロジェクトを推進します。

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コンセプト設計
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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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