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AIアプリの開発費用!API/既存モデルの活用、フルスクラッチなどケース別

AIアプリの開発を検討している企業や担当者にとって、最も気になるのは「実際にいくらかかるのか」という費用面ではないでしょうか。

生成AIやチャットボット、業務自動化ツールなど、AIアプリの活用シーンは広がり続けていますが、開発方式や規模によって費用は数十万円から数千万円まで大きく変動します。

本記事では、API活用型、RAG(社内データ検索)型、ファインチューニング(微調整)型、フルスクラッチ型など、代表的な開発パターン別に費用相場を整理しました。初期費用だけでなく運用費用も含めて解説するため、予算計画の参考にしていただけます。

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目次

API活用(プロンプト中心)の開発費用・相場

API活用型は、ChatGPTやClaude、Geminiといった既存の大規模言語モデル(LLM)をAPI経由で呼び出し、プロンプト(指示文)の工夫で機能を実現する開発方式です。独自のモデル学習を行わないため、比較的短期間・低コストでAIアプリを構築できる点が特徴。

このタイプの開発費用は、大きく以下の2つに分かれます。

  • 初期費用
  • 運用費用

初期費用の相場(50万〜600万円)

API活用型の初期費用は、開発規模や要件によって幅があります。

規模費用目安内容
小規模ツール50万〜200万円シンプルなプロンプト設計、基本的なUI実装、API連携のみ
中規模〜要件拡張150万〜600万円UI/UXの作り込み、複数システムとの連携、カスタマイズ対応

既存APIを活用した簡易的な開発であれば50万〜200万円のレンジに収まるケースが多いです。一方で、業務システムとの連携やユーザーインターフェースの作り込みが必要になると、150万〜600万円程度まで費用が上振れする傾向に。

開発期間は1〜3か月程度が一般的で、社内の小規模な業務効率化ツールやプロトタイプ作成に適しています。

運用費用の相場(月数千円〜/ユーザー)

運用費用は主に以下の要素で構成されます。

  • API利用料:呼び出し回数やトークン数に応じた従量課金
  • インフラ費用:サーバーやデータベースの維持費
  • 席課金(SaaS型の場合):1ユーザーあたり月数千円程度

ChatGPT系ツールを社内展開する際、1人あたり月数千円の水準で提供されているケースが多いです。利用人数が増えるほど総額は膨らむため、導入時には想定ユーザー数を明確にしておくことが重要です。

API利用料は実際の使用量に応じて変動するため、ピーク時の負荷や想定問い合わせ件数をもとに試算しておくと予算超過を防げます。

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既存モデルの微調整(ファインチューニング)の開発費用・相場

ファインチューニングとは、既存の大規模言語モデル(GPT-4やLlama等)を、自社の業務データや専門知識で追加学習させることで、より精度の高い回答を実現する手法。API活用型やRAG型では対応しきれない以下のようなケースで採用されます。

ニューラルオプト編集部

正直なところ、ほとんどのケースでは既存モデルのファインチューニングで事足ります。

  • 専門用語が多く、一般的なAIでは回答精度が不足する
  • 業界特有の判断基準や文体を再現したい
  • 大量の過去データを活用して予測精度を高めたい

ファインチューニング型の開発では、初期費用と運用費用の両面でコストが大きくなる傾向に。

初期費用の相場(800万〜3,000万円)

ファインチューニングの初期費用には、以下の要素が含まれます。

費用項目内容
データ準備・アノテーション学習用データの整備、ラベル付け作業
GPU学習費用モデル学習に必要な計算リソース(クラウドGPU利用料)
AI/アプリ開発人月データサイエンティストやエンジニアの工数
評価・チューニング精度検証、ハイパーパラメータ調整

中規模〜本格的な構築で約630万〜1,500万円、さらにデータ量やGPU使用期間次第で3,000万円規模まで拡張するとされています。

特にデータ準備の工数は見落とされがちで、アノテーション(正解ラベルの付与)作業だけで数百万円かかるケースも珍しくありません。学習期間は2〜6か月程度が目安。

ただし、この「2〜6か月」はあくまで技術的な学習期間であり、実際のプロジェクト全体では社内調整やデータ準備にさらに2〜3か月かかるのが一般的です。当社が過去に関わった案件では、「データは揃っている」と聞いていたものの、実際には形式がバラバラで前処理に2か月を要したケースもありました。スケジュールを組む際は、技術工程だけでなく「データ整備の現実」を織り込んでおくべきです。初回打ち合わせから本番稼働までは、最短でも6か月、通常は8〜12か月を見込むのが安全と考えています。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

運用費用の相場(月20万〜100万円超)

ファインチューニングしたモデルは、精度を維持・向上させるために継続的な運用が必要です。

運用項目内容
再学習新しいデータを追加して定期的にモデルを更新
精度チューニング精度低下の原因分析と改善
監視・保守エラー検知、パフォーマンス監視

おおよそ、運用・保守・継続改善として月20万〜100万円以上のレンジ。業務環境の変化に応じてモデルを更新し続けるため、長期的なコストとして予算に組み込んでおくことが重要です。

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フルスクラッチ/画像検査・最適化の開発費用・相場

フルスクラッチ開発とは、既存のモデルやAPIに依存せず、ゼロからAIシステムを構築する方式です。以下のような高度な要件がある場合に採用されます。

  • リアルタイム処理が必要な画像検査・異常検知
  • 複数のAIモデルを組み合わせた最適化システム
  • 独自アルゴリズムによる競争優位性の確保
  • 外部APIに依存できないセキュリティ要件

この開発方式は最も費用が高額になる一方、自社の要件に完全に最適化されたシステムを構築できる点が強み。

高度案件の相場(2,000万〜1億円超)

大規模なフルスクラッチ開発では、以下のような要素が費用を押し上げます。

費用項目内容
分散学習インフラ複数のGPUサーバーを使った並列学習環境の構築
データ整備大量の学習データの収集・クリーニング・アノテーション
モデル設計・実装独自アーキテクチャの設計、実装、検証
システム統合既存の業務システムや製造ラインとの連携

本格的な開発では人月単価、GPU費用、データ整備費用の合算で数千万円から億単位に到達するケースがあります。

開発期間は6か月〜1年以上が一般的で、データサイエンティスト、機械学習エンジニア、インフラエンジニアなど複数の専門人材が必要に。プロジェクト規模が大きいほど、要件定義や仕様変更のリスクも高まるため、段階的な開発が推奨されます。

外観検査システムの相場(1,000万〜2,000万円/クラウド型は初期数十万+月数万)

製造業で需要が高い外観検査(不良品検知)システムは、導入形態によって費用が大きく異なります。

導入形態初期費用運用費用特徴
オンプレミス(カスタム)1,000万〜2,000万円月数十万円〜自社専用に最適化、高精度
クラウド型SaaS数十万〜200万円月数万〜十数万円短期導入可能、汎用的

大規模工場向けのオンプレミス型カスタム開発が1,000万〜2,000万円、一方でクラウド提供型は初期費用を抑えてサブスクリプション型で利用できるようなイメージです。

オンプレミス型は自社の製品や検査環境に完全最適化できるため精度が高い反面、初期投資が大きくなります。クラウド型は汎用的な検査モデルを使うため精度では劣る可能性がありますが、導入ハードルは低め。自社の生産規模や品質要件に応じて選択することが重要です。

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用途別の参考レンジ(チャット/要約・RAG・需要予測)

ここまで開発方式別に費用相場を見てきましたが、実際のプロジェクトでは「何を実現したいか」という用途から逆算して開発方式を選ぶケースが多いはず。本セクションでは、代表的な用途ごとの費用レンジを整理します。

生成AIチャット・要約システムの相場

社内向けFAQチャットボットや文書要約ツールは、AIアプリの中でも導入ハードルが低く、費用対効果が見えやすい用途。開発方式によって以下のように費用が変わります。

開発方式費用目安特徴
API活用型(シンプル)150万〜600万円プロンプト設計中心、短期開発
RAG型(社内データ連携)300万〜1,500万円権限管理・監査ログ含む

APIのみを活用したシンプルな実装では150万〜600万円、社内検索や監査ログを含むRAG型では300万〜1,500万円相当が目安。

API活用型は導入スピードが速い反面、社内データとの連携が限定的です。RAG型は初期投資が大きくなりますが、既存のナレッジを活用できるため回答精度が高まります。どちらを選ぶかは、求める回答品質と予算のバランス次第。

チャットボットの運用費用は、月額5万〜30万円程度が一般的で、API利用料とサーバー費用が主な内訳になります。問い合わせ件数が多い部署では、ピーク時のトークン消費量を事前に試算しておくことが予算管理のポイント。

当社がこれまで手掛けたプロジェクトの経験では、「まずAPI活用型でスモールスタートし、効果が実証されてからRAG型に移行する」というステップが最も失敗リスクが低いと考えています。いきなりRAG型で数百万円を投じても、社内データの整備が不十分だと期待した精度が出ないケースが少なくありません。むしろ初期は50万〜150万円程度のAPI型で業務フローを検証し、データ整備と並行してRAG化を進めるほうが、トータルコストを抑えられる傾向にあります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

需要予測システムの相場(300万〜600万円)

需要予測は、過去の販売データや外部要因(天候、イベント等)をもとに将来の需要を予測するAIシステム。小売業や製造業で在庫最適化や生産計画に活用されます。

費用項目内容
データ整備過去データの収集・クリーニング
特徴量設計予測に影響する要素の選定・加工
モデル構築機械学習モデルの選定・学習
精度検証予測精度の評価、改善

基盤構築フェーズで300万〜600万円が目安。

需要予測システムは、導入後も継続的なチューニングが必要です。季節変動や市場環境の変化に応じてモデルを更新しないと、予測精度が低下していきます。運用フェーズでは月額20万〜50万円程度の保守費用を見込んでおくと安心です。

データの質が予測精度に直結するため、導入前に「どのようなデータが蓄積されているか」「データに欠損や偏りがないか」を確認しておくことが成功のカギになります。

当社が関わった小売業の需要予測プロジェクトでは、過去3年分の販売データがあったものの、セール期間中のデータが欠損していたため、予測精度が想定の半分以下に留まった例があります。多くの企業は「データは揃っている」と認識していますが、実際には「使えるデータ」と「使えないデータ」が混在しているケースが大半です。PoC前に最低でも1〜2週間かけてデータ品質を診断し、クレンジング(欠損補完、異常値除去)の工数を見積もっておくことを強く推奨します。この診断を怠ると、開発途中で「予測精度が出ない」という事態に陥り、プロジェクト自体が頓挫するリスクが高まります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

RAG+業務連携(社内データ検索・監査連携)の開発費用・相場

RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、社内の文書データベースやナレッジベースと連携し、関連情報を検索した上でAIが回答を生成する仕組み。単純なAPI活用型と比べて、以下のような機能が追加されます。

  • 社内データとの連携
  • 権限管理・アクセス制御
  • 監査ログの記録
  • ID連携(シングルサインオン)

こうした要素が加わることで、費用はPoC(概念実証)段階と本番化段階で大きく変わります。

PoC(概念実証)費用の相場(300万〜500万円)

PoCとは、本格導入の前に「実際に使えるか」を検証する試作段階のこと。RAG型の場合、社内データの一部を使って検索精度や回答品質を確認するフェーズです。

RAGを含むPoC工程では300万〜500万円が目安とされています。この段階では以下のような作業が含まれます。

  • データ取り込み・前処理の設計
  • 検索エンジン(ベクトルDB等)の構築
  • プロンプト設計と回答精度の調整
  • 初期UIの実装

PoC期間は1〜2か月程度が一般的で、検証結果をもとに本番化の可否を判断します。

本番化費用の相場(追加300万〜1,000万円超)

PoC段階で効果が確認できたら、次は本番環境への実装。ここでは「非機能要件」と呼ばれる要素が加わり、費用が大きく増加します。

追加要素内容
認可・権限管理部署や役職ごとにアクセス可能なデータを制限
監査ログ誰がいつ何を検索したか記録・追跡
ID連携既存の社内システムとシングルサインオン連携
運用監視エラー検知、パフォーマンス監視、障害対応

PoC→本番で2〜10倍に費用が増えるようなイメージです。特にセキュリティやコンプライアンスの要件が厳しい企業では、上振れしやすい部分。

本番化には追加で3〜6か月程度の開発期間が必要になり、トータルで600万〜1,500万円程度の投資が一般的です。

実際の開発経験から言えば、PoC段階で「これなら300万円で本番化できそう」と見積もっても、実際には認証基盤との連携や監査ログ設計で工数が倍増し、600万〜800万円に膨らむケースが珍しくありません。特に金融や医療といったコンプライアンス要件が厳しい業界では、「PoCの3〜5倍」を想定しておくのが現実的です。当社では、PoC段階から本番要件を洗い出し、後工程での追加費用を最小化する設計を心がけています。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。


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ノーコードMVP(短期試作)の開発費用・相場

ノーコード開発とは、プログラミング不要でアプリケーションを構築できるツール(Bubble、Adalo、Make等)を活用した開発方式。近年では生成AIと連携できるプラグインも増えており、短期間で試作品(MVP:Minimum Viable Product)を作成できる点が注目されています。

この方式は以下のようなケースに適しています。

  • アイデアの検証を素早く行いたい
  • 初期投資を抑えてスモールスタートしたい
  • 技術者リソースが限られている

一方で、複雑な業務ロジックや大規模なデータ処理には向かないため、用途を見極める必要があります。

MVP費用の相場(100万〜300万円)

ノーコードツールを使ったMVP開発の費用は、フルスクラッチと比べて大幅に抑えられます。

費用項目内容
ツール利用料ノーコードプラットフォームの月額費用
UI/UX設計画面設計、ユーザー導線の整理
AI連携設定ChatGPT APIなどの接続・プロンプト設計
テスト・調整動作確認、バグ修正

開発期間は1〜2か月程度が一般的で、スピード重視のプロジェクトに向いています。ただし、ノーコードツール特有の制約(カスタマイズの限界、パフォーマンスの制限等)があるため、将来的な拡張性を考慮した設計が必要です。

本番化費用の相場(300万〜800万円)

MVPで効果が実証された後、本格的な運用に移行する際には追加の開発が発生します。

追加要素内容
スケーラビリティ対応同時アクセス数増加への対応
セキュリティ強化認証機能、データ暗号化の実装
外部システム連携基幹システムやCRMとの連携
運用保守体制監視、バックアップ、障害対応の整備

ノーコード×AI連携のMVPから本番化へ移行する際、要件追加によって300万〜800万円程度の追加投資が必要になるケースも。

ノーコードツールの制約が顕在化した場合、途中からコード開発への移行が必要になることもあるため、初期段階で「どこまでノーコードで実現するか」を明確にしておくことが重要です。

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依頼先別の目安(人月と総額レンジ)

AIアプリ開発を外部に委託する際、費用の見積もり方法として「人月単価」が使われるケースが一般的です。人月単価とは、エンジニア1人が1か月働いた場合の費用のこと。プロジェクトの規模や依頼先の種類によって単価は大きく変動します。

依頼先は主に以下の3つに分類されます。

  • 大手SIer(システムインテグレーター)
  • 中堅・専門AI開発会社
  • フリーランス・小規模チーム

それぞれの特徴と費用感を見ていきましょう。

人月単価を事前に明示する重要性

見積もりを依頼する際、必ず確認すべきなのが「人月単価」と「想定工数」です。総額だけで比較すると、後から追加費用が発生するリスクがあります。

依頼先人月単価目安特徴
大手SIer150万〜250万円実績豊富、プロジェクト管理体制が充実
中堅AI開発会社80万〜150万円AI特化の専門性、柔軟な対応
フリーランス50万〜100万円小規模案件に適している、コミュニケーションコストが低い

小規模〜中規模開発で80万〜200万円/人月の幅があります。同じ開発内容でも、依頼先によって費用が2倍以上変わることも珍しくありません。

当社が相談を受けるケースでは、「大手に見積もりを取ったら2,000万円と言われたが、本当に必要か」という声が多いです。実感として、従業員100名以下の企業であれば中堅開発会社やフリーランスとの連携で十分なケースが大半。一方、全社展開を前提とした大規模プロジェクト(従業員1,000名以上)では、プロジェクト管理体制が整った大手SIerのほうが結果的にリスクが低くなります。重要なのは「規模に見合った依頼先を選ぶ」ことであり、単純な単価比較では判断すべきではありません。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

大手SIerの強みは、プロジェクト管理の安定性と豊富な実績。複数の専門家がチームを組んで対応するため、リスク管理やドキュメント整備がしっかりしています。一方で、間接コストが上乗せされるため単価は高め。

中堅AI開発会社は、AI技術に特化した専門性を持ちながら、大手よりも柔軟な対応が期待できます。最新のAI技術や開発手法に精通しているケースが多く、技術的な提案力が強み。

フリーランスは単価が最も低く、小規模なプロトタイプやMVP開発に適しています。ただし、一人で対応できる範囲には限界があるため、大規模プロジェクトには不向き。

見積もり時に確認すべきポイント

人月単価が明示されていても、以下の点を確認しないと後から追加費用が発生する可能性があります。

  • 含まれる作業範囲:要件定義、設計、実装、テスト、運用保守のどこまでが対象か
  • 想定工数の根拠:なぜその工数が必要なのか、過去の類似案件との比較
  • 追加費用の条件:仕様変更や要件追加時の単価、上限設定の有無
  • 成果物の定義:ソースコード、ドキュメント、操作マニュアル等の納品物

特に要件定義が曖昧なまま開発を進めると、「想定外の作業が発生した」として追加費用を請求されるケースがあります。契約前に作業範囲を明文化し、変更時の対応ルールを決めておくことが重要です。

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運用費用を安く抑える方法

AIアプリの運用費用は、初期開発費用よりも長期的に大きな負担になる可能性があります。特に「推論単価」(AIが1回回答を生成するコスト)と「SLA」(サービス品質保証)のバランスをどう取るかが、コスト管理の鍵に。

推論単価は以下の要素で変動します。

  • API利用料(トークン数に応じた従量課金)
  • GPU使用時間(自前モデルの場合)
  • データ取得コスト(外部データベースへの問い合わせ)

一方、SLAでは「応答速度」「可用性(稼働率)」「同時処理数」といった指標が求められます。品質を上げるほどインフラコストが増加するため、適切な設計が必要です。

RAGを導入してAPIトークン消費を抑える

API利用型のAIアプリでは、長いプロンプトを毎回送信するとトークン消費が膨大になります。RAG(社内データ検索)を組み合わせることで、必要な情報だけを抽出してプロンプトに含められるため、トークン数を削減できます。

例えば、社内マニュアル全体(数万文字)をプロンプトに含める代わりに、関連部分だけ(数百文字)を検索して渡すことで、1回あたりのトークン消費を10分の1以下に抑えられるケースも。

ただし、RAGの導入には初期投資が必要です。PoC段階で推論単価とRAG構築コストを試算し、損益分岐点を見極めることが重要になります。

ニューラルオプト編集部

想定利用回数が多い場合、長期的にはRAG導入のほうがコスト効率が良くなります。

キャッシュや要約層を挟んで入出力を最適化する

同じ質問が繰り返される場合、キャッシュ機能を活用することでAPI呼び出しを削減できます。過去の回答を一時保存しておき、同一質問には保存済みの回答を返すことで、推論コストをゼロに。

また、長文の入力を事前に要約してからAIに渡すことで、トークン消費を抑える方法もあります。例えば、会議の議事録(1万文字)を要約AI(低コストモデル)で500文字に圧縮してから、高性能なAIで分析を行うといった二段階処理が有効です。

ニューラルオプト編集部

こうした最適化を行うことで、運用費の月額変動を緩和し、予算の見通しが立てやすくなります。

並列度をSLA起点で調整して待機時間を管理する

複数のユーザーが同時にAIを利用する場合、処理の並列度(同時実行数)を適切に設定する必要があります。並列度が低いと待機時間が発生してユーザー体験が悪化し、逆に高すぎるとクラウドコストやGPU費用が跳ね上がります。

SLAで「応答時間3秒以内」「ピーク時100人同時利用」といった目標を設定し、そこから逆算して必要なリソースを算出する方法が一般的。ピーク時の利用パターンを事前に分析し、オートスケーリング(負荷に応じた自動調整)を導入することで、コストと品質のバランスを保てます。

ニューラルオプト編集部

特に業務時間帯に利用が集中するシステムでは、夜間はリソースを縮小するなど、時間帯別の調整が効果的です。

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モデル料金改定・終了時の更改コストを見積もっておく

AIサービスは技術進化が速く、利用しているモデルが突然値上げされたり、サービス終了になったりするリスクがあります。実際、OpenAIやGoogleなどの主要プロバイダーでも、過去に料金体系の変更やモデルの廃止が発生しています。

こうした変化に対応するため、以下のような「更改コスト」を事前に見積もっておくことが重要です。

  • 代替モデルの検証費用
  • 切替に伴うプロンプト調整費用
  • 再評価・再テスト費用

代替モデル検証と切替手順を標準化する

モデル更改が発生した際、慌てて対応すると品質低下や予算超過のリスクがあります。事前に「切替手順」を標準化しておくことで、スムーズな移行が可能に。

具体的には以下のような準備が有効です。

準備項目内容
代替候補リスト主要モデルを3〜5つリストアップ
評価基準の明文化精度、コスト、応答速度の評価指標を設定
切替テストの自動化プロンプトと評価データをセットで管理

PoC段階と本番化段階で費用が2〜10倍に跳ね上がることを踏まえると、更改時にも同様の乖離が発生する可能性があります。代替モデルの検証を速やかに行える体制を整えておくことで、緊急時のコスト増を抑えられます。

データ・評価指標を再利用できるように管理する

モデル更改時に最もコストがかかるのが、再評価とチューニング作業。過去の評価データやテストケースを適切に管理しておけば、新モデルの精度検証を短期間で完了できます。

以下のような資産を整理しておくことが重要です。

  • 評価用データセット:過去の正解データ、失敗事例
  • 評価指標の定義:どの指標で合格とするか(正答率、F値等)
  • プロンプトのバージョン管理:過去の調整履歴を記録

こうした資産があれば、モデル更改時の検証工数を50〜70%削減できるケースもあります。更改コストを圧縮するための先行投資として、運用開始時から評価基盤を整備しておくことが推奨されます。

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「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、課題起点での解決策提案から、組織への定着支援、運用しながら主体的に改善していくプロセスまで、総合的なサポートが可能です。データサイエンスの知見も豊富で、データマイニングやテキストマイニングにも対応しています。

ECサイト「eBay」の価格自動設定AIや手書き文字のAI認識・要約システムなど、実績も豊富。開発費用の無駄を抑えながら、確実に成果を出したい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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【ご相談時の提案資料例】

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費用対効果や
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コンセプト設計
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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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