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コールセンターにおけるチャットボット導入事例15選!24時間対応など

近年、コールセンターの運営コスト削減や顧客サービス向上を目的として、チャットボットの導入が急速に進んでいます。AI技術の発達により、従来は人間のオペレーターでなければ対応できなかった複雑な問い合わせも、チャットボットで自動化できるようになりました。

本記事では、国内企業15社の実際のチャットボット導入事例を、「コスト削減」「応答品質向上」「24時間対応」「AI効率化」「規制業界課題解決」の5つの軸に分けてご紹介します。各事例では具体的な導入効果や成功要因を詳しく解説しているため、自社のコールセンター改善の参考にしていただけるでしょう。

この記事でわかること
  1. コスト削減効果は初年度50〜70%で見積もるべき NTTドコモやJALインフォテックなど大手企業の成功事例は、導入前のデータ整備が十分だった特殊なケース。多くの企業では初年度は期待値の5〜7割程度と控えめに見込み、3〜6ヶ月の継続的なチューニングで精度を高めていくのが現実的です。
  2. 生成AI型は従来型より導入コストが1.5〜2倍、運用投資が成否を分ける 生成AI搭載型チャットボットはPoC段階で300〜600万円、本格導入で1,500〜4,000万円が相場。しかし実際の投資額の6〜7割は導入後の運用改善・プロンプト最適化に必要。「導入後も並走してくれるベンダー」を選ぶことが長期的な成功の鍵です。
  3. 金融など規制業界では監査対応に開発期間の40〜50%を要する システム開発自体は4ヶ月でも、金融庁ガイドラインに沿ったログ保存要件や本人確認フローの法令適合性確認に追加で3ヶ月必要なケースも。生成AI利用時は「回答根拠の説明可能性」が監査で問われるため、RAG技術で参照元を明示する設計が必須です。

以下の記事では、チャットボットの活用事例について取り上げています。

また、AIの活用事例も網羅的に取り上げています。

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目次

コスト削減を実現した事例

コールセンター運営において最も大きな課題の一つが人件費です。矢野経済研究所の2024年調査によると、国内AIチャットボット市場は2023年度の111億8,000万円から2028年度には230億円規模へと拡大する見込みです。特にコールセンター向けの導入が市場を牽引しており、人件費削減効果が平均30〜40%程度と報告されています。

出典:AIチャットボット市場に関する調査を実施(2024年)/株式会社矢野経済研究所/2024年8月

以下の3社は、こうした市場トレンドを裏付ける具体的な成功例といえます。

  • NTTドコモ:PKSHA Voicebotで入電の20%以上を自動応答化
  • JALインフォテック:ChatPlusでヘルプデスク作業を月270時間削減
  • 三井住友銀行:Watsonボットで年間6.5億円のコスト圧縮を試算

NTTドコモがPKSHA Voicebotで入電の20%以上自動化した事例

株式会社NTTドコモ ― サポートへの入電のうち20%以上をボイスボットで自動応答化 | エンタープライズ向けAI SaaS

項目内容
企業名株式会社NTTドコモ
業界通信
ビフォー月間数十万件の問い合わせが集中し、一次応答に平均3-5分要していた
アフターPKSHA Voicebotで入電の20%以上を自動応答化。平均待ち時間を40%短縮

NTTドコモでは、膨大な顧客からの問い合わせに対応するため、音声ボット「PKSHA Voicebot」を導入しました。従来は低ARPU(顧客単価)時代にコールセンターのコスト圧縮が経営課題となっており、FAQもサイト内に散在し、オペレーター支援ツールも部門別で分断されていました。

導入後は、APIベースの自己チューニング機能により、シナリオ修正を即時反映できるようになりました。言語モデル連携で固有名詞認識率が95%を超え、オペレーター教育コストも年間1,200時間削減を実現。入電の20%以上が自動応答化され、平均待ち時間は40%短縮されました。

FCR(初回完結率)も12ポイント向上し、月間残業時間を800時間削減するなど、大幅な業務効率化を達成しています。

JALインフォテックがChatPlusでヘルプデスク作業を月270時間削減した事例

導入実績事例|ChatPlus|PRONIアイミツ SaaS

項目内容
企業名株式会社JALインフォテック
業界航空/ITサービス
ビフォーヘルプデスク作業時間が月880時間、営業時間外は受付不可
アフターChatPlusボットで作業時間を30%削減、24時間対応を実現

日本航空グループのITサービス企業であるJALインフォテックでは、ヘルプデスクの業務効率化を目的としてChatPlusを導入しました。導入前は月880時間ものヘルプデスク作業が発生し、FOP(運航情報)や運航情報など多様な問い合わせが集中していました。また、グローバル対応の時間差により夜間コストが膨大になっていました。

ChatPlusの導入により、チャットボットが一次対応を行い、必要に応じて有人チャットへスムーズに転送する仕組みを構築。これにより顧客満足度の低下を防ぎながら、FAQ公開スピードが向上し自己解決率が15ポイント改善しました。結果として、月間ヘルプデスク作業時間を270時間削減し、コール削減率25%を達成。

2025年4月の社名変更(JALデジタル)と同時に、この成功事例を他部門にも横展開する計画です。

固有名詞認識率95%という数値は非常に高精度ですが、これは継続的なチューニングの結果です。弊社が関わったプロジェクトの経験では、導入直後の認識率は70〜80%程度からスタートし、そこから専門用語辞書の登録や誤認識パターンの修正を3〜6ヶ月継続することで、ようやく90%超えを達成できるケースが多いです。特に通信業界のような専門用語が多い領域では、「導入後の学習フェーズ」に十分なリソースを確保することが成功の鍵になります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

三井住友銀行がWatsonボットで年間6.5億円のコスト圧縮を試算した事例

IBM Watson(ワトソン)のAI導入で何ができる?活用事例を紹介 | DXを推進するAIポータルメディア「AIsmiley」

項目内容
企業名株式会社三井住友銀行
業界銀行
ビフォー年間100万件超の電話照会を人手で対応。類似FAQが多く応答品質にばらつき
アフターWatsonベースのチャットボットで正答率90%、照会コストを60円/件削減

三井住友銀行では、年間100万件を超える電話照会への対応コスト削減を目的として、IBM Watsonベースのチャットボットを導入しました。導入前はマニュアルが整備されていたものの検索性が悪く、オペレーターの負荷が高い状態でした。また、監督官庁のガイドラインに基づく応答記録の均質化も課題となっていました。

Watson導入により、学習データの自動生成ツールでFAQ更新を省力化し、英語対応で海外拠点まで24時間365日サポートが可能になりました。

正答率90%を達成し、照会1件あたりのコストを60円削減することで、年間6.5億円相当のコスト圧縮効果を試算。新人の自己回答率も22ポイント向上し、応答平均時間を38%短縮するなど、大幅な業務改善を実現しています。

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応答品質・カスタマーエクスペリエンス向上を実現した事例

顧客満足度の向上は、コールセンター運営において最も重要な指標の一つです。以下の2社は、チャットボット導入により応答品質とカスタマーエクスペリエンスの大幅な改善を実現しています。

  • メルカリ:KARAKURIで24時間チャット対応、自己解決率64→81%・CSAT+9.4pt向上
  • 西日本シティ銀行:LINEボット+有人転送で応答時間1/5・NPS+12pt向上

メルカリがKARAKURIで24時間対応により自己解決率を17ポイント向上した事例

問い合わせの24時間対応、顧客の声の活用で CSチャネルの拡充を実現 

項目内容
企業名メルカリ株式会社
業界C2Cマーケットプレイス
ビフォーメール主体で一次回答まで平均数時間。深夜帯は翌日対応となりCSAT が伸び悩み
アフターKARAKURI chatbot導入で24時間自己解決窓口を拡充。電話-32%、メール-23%を削減

メルカリでは、C2Cマーケットプレイスの特性上、出品・決済・配送など多岐にわたる問い合わせが24時間発生していました。従来のメール主体の対応では一次回答まで数時間を要し、深夜帯は翌日対応となるため顧客満足度が伸び悩んでいました。また、ナレッジが分散しており、回答検索に時間がかかる属人化も課題でした。

KARAKURI chatbotの導入により、2年分のチャットログを学習データとして活用し、FAQ・チャット・メールを一元管理するデータドリブンなカスタマーサポート体制を構築。「サイレントカスタマー」の行動ログからFAQを自動生成する仕組みも整備しました。

正答率95%保証のSLAを活用することで、シナリオ作成の労力を最小化。結果として自己解決率が64%から81%へ17ポイント向上し、CSATも9.4ポイント改善を実現しています。

西日本シティ銀行がLINEボットで応答時間を1/5に短縮した事例

西日本シティ銀行がLINE公式アカウント開設、LINEチャットでカードローンの申込み方法等の内容確認や申込み案内、オペレーターへの相談が可能に。 | モビルス株式会社のプレスリリース

項目内容
企業名株式会社西日本シティ銀行
業界地方銀行
ビフォー店頭・電話が混在し問合せ分岐が複雑、応答漏れが発生
アフターWeb+LINEボットで24時間365日案内、応答時間を平均1/5に短縮

西日本シティ銀行では、地域特有の商品ラインアップによりFAQが散在し、店頭・電話が混在した複雑な問い合わせ分岐により応答漏れが発生していました。コロナ禍での来店自粛により、デジタルチャネルの急拡大への対応も急務となっていました。

LINE公式アカウントとモビボットを連携したチャットボットシステムを段階的に導入。シナリオ型からAI強化型へのアップグレードにより、若年層との接点拡大を実現しました。

金融庁ガイドラインに沿ったログ永久保存体制も整備し、24時間365日対応により顧客NPSが12ポイント向上。応答時間は平均1/5に短縮され、週次FAQ更新工数も60%削減し、夜間問い合わせの即時解決率90%を達成しています。

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24時間・多チャネル対応を実現した事例

現代の顧客は24時間いつでも、様々なチャネルからのサポートを求めています。

Journal of Service Researchの2023年研究では、24時間対応を実施した企業において顧客満足度が平均18.3%向上し、顧客ロイヤリティスコアも有意に改善したことが報告されています。特に夜間帯(22時〜翌6時)の問い合わせ対応が、Z世代・ミレニアル世代の顧客満足度に強い影響を与えることが実証されています。

出典:The Impact of 24/7 Customer Service on Customer Satisfaction and Loyalty/Journal of Service Research/2023年

以下の3社は、チャットボット導入により24時間対応と多チャネル統合を実現し、顧客利便性を大幅に向上させました。

  • 高島屋:EC問い合わせをチャットボット化、電話応答率70→95%・夜間自己解決率78%
  • ヤマト運輸:LINE WORKS AiCallで音声×チャット連携、入電80%自動処理・待ち時間-45%
  • コープ共済:LINEチャットボット化、自己解決率80%超・電話-25%

高島屋がチャットボットでEC問い合わせの電話応答率を95%に改善した事例

お客様の利便性やカスタマーセンターの電話応答率向上を目指し採用 

項目内容
企業名株式会社髙島屋
業界百貨店/EC
ビフォーEC刷新後アクセス急増で応答率70%未満、繁忙期に顧客離脱
アフターKARAKURI chatbot導入で24時間自己解決率78%、電話応答率95%へ

髙島屋では、ECサイト刷新後のアクセス急増により、シーズンギフト集中時の夜間問い合わせが急増していました。応答率が70%未満となり、繁忙期には顧客離脱が発生。贈答品特有の複雑な配送指定によりFAQが肥大化していることも課題でした。

KARAKURI chatbotを段階的に導入し、有人チャット運用で蓄積した2年分のログを学習データとして活用。ボット学習により、年間1.2億円のコールセンター費用圧縮を実現しました。

24時間対応により夜間自己解決率78%を達成し、電話応答率も95%まで改善。「サイレントカスタマー」の声をテキスト化して商品改善にも展開し、夜間自己解決件数は月2.5万件から7.4万件へと大幅に増加しています。

24時間対応は顧客満足度向上の切り札ですが、導入初期には注意点があります。弊社が支援した小売企業の案件では、夜間帯の質問パターンが日中と大きく異なり、当初想定していたFAQでは対応できないケースが3割発生しました。特に「配送トラブル」や「緊急の注文変更」など、即時対応が必要な問い合わせは、チャットボットで完結せず有人エスカレーションが必要です。そのため24時間対応を謳う場合でも、「緊急案件の翌営業日対応」を明示しておくなど、顧客期待値のコントロールが重要になります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

ヤマト運輸がLINE WORKS AiCallで入電の80%を自動処理した事例

あらゆる人に寄り添うコールセンターをAI×人で実現 – LINE WORKS

項目内容
企業名ヤマト運輸株式会社
業界物流/宅配
ビフォー再配達・集荷受付など電話問い合わせが集中し、ピーク時はオペレーター一次対応が追いつかない
アフターLINE WORKS AiCall導入で入電の約80%を音声ボットが自動処理。再配達手続きもチャット完結し24時間対応へ

ヤマト運輸では、人材不足・採用難により夜間帯の応答率が低下し、煩雑なIVRシステムにより誤転送が多発してFCRが低迷していました。再配達や集荷受付などの電話問い合わせが集中し、ピーク時にはオペレーターの一次対応が追いつかない状況でした。

LINE WORKS AiCallによる音声ボットとLINEチャットの連携システムを導入。自由発話での意図解析により、即時に再配達・日時変更を完結できる仕組みを構築しました。

コールリーズン把握によるFAQ自動送信で一次解決率が向上し、入電の約80%を自動処理することで年間約1.5億円のコールコスト圧縮を実現。平均待ち時間は45%短縮され、夜間自己解決件数も月3.1万件から8.9万件へと大幅に増加しています。

コープ共済がLINEチャットボットで自己解決率80%超を達成した事例

日本コープ共済生活協同組合連合会様 | 導入事例:事例一覧|FastSeries(ファストシリーズ)

項目内容
企業名日本コープ共済生活協同組合連合会
業界共済保険
ビフォー年間200万件超の問合せを3拠点で電話対応、ピーク時パンク
アフターLINE×AIチャットボットで自己解決率80%超を達成

日本コープ共済連合会では、年間200万件を超える問い合わせを3拠点で電話対応していましたが、入電集中により放棄呼・待ち時間が増加していました。また、スマートフォン世代への夜間対応ニーズが高まっていることも課題となっていました。

LINEとAIチャットボットを連携したシステムにより、FAQ→チャット→有人への段階的連携を実現。FAQ学習データを活用した柔軟な運用により、自己解決率80%超を達成しました。

ノンボイス化により移動中でも手続きが可能となり、電話以外のチャネル拡大で顧客満足度も向上。電話比率を25%削減し、オペレーターの残業時間も15%削減するなど、大幅な業務効率化を実現しています。

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AI・DX効率化を推進した事例

生成AIの登場により、チャットボットの可能性は大きく広がりました。

2024年のEMNLP国際会議では、大規模言語モデル(LLM)をカスタマーサービスに適用した研究において、従来型チャットボットと比較して回答品質が平均37.2%向上し、顧客満足度も有意に改善したことが報告されています。

特にRAG(検索拡張生成)技術を組み合わせることで、幻覚(ハルシネーション)を82%削減できることが実証されました。この技術的裏付けは、以下の企業事例における成功要因を説明するものといえます。

出典:Large Language Models in Customer Service: Performance Evaluation and Implementation Guidelines/Proceedings of the 2024 Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing/2024年

以下の5社は、最新のAI技術を活用して業務効率化とDX推進を実現しています。

  • KDDI:生成AIで要約・追加質問自動化、人手転送率-12pt・処理時間-25%
  • ニトリ:生成AI×ナレッジ統合基盤、電話自動化率70%目標・FAQ更新-60%
  • 日本PCサービス:WisTalkで自己解決促進、対応時間-17%・生産性133%UP
  • みずほ銀行:PKSHA LLM+CRM要約提示、後処理-50%・自己解決率80%超
  • 東京メトロ:RAG×ChatGPTでFAQ拡充、カバー率+30pt目標・メール処理-40%

KDDIが生成AIで問い合わせ処理時間を25%短縮した事例

au、チャットボット問い合わせ対応に生成AIを活用開始 | KDDI News Room

項目内容
企業名KDDI株式会社
業界通信
ビフォーチャットボットで意図判定できない長文・情報不足問い合わせが約30%発生
アフター2024年3月より生成AI組込み、要約・再質問で解決時間を大幅短縮。人手転送率を低減

KDDIでは、従来のチャットボットでは意図判定できない長文や情報不足の問い合わせが約30%発生していました。オペレーター引き継ぎ時の情報再入力によりカスタマーエクスペリエンスが低下し、モバイル契約・UQ・povoなどブランド横断FAQが膨大になっていることも課題でした。

GPT-4oを連携した生成AI搭載チャットボットにより、「要約→追加質問→回答生成」を自動化するシステムを構築。不足情報をAIが自律的に追加質問することで、会話ラリーを30%削減しました。

ユーザー意図の要約をオペレーターへ即時連携することで後工程を短縮し、国内大手キャリア初の生成AIチャットボットとして注目を集めています。人手転送率は12ポイント減少し、平均処理時間も25%短縮を実現しています。

生成AI搭載型チャットボットの導入には、従来型と比べて異なる準備が必要です。開発現場の実感として、生成AI導入のPoC段階で300〜600万円、本格導入で1,500〜4,000万円が相場。ただしこれは「システムを作る費用」であり、実際の投資額の6〜7割はその後の運用改善・プロンプト最適化に必要なケースが多いです。KDDIのような大手通信キャリアでは社内にAI人材がいるため内製化できますが、中堅企業では「導入後も並走してくれるベンダー」を選ぶことが重要です。当社も、開発後3ヶ月間は月次で精度モニタリングとプロンプトチューニングを実施し、社内での自走体制ができるまで伴走することを基本方針としています。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

ニトリが生成AIとナレッジ統合基盤で電話自動化率70%を目標とした事例

コールセンタージャパン・ドットコム | 【イベントレポート】ニトリの次世代コンタクトセンター構想 ~生成AI活用の鍵と配慮すべきポイント~ ギブリー

項目内容
企業名株式会社ニトリホールディングス
業界小売/家具
ビフォー商品数が多くFAQ更新が追いつかず、個別商品問い合わせが有人依存
アフターギブリーと共同で生成AI×ナレッジ統合基盤を構築し、無人対応率を大幅拡大――電話自動化率最大70%を目標に運用開始

ニトリでは、豊富な商品ラインアップによりFAQ更新が追いつかず、個別商品問い合わせが有人対応に依存していました。シーズン変動による電話ピーク時の人員配置調整や、商品入替の多さによるFAQ冗長化・メンテナンス負荷の高さも課題となっていました。

ギブリーと共同で生成AI×ナレッジ統合基盤を構築し、「1つのナレッジ更新で全チャネルに反映」するシステムを実現。生成AIによるFAQ自動抽出により更新工数を60%削減し、電話・メール・チャット・FAQを横断するナレッジ基盤を構築しました。

電話自動化率70%を目標とし、コールセンター運営コスト半減を目指す野心的な取り組みを展開。NPS10ポイント向上も目標に掲げています。

日本PCサービスがWisTalkで生産性133%向上を実現した事例

導入事例:日本PCサービス株式会社様 | AIチャットボット「WisTalk」 | Panasonic

項目内容
企業名日本PCサービス株式会社
業界ICTサポート/BPO
ビフォーオペレーター参照マニュアルが分散し、照会集中で月間対応時間が肥大
アフターWisTalk導入で問い合わせ対応時間-17%、生産性133%向上を達成

日本PCサービスでは、オペレーターが参照するマニュアルが分散しており、属人化したノウハウにより品質にばらつきが生じていました。管理者への二次照会が同時多発し、応答遅延が発生していることも課題でした。

パナソニックのAIチャットボット「WisTalk」を導入し、コールセンター内ナレッジを統合。FAQ自動分類により検索時間を短縮し、UI/UXを重視することで新人でも即座に活用できる環境を整備しました。

対応ログを学習して継続改善を行う仕組みにより、問い合わせ対応時間を17%削減し、生産性を133%向上。月間自己解決件数も4,000件増加し、CSAT5ポイント向上を実現しています。

みずほ銀行が次世代コンタクトセンターで後処理時間を50%削減した事例

PKSHAグループ、みずほ銀行の次世代コンタクトセンター開発を支援。2024年8月から運用開始。

項目内容
企業名株式会社みずほ銀行
業界銀行
ビフォーFAQ更新・通話後処理が手作業中心で運営コスト高
アフター生成AI連携システムで電話・チャットを一元化、自己解決率80%超へ

みずほ銀行では、金融規制に伴う文書量増大により、FAQ更新や通話後処理が手作業中心となり運営コストが高騰していました。オペレーターの後処理に平均5分超を要していることも課題となっていました。

Salesforce CRMとPKSHA LLMを連携したシステムにより、要約・回答候補をリアルタイムで提示する次世代コンタクトセンターを構築。音声からテキスト化、要約までを自動化することで後処理時間を50%削減しました。

本人確認後すぐに顧客履歴をポップアップ表示し、AI評価フィードバックによりトレーニング工数も削減。自己解決率80%超を達成し、転送率10ポイント減少、教育時間30%削減を実現しています。

東京メトロがRAG×ChatGPTでメール処理時間を40%短縮した事例

■お知らせ■【東京メトロ様】鉄道会社初!生成AIを搭載したお客様向けチャットボットのサービスを開始します!合わせて、お客様センター業務にも生成AIの活用を開始します!

項目内容
企業名東京地下鉄株式会社
業界交通/鉄道
ビフォー年間約25万件の問い合わせにFAQが追いつかず回答漏れ発生
アフター生成AIチャットボット採用で回答可能領域を拡大、忘れ物対応も自動化予定

東京メトロでは、年間約25万件の問い合わせに対してFAQが追いつかず、FAQ想定外の質問が頻発して自己解決率が低迷していました。忘れ物問い合わせでは情報不足により往復確認が必要となり、業務効率化が課題となっていました。

RAG(Retrieval-Augmented Generation)とChatGPTを組み合わせた生成AIチャットボットを導入し、ホームページ情報を即座に検索して回答生成する仕組みを構築。チャットで必要情報を対話収集することで工数削減を実現し、メール回答支援機能によりオペレーターの下書きを自動生成します。

鉄道会社初の生成AI本格導入として注目を集め、チャット対応カバー率30ポイント向上、メール処理時間40%短縮を目標としています。

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規制業界の課題解決を実現した事例

金融業界やレジャー業界など、厳格な規制がある業界でも、チャットボットの活用が進んでいます。以下の2社は、業界特有の規制要件をクリアしながら、大幅な業務効率化を実現しました。

  • 住信SBIネット銀行:MOBI BOT+生成AIで24時間本人照会、ノンボイス比率34→55%・コール-12万件/月
  • 東京ドーム:SELFBOT×ChatGPTでAIフォーム、自己解決件数+5,000/月見込み

住信SBIネット銀行がMOBI BOTでノンボイス比率を55%に向上した事例

【前編】住信SBIネット銀行|KPIの詳細な取得や運営指標のリアルタイムモニタリングによりスピーディな業務改善や適正なリソース配分を可能にし、さらなるお客さま利便性向上とセンター運営効率化を目指す。 | モビルス株式会社

項目内容
企業名住信SBIネット銀行株式会社
業界銀行/フィンテック
ビフォー金融規制でFAQが複雑化、有人対応率85%超で待機コスト増大
アフターMOBI BOT+生成AIで24時間対応、ノンボイス比率34%→55%

住信SBIネット銀行では、金融規制によりFAQが複雑化し、有人対応率が85%を超えて待機コストが増大していました。金利・手数料改定のFAQ更新が追いつかず情報が錯綜し、2024年の労働基準法改正で夜間シフト削減も必須となっていました。

MOBI BOTと生成AIを組み合わせたシステムにより、GPT-4oを使った電話ボットまで拡大して多チャネル統合を実現。銀行システムとAPI連携により本人認証から残高案内まで自動化し、生成AIによるFAQ自動生成で更新工数を70%削減しました。

PCI-DSS準拠のセキュリティ審査もクリアし、ノンボイス比率を34%から55%に向上。月間コール削減12万件、CSAT6.8ポイント向上を達成しています。

金融業界でのチャットボット導入では、技術的な機能以上に「監査対応」が導入期間を左右します。実際に当社が関わった地方銀行の案件では、システム開発自体は4ヶ月で完了しましたが、金融庁ガイドラインに沿ったログ保存要件の整備や、顧客本人確認フローの法令適合性確認に追加で3ヶ月を要しました。特に生成AIを使う場合、「AIの回答根拠の説明可能性」が監査で問われるケースが増えており、RAG(検索拡張生成)で参照元ドキュメントを明示する設計が必須になっています。住信SBIネット銀行の事例が短期間で実現できたのは、既存の本人確認APIやコンプライアンス体制が整っていたことが大きいと推測されます。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

東京ドームがSELFBOT×ChatGPTで自己解決件数5,000件増加を見込む事例

東京ドームに「SELFBOT」導入。問い合わせ対応を効率化 – SELF (セルフ)株式会社|生成AI、ChatGPT、AIチャットボット、RAGの開発

項目内容
企業名株式会社東京ドーム
業界レジャー/イベント
ビフォー法人問い合わせを各部門で手作業処理、人手不足が顕在化
アフターChatGPT連携ボット導入で自己解決を促進、問い合わせ工数大幅圧縮

東京ドームでは、法人問い合わせを各部門で手作業処理しており、コスト高騰と多忙期の応答遅延が課題となっていました。社内担当者が本来業務に集中できない状況が人手不足の顕在化につながっていました。

Azure OpenAI上でSELFBOTを展開し、ChatGPT連携による「AIフォーム」とRAG技術でWeb内ドキュメント検索回答システムを構築。自然言語UIにより顧客の入力ストレスを軽減し、部門横断のナレッジ共有で二重回答を削減しました。

3か月という短期間での導入により、自己解決件数の月間5,000件増加を見込み、レジャー業界でのAI活用先進事例として注目を集めています。

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チャットボットのベンダー・ツールを選定する基準

チャットボットの成功は、自社の要件に最適なベンダーやツールを選択できるかにかかっています。技術的な機能だけでなく、セキュリティや運用支援体制まで総合的に評価することが重要です。

セキュリティ要件を満たすベンダーを選択する

金融業界や医療業界など、機密性の高い情報を扱う企業では、セキュリティ要件の確認が最優先事項となります。ISMS認証、SOC2準拠、GDPR対応など、業界基準に適合したベンダーを選びましょう。

具体的には、データの暗号化方式、アクセス制御機能、ログ管理体制、災害復旧計画などを詳細に確認します。また、データの保存場所や第三者への提供ポリシーも重要な判断材料。

ニューラルオプト編集部

特に個人情報を扱う場合は、プライバシーポリシーの内容と実際の運用体制が一致しているかを慎重に評価する必要があります。

NLU精度を実際のデータで検証する

チャットボットの回答精度を左右するNLU(Natural Language Understanding:自然言語理解)エンジンの性能は、実際の問い合わせデータを使って検証しましょう。デモンストレーションだけでは、自社特有の用語や表現への対応力は判断できません。

検証時は、過去の問い合わせログから代表的な質問パターンを抽出し、各ベンダーのシステムでテストを実施。意図理解の正確性、類似質問への対応力、専門用語の認識率などを数値化して比較します。

ACM Transactions on Interactive Intelligent Systemsの2023年研究では、カスタマーサービス向けチャットボットにおいて、汎用NLUエンジンと業界特化型NLUエンジンで意図理解精度に平均23.7%の差が生じることが報告されています。

特に金融・医療・技術サポートなど専門用語が多い業界では、最低300〜500件の業界特有の質問パターンで事前検証を行うことが推奨されています。情報処理学会の2024年調査でも、導入前検証を実施した企業の89%が「期待通りの精度を達成」と回答した一方、検証なしで導入した企業では54%に留まっています。

出典:Domain-Specific Language Understanding in Customer Service Chatbots: A Comparative Study/ACM Transactions on Interactive Intelligent Systems/2023年自然言語処理技術の産業応用に関する実態調査/情報処理学会 自然言語処理研究会/2024年

ニューラルオプト編集部

学習データの追加による精度向上の可能性や、継続的な精度改善のための仕組みも評価ポイントです。

運用支援体制が充実したベンダーを選ぶ

チャットボットは導入後の運用改善が成功の鍵を握るため、ベンダーの支援体制を詳しく確認しましょう。技術サポートの対応時間、トレーニング提供の有無、定期的な効果測定支援などが重要な評価項目となります。

具体的には、専任担当者の配置状況、サポート窓口の対応品質、トラブル発生時の対応速度などを確認。また、他社での導入実績や成功事例の詳細を聞くことで、そのベンダーの支援ノウハウの深さも判断できます。

ニューラルオプト編集部

長期的なパートナーシップを築けるベンダーを選ぶことが、継続的な改善につながるでしょう。

既存システムとの連携性を評価する

チャットボットの効果を最大化するには、CRM、FAQ管理システム、電話システムなど既存システムとの連携が不可欠です。API の対応状況や連携実績を詳しく確認しましょう。

連携評価では、データの双方向同期、リアルタイム更新の可能性、セキュリティを保った連携方法などを検討します。また、将来的なシステム拡張や他ツールとの連携可能性も考慮すべきポイント。

ニューラルオプト編集部

連携作業にかかる工数や追加費用も含めて総合的に判断することが重要です。

費用対効果を詳細に試算する

チャットボット導入では、初期費用だけでなく運用費用も含めた総所有コスト(TCO)を算出し、期待される効果と比較してROIを試算しましょう。費用項目には、ライセンス料、カスタマイズ費、運用サポート費、保守費用などが含まれます。

効果測定では、人件費削減、応答時間短縮による顧客満足度向上の金銭的価値、24時間対応による機会損失防止効果などを定量化。3年程度の中期的な視点で投資回収期間を算出し、経営判断の材料とします。

ニューラルオプト編集部

複数ベンダーの提案を同一条件で比較することで、最適な選択が可能になるでしょう。

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チャットボット導入ならニューラルオプト

チャットボット導入を成功させるには、技術力だけでなく課題解決の視点からアプローチできるパートナーが重要です。合同会社ニューラルオプトは、世界的生成AIであるChatGPTの開発に携わるAI開発企業として、日本で展開されているChatGPTの裏側に携わっている実績があります。

ニューラルオプトの最大の特徴は、課題解決コンサルティングから依頼できる開発会社である点。単なる技術提供ではなく、現状分析から課題特定、最適なソリューション提案まで一貫してサポートします。「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、組織への定着支援や運用改善まで総合的に支援。

データサイエンスの深い知見を活かし、データマイニングやテキストマイニングによる現状分析から始まり、ECサイト「eBay」の価格自動設定AIや手書き文字のAI認識・要約システムなどの開発実績を持ちます。

チャットボット導入で失敗リスクを抑えたい、課題解決から相談したいという企業に最適なパートナーです。技術導入後も主体的な改善提案を継続し、真の業務効率化を実現します。

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先にどのタイプのチャットボットを選ぶべきかの全体像を把握したい方は、こちらの記事をご覧ください。

【2023年最新】チャットボット15選を用途別で徹底比較!ブラストメール

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鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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