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自治体におけるDX事例15選!効率化や住民満足度UP、小規模導入など

地方自治体におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、住民サービスの向上と業務効率化を実現する重要な取り組みとなっています。

本記事では、全国の自治体で実際に成果を上げているDX事例を5つの軸で分類し、15の先進事例をご紹介します。業務コストの大幅削減から住民満足度の向上、データ連携基盤の構築まで、それぞれの成功要因と具体的な効果を詳しく解説していきます。

この記事でわかること
  1. 自治体DXは初年度効果が計画の65%程度だが、2年目以降の継続改善で成果が拡大する 総務省調査では、RPA・AI導入自治体の78.3%が効果を実感し平均32.7%の業務時間削減を達成。ただし初年度は想定の6〜7割の効果にとどまるため、長期視点での改善サイクル設計が成功の鍵となります。
  2. スモールスタート成功後の横展開には「標準化マニュアル」と「効果測定の型」が不可欠 初期成果を上げても横展開成功率は53.2%にとどまります。担当者異動による知見消失や他部署の抵抗を防ぐため、PoC段階から再現可能な手順と数値評価の仕組みを整備すれば成功率は78.6%まで向上します。
  3. システム導入後3〜6ヶ月の伴走支援期間の有無で、継続利用率が2倍変わる 納品時点で支援終了の場合、利用率は41.3%に低下しますが、定着支援期間を設けると82.7%が継続利用。月次ログ分析と現場ヒアリング、小刻みな改善実施により職員の利用習慣が形成され、長期的成功につながります。
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目次

業務コストを30%以上削減

業務効率化によって大幅なコスト削減を実現した自治体の事例をご紹介します。

総務省の2023年調査によると、RPA・AI-OCR導入自治体の78.3%が「業務時間削減効果あり」と回答し、平均削減率は年間業務時間の32.7%に達しています。ただし同調査では、導入初年度の効果は計画値の65%程度にとどまるケースが多く、2年目以降の継続的改善が重要と指摘されています。

出典:地方自治体におけるRPA導入効果に関する実証研究 / 総務省行政管理局 / 2023年

  • 札幌市が児童手当業務をRPA化して処理時間を大幅短縮した事例
  • 恵庭市が税務課業務にRPA+AI-OCRを導入して年間1,100時間削減した事例
  • 長岡市が全庁でRPAを展開して年間18,603時間削減した事例

札幌市が児童手当業務のRPA化で処理時間を大幅短縮した事例

RPAテクノロジーズ「BizRobo! Basic」、札幌市へ本格導入開始 ~札幌市内全12万件強の児童手当支給認定業務のRPA化に成功!1件当たり20秒でロボットによる高速処理を実現し、市のDXを推進~ | 面倒な単純作業を自動化し、 繰り返しから解放するRPAツール「BizRobo!」「BizRobo!(ビズロボ)」

項目内容
企業名札幌市
業界地方自治体
ビフォー児童手当支給認定12万件超を職員が手作業で審査・登録。1件数分、繁忙期は残業増。
アフターRPA「BizRobo! Basic」で1件20秒処理、大量バックグラウンド処理を実現。残業大幅削減。

札幌市では、児童手当の支給認定業務において12万件を超える大量データの処理が職員の大きな負担となっていました。従来は1件につき数分を要する手作業での審査・登録作業により、繁忙期には残業が増加する課題を抱えていたのです。

この課題解決のため、同市はRPAテクノロジーズ株式会社の「BizRobo! Basic」を導入しました。導入効果は劇的で、従来数分かかっていた1件の処理時間がわずか20秒に短縮。大量のデータを背景で自動処理できるようになり、職員の残業時間も大幅に削減されました。

政令市クラスでも十分な効果を実証したことで、他部署への横展開も視野に入れたリソース設計が行われています。2021年5月の本格導入以降、12万件規模の一括自動化という先進的な取り組みとして注目を集めている事例です。

恵庭市が税務課業務でRPA+AI-OCRにより年間1,100時間削減した事例

RPAとOCRで税務課業務を効率化して自治体のDX推進を加速|導入事例|法人のお客さま|NTT東日本

項目内容
企業名恵庭市
業界地方自治体
ビフォー税務課16業務が紙帳票ベース。データ入力に5職員×繁忙期2ヶ月=約1,600時間。
アフターAI-OCR+RPAで自動読取→台帳投入。年間1,100時間削減、誤入力ゼロ。

恵庭市税務課では、16の業務において紙帳票からのデータ入力作業が大きな負担となっていました。特に繁忙期には5名の職員が2ヶ月間で約1,600時間を費やす状況で、人口減により職員増員が困難な中、業務効率化が急務でした。

同市はNTT東日本の「おまかせRPA」と「AIよみと~る」を組み合わせたソリューションを導入。AI-OCRが紙帳票の内容を自動で読み取り、RPAが台帳システムへ自動投入する仕組みを構築しました。結果として年間1,100時間の削減を実現し、誤入力もゼロになりました。

1つのロボットで1件30秒という高速処理を実現し、税務課主導で全庁展開の設計も進めています。LGWAN対応クラウドを採用し、道内自治体への横展開モデルを無償共有するなど、地域全体のDX推進にも貢献。DX推進局のSociety 5.0事例集にも掲載される先進事例となっています。

長岡市が全庁RPA展開で年間18,603時間削減を実現した事例

RPAで業務時間を18,000時間削減!新潟県長岡市のDX事例|グローカル株式会社

項目内容
企業名長岡市
業界地方自治体
ビフォー74業務を人手処理。年間9,000時間以上の残業・二重入力。
アフター全庁RPAで74業務を自動化し、18,603時間削減(2024集計)。職員研修も3段階で内製化。

長岡市では、74もの業務を人手で処理しており、年間9,000時間以上の残業が発生していました。人口減により職員増員が困難な状況下で、業務量は年々増大していく課題に直面していたのです。

2018年から9課でトライアルを開始し、首長主導で全庁展開を推進。RPAとAI-OCRを組み合わせることで、入力ミスをゼロにしながら大幅な業務時間短縮を実現しました。特筆すべきは職員の内製化への取り組みで、3段階の研修制度を整備し、職員が自らRPAシナリオを作成・共有するコミュニティを形成。

2024年の集計では74業務の自動化により、年間18,603時間という大幅な削減効果を上げています。ICT部門が効果測定を公開し議会説明に活用するなど、透明性の高い運営も評価されており、国補助金も効果的に活用した全庁展開の成功事例として注目されています。

私たちがAI・RPA導入支援に携わった経験では、自治体が「年間何千時間削減」という数字を出す際、初年度は想定の60〜70%程度の効果に留まるケースが多いです。理由は、業務フローの再設計や職員への定着に想定以上の時間がかかるため。重要なのは、初年度の控えめな成果を受け入れたうえで、2年目以降に改善サイクルを回し続けることです。長岡市のように全庁展開で18,603時間削減という数字は、こうした地道な継続改善の結果といえます。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

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住民満足度を大幅に向上

住民の利便性向上と満足度アップを実現した自治体の取り組み事例です。

  • 福岡市がLINE公式アカウントで24時間セルフサービスを実現した事例
  • 横須賀市が生成AIチャットボット「ニャンぺい」で24時間相談対応を開始した事例
  • 流山市がキャッシュレス決済と「行かない窓口」で利便性を向上した事例
  • 北九州市が観光AIチャットボットで多言語対応を強化した事例

福岡市がLINE公式アカウントで24時間セルフサービスを実現した事例

福岡市 福岡市LINE公式アカウント

項目内容
企業名福岡市
業界地方自治体
ビフォー電話・窓口での問合せ集中、待ち時間・職員応対コストが増大。
アフターLINE公式アカウントで情報配信・ゴミ分別検索・FAQ等5機能を提供、24時間セルフサービス化。

福岡市では、電話や窓口への問い合わせが集中し、住民の待ち時間と職員の応対コストが課題となっていました。特に若年層を中心にオンライン接点の拡大が求められており、実装コストを抑えながら既存システムとの連携も必要でした。

同市はLINE Fukuokaと共創で、政令市初となる包括的なLINE公式アカウントを開設。情報配信、ゴミ分別検索、FAQ対応など5つの機能を提供し、24時間いつでも利用できるセルフサービス環境を構築しました。

現在LINE友だち数は約100万人と市人口の8割を超える規模に成長。利用ログを基にした機能追加を継続的に行い、災害情報やワクチン情報にも即座に対応できる体制を整えています。LINE SMART CITY GovTechプログラムを活用したモバイルファーストの住民サービスとして、全国の自治体から注目を集める先進事例です。

横須賀市が生成AIチャットボット「ニャンぺい」で24時間相談対応を開始した事例

生成AIを活用したお悩み相談チャットボットの公開実験スタート|横須賀市

項目内容
企業名横須賀市
業界地方自治体
ビフォー電話・窓口相談が中心。開庁時間外は対応不可、回答の質も担当者に依存。
アフターGPT-4o搭載チャットボット「ニャンぺい」を公開実験。24時間自己解決+不具合を市民が報告し学習データ化。

横須賀市では、市民の多様な悩み相談に対して電話や窓口での対応が中心で、開庁時間外の対応ができない課題がありました。また、回答の質が担当者によって左右されることも問題となっていました。

同市は2024年5月から6月にかけて、GPT-4oを搭載したチャットボット「ニャンぺい」の公開実験を実施。国内自治体では先行的なGPT-4o採用となり、24時間いつでも市民が自己解決できる環境を提供しました。特徴的なのは市民参加型の改善サイクルで、利用者が不具合を報告することで学習データとして活用する仕組みを構築。

AI戦略アドバイザーの深津貴之氏が監修し、職員向けの同型ボットも並行運用することで庁内ナレッジの蓄積も進めています。経営企画部デジタル・ガバメント推進室主導で、コストを最小に抑えながら迅速にPoC(概念実証)を実現した生成AI活用の先進事例として評価されています。

生成AIチャットボット導入で見落とされがちなのは、「不正確な回答による信頼失墜リスク」です。当社が自治体向け生成AI案件に関わる中で痛感するのは、精度95%でも残り5%の誤回答が住民クレームに直結する点。横須賀市のように「市民が不具合を報告する仕組み」を最初から組み込み、誤答を学習データ化する設計が不可欠です。また職員向けボットの並行運用も重要で、庁内で先に使い倒して精度を上げてから住民向けに展開するという順序が、失敗リスクを下げる現実的な進め方といえます。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

流山市がキャッシュレス決済と「行かない窓口」で利便性を向上した事例

各種請求書支払い(キャッシュレス決済アプリ)での納付について|流山市

項目内容
企業名流山市
業界地方自治体
ビフォー窓口は現金のみ・紙申請中心。コロナ禍で待ち時間が長大化。
アフター2023年度からキャッシュレス決済を全庁導入、2024年8月にオンライン申請システム「行かない窓口」開始。

流山市では、窓口での支払いが現金のみで、申請手続きも紙ベースが中心でした。コロナ禍により窓口の待ち時間が長時間化し、人口急増に伴う窓口混雑と感染症対策が急務となっていました。

同市は若年転入層のユーザーエクスペリエンス改善を重視し、2023年度にキャッシュレス決済端末50台を一括導入。2024年8月にはオンライン申請システム「行かない窓口」を開始し、オンライン申請から本人確認、決済までをワンストップで完結できる仕組みを構築しました。

行政マーケティングの観点から市民アンケートを実施し、そのフィードバックをサービス設計に反映。交付金を活用してコストを圧縮しつつ、現金処理や紙書類による事務負荷を大幅に軽減しました。マーケティング課主導のデジタル戦略として、2023年10月からは生成AIの庁内試験運用も開始するなど、包括的なDX推進を展開している注目事例です。

北九州市が観光AIチャットボットで多言語対応を強化した事例

【令和7年7月8日結果公表】AI チャットボットを活用した観光案内業務委託(公募型プロポーザル) – 北九州市

項目内容
企業名北九州市
業界政令指定都市
ビフォー観光案内は電話・窓口対応のみ。多言語対応も限定的。
アフターAIチャットボット(観光案内)を2025年度から本格運用予定。公募プロポーザルで多言語・週次更新体制を確保。

北九州市では、観光案内が電話や窓口での対応のみに限られており、急増する外国人観光客への24時間体制での情報提供ができない状況でした。紙パンフレットや電話案内ではコストが高く、情報更新も遅延しがちという課題を抱えていました。

同市は2025年度からの本格運用に向けて、AIチャットボットによる観光案内システムの導入を決定。公募プロポーザルにより株式会社ビジョンサービスを受託候補者として選定し、機械翻訳に依存しないバイリンガル体制を構築しました。

週次更新と現地取材を条件とすることで情報の即応性を担保し、多言語対応によりインバウンド強化を図っています。AIと有人のハイブリッド運用により、質の高いサービス提供を実現する予定です。2025年度内にはSNSや公式サイトへのAPI連携も計画されており、観光情報発信の一元化と効率化を目指す先進的な取り組みとして期待されています。

■少しでもAI・システム開発やPoCに興味があれば、まずはお気軽にご相談ください。目的・課題を伺ったうえで、弊社から手堅く進める方法・お見積りをお伝えさせていただきます。
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データ連携基盤で意思決定を迅速化

部局横断でのデータ活用により、迅速な意思決定と効率的な行政運営を実現した事例をご紹介します。

  • 三重県がデータ連携基盤「MIEROPA」で県内自治体の共同利用を実現した事例
  • 神戸市が「Urban Innovation KOBE」で官民共創プログラムを推進した事例
  • つくば市がFIWARE基盤でスマートシティ機能を統合した事例
  • 会津若松市が地域通貨連携でAPI経済圏を構築した事例

三重県がデータ連携基盤「MIEROPA」で県内自治体の共同利用を実現した事例

001185629.pdf

項目内容
企業名三重県
業界都道府県
ビフォー各市町が個別システムを保有し、データ共有が困難。
アフター共同データ連携基盤「MIEROPA」を構築し、県内自治体で共用。オープンデータサイトも開設(2024年7月)。

三重県では、各市町が個別にシステムを保有していたため、データ共有が困難な状況でした。財政制約がある中でDX投資を最小化しつつ、災害対応や観光振興などの広域課題にデータ活用が不可欠という課題に直面していました。

同県はみえDXセンターを運用主体として、共同データ連携基盤「MIEROPA」を構築。県内自治体が共同利用できるプラットフォームを整備し、2024年7月にはオープンデータサイトも開設しました。

2025年度改訂ビジョンを公開し、API化を前提とした拡張設計により将来的な機能追加にも対応。市町の負担を抑える共同利用モデルにより、重複投資を回避しながら県域横断でのデータ活用を実現しています。

災害時の情報共有や観光データの一元管理など、広域連携が必要な分野での効果的な活用が期待される、都道府県レベルでのデータ基盤整備の先進事例です。

内閣府の2023年実態調査では、データ連携基盤を構築した自治体のうち42.1%が「構築後の利用率が想定を下回った」と回答しており、主な要因として「各部署がデータ投入するインセンティブ不足」「具体的なユースケースの欠如」が挙げられています。同調査は、基盤稼働後3ヶ月以内に実務上のメリットが実感できる初期ユースケースを提示することが、継続利用の鍵と結論づけています。

出典:地方公共団体におけるデータ連携基盤の実態調査報告書 / 内閣府地方創生推進事務局 / 2023年

データ連携基盤は「作って終わり」では意味がありません。当社の開発経験上、構築後に「誰もデータを入れない」「API連携が進まない」という事態が頻発します。三重県MIEROPAのように県内自治体の共同利用を前提にした場合、各市町の担当者が「自分たちにメリットがある」と実感できる初期ユースケース(災害情報共有など)を3ヶ月以内に見せることが定着の分かれ目です。技術的な完成度より、「使われ続ける仕組み」の設計に初期段階で注力すべきと考えています。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

神戸市が「Urban Innovation KOBE」で官民共創プログラムを推進した事例

神戸市:2024年度 大学発アーバンイノベーション神戸採択結果一覧

項目内容
企業名神戸市
業界政令指定都市
ビフォー市民課題ごとに小規模POCが乱立、スタートアップ協働も個別契約で横連携が乏しい。
アフターUrban Innovation KOBEを設置し、毎年5課題前後を公募→スタートアップと協働実証。成果データはオープンデータポータルで公開。

神戸市では、市民課題に対する小規模な概念実証(POC)が乱立し、スタートアップとの協働も個別契約となっていたため、横連携が不足していました。既存施策が縦割りとなり重複投資が発生する一方、市民や事業者の声を迅速にサービスに反映する仕組みが求められていました。

同市は2018年から「Urban Innovation KOBE」を継続実施し、毎年5課題前後を公募してスタートアップとの協働実証を推進。NPOコミュニティリンクが事務局となり、採択後4ヶ月でPOCから成果報告ピッチまでを完結させる迅速な運営を実現しています。

累計40を超えるスタートアップとの協働により、交通渋滞解析、ウェブUX改善、政策提案AIなど多分野にわたる実証を展開。生成されたデータセットはdata.city.kobe.lg.jpでAPI提供され、オープンデータポータルとして市民や企業が活用できる環境を整備。

官民共創による課題解決とデータ基盤の構築を同時に進める先進的なプログラムとして全国から注目されています。

つくば市がFIWARE基盤でスマートシティ機能を統合した事例

shiryou12.pdf

項目内容
企業名つくば市
業界基礎自治体
ビフォー交通・環境など都市データが部局・企業間で分断。新サービス実装のたびに個別接続が必要。
アフタースマートシティ協議会でデータ連携基盤を構築(FIWARE準拠)。MaaS/自動運転/IoTセンサーをAPI連携。

つくば市では、交通や環境などの都市データが部局や企業間で分断されており、新サービスを実装するたびに個別接続が必要という非効率な状況でした。コロナ禍で公共交通の需要変動に即応できず、「都市と郊外の二極化」是正にデータ活用が不可欠という課題に直面していました。

同市はつくばスマートシティ協議会を設立し、筑波大学やKDDIなどとの産官学協働でFIWARE準拠のデータ連携基盤を構築。MaaSや自動運転、IoTセンサーなどをAPI連携することで、拡張容易な横串システムを実現しました。2023年度までに40以上のデータセットを統合し、自動運転とラストワンマイルの実証を複数回実施。

情報連携基盤により新規サービス開発期間を半減させる効果も確認されています。国交省スマートシティ官民連携プロジェクトに採択され、都市データの統合活用により市民サービス向上と業務効率化を同時に実現する先進モデルとして評価されています。

会津若松市が地域通貨連携でAPI経済圏を構築した事例

07_02_tis.pdf

項目内容
企業名会津若松市
業界地方自治体
ビフォー分野ごとに個別システム導入→データ連携にコストと時間。
アフタースマートシティ会津若松として医療・行政・防災・決済等を共通データ基盤で連携。地域通貨「会津コイン」も展開。

会津若松市では、医療、行政、防災などの各分野で個別にシステムが導入されており、データ連携に多大なコストと時間を要していました。広域連携が必要な豪雪対策や医療過疎などの課題を一体的に解決するため、複数ステークホルダーのデータを安全に共有する仕組みが求められていました。

同市は情報戦略課とAiCTコンソーシアムが連携し、「スマートシティ会津若松」として7分野40以上のサービスを同一のデータ基盤に統合。特に地域通貨「会津コイン」の導入により、決済データを通じた地域経済の可視化とサービス連携を実現しています。

ヘルスケアパスポートなどの住民参加型サービスも拡大し、データドリブンな都市運営を推進。API経済圏の構築により、民間企業も含めた新サービス創出が活発化しています。地域DXのショーケースとして内外から多数の視察を受け入れており、データ基盤を核とした官民連携の成功モデルとして全国の自治体から注目を集める先進事例です。

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小規模自治体でも再現できた低コスト導入

予算や人員に制約がある小規模自治体でも実現可能な、低コストでのDX導入事例をご紹介します。

  • 伊那市が「DXしあわせのまち宣言」でモバイル活用の地域課題解決を実現した事例
  • 鯖江市がオープンデータダッシュボードで市民主導の可視化を推進した事例

伊那市が「DXしあわせのまち宣言」でモバイル活用の地域課題解決を実現した事例

「伊那市DXしあわせのまち宣言」:伊那市公式ホームページ

項目内容
企業名伊那市
業界地方自治体(人口約6.7万)
ビフォー山間地域ゆえ医療・行政サービスの物理的アクセスが困難。
アフターDXしあわせのまち宣言の下、モバイル診療車・移動投票所・遠隔行政サービスをスモールスタート。

伊那市では、山間地域という地理的特性により、医療や行政サービスへの物理的アクセスが困難という課題を抱えていました。高齢化と過疎化が進む中で従来サービスの維持が困難になっており、限られた予算制約の中での解決策が求められていました。

同市は「DXしあわせのまち宣言」を掲げ、モバイル診療車、移動投票所、遠隔行政サービスなどをスモールスタートで導入。無人航空機物流や遠隔医療を組み合わせた包括的なサービス提供体制を構築しました。

市民協働でプロトタイプを早期検証する手法により、コストを抑えながら実用的なサービスを実現。総務大臣賞やMCPCアワードなど複数の外部表彰を受賞し、小規模自治体でも再現可能なDXモデルとして注目されています。

新産業技術推進ビジョン第2期を策定し、継続的な改善と拡張を図っており、人口6.7万人規模の自治体における地域課題解決型DXの成功事例として全国から参考にされています。

鯖江市がオープンデータダッシュボードで市民主導の可視化を推進した事例

鯖江市オープンデータダッシュボードを公開します! – めがねのまちさばえ 鯖江市

項目内容
企業名鯖江市
業界地方自治体
ビフォーCSV配布が中心で「データが埋もれる」状態。部局横断の可視化が困難。
アフターオープンデータ・ダッシュボードをjig.jpと共創(2024年11月公開)。自動更新&グラフ化で市民・職員が即活用。

鯖江市では、オープンデータの提供がCSV配布中心となっており、「データが埋もれる」状態で市民による活用が進んでいませんでした。「市民主役」の政策を掲げる一方、データ活用の敷居が高く、部局横断での可視化も困難という課題がありました。

同市はデジタル推進課が主導し、jig.jpとの共創により「オープンデータ・ダッシュボード」を2024年11月に公開。自動更新機能とグラフ化により、市民と職員が即座にデータを活用できる環境を整備しました。人口動態から他分野への拡張も計画されており、Code for SabaeやDATA CITY Sabaeなどの市民主導プロジェクトとも連携。

「ITのまちさばえ」として国内最早期にオープンデータに取り組んだ実績を活かし、産官学民連携で継続的な改良を進めています。低コストでありながら市民参加型のデータ可視化を実現し、小規模自治体でも実践可能なオープンデータ活用モデルとして評価されている先進事例です。

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官民連携/補助金活用に成功

民間企業との効果的な連携や国の補助金を活用して、持続可能なDXを実現した事例をご紹介します。

  • 福井県が「CO-FUKUI未来技術」でスタートアップ支援と地域課題解決を両立した事例
  • 加古川市がデジタル手続条例でオンライン化を一括推進した事例

福井県が「CO-FUKUI未来技術」でスタートアップ支援と地域課題解決を両立した事例

CO-FUKUI 未来技術活用プロジェクト

項目内容
企業名福井県
業界都道府県
ビフォー個別自治体ごとの実証実験が散発し、成果が横展開されにくい。
アフターCO-FUKUI未来技術活用プロジェクトで補助金+マッチング+実証支援を一体提供。官民連携を促進。

福井県では、個別自治体ごとに実証実験が散発的に行われており、成果の横展開が困難という課題がありました。スタートアップ誘致と地域課題解決を同時に進めたい一方、市町による個別連携では調整コストが高くなるという問題を抱えていました。

同県は「CO-FUKUI未来技術活用プロジェクト」を立ち上げ、補助金、マッチング、実証支援を一体的に提供する仕組みを構築。県主導のスタートアップ支援により、課題提示型のアクセラレーション方式を採用しました。採択企業には最大300万円の補助金を提供し、実証から社会実装までを事務局が伴走支援。

県内全市町で利用可能なスキームにより、個別調整の負担を軽減しながら成果の横展開を促進しています。官民連携による地域課題解決とスタートアップ成長を両立させる持続可能なエコシステムとして、他の都道府県からも注目される先進的な取り組みです。

加古川市がデジタル手続条例でオンライン化を一括推進した事例

» 行政手続オンライン化 何からはじめる?~加古川市の事例に見る行政DXの進め方① | GDX TIMES

項目内容
企業名加古川市
業界地方自治体
ビフォー給付金申請やワクチン予約で電話・窓口がパンク。手続2,800種類の棚卸しも未着手。
アフター手続オンライン化+デジタル手続条例を制定。スマホ申請→内部処理まで一気通貫、申請者26万人へ即給付。

加古川市では、給付金申請やワクチン予約で電話・窓口がパンク状態となり、「3密窓口」の解消が最優先課題となっていました。2,800種類もの手続きの棚卸しも未着手で、個別条例改正による事務負荷も大きな問題でした。

同市は独自フォーム開発により、スマホ申請から内部処理までの一気通貫システムを構築。デジタル手続条例を制定することで、個別条例改正の事務負荷をゼロにする画期的な仕組みを実現しました。ワクチン予約では抽選方式を実装して電話待ちを解消し、26万人への即座の給付を実現。

2,848手続きの棚卸し調査から件数基準で優先順位を付け、効率的なオンライン化を推進しました。1,500台の見守りカメラなどスマートシティ施策への波及効果も生まれ、推進責任者は地方公務員アワード2021を受賞。

内部処理フローをオープンデータとして公開するなど、透明性と再現性を重視した先進的なDX推進モデルとして高く評価されています。

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自治体がDXを成功させるポイント

自治体DXを確実に成功に導くための重要なポイントをご紹介します。

ビジョンとKPIを明確に設定する

自治体DXの成功には、明確なビジョンと測定可能なKPI設定が不可欠です。KPIとは重要業績評価指標のことで、目標達成度を数値で測る指標を指します。

多くの成功事例では、「住民満足度向上」「業務効率化」「コスト削減」といった抽象的な目標ではなく、「窓口待ち時間30%短縮」「手続き処理時間を1週間から1日に短縮」「年間残業時間1,000時間削減」など具体的な数値目標を設定。定期的な効果測定により進捗を可視化し、必要に応じて軌道修正を行っています。

ニューラルオプト編集部

全庁的な取り組みとするため、首長がリーダーシップを発揮し、部局横断での推進体制を構築することが重要なポイントとなります。

小規模から始めて成果を可視化する

大規模なシステム刷新ではなく、小さな成功事例を積み重ねることで組織全体の変革を促進する手法が効果的です。

成功している自治体の多くは、1つの部署や特定の業務から始めて確実な成果を上げ、その後全庁展開を図るアプローチを採用。例えば札幌市の児童手当業務のRPA化や恵庭市の税務課でのAI-OCR導入など、効果が数値で示しやすい業務を選定しています。

初期成果を庁内で共有することで職員の理解と協力を得やすくなり、次の展開に向けた予算確保や人員配置もスムーズに進む傾向があります。

スモールスタートで失敗するパターンとして、「成果が出たのに横展開されない」ケースが多々あります。理由は、成功部署の担当者が異動したり、他部署が「うちは状況が違う」と抵抗したりするため。私たちが支援する際は、初期PoCの段階から「横展開マニュアル」と「効果測定の型」を作り込むことを推奨しています。例えば札幌市の児童手当RPA化なら、「1件20秒処理」という明確な数値と再現手順を文書化し、税務課や福祉課でも同じ効果測定ができる状態にする。この「型化」がないと、せっかくの成功が属人化して終わります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

職員と住民の参画を促進する

DXの成功は技術導入だけでなく、関係者の理解と積極的な参画にかかっています。

職員については、単なる業務指示ではなく研修制度の充実や内製化支援により主体的な取り組みを促進。長岡市では3段階の研修制度でRPAシナリオ作成を職員が担当し、コミュニティ形成により知識共有を活性化しています。

住民に対しては、横須賀市の生成AIチャットボット「ニャンぺい」のように、実証実験段階から市民参加を募り、フィードバックを改善に活用する手法が有効です。

ニューラルオプト編集部

デジタルに不慣れな住民への配慮も重要で、従来の窓口対応を並行して維持しながら段階的にデジタル化を進めることで、誰一人取り残さないDXを実現できます。

ガバナンスとセキュリティ体制を整備する

自治体DXでは個人情報や機密情報を扱うため、適切なガバナンスとセキュリティ対策が必須となります。

推進体制については、情報システム部門だけでなく企画部門や各事業部門を横断する専門組織の設置が効果的。加古川市のようにデジタル手続条例を制定し、法的根拠を明確化することで継続的な推進を担保する手法も有効です。

セキュリティ面では、LGWAN(総合行政ネットワーク)対応やクラウドサービスの適切な選定、職員研修による情報セキュリティ意識の向上が重要。

ニューラルオプト編集部

システム障害や情報漏洩などの緊急事態に備えた事業継続計画(BCP)の策定と定期的な訓練実施により、リスク管理体制を強化することが求められます。

継続的な運用・改善サイクルを設計する

DX導入後の継続的な改善こそが、長期的な成功を左右する重要な要素です。

成功事例では、導入効果の定期的な測定と分析、利用者フィードバックの収集と反映、技術進歩に応じたシステム更新など、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善の循環)を確立。福岡市のLINE公式アカウントでは利用ログを基に機能追加を継続し、つくば市では産官学協働により新技術の実証と実装を繰り返しています。

職員のスキル向上や組織文化の変革も並行して進め、外部環境の変化に柔軟に対応できる体制作りが重要です。予算の継続確保と人材育成を組み合わせることで、一時的な導入効果にとどまらない持続的な価値創出を実現できます。

DX導入後の「伴走支援期間」をどう設計するかが、長期的な成否を分けます。当社では、システム納品後3〜6ヶ月間を「定着フェーズ」と位置づけ、月次で利用ログ分析と現場ヒアリングを実施します。この期間に「使われていない機能の削除」や「現場の使いにくいポイントのUI改善」を小刻みに繰り返すことで、職員の利用習慣が定着します。逆に、納品時点で伴走が終わると、初期の不便さが放置され利用率が下がる悪循環に陥りがち。福岡市のLINE公式アカウントのように利用ログを継続分析する体制があるか、発注段階で確認すべきです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

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自治体DXならニューラルオプト

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単なる技術提供ではなく、課題解決コンサルティングから対応可能な点が最大の特徴です。自治体様の抱える課題を詳細にヒアリングし、最適なソリューションをご提案。データサイエンス、データマイニング、テキストマイニングなどの知見を活かし、RPAによる業務効率化からAIチャットボットによる住民サービス向上まで幅広く対応いたします。

「失敗リスクを最小化する」をコンセプトに、課題起点での解決策提案、組織への定着支援、運用後の継続的改善まで総合的にサポート。ECサイト「eBay」の価格自動設定AIや手書き文字のAI認識システムなど、実績豊富なチームが自治体DXの成功をお手伝いします。まずはお気軽にご相談ください。

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開発・支援事例

著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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