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営業のDX事例15選!アポ率・成約率アップや工数削減、商談創出など

営業のデジタル変革(DX)は、多くの企業で売上向上や業務効率化を実現する重要な取り組みとなっています。しかし、「どのような効果が期待できるのか」「自社に適したツールは何か」など、具体的な導入イメージを掴むことは簡単ではありません。

本記事では、日本企業15社の営業DX成功事例を、達成した成果別に5つの軸で分類してご紹介します。

受注率向上から商談創出、コスト削減、予測精度向上、顧客単価アップまで、それぞれの企業がどのような課題を解決し、どの程度の成果を上げたのかを詳しく解説。自社の営業課題に合わせて参考にできる事例を見つけていただけます。

矢野経済研究所が2025年に公表した法人アンケート調査(国内民間企業453社対象)によれば、CRM・SFAの導入形態としてSaaSを選択する企業は2016年調査から39.6ポイント増加しており、営業DXツールのクラウド利用は急速に拡大しています。本記事で紹介する各社の事例は、こうした市場拡大の最前線で具体的な成果を上げた実践例です。

出典: ERP及びCRM・SFAにおけるクラウド基盤利用状況の法人アンケート調査を実施(2025年)/株式会社矢野経済研究所/2025年5月

この記事でわかること
  1. 営業DXは「受注率向上」「商談創出」「工数削減」「可視化」「LTV向上」の5領域で成果が出ており、自社の最大ボトルネックがどこかを一つに絞ることが、ツール選定と投資対効果の明確化につながる。
  2. 受注率・商談数を伸ばした事例に共通するのは「勘依存からデータ依存への転換」。LIFULLや400Fのように、優秀な営業担当者の通話・商談パターンをAIで可視化し「勝ちパターン」として横展開することで、個人差を組織力に変換できる。
  3. ツール導入だけでは成果は出ない。キユーピーの「活用できるダッシュボード設計と育成プログラム」や日本リカーの「表彰制度との併用」が示すように、現場の入力習慣化と定着支援なしには、高機能なSFA・CRMも社内の「使われないシステム」に終わるリスクがある。

なお以下の記事ではDXの事例をより網羅的に紹介しています。

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目次

受注率・売上を伸ばした事例

以下の6つの事例をご紹介します。

  • LIFULLがMiiTelでアポ獲得率4倍を達成した事例
  • 殖産ベストがSalesforceで反響2.5倍・成約率1.2倍を実現した事例
  • 野村不動産ソリューションズがMiiTelでアポ獲得率31%向上した事例
  • 400FがMiiTel Meetingsで受注率40ポイント向上した事例
  • キヤノンマーケティングジャパンがSales Cloudで受注率20%向上した事例
  • SALES ROBOTICSがスピーダで受注率約3倍を達成した事例

LIFULLがMiiTelでアポ獲得率4倍を達成した事例

THE MODEL×MiiTelで組織を立ち上げ 10ヶ月でアポイント獲得率が4倍に | MiiTel(ミーテル) | 音声解析AI

項目内容
企業名株式会社LIFULL
業界インターネット/不動産情報
ビフォー新規開拓のインサイドセールス立ち上げ期で、スキル標準化・可視化・教育体制が課題
アフターMiiTelで通話を可視化・スコア化し、10カ月でアポ獲得率4倍、通話率10%改善を実現

LIFULLは、不動産情報サービス「HOME’S」で知られる企業です。同社では新規開拓のインサイドセールス組織を立ち上げる際、外注から内製化への転換に伴い、営業スキルの標準化と効率的な教育体制の構築が急務となっていました。

導入したMiiTel(ミーテル)は、AI音声解析により通話内容を自動でスコア化し、営業担当者のトーク内容や聞く姿勢を数値で可視化するツール。これにより、優秀な営業担当者の通話パターンを分析し、全体で共有することが可能になりました。

特に「トーク・リッスン比率」などの客観的指標を活用することで、感覚に頼らない科学的な営業改善を実現。結果として、わずか10カ月でアポイント獲得率を4倍に向上させ、通話率も10%改善という大きな成果を上げています。

この事例が10か月という短期間で成果を出せた背景には、「インサイドセールスを立ち上げたばかりで、既存の流儀がなかった」という条件が大きい。すでに対面営業文化が根付いた組織でMiiTelのようなスコアリングツールを導入すると、「数字で評価されることへの抵抗感」から現場が反発し、データが蓄積されないまま放置されるケースも多いです。ツールの導入前に「なぜ可視化するのか」という目的を現場と共有するプロセスを必ず設けるべきです。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

殖産ベストがSalesforceで反響2.5倍・成約率1.2倍を実現した事例

殖産ベスト株式会社 | セールスフォース・ジャパン

項目内容
企業名殖産ベスト株式会社
業界不動産仲介
ビフォー早期からデジタル化は進めたが、情報共有・進捗管理が売上に直結しづらい状況
アフターSales Cloud+Account Engagementを中核にDXを加速し、反響2.5倍・成約率1.2倍、残業ほぼゼロでも営業1人当たり売上が業界平均1.6倍を達成

不動産仲介業を展開する殖産ベストでは、デジタル施策は点在していたものの、営業効率と成約につながる仕組みが不十分でした。同社が注目したのは、顧客の「買い時」を逃さないナーチャリング(見込み客育成)の重要性です。

Salesforceの「Sales Cloud」と「Account Engagement(旧Pardot)」を組み合わせることで、マーケティングオートメーション(MA)機能を活用した休眠顧客の掘り起こしを強化。顧客の行動履歴や関心度に応じて最適なタイミングでアプローチすることが可能になりました。

この取り組みにより、問い合わせなどの反響は2.5倍、成約率は1.2倍に向上。さらに注目すべきは、残業をほぼゼロにしながらも営業1人当たりの売上を業界平均の1.6倍まで押し上げたことです。効率化と成果向上を同時に実現した好例といえるでしょう。

野村不動産ソリューションズがMiiTelでアポ獲得率31%向上した事例

MiiTelを導入してアポイント獲得率31%アップ 送客スピード、送客数が格段に向上 | MiiTel(ミーテル) | 音声解析AI

項目内容
企業名野村不動産ソリューションズ株式会社
業界不動産
ビフォー対面・電話中心の運用で会話の可視化・ノウハウ共有が難しく、インサイドセールスの送客効率に改善余地
アフターMiiTel導入で会話をスコア化・可視化し、アポイント獲得率31%アップ、送客スピード・送客数が向上

野村不動産グループの野村不動産ソリューションズは、従来の対面・電話中心の営業スタイルから脱却を図る必要がありました。特に課題となっていたのは、優秀な営業担当者のノウハウがブラックボックス化しており、組織全体でのスキル向上が困難だったことです。

MiiTelの音声解析機能により、通話内容を自動でスコア化し、「良い通話」の特徴を数値で把握できるように。録音された通話内容を組織内で共有することで、成功パターンの横展開が可能になりました。

この仕組みによって、インサイドセールスチームのアポイント獲得率は31%向上し、営業部門への送客スピードと送客数の両方で改善を実現。短期間でのKPI改善を達成した事例として注目されています。

400FがMiiTel Meetingsで受注率40ポイント向上した事例

キーワード検索機能で成約に繋がるパターンを言語化 受注率は40ポイントアップ | MiiTel(ミーテル) | 音声解析AI

項目内容
企業名株式会社400F
業界金融サービス(フィンテック/FPマッチング)
ビフォーZoom録画のみで商談がブラックボックス化し、勝ち筋の言語化・横展開が困難
アフターMiiTel Meetingsでキーワード検索×会話分析を運用し、受注率が40ポイントアップ

フィンテック分野でFP(ファイナンシャルプランナー)マッチングサービスを展開する400Fでは、商談の質向上が大きな課題でした。従来はZoomでの録画のみで商談内容を把握しており、「なぜ受注につながったのか」「どのような話し方が効果的なのか」といった成功要因の分析が困難でした。

MiiTel Meetingsは、オンライン商談の録画・録音データをAIが自動で文字起こしし、キーワード検索や会話分析を可能にするツール。これにより、受注につながった商談の共通点を抽出し、「勝ちパターン」として全営業担当者に共有することができるようになりました。

具体的な話法やトークの流れを言語化して横展開した結果、受注率は驚異的な40ポイントの向上を実現。商談の科学的分析が大きな成果をもたらした事例です。

キヤノンマーケティングジャパンがSales Cloudで受注率20%向上した事例

SalesCloud活用例(キヤノンMJ社内事例)|Salesforce導入支援|キヤノン

項目内容
企業名キヤノンマーケティングジャパン
業界IT・オフィス機器販売/SI
ビフォー部門ごとに表計算で案件管理、入力のバラつきで見込み精度・連携に課題
アフターSales Cloudで一元化・可視化し受注率20%向上、マネジメントと引継ぎが円滑化

キヤノンの国内販売会社であるキヤノンマーケティングジャパンでは、部門ごとに異なる表計算ソフトで案件管理を行っており、情報の標準化と共有に課題を抱えていました。商材やプロセスの多様化により、従来の自社開発システムでは対応が困難になっていたのです。

Salesforceの「Sales Cloud」導入により、約1,000ユーザーの営業活動を一元管理する体制を構築。商談の進捗状況や顧客情報を統一フォーマットで可視化することで、マネージャーによる的確な助言や、担当者変更時の引継ぎがスムーズになりました。

特に重要なのは、導入後も継続的に画面改修や再トレーニングを実施し、現場での定着を重視したことです。この取り組みにより商談受注率は20%向上し、費用対効果を最大化しています。

SALES ROBOTICSがスピーダで受注率約3倍を達成した事例

SALES ROBOTICS株式会社|経済情報プラットフォーム スピーダ(Speeda)

項目内容
企業名SALES ROBOTICS株式会社
業界B2Bセールス支援
ビフォー総当たり型インサイドセールスで非効率、広告月300万円で約100リード、商談→受注率約10%
アフターSQL基準で商談化を厳選し受注率37.8%、広告依存を見直し共催イベントで年8,000リード獲得

B2Bセールス支援を行うSALES ROBOTICSでは、従来の「数撃ちゃ当たる」式のアプローチに限界を感じていました。月額300万円の広告費をかけて約100件のリードを獲得していましたが、受注率は約10%と低迷。効率の悪い営業活動が続いていました。

同社が導入したスピーダ顧客企業分析(旧FORCAS)は、企業の財務データや成長性を分析し、自社商材にとって最適な顧客を特定するツール。これによりABM(アカウントベースドマーケティング)の視点でターゲティングを精緻化し、「数字を共通言語」とした営業活動を展開しました。

さらに、決算期を逆算したアプローチなど、データに基づいた戦略的な営業手法を確立。結果として受注率は10%から37.8%へと約3倍に向上し、広告費の大幅削減と同時に共催イベントによる年間8,000件のリード獲得を実現しています。

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商談創出・見込み客を増やした事例

以下の4つの事例をご紹介します。

  • NTT東日本がMA運用でメール配信から1カ月で受注を実現した事例
  • パナソニック インダストリーがHubSpotでリード獲得数3.5倍を達成した事例
  • 大東建託がSalesforceでデジタル×リアル融合により未接点層への到達を拡大した事例
  • ラクサスマネジメントがbellFaceで商談数最大6倍を実現した事例

NTT東日本がMA運用でメール配信から1カ月で受注を実現した事例

東日本電信電話株式会社様:導入事例 – BtoBマーケティングソリューション | NTTコム オンライン

項目内容
企業名東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
業界通信/ICT
ビフォーデジタル施策は行うものの、送客(MQL)偏重で商談・受注への接続に伸びしろ。組織横断の連携も課題
アフター業種別シナリオメール×MA運用でナーチャリング精度を向上。インサイドセールス連携を強化し、メール配信後1カ月で受注に至るケースも創出

通信事業大手のNTT東日本では、オウンドメディア「Biz Drive」を中心とした集客力は十分にありましたが、MQL(マーケティングクオリファイドリード:マーケティング部門が創出した見込み客)の創出に偏重しており、実際の商談化・受注化への連携がボトルネックとなっていました。

同社が注目したのは、業種別のシナリオ設計によるマーケティングオートメーション(MA)の精度向上です。顧客の業種や関心領域に応じてメッセージ内容を最適化し、資料ダウンロードなどの行動を検知した際には、タイムリーにインサイドセールスチームへ引き継ぐ仕組みを構築しました。

この一気通貫の設計により、ホットリード(見込み度の高い顧客)の目標を150%継続達成しながら、メール配信から約1カ月という短期間での受注事例も創出。大規模B2B企業における効率的なリード育成の成功例として注目されています。

MAの「シナリオ設計」は、実務上かなりの工数がかかる作業です。「業種別にメールの内容を変える」と言葉にすると簡単に聞こえますが、業種を何パターンに分けるか、どのメールに何のリンクを入れるか、どのアクションをトリガーにするかを決めるだけで、マーケティング担当者が数か月かかることは珍しくありません。
MA導入後に「シナリオが組めなくて使えていない」という状態が最もよくある失敗で、ツールを動かす前に「シナリオを誰が設計するか」を決めておくことが必須です。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

パナソニック インダストリーがHubSpotでリード獲得数3.5倍を達成した事例

リード獲得数3.5倍 – パナソニック インダストリーがHubSpotで実現したデータ活用と営業・マーケティング強化事例 | HubSpot認定パートナー 株式会社100(ハンドレッド)

項目内容
企業名パナソニック インダストリー株式会社
業界製造(電子部品)
ビフォー事業会社化を機に、営業・マーケティングの顧客接点をハイブリッド化する必要
アフターHubSpotを中心に顧客データを統合。アナログ×デジタルのハイブリッド営業でCXを刷新

パナソニックの電子部品事業を担うパナソニック インダストリーでは、事業会社化に伴い、従来の対面中心の営業スタイルからデータドリブンな見込み客アプローチへの転換が必要でした。既存の対面営業の強みを活かしながら、デジタルチャネルとの融合を図ることが課題となっていたのです。

同社が選択したHubSpotは、CRM(顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)、Content Hub(コンテンツ管理)を統合したプラットフォーム。これにより顧客情報を一元化し、意思決定の高速化を実現しました。

特に重要なのは、アナログとデジタルを組み合わせたハイブリッド営業により、顧客体験(CX)全体を刷新したことです。外部パートナーの支援も受けながら本格運用を進めた結果、リード獲得数は3.5倍に向上。営業DXを全社DXの柱として位置付けた戦略的取り組みが成果を上げています。

大東建託がSalesforceでデジタル×リアル融合により未接点層への到達を拡大した事例

大東建託 様 デジタルマーケティング×デジタルセールス事例 : 富士通

項目内容
企業名大東建託株式会社
業界不動産・建設
ビフォー対面中心の営業で、非対面でも機会創出できる仕組みが課題
アフターPardot(現 Account Engagement)×Salesforceでデジタルマーケティング×セールスを融合し、未接触層への到達機会を拡大

賃貸住宅建設大手の大東建託では、従来の対面営業が中心でしたが、コロナ禍による対面制約もあり、非対面チャネルでの新規開拓や休眠顧客の掘り起こしが急務となっていました。特に、これまで接触できていなかった潜在顧客層へのリーチ拡大が重要な課題でした。

同社はSalesforceと「Pardot(現 Account Engagement)」を組み合わせたMA×CRM一体運用を採用。PoC(概念実証)から本格導入へと段階的に進め、デジタルマーケティングとセールスの分業設計を構築しました。

これにより、リアル営業とデジタル施策の役割を明確に分けながら、ターゲティング精度の向上と商談増加を実現。未接触層への到達機会を大幅に拡大し、新規リーチと商談化の面積拡大に成功しています。

ラクサスマネジメントがbellFaceで商談数最大6倍を実現した事例

商談数が6倍に!オンライン商談で不動産を売り切る信頼関係の築き方とは | ベルフェイス(bellFace)

項目内容
企業名ラクサスマネジメント株式会社
業界不動産(投資用マンション)
ビフォー訪問中心で移動時間がネック、商談・成約の伸び悩み
アフターオンライン化で商談数最大6倍、日々のアポも3〜4倍、オンライン完結の成約も創出

投資用マンション販売を手がけるラクサスマネジメントでは、従来の訪問営業中心のスタイルにより移動時間がネックとなり、商談数の拡大に限界がありました。特に高単価商材のため、対面での信頼関係構築が重要視されていましたが、接触頻度の制約が成長の障壁となっていたのです。

同社が導入したbellFace(ベルフェイス)は、電話とWeb画面を組み合わせたオンライン商談システム。録画機能やレコログ(録画ログ)活用により、優秀な営業担当者のノウハウを効率的に共有できる仕組みを構築しました。

商談ルームの常設など物理環境も最適化した結果、月間商談数は従来の50-60件から150-300件へと最大6倍に増加。日々のアポイント件数も平均3-4倍となり、さらにオンラインのみでの成約事例も創出しています。高単価商材でも接触頻度と録画共有により信頼構築を加速させた好例です。

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営業コスト・工数を削減した事例

xenodata lab.のレポートによれば、SFAを含む国内セールステック市場規模は2024年時点で約3,220億円と推計され、2029年には3,460億円に達する見込みです。営業ツールへの投資が拡大する中、以下の事例はROIを明確に示した好例です。

出典: セールステック業界の国内市場規模予測/株式会社xenodata lab.(xenoBrain)/2024年

  • エレコムがSansan Data Hubで月約1,000時間の効率化を実現した事例
  • 日本リカーがUPWARDで活動入力件数約2倍を達成した事例

エレコムがSansan Data Hubで月約1,000時間の効率化を実現した事例

Sansan Data HubでMAとSFAのデータを整備 営業やマーケティングを高度化 (エレコム株式会社)- 導入事例 – Sansan – 営業DXサービス

項目内容
企業名エレコム株式会社
業界製造(デジタル機器関連)
ビフォー名刺・顧客データが分散、Excel管理でMA・SFAと非連携。展示会後のデータ化に約2週間
アフターData Hubでデータ正規化・連携し受注率35%へ向上。月約1,000時間の検索・引継ぎ効率化を実現

PC周辺機器メーカーのエレコムでは、BtoB事業拡大に伴い顧客情報の一元化とMA・SFA連携が必須となっていました。しかし、名刺や顧客データが各部門に分散し、Excel管理により重複や更新遅延が発生。特に展示会で獲得した名刺のデータ化に約2週間を要するなど、施策実行までのリードタイムが課題となっていました。

同社が導入したSansan Data Hubは、名刺管理サービス「Sansan」を中核とした顧客データベース統合ソリューション。名刺情報をデジタル化し、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)と自動連携することで、データ正規化と重複排除を実現しました。

この取り組みにより受注率は20%から35%へと15ポイント向上し、メールクリック率も10%超まで改善。さらに注目すべきは、月約1,000時間という大幅な業務効率化を達成したことです。顧客情報の検索時間短縮や担当者間の引継ぎ効率化により、営業担当者がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整備しています。

日本リカーがUPWARDで活動入力件数約2倍を達成した事例

日本リカー株式会社 – UPWARD

項目内容
企業名日本リカー株式会社
業界商社・卸(ワイン)
ビフォーExcel日報で帰社後入力、活動のブラックボックス化が課題
アフターモバイル入力・地図可視化で活動入力件数が約2倍、訪問頻度UP・連携活性化を実現

ワイン輸入・卸売を手がける日本リカーでは、営業担当者の日報管理をExcelで行っており、帰社後の入力作業が負担となっていました。また、誰がどこで何をしているかの把握が困難で、営業活動がブラックボックス化してしまうことが大きな課題でした。

同社が導入したUPWARDは、モバイル端末を活用した営業支援ツール。GPS機能による滞在検知、名刺のスキャン機能、地図上での顧客可視化などを備えています。特に重要なのは、現場での入力習慣化を促進するため、活動量に応じた表彰制度なども併せて導入したことです。

Salesforceとの連携により、営業活動データを自動で共有する仕組みも構築しました。この取り組みにより、わずか半年で活動入力件数が約2倍に増加。「ついで訪問」を促す地図・近傍顧客表示機能により訪問頻度も向上し、営業担当者と内勤スタッフの連携も活性化しています。

現場起点の入力習慣化と可視化により、定期接点の最適化を実現した事例です。

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売上予測精度・可視化を高めた事例

以下の2つの事例をご紹介します。

  • カゴメがMazrica Salesで営業活動の可視化・意思決定高度化を実現した事例
  • キユーピーがSalesforceで訪問120%・商談化数126%を達成した事例

カゴメがMazrica Salesで営業活動の可視化・意思決定高度化を実現した事例

お客様事例 | カゴメ株式会社 | SFA/CRMツールならMazrica Sales

項目内容
企業名カゴメ株式会社
業界食品・飲料
ビフォー市況変動が大きく、営業活動の可視化と柔軟なマネジメントの必要性が高まる
アフターSFA(Mazrica Sales)導入でデータ統合・可視化を推進。部門横断でDX推進の土台を整備

食品大手のカゴメでは、原材料価格や物流費の高騰、市場縮小などの環境変化に対応するため、営業活動の可視化と柔軟なマネジメント体制の構築が急務となっていました。特に「何が要因で売上が変動しているのか」を迅速に見抜く仕組みが、経営・営業の両面で不可欠でした。

同社が導入したMazrica Sales(旧Senses)は、直感的な操作性を特徴とするSFA(営業支援システム)。営業データの一元化により、部門横断でのデータ共有と可視化を実現しました。重要なのは、営業DXを単なるツール導入ではなく経営課題として捉え直し、理想像から逆算した導入・運用を行ったことです。

ベンダーとの共催セミナーでナレッジ共有を行うなど、業界全体への貢献も意識した取り組みを展開。市況変動の激しい食品業界において、データドリブンな意思決定を支える基盤を整備し、環境変化への対応力を大幅に向上させています。

キユーピーがSalesforceで訪問120%・商談化数126%を達成した事例

キユーピー株式会社 | セールスフォース・ジャパン

項目内容
企業名キユーピー株式会社
業界食品
ビフォー部分最適システムの乱立で内勤作業が多く、入力しても営業現場での活用価値が実感されにくい状況
アフター活用できるダッシュボードとフェーズマネジメントを再設計し、訪問件数前年比120%・商談化数前年比126%、重要商談アクション率27.1%→39.3%を実現

マヨネーズで知られるキユーピーでは、各部門で異なるシステムが乱立しており、営業担当者の内勤作業が増加していました。さらに深刻だったのは、データを入力しても営業現場での活用価値が実感されにくく、「入力負荷>価値実感」というギャップが生じていたことです。

同社の成功要因は、単なるシステム導入ではなく「活用できるダッシュボード」の標準化と現場教育に注力したこと。営業フェーズの基準とゴールを明確化し、進捗判断を共通言語化することで、マネージャーによる的確な助言が可能になりました。

ダッシュボードのパッケージ化と育成プログラムにより、現場主導での使いこなしに転換したのです。この取り組みにより、訪問件数は前年比120%、商談化数は126%に向上。重要商談でのアクション率も27.1%から39.3%へと12ポイント改善し、可視化から実際のアクション創出まで一貫した成果を上げています。

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LTV・単価を向上した事例

以下の事例をご紹介します。

  • 栃木建築社がSalesforceで紹介率30%→50%目標を設定した事例

栃木建築社がSalesforceで紹介率30%→50%目標を設定した事例

栃木建築社 | セールスフォース・ジャパン

項目内容
企業名株式会社栃木建築社
業界住宅・工務店
ビフォー顧客・案件情報が紙・Excelで分散、属人的。紹介関係の把握が困難
アフターSales Cloudで一元化し、会議時間60%削減。フェーズ・アフター対応までToDo化し漏れ防止を実現

地域密着型の工務店である栃木建築社では、住宅市場の縮小という厳しい環境の中で、顧客との生涯にわたる密着関係の構築が経営の生命線となっていました。しかし、顧客情報や案件情報が紙やExcelに分散しており、特に重要な紹介関係の把握が困難な状況でした。

同社が導入したSales Cloudにより、顧客情報の一元化と紹介ネットワークの可視化を実現。会議時間を60%削減することで、営業担当者がより重要な議論や顧客対応に時間を割けるようになりました。特に注目すべきは、住宅引き渡し後のアフターサービスまでをToDo化し、対応漏れを防止する仕組みを構築したことです。

さらに、Account Engagement(MA機能)とEinstein(AI機能)を活用した紹介率向上の構想も進めており、現在の紹介率30%から50%への向上を目標に設定。縮小市場において、既存顧客との長期関係強化によるLTV(顧客生涯価値)最大化を図る戦略的な取り組みを展開しています。



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営業DXを成功させる設計のポイント

営業DX導入の成否は、技術的な要素よりも設計と運用の質に大きく左右されます。以下の5つのポイントを押さえることで、導入効果を最大化できます。

目的・KPIの明確な定義が成功の出発点

営業DXプロジェクトで最も重要なのは、「なぜ導入するのか」「何を改善したいのか」を明確にすることです。前述の事例でも、受注率向上、商談数拡大、コスト削減など、それぞれ異なる目的に応じてツールや運用方法が選択されています。

具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定する際は、現状値と目標値を数値で定めることが重要。「営業効率を上げたい」という曖昧な目標ではなく、「アポイント獲得率を20%向上させる」「商談化率を1.5倍にする」といった測定可能な指標を設定しましょう。

経済産業省が2024年9月に改訂した「デジタルガバナンス・コード3.0」においても、企業はDX戦略の達成度を測る指標を定め、その指標に基づく自己評価を行うことが求められています。営業DXにおけるKPI設計は、この国の指針にも合致した経営実践であり、感覚的な判断ではなくデータに基づいた継続的改善サイクルの構築が成功の前提条件です。

出典: デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~/経済産業省/2024年9月改訂

ニューラルオプト編集部

短期的な効果指標だけでなく、長期的な成果につながる先行指標も併せて設定することで、継続的な改善が可能になります。

現行プロセスの詳細な可視化で課題を特定

ツール導入前に、現在の営業プロセスを詳細に可視化することが不可欠です。多くの企業では、営業担当者によって異なる手法が用いられており、標準化されていないプロセスが混在しています。

プロセス可視化では、顧客の認知から受注・アフターフォローまでの全工程を洗い出し、各段階での課題やボトルネックを特定します。

ニューラルオプト編集部

例えば、「見込み客の情報収集に時間がかかりすぎている」「商談後のフォローアップが属人的になっている」といった具体的な問題点を明らかにすることで、最適なソリューションを選択できるのです。

リスクを抑えたパイロット設計で段階的導入

大規模な営業DX導入では、いきなり全社展開するのではなく、パイロット(試験導入)から始めることが重要。限定された部門や商材で小規模に開始し、効果を検証してから本格展開するアプローチにより、失敗リスクを最小化できます。

パイロット設計では、成功の可能性が高いチームや商材を選定し、3-6ヶ月程度の期間で具体的な成果を出すことを目標とします。

ニューラルオプト編集部

この段階で得られた知見をもとに、運用プロセスの改善や教育プログラムの精緻化を行い、全社展開時の成功確率を高めていくのです。

標準運用プロセスの確立で持続可能な仕組み作り

ツール導入後の運用フェーズでは、役割分担とSLA(サービス品質保証)の明確化が成功の鍵となります。マーケティング部門からの見込み客引き継ぎ、営業担当者間の情報共有、マネージャーによる進捗管理など、各プロセスでの責任者と品質基準を明確に定めることが重要です。

特に重要なのは、データ入力・更新のルールを明文化すること。「いつまでに」「どの項目を」「どの程度の詳細で」入力するかを具体的に定め、全員が同じ基準で運用できる体制を構築します。

ただし入力ルールの粒度は、会社規模によって大きく変える必要があります。100名以下の中小企業でSalesforceなどのSFAに重厚な入力ルールを設けると、入力工数が営業活動を圧迫して「SFAのために仕事している」という状態になりやすいです。
小規模組織では「商談名・金額・次のアクション日」の3項目だけを必須にして始め、定着してから項目を増やすやり方を推奨します。項目数は最初から絞るほど定着率が上がります。

株式会社ニューラルオプト 営業部部長 / DX事業部部長
古谷優輝

東京農工大学大学院 工学府 応用化学専攻 修士課程を修了後、外資系自動車会社にてエンジニアとして自動運転のAI開発などに従事。その後ニューラルオプトに参画し、クライアントのAI開発やSEOツールの開発、RAGなどベクトル検索を活用した検索エンジン開発なども行っています。

現場定着を支援する仕組み作りで継続的成果を確保

営業DXの最大の難所は、現場での定着化です。どれほど優れたツールを導入しても、営業担当者が使いこなせなければ成果は期待できません。キユーピーの事例でも示されているように、継続的な教育とサポート体制の構築が不可欠です。

定着化支援では、初期研修だけでなく、定期的なフォローアップ研修や成功事例の共有会を実施します。また、使いやすい画面設計への改善や、業務負荷を軽減する自動化機能の追加など、現場の声を反映した継続的な改善も重要です。

日本オラクルが営業部門1,200名を対象に実施した調査(2023年)では、SFA/CRMの導入企業のうち約4割が「営業プロセスの効率化に貢献していない」と回答し、約1割は「むしろ手間が増えている」と答えています。

出典: 国内企業調査レポート「営業DXの実態」Vol.2:SFA/CRMは業務プロセス効率化や勝率向上に貢献していますか/日本オラクル株式会社/2023年

この調査結果は、ツール導入だけでは効果が出ず、本記事で紹介した各社のように現場定着と活用高度化への継続投資が成果を分ける要因であることを如実に示しています。

ニューラルオプト編集部

活用度合いに応じた評価制度や表彰制度を設けることで、主体的な利用を促進できます。

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著者

鈴木 佑理のアバター 鈴木 佑理 代表取締役

株式会社ニューラルオプト代表。
東京外国語大学卒業後、大規模言語モデルBERTなどの機械学習を活用したマーケティングツールの研究開発を目的にニューラルオプトを創業。

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